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ビジネス インテリジェンス: BI ソリューションを構築する

既存の IT スタックには、強力なビジネス インテリジェンス ツールが潜んでいる可能性があります。Microsoft BI Solution Builder は、このようなビジネス インテリジェンス ツールを見つけるのに役立ちます。

Mike Thomsen

多くのアナリストや業界ウォッチャーは、データのことを "新しい石油" と表現しています。また、すべての企業は、データの宝庫を持っているが、現在持っているツールを使ってデータを抽出できていないと推測している人もいます。

データは、世界の他の種類の大きな財産に匹敵するものになりました。ただし、同じようなやり方では、データ リソースから価値を見つけて抽出することは、困難な作業になることがあります。新しいデータ ソースの掘り下げ、検索、アクセスのどの作業を行う場合でも、成功を収めるには適切なツールを使うことが必要不可欠です。ですが、社内に既に強力なツールがあるのに、その存在に気付いていない場合は、どうでしょうか。

企業は、データを抽出および洗練して、すぐに使える洞察力のある情報にするために、大規模で複雑なビジネス インテリジェンス (BI) アプリケーションに高額の投資を行っていることが往々にしてあります。残念ながら、多くの企業は、このような BI アプリケーションを既存のアプリケーションの上位アプリケーションとして位置付けたり、並行して使用しています。このようにすると、ユーザーは、BI アプリケーションを使用することを避けて、使い慣れているツールを使用する結果になります。このような専用のアプリケーションに依存する慣習は IT の負担となります。同時に、IT は、エンド ユーザーに新しいプラットフォームの採用を強要します。

実際のところ、企業は、さまざまな製品とテクノロジを使用して、多角的な BI 戦略を実装するようになっています。最近、Forrester Research Inc. のアナリスト Boris Evelson 氏は、「現在普及している "複数の BI ツール" 戦略による未来は見えている」と自身のブログで断言しています。ただし、互換性、統合、ユーザーによる導入については、使用する製品の数が多いほど、混乱を招くことが多くなります。

新しい BI アプリケーションに高額の投資を行ったり、多数の新しい部分的なソリューションの展開に着手したりする前に、社内を調査して、現在の IT スタックに既に存在している BI 機能を確認することをお勧めします。このような製品の多くは、既に使用され、ユーザーが好んで使用している可能性が高いでしょう。このような状況では、Microsoft BI Solution Builder という新しいツールが役立ちます。

より良い BI を構築する

マイクロソフトでは、Excel、SharePoint、および SQL Server という 3 つの製品グループで BI ツールを販売しています。各製品グループには、独自の分析とコラボレーションの機能があります。Excel 2013 を使用すると、企業は、セルフ サービス BI を採用して、これまでにない方法で、データ セットを組み合わせて視覚化することができます。SharePoint には多数の BI 機能がありますが、その中には、ビジネスの業績に関するダッシュボードやスコアカードを作成する機能やユーザーが発行しているコンテンツに関する洞察が瞬時に得られることなどがあります。Microsoft SQL Server 2012 は、データ マイニングからデータ ウェアハウス、高度な分析と報告を行うための他のエンタープライズ データとのスケーラブルな統合に至るまで、さまざまなものを網羅しています。

ただし、社内またはビジネス パートナーで、これらの製品の最新版を運用しているとは限りません。そのため、まず、これらの 3 つの製品グループで使用できる BI 機能を特定する必要があります。この作業は、現在の BI ソリューションの状態を評価することにつながります。この情報は、より総合的なソリューションを構築する基盤となります。

多くの企業は、現在使用しているソリューションに、どれほどの BI 機能が用意されているのかを把握していません。この状況は、ある意味では、基本的な機能すら使用できていない Microsoft Office ユーザーみたいなものです。これは氷山ほどの価値がある機能を購入しているのに、表面に出ているものしか使っていないようなものです。

社内では、既に持っている機能の能力と多数の機能をまったく十分に活用できていない可能性があります。Microsoft BI Solution Builder では、さまざまな製品、バージョン、エディションの組み合わせを入力できます。これらの情報を入力すると、既に持っている製品で提供されている BI 機能が瞬時に表示されます。

既存の資産に BI 機能があることを確認できても、まだ持っていない BI 機能を使いたい場合もあるでしょう。Microsoft BI Solution Builder では、必要な BI 機能を選択して、選択した機能が既にあるのか、新しい製品へのアップグレードが必要なのかを確認できます。

たとえば、会社で、複数のデータ ソースにある何百万行ものスプレッドシートのデータを迅速にコンパイルして分析できる必要があるとします。そのような機能は、現時点では、社内の既存アプリケーションにはない可能性があります。このような状況では、組織への影響を抑えながら、BI への投資で高い利益を得るために、現状をどのように変えたらよいのかということが問題になります。

このギャップを埋めるために、Microsoft BI Solution Builder では、Better (より良い) および Best (最適) というアップグレード シナリオを提示することで、適切な機能を備えた適切な製品を選択して入手する作業を支援しています。この例では、Excel 2013 Professional Plus と PowerPivot のメモリ内分析機能および Power View による視覚化になります。

シンプルなプロセス

Microsoft BI Solution Builder は、2 つの目的を念頭に設計されています。1 つは、現在使用しているマイクロソフト製品の BI 機能について学ぶことで、もう 1 つは、ツールに入力した情報に基づいてカスタマイズしたリソースの一覧と推奨アップグレード パスを提供することです。理想的には、より多くの BI 機能を活用できるように既存のマイクロソフト ソリューションを新しい方法で展開し直す機会を特定できるのが良いでしょう。

この作業もマイクロソフト BI 展開の現状の向上につながりますが、プロセスの一部に過ぎません。最終的なカスタマー レポートでは、データシートや導入事例の確認、評価版のダウンロード、ホワイト ペーパーの調査、アップグレードされたテクノロジで実現可能なことの確認を行えます。

Microsoft BI Solution Builder では、会社名、役割、レベル、業界、場所などの情報を入力した瞬間から、処理が始まっています。これは重要な手順ですが、名前、住所、電子メールなど個人を特定できる情報を入力する必要はありません。このデータ収集は、各企業専用のカスタマー レポートを作成するために行っています。

また、この情報は、マイクロソフトが、使用パターン (特定のツールの使用頻度が最も高い国や業界など) に関する理解を深めるのにも役立ちます。Microsoft BI Solution Builder では、BI の使用状況、機器の好み、既存の BI アプリケーションに関する情報も収集します。この情報は、プロセスの最後にカスタマー レポートをより効率的かつ正確にカスタマイズするのに役立ちます。

次に、Microsoft BI Solution Builder では、現在持っているアプリケーションのバージョン (2010、2013) とエディション (Enterprise、Standard) を選択する手順が提示されます。BI 機能は、Excel、SQL Server、SahrePoint 以外の製品にもあるので、Visio、Visual Studio、Office 365、Windows Azure のフィールドも用意されています。便利な表形式により、選択した製品の BI 機能を簡単に確認できます。表をポイントすると、特定の機能に関する詳細情報を確認できます。

探している BI 機能 (予測分析、セルフサービス BI、ビッグ データ/Hadoop との統合、データ ウェアハウスなど) を入力するように求められます。この表では、ソリューションを実現するために、できることと、必要なことを一目で確認できます。この情報は最終レポートにエクスポートすることも可能です (図 1 参照)。

Microsoft BI Solution Builder の表では、各ソリューションで提供されている機能を確認できる

図 1 Microsoft BI Solution Builder の表では、各ソリューションで提供されている機能を確認できる

表に既存の製品と必要な機能が表示されたら、[View Report] (レポートの表示] をクリックすると、総合的なレポートのページに移動します。このレポートには、アップグレード パスに関する推奨事項、詳細なリソース (ユーザーが入力したデータに基づいてカスタマイズされたもの)、次のステップのためのリンク (製品の試用版のダウンロードなど) が含まれています。

レポートは、企業に合わせて作成されているので、提示されるリソースは、より意味があるもので、調査しやすくなっています。たとえば、製造プロセスの監視に BI を使用していると入力した場合は、より良い分析がサプライ チェーンの可視性の向上と問題の原因分析の促進にどのように役立つのかを説明した導入事例、ホワイト ペーパー、および記事が提供されます。

ツールから離れて考える

有益な情報、ガイド、およびリソースが用意されているにもかかわらず、Microsoft BI Solution Builder は、Web ベースのエクスペリエンスとして提供されています。そのため、このツールは使いやすくなっています。ただし、ブラウザーを閉じたり、洞察を上司と共有したい場合は、どうでしょうか。また、ライブ チャットで質問したり、このツールで入手した情報について、マイクロソフトから連絡がほしい場合はどうでしょうか。

Microsoft BI Solution Builder は、このようなことにも対応しています。レポート全体を PowerPoint にエクスポートできるので、機能の表、アップグレード パス、リソースのリンクは、すべて維持できます。[Chat Now] (今すぐチャット) アイコンをクリックして、マイクロソフトのサポート担当者と会話を始めたり、[Contact Me] (お問い合わせ) アイコンをクリックして、質問のメールをマイクロソフトに送ることができます。

既存のマイクロソフト製品にある新しい BI 機能が判明したら、設備を更新したり、BI の慣習を拡張したりして、ユーザーによる導入を同時に促進することができます。Microsoft BI Solution Builder を使用すると、データの "油田" を活用し、よく知っているソリューションを使って、データを抽出して、有意義なビジネスの洞察力に変えることができます。

Mike Thomsen

Mike Thomsen は、マイクロソフトのビジネス アナリティックスのシニア プロダクト マーケティング マネージャーです。彼は、2006 年からマイクロソフトで働いています。米国内における、ビジネス インテリジェンス (BI)、ビッグ データ、データ ウェアハウスのマーケティング プログラムの推進を担当しています。また、マイクロソフトの BI イベント戦略、エクスペリエンシャル マーケティング エンジン、パートナーの取り込み、販売の実施と準備、幹部クラスの関与を促す活動も担当しています。マーケティングの MBA とジャーナリズムの学士号を取得しています。マイクロソフトで働く前は、ナショナル パートナー アカウント マネージャーおよびストラテジック アカウント エクゼクティブとして Computer Associates で 7 年間働いていました。

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