ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品
今月の IT ツールボックス コラムでは、監視データの統合、モニターの明るさの自動調整、およびタスクのスケジュールと管理を行うツールを紹介します。
Greg Steen
Splunk
すべてのシステムを管理して、不具合が起こったときに、そのことをいち早く知るのは、IT プロフェッショナルとして不可欠なことです。問題は、サーバーとアプリケーションの数が多いほど、ログ ファイルとイベント システムの数が増え、実情を正確に把握するのが困難になることです。Splunk は、ネットワーク インフラストラクチャ全体のさまざまなログ、イベント、変更、および通知を、収集、統合、集計、レポートするアプリケーションです。
Splunk では、さまざまなデータ ポイントが監視されます。Web ベースのインターフェイスを通して、(ほぼ) リアルタイムで、システムで発生しているさまざまなイベントやアクティビティを "見る" ことができます。また、さまざまな種類のイベントの履歴がわかりやすく表示されるので、トラブルシューティングのパターンや使用率の計測のパターンを簡単に特定することができます。たとえば、ネットワークの帯域幅の使用率が低い時間と高い時間を観察して、バックアップなどのシステム プロセスによってユーザーの操作が妨害されないようにできます。これは、共有リソースやアプリケーションを使用する、グローバル プレゼンスのある組織/企業にとって特に重要なことです。
Splunk は、スケーラビリティと高可用性を実現するように設計されていて、MapReduce のアーキテクチャに基づいています。MapReduce は、大きなデータ セットを処理するプログラミング モデルです。
取得に関しては、Splunk に指定したデータ ソースは、ほぼすべて処理できます。Splunk を使用すると、Active Directory、Windows レジストリの変更、ローカルとリモートのイベント ログ、Windows Management Instrumentation (WMI) 経由のデータ、ファイル、およびディレクトリを監視できます。また、syslog などのソースからの受信データについて特定の TCP ポートやユーザー データグラム プロトコル (UDP) ポートを監視することもできます。Splunk では、データ ソースを構成すると、データの取得と分析を自動的に開始します。
Windows 関連のデータだけでなく、Linux/Unix、AIX、Mac、および Solaris 関連のデータを取得することも可能で、Web アプリケーションのメイン ダッシュボードから、ほぼ瞬時にデータを確認してレポートすることができます。また、最適なデータを取得するのに役立つ、グラフ作成ツールや視覚化を行うツールもいくつかあります。
Splunk は、指定されたイベントまたはしきい値にデータ フィードが一致したときに警告を表示するように設定できます。警告は、電子メール、RSS、または簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP) トラップ経由で送信されます。また、イベントの発生時に、状況を改善するためのアクションをトリガーすることもできます。たとえば、Web サーバーでメモリの数値がしきい値を上回った場合に、Splunk がアプリケーション プールのリセットを開始するように指定できます。そのようなイベントやプロセスの背後には、かなり複雑なロジックを配置できるので、潜在的な脅威を検出して軽減する方法の 1 つとして Splunk を使用することもできます (もちろん、他のツールを併用する必要はあります)。
Splunk では、標準ダッシュボードに加え、カスタム ダッシュボードとレポートを作成してビューを調整することができます。また、カスタム ビューのスナップショットを PDF 形式で保存することもできます。Splunk は、Splunk アプリケーションによって拡張することも可能です。Splunk アプリケーションは、新しいデータ ソースへのアクセスや新しいデータ ソースの集計から、さまざまなシステム間でのタスクの実行、新しいレポートの作成、および他のシステムへのリンクまですべてを可能にする、さまざまなアプリケーションです。コミュニティ サイト (splunkbase.com、英語) では、膨大な数の Splunk アプリケーションが公開されており、これらはダウンロードして使用できます。これらのアプリケーションは、Splunk によって開発されたものもあれば、他のアプリケーションのユーザーによって作成されたものもあります。たとえば、Cisco のファイアウォールの監視用の拡張や、インターネット メッセージ アクセス プロトコル (IMAP) の接続および監視用の拡張をダウンロードできます。また、Growl スクリプトをダウンロードして、しきい値が超えたりエラーが発生したりした場合に、イベントの通知がダッシュボードに表示されるようにすることもできます。
Splunk では、60 日間無償で使用できる Enterprise Edition の試用版を提供しています。試用期間の終了後は、生データを 1 日に 500 MB 使用できる永続的な Enterprise Edition のライセンス (1 年間のサポート付き) を 6,000 ドルで購入できます。期限付きのライセンスは、サポートを含めて 2,000 ドルです。データ量を増やす場合は見積りが必要になります。Enterprise Edition に必要のない機能がいくつかあり、1 日の入力データ量を 500 MB よりも低く抑えられる場合は、無償の永続的なライセンスに変更することも可能です。このライセンスにない機能および特徴は、定期的な検索と PDF の作成、分散展開、シングル サインオン、アクセス制御、および複数ユーザーのサポートです。
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Splunk
f.lux
新しいスマートフォンの多くは、画面の明るさが状況に応じて調整されますが、標準的なコンピューターのモニターの大半では、そのような調整ができません。夜中に問題のトラブルシューティングを行おうとして、非常に強い光を放つ、ひどく眩しい画面を見つめた経験はありませんか。これでは、目が疲れてしまいます。
この事態を改善するツールが、Michael Herf と Lorna Herf (stereopsis.com、英語) が作成した f.lux です。この無償のツールは、時刻と周囲光の色温度に基づいて、モニターの明るさを調整します。
このツールは、完全なるソフトウェア アプリケーションです。スマートフォンと異なり、モニターの設定を調整するのに露出計は使用せず、現地時間、および現在の場所の緯度と経度を使用します。色温度設定は、既定値から最低値や最高値に調整することが可能で、明るさの設定を好きなようにカスタマイズできます。
必要な設定を終えた後は、時間の経過に伴って 1 日のうちにどのように色温度が変化していくかをプレビューできます。このソフトウェアには、このツールを簡単に 1 時間無効にするコンテキスト メニュー項目も用意されています。これは、写真の編集や、Web サイトのデザインの検証など、色に配慮が必要な作業に切り替える際に便利です。
深夜に薄暗い部屋で、エンドユーザーにコンピューターを凝視させている場合は、この無償のツール f.lux ユーティリティを試してみることをお勧めします。
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f.lux
Task Scheduler Pro
タスクのスケジュールは、繰り返し行うタスクがサーバーで行われるようにするための、最適かつ最も簡単な方法であることに変わりはありません。ですが、サーバーとアプリケーションの数が多くなると、増え続けるスケジュールされたタスクの管理作業は、そのメリットに見合わないほど困難な作業になります。
同じリソースを必要とする 2 つのプロセスを同時に実行しないようにするには、どうすればよいでしょうか。また、早朝に、サービス アプリケーションで非常に多くの同時実行タスクを実行したことが原因でシステムがオーバーロードするのを回避するには、どうすればよいでしょうか。Lieberman Software が提供している Task Scheduler Pro は、スケジュールされたタスクを一元管理するのに役立つツールです。
このツールを使用すると、現在のタスクの情報を収集したり、新しいタスクを作成して Windows システムに分散したりすることができます。監視する一連のシステムを、ドメイン メンバーシップ、IP アドレスの範囲、OS、システム名の一致など、さまざまな方法で追加できます。また、いくつかある特徴の中でも特に名前や IP アドレスによって、個々のシステムを暗黙的に追加したり無視したりすることもできます。
システムの準備ができたら、タスクの管理を開始できます。個々のシステムと複数のシステムのどちらに対しても、タスクを作成、変更、削除することができます。また、ジョブのモニターを参照すると、一連のシステムで実行されているタスクや、それぞれのタスクが最後に実行された時間を確認できます。通常のスケジュールされたタスクと同じように、ジョブごとに、再試行ポリシーや資格情報を指定することもできます。
Task Scheduler Pro では、一元管理されたログ ファイルにすべてのジョブ イベントのログを記録するので、一連のシステムにおける実行履歴を確認できます。また、ログ ファイルを電子メールで送信したり、ジョブが失敗したことをユーザーに知らせたりできる SMTP 通知機能もあります。タスクが実行されている必要があるときにシステムがオフラインになっていた場合、Task Scheduler Pro では、システムがオンラインになったとき自動的にタスクを再試行します。
スケジュールされたタスクの他にも、適用されている修正プログラムとサービス パック、システムにインストールされている Internet Explorer のバージョンについての情報を収集することもできます。その他のシステム管理タスクには、リモートの再起動、Wake On LAN パケットの送信、Mono Visual Basic .NET コンパイラやリモート デスクトップ プロトコル (RDP) 経由での接続、およびサービスの開始と停止があります。
Task Scheduler Pro の価格は、管理するシステムの数によって異なります。25 台のシステムに対応しているバージョンは 399 ドルです。サポートとメンテナンスは、購入価格の割合に基づいた値段で、1 年、2 年、または 3 年単位で購入できます。10 台のシステムに対応している 20 日間無償で使用できる試用版が提供されています。
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Task Scheduler Pro
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Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。