ユーティリティ スポットライト: リモート制御
同時に 2 か所に行くことはできませんが、Windows 7 用のリモート サーバー管理ツールを使用すると、複数のサーバーをリモートで管理できます。
Lance Whitney
特にリモートで管理する必要がある場合、Windows サーバーの管理は、容易ではないことがあります。このような場合は、無料で使用できる Microsoft リモート サーバー管理ツール (RSAT) が役に立ちます。この便利なツールの最新バージョンは、Windows 7 向けに設計されており、自分のコンピューターからサーバーのさまざまなコマンドや機能にアクセスして管理できます。
RSAT を使用すると、Windows ベースのサーバーの動的ホスト構成プロトコル (DHCP)、DNS、Active Directory、グループ ポリシー、SMTP、ターミナル サービス、Hyper-V など、さまざまな役割や機能をリモートで管理できます。マイクロソフトでは、RSAT で管理できるすべての機能の一覧をサポート技術情報の記事で公開しています。
RSAT を使用する際に最も時間がかかる作業は、インストールと構成です。RSAT の構成が完了すると、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008 (最小限の Server Core 環境またはサーバーの完全インストール)、Windows Server 2003 が実行されているサーバーの役割と機能を管理できるようになります。管理対象が Windows Server 2008 R2 の場合は、すべての役割と機能にアクセスできますが、Windows Server 2008 と Windows Server 2003 の場合は、管理できる役割と機能が限定されます。RSAT は、Windows 7 Enterprise Edition、Professional Edition、および Ultimate Edition で実行できます。
準備
RSAT は、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードして使用できます。64 ビット版の Windows 7 に対応したツールが必要な場合は amd64fre_GRMRSATX_MSU.msu を、32 ビット版の Windows 7 に対応したツールが必要な場合は x86fre_GRMRSAT_MSU.msu をダウンロードします。最新バージョンの Windows 7 用の RSAT をインストールする前に、以前のエディションをアンインストールする必要があります。Windows Vista 用の RSAT、Windows Server 2003 管理ツール パックなどが以前のエディションに該当します。
Windows 7 用の RSAT の .msu ファイルを起動すると、Windows の更新をインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。[はい] を選択し、通常の指示に従って Windows の更新をインストールします。インストール プロセスでは、更新プログラムを適用する以外に、スタート メニューのプログラム一覧に "管理ツール" フォルダーが作成されます (ただし、まだ作成されていない場合に限ります)。インストールが完了すると、Windows ヘルプ画面に次の作業がポップアップ表示されます。
Windows 7 コンピューターのコントロール パネルを開くように指示されるので、[プログラムと機能] アイコンをクリックし、[Windows の機能の有効化または無効化] をクリックします。[Windows の機能] ダイアログ ボックスで、[リモート サーバー管理ツール] を展開してインストールする機能を選択します。個別の機能を確認して、アクセスするサーバーに適した機能を判断します (図 1 参照)。
図 1 アクセスできる機能を確認して選択できます
Active Directory、DHCP、DNS、SMTP、Hyper-V などのオプションが確認できます。特にさまざまなサーバーにアクセスして、すべての役割を管理する可能性がある場合は、すべての機能をインストールできます。ただし、まずは必要な機能を選択してインストールすることをお勧めします。機能は後でいつでも追加できます。
RSAT を使用するタイミング
新しくインストールした機能は "管理ツール" フォルダーに表示されます。サーバーの管理は、DHCP などの機能を選択し、サーバーの名前を入力するという単純な処理です。サーバーに接続したら、そのサーバーに直接ログオンしているときと同じように特定の役割を直接管理できます。
たとえば、Windows 7 コンピューターでサーバー マネージャーを実行して、Windows Server 2008 R2 サーバーに接続できます。その後、役割を割り当てたり、機能を追加したり、診断を実行したりできます。また、DHCP ツールを実行すると、DHCP サーバーに接続して管理できます。共有と記憶域の管理ツールを実行すると、ネットワーク共有を作成して変更し、サーバーの物理ディスクを管理できます。
さまざまな管理ツールをローカルの Microsoft 管理コンソール (MMC) に追加すると、管理ツールを一元管理できます。それには、[ファイル名を指定して実行] ボックスに「mmc」と入力して、コンソールを起動します。[ファイル] メニューをクリックし、[スナップインの追加と削除] をクリックすると、使用可能なすべてのスナップインの一覧が表示されます (図 2 参照)。必要なスナップインを選択すると、サーバーに必要なすべての役割と機能を MMC で直接管理できるようになります。
図 2 [スナップインの追加と削除] をクリックすると、使用可能なすべてのスナップインが表示されます
RSAT 以外の方法を使用して、サーバーをリモートで管理することも可能です。IT 部門では、他のコンピューターへのアクセスと制御に、長い間 Windows のリモート デスクトップ接続を使用してきました。ですが、RSAT を使用すると、サーバーごとに個別のリモート デスクトップ接続のセッションを開かなくても、組織内の任意のサーバーを一元管理できます。
Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。