ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月コラムで紹介するツールは、デスクトップの整理やファイルのロック解除、Linux ディスクからのファイルのコピーなど、さまざまなファイルの管理タスクに役立ちます。

Greg Steen

Fences

効率化の第一歩は整理から。Windows コンピューターのデスクトップがアイコンで雑然としている場合、Stardock 社が提供している Fences (フェンス) を使用すると、デスクトップを整理して効率アップを図ることができます。Fences を使用すると、色分けして名前を付けたデスクトップの領域を使用してアイコンを分類できます。このツールを使用することで、頻繁に使用するプログラム、ドキュメント、ショートカット、フォルダーなどに簡単にアクセスできるようになります。日常的に使用する作業文書と特別なプレゼン資料やミーティング資料の "フェンス" (囲い) を作成できます。

フェンスは簡単に作成できます。必要な操作は、デスクトップを右クリックして、作成するフェンスのサイズのボックスを描くようにマウスをドラッグして、マウス ボタンを放すときに、[Create new Fence here] (ここに新しいフェンスを作成する) を選択するだけです。その後、フェンスに名前を付け、色の付いた領域に必要なアイコンをドラッグして移動します。また、フェンスは、簡単に名前を変更したり、削除したりすることもできます。

Fences には外観を思いのままに設定できるオプションも多数用意されています。スライダーで、透明度、色の濃度、濃淡、彩度などを調整して、背景のスタイルや色を変更できます。ラベルは、自動的に隠す、常に表示する、または表示しないように指定できます。また、ラベル テキストの色やフェンスの枠線を変更したり、しばらく操作しないとスクロール バーが自動的に非表示になるように設定したりすることもできます。

その他にも、構成パネルでプレビューして適用できる組み込みのオプションが多数用意されているため、デスクトップでフェンスを自由にレイアウトできます。レイアウトに関しては、フェンスの順序を指定したり、新しいフェンスを作成したりしても、独自のカスタム レイアウトと配置は維持されます。Fences では、画面の解像度を自動的に計測して、レイアウトを保持します。

Fences を使用すると、設定したフェンスのスナップショット (バックアップ) を保存できるので、複数のフェンスの設定を切り替えたり、変更内容を破棄して以前の良好な状態に戻したりすることができます。また、Fences には、便利な "Quick-Hide" (クイック非表示) 機能もあります。この機能により、デスクトップの空いている領域をダブルクリックするだけで、すべてのアイコンとフェンスを一度に非表示にすることができます。デスクトップをもう一度ダブルクリックすると、アイコンとフェンスが復元されます。また、Quick-Hide (クイック非表示) の機能から一部のアイコンやフェンスを除外するように構成することもできます。これは、プレゼンに便利な機能で、アイコンが並んだワークスペースを片付けて、必要なものだけが表示されるようにできます。

Fences は、個人使用と商用使用のいずれでも無料で使用することが可能で、Windows XP、Windows Vista、および Windows 7 で実行できます。Windows Vista と Windows 7 については、32 ビット版と 64 ビット版の両方をサポートしています。拡張機能を追加した Fences Pro も $19.95 で入手できます。すべての新規アイコンを割り当てる既定のフェンスを指定すると、最近ダウンロードしたもの、使用した文書、インストールしたものにすばやくアクセスできるようになります。

Pro バージョンでは Windows エクスプローラーと同様に、アイコンの属性でフェンスを並べ替えることができます。また、フェンスをフェード アウトさせることもできます。この機能により、フェンスの上にマウスを移動するまで、フェンスが半非表示状態になり、デスクトップが見やすくなります。全体的に見て、Stardock 社が提供する Fences は、デスクトップと自分の頭の中を整理するのに便利なツールです。

Fences

LockHunter

ロックされたファイルは、それがどのような原因で発生しているものであっても、「面倒」の一言に尽きます。アプリケーションがクラッシュすると、ファイル ハンドルが開いたままになることがあり、ファイルを削除できなくなります。ファイルにアクセスできないために、プロセスがハングすることもあります。

そんなときの心強い味方は Crystal Rich 社が提供している LockHunter です。このツールを使用すると、プロセスをロックしているファイルを簡単に見つけることができます。LockHunter を使用すると、ファイルやフォルダーをロックしているプロセスを確認して、ロックされたファイルやフォルダーのロック解除、削除、コピー、名前の変更などの操作を実行できます。ファイルをロックしているプロセスを強制終了したり、ハード ディスクからプロセスの実行プログラムを削除したり、プロセスから DLL をアンロードしたりすることもできます。現在、LockHunter では、32 ビット版と 64 ビット版の Windows システムがサポートされています。

LockHunter は、エクスプローラーに統合されるため、ファイルを右クリックするだけで、ロックの原因となっているファイルを見つけることができます。LockHunter は、ファイルとフォルダーの両方に対して機能します。特定のフォルダーを選択すると、すべてのプロセスとそのフォルダーおよびサブフォルダーをロックしているファイルを確認できます。たとえば、システム ドライブで発生しているロックを確認するには、システム ドライブのルート フォルダーを選択します。

ロックに対応するには、プロセス ツリーを展開し、ファイルをクリックして、画面下部にある大きなボタンをクリックして、ロックを解除して削除、ロックを解除して名前を変更、ロックを解除してコピーなどの操作を実行したり、ロックの原因となっているプロセスを閉じたり、そのようなプロセスをディスクから削除することもできます。削除したものは、ごみ箱に移動されるだけなので、操作をやり直したいときには、削除したものをすばやく復元できます。無償で使用できる LockHunter は、IT ツールボックスに追加するツールとしてお勧めです。

LockHunter

DiskInternals Linux Reader

Windows デスクトップから EXT2 や EXT3 のファイル システムでフォーマットされたドライブにあるファイルにアクセスする必要が生じたことはありませんか。たとえば、Linux 環境からファイルをコピーしたり、Linux ベースのネットワーク接続ストレージ (NAS) のドライブからファイルを復元したりしなければならないときです。DiskInternals Linux Reader は、このようなファイルの移動を Windows から実行できるようにする無料のツールです。

Linux Reader は、その名のとおり、使用中のシステムのドライブから EXT2 や EXT3 のファイル システムを読み取れるようにするツールです。Linux システムからハード ディスクを取り外し、外付けの eSATA ドライブ キャリッジに挿入して、Linux Reader を起動すると、ディスクにあるファイルをデスクトップにコピーできるようになります。また、Linux Reader を使用して仮想ディスク イメージをマウントすることもできます。この機能は、仮想マシンにあるファイルをローカル コンピューターにコピーする場合に便利です。Linux Reader では、VMware (VMDK)、VirtualPC (VHD)、VirtualBox (VDI)、Parallels (HDS) などの仮想ディスク コンテナーの形式をサポートしています。

Linux Reader を起動すると、システムで検出された、すべての論理ドライブ、物理ディスク、およびディスク コンテナー (仮想ディスク イメージ) が一覧表示されます。次に、Linux のシステムを参照するか、システム ファイルの検索機能を使用して、Windows システムにコピーするファイルを検索します。ファイルをクリックすると、コピーする前に、ファイルの内容をプレビューして確認できます。

ただし、ターゲット ドライブからローカル システムにファイルをドラッグ アンド ドロップすることはできません。ファイルをローカルの Windows システムにエクスポート (保存) するには、フォルダー、ファイル、またはファイル セットを選択して、右クリックし、[Save] (保存) を選択します。この操作により Export Wizard (エクスポート ウィザード) が起動します。このウィザードでは、出力フォルダーを指定し、ディレクトリ構造を保存するか、コンピューターにすべてのファイルをコピーするかを選択します。このウィザードでは、コピーする全ファイルを集計して、ファイル サイズの合計が表示されるので、ターゲット ドライブからコピーするものを簡単に確認できます。[Finish] (完了) をクリックすると、実際のコピー処理が開始されます。[Recovery List] (復元リスト) 機能を使用すると、コピーするファイルとフォルダーのキューを作成できるので、何度も Export Wizard (エクスポート ウィザード) の設定を行う必要はありません。

Linux Reader で処理が完了すると、Windows システムに EXT2 や EXT3 のファイルがコピーされます。

DiskInternals Linux Reader

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

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