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ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月のツールボックス コラムで紹介する 3 つの無償のツールは、正規表現の作成とテスト、Active Directory のアカウントの削除、および IP アドレスの使用状況の追跡に役立ちます。

Greg Steen

refiddle.com

正規表現は、文字列内のテキストを簡単に識別するための強力な手段です。適切なパターンを見つけると、時間を節約して、スクリプトの行数を削減できますが、正規表現の作成が難しいこともあります。正規表現の作成とテストに役立つツールは数多くありますが、その 1 つが、refiddle.com (英語) で公開されている Web ベースのアプリケーションです。

JavaScript の "遊び場" 兼テスト サイトの jsfiddle.net (英語) を知っている人は、refiddle.com サイトの構成を簡単に理解できるでしょう。作成した正規表現をテストするには、[pattern] (パターン) ボックスに正規表現を入力または貼り付けて、[Corpus] (コーパス) テキスト領域にテスト用のテキストを貼り付けます。テキストを貼り付けると、一致する部分が自動的にハイライトされます。また、テスト用のテキスト領域の下にあるテキスト領域に、一致したテキストと置換するテキストを指定して、置換した結果を [results] (結果) テキスト領域に表示できます。

refiddle.com では、パターンとテキストを解析および処理する正規表現エンジンを指定できます。選べるエンジンは、JavaScript、Ruby、および .NET です。また、"g" (一致する文字列をすべて照合する)、"i" (大文字と小文字を区別しない)、および "m" (行ごとに一致する文字列を照合する) という正規表現のオプションをそれぞれ有効または無効に設定できます。これらのオプションは、正規表現のパターンで指定することもできます。[pattern] (パターン) ボックスで、オプションを記述すれば有効に、オプションの記述を削除すれば無効になります。

refiddle.com アプリケーションのすばらしい点は、"赤ハイライト/緑ハイライト" テストを指定できることです。新しい正規表現をテストするとき、一致する必要があるテキストの行に "#+" を、一致しないようにする必要があるテキストの行に "#-" を指定すると、左側のナビゲーション ウインドウにはテストに合格した行と不合格の行の数が表示されます。このテストは、作成した正規表現がさまざまなシナリオで有効に機能するかどうかを確認するのに便利です。また、このサイトでは作成した正規表現を保存して、"fiddle directory" (フィドル ディレクトリ) で共有できるので、他のユーザーは、保存された正規表現を使ったり、改良したり、正規表現に対してコメントを追加することができます。

裏を返せば、正規表現を 1 から作成する必要はなく、他のユーザーが作成した正規表現をフィドル ディレクトリで探せます。ディレクトリを検索するのに必要な作業は、サイト左上の検索ボックスに検索する語句を入力するだけです。保存した正規表現は、StackOverflow.com (英語) に投稿もできます。このサイトでは、正規表現についてアドバイスを求めたり、教えたりすることができます。次の管理作業で使う正規表現で悩んでいる場合は、この無償で便利な Web ベースのツールをお試しください。

refiddle.com

SolarWinds - Inactive User Account Removal Tool

普通に使用したり、ロールオーバーしたりするだけでも、使われていないか、非アクティブな多くのユーザー アカウントが Active Directory ドメインに蓄積されます。このようなアカウントの一覧を Active Directory から取得するツールは数多くありますが、使いやすいツールの 1 つが、SolarWinds Inc の Inactive User Account Removal Tool です。

Inactive User Account Removal Tool (電子メール アドレスと電話番号を登録すると、Inactive Computer Account Removal Tool および User Import Tool と一緒にダウンロードされます) をインストールしたら、ツールを起動して、アカウントの一覧を取得する対象ドメインと資格情報を入力して Active Directory に接続します。次に、[Next] (次へ) をクリックし、ドメインをスキャンして非アクティブなユーザー アカウントを検索します。スキャンが完了すると、特定の日付以降に非アクティブな状態になっているアカウントの集計が表示されます。この日付は、その場で変更したり、アプリケーションの既定値として設定したりすることができます。

特定のドメインの結果を検索したり、削除するアカウントを手動で選んだりすることもできます。[Remove] (削除) をクリックすると、選択したアカウントが Active Directory から削除されます。アカウントを削除する前に、[Export] (エクスポート) ボタンを使用することをお勧めします。このボタンをクリックすると、結果が CSV に出力され、操作が記録されます (間違った操作をした場合、復旧作業に役立ちます)。このアカウントの出力結果には、各アカウントの表示名、最終ログオン日、およびディレクトリ エントリ パスが含まれます。列の見出しをクリックすると、結果を並べ替えられます。

スキャンが完了すると、ドメイン コントローラー名も表示されるので、すべてのドメインをスキャンしたかどうかを確認できます。アカウントを非アクティブだと見なす既定の期間に加え、このアプリケーションのトラブルシューティングのために、ログ レベルを設定したり、デバッグ機能を有効にしたりすることもできます。

このツールには、あまり多くの機能は備わっていませんが、無償で作業に役立ちます。今後 Active Directory に非アクティブで使われていないアカウントが蓄積したときは、非アクティブなアカウントの削除に SolarWinds の Inactive User Account Removal Tool を使うと、作業が少し楽になります。

SolarWinds - Inactive User Account Removal Tool

SolarWinds - IP Address Tracker

IP アドレスの割り当ての追跡は必要な作業です。サブネットごとに、割り当てられた IP アドレスの DNS 名、目的、および場所を記録した単純なスプレッドシートを作成することはできますが、このようなスプレッドシートの情報はすぐに古くなる可能性があり、保守が困難です。追跡に使えるシンプルなツールの 1 つが、SolarWinds の IP Address Tracker です。

IP Address Tracker では、ネットワークのサブネットをスキャンして、現在使用されている IP アドレスの集計を、応答しているデバイスがあればその DNS 名、応答時間、コンピューターの種類、システム名、デバイスの位置などの有益な詳細情報と一緒に表示します。集計結果の一覧上部には、そのサブネット内の IP アドレスの合計、使用されている IP アドレスの数、および利用可能な IP アドレスの数の概要が表示されます。また、結果をフィルター処理して、すべて、使用中、利用可能、または予約済みの IP アドレスを表示すると、ターゲットを簡単に特定できます。

IP Address Tracker では、複数のサブネットを定義して追跡できます。このツールを使うと、環境全体を簡単に追跡できるようになります。サブネットのスキャンが完了したら、結果を印刷またはファイルに保存できます。IP Address Tracker では、ローカル データベースに結果を保存できるので、現在の割り当て状態を確認するときに、その都度ネットワークを再スキャンする必要はありません。サブネットを再スキャンする必要がある場合は、[Refresh] (更新) ボタンをクリックしてサブネットにアクセスし、指定したサブネット アドレスに対して ping を実行します。また、SNMP トラップを使用して、さらに多くの情報を収集できます。資格情報を指定して、精度の高い情報が返されるようにすることもできます。

結果はローカルのデータベースに格納されるので、IP アドレスの一覧ごとにコメントを追加できます。このツールでは、次に使うときのために、状態が保存されます。データベースは移動できるので、データベースを共有の場所に置き、[File] (ファイル) メニューの [Open IP Management Database] (IP 管理データベースを開く) でデータベースの場所を指定できます。データベースを共有の場所に配置することで、通常のフォルダーおよびファイルのアクセス許可を利用してデータベースを保護できます。

結果ウィンドウで IP アドレスを右クリックすると、スキャン結果にかかわらず、そのアドレスに "予約済み"、"使用中"、または "使用可能" のマークを付けることができます。同じコンテキスト メニューから、選択したアドレスの詳細をコピーしたり、クリアしたりすることもできます。最後のコンテキスト メニューのオプションは、[Tools] (ツール) です。このコマンドからは、ターゲットの IP アドレスに対して、Ping、Telnet、Web 閲覧などのコマンドを簡単に実行できます。

まだスプレッドシートで IP アドレスの割り当てを手動で追跡している場合は、SolarWinds の無償の IP Address Tracker などのツールの使用を検討することをお勧めします。毎日のシステム管理にかかる時間や悩みの種を減らすのに役立ちます。

SolarWinds - IP Address Tracker

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

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