ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品
今月紹介するツールは、企業環境でのバックアップ/復元操作およびコマンド プロンプトのダッシュボードを合理化するのに役立ちます。
Greg Steen
CrashPlan PROe
バックアップは簡単な作業ではなく、作業の複雑さは環境の規模によって異なります。バックアップが必要な対象とバックアップを行う頻度を選択して、バックアップのタイミングを管理することは、比較的小規模な組織であっても簡単な作業ではありません。
しかし、バックアップは必須です。適切にバックアップを行うと、多くの問題を解消できるだけでなく、自分の作業を削減できる可能性もあります。Code 42 Software 社の CrashPlan PROe は、サイト全体のバックアップと復元を実行および管理するという複雑な作業を簡略化することを目的としています。CrashPlan PROe は、中央管理インターフェイスを備えたクライアント/サーバー バックアップ システムです。このシステムを使用すると簡単に既存のインフラストラクチャを利用して、簡単に管理できて信頼性のある独自のバックアップを企業全体で行うことができます。
CrashPlan PROe Server は、無料のソフトウェアで、簡単にインストールできます。CrashPlan PROe Server ソフトウェアをインストールした後、クライアント ライセンスを購入して、バックアップするコンピューターに CrashPlan PROe Client ソフトウェアをインストールします。エンドポイントにクライアント ソフトウェアをプッシュして、リモートでバックアップを実行することもできます。さらに自動でクライアントに更新プログラムをプッシュすることもできます。また、CrashPlan PROe ソフトウェアと併せて適切なハードウェアを Code 42 Software 社から直接購入することもできます。
サーバー ソフトウェアとクライアント ソフトウェアは、Windows、Linux、Mac OS X、Solaris など、さまざまなプラットフォームの異なるバージョンで実行できます。各クライアントは、IT 担当者が管理 Web アプリケーションを使用して定義および管理しているクラスター記憶域にデータをバックアップします。CrashPlan PROe ソフトウェアを使用すると、すべての記憶域ノードで自動的かつ動的にデータをバックアップし、バランスの取れた効果的な記憶域管理の計画を実現できます。
CrashPlan PROe は、企業向けに設計されており、フォールト トレランス、クラスタリング、およびレプリケーションの機能を提供し、仮想コンピューター、物理コンピューター、および地理的に離れた場所にあるコンピューターのバックアップと復元を行えます。また、組み込みのサービス品質特性と帯域幅調整機能が用意されており、複数のバックアップや復元操作を同時に行ってもネットワークが飽和状態になることはありません。
CrashPlan PROe は主に Web ベースのインターフェイスで管理します。つまり、CrashPlan PROe をインストールしたコンピューターに必ずしも物理的なアクセスが必要なわけではありません。管理コンソールには、ノード数、現在の受信データ フローと送信データ フロー、さまざまな期間のバックアップと復元の実行回数、さらには展開マップを表示するダッシュボードがあります。
複数の担当者が存在する大企業では、担当者のアカウントに基づいて、さまざまな操作を許可する組織とユーザーの管理機能が役立ちます。認証と承認に関しては、CrashPlan PROe は、ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコル、Open Directory、および Active Directory と統合しています。ユーザーは、標準のユーザー名とパスワードを使用して、ファイルをバックアップおよび復元できます。
このソフトウェアには優れたレポート機能と監査機能が用意されています。自動レポートとアラートを構成して受け取ることができます。また、使用状況、アクティビティ、保持ポリシー、およびアラートを監査して適用することもできます。これらすべては Web インターフェイスで簡単に構成できます。
CrashPlan PROe のライセンスは、年単位のライセンスまたは永久ライセンスで購入できます。CrashPlan PROe の年単位のライセンスは、バックアップするデバイス 1 台ごとに年間 $31.25 で購入できます。永久ライセンスの価格はバックアップするコンピューターの台数によって変わります。5 台分のパック ($431) から購入することが可能で、コンピューターの台数が増えるにつれて値引き率が高くなります (たとえば、50 台分のパックは $3,750 で購入できます)。永久ライセンスには 1 年間のサポートが含まれますが、サポート期間が終わってからもサポートとアップグレードを継続するには、ライセンスごとにサポートを契約する必要があります。追加のサポートとメンテナンス計画も利用できます。また、30 日間無料で使用できる試用版で CrashPlan PROe Server を評価することもできます。
ConEmu-Maximus5
Windows のコマンド ライン インターフェイス (コマンド プロンプト) は日常業務を迅速に行ううえで非常に便利なツールです。しかし、少しオプションや機能が不足しているように思われるかもしれません。ConEmu は、Windows システムでコマンド ライン エクスペリエンスを向上することを目的としたオープン ソース プロジェクトの 1 つです。
ConEmu は、その名のとおり、Windows を対象としたコンソール エミュレーターです。ConEmu では、特定のシェル (cmd.exe など) は提供しませんが、選択したシェルにスムーズなラッパー ウィンドウを提供します。ConEmu には、タブ化されたインターフェイスが用意されており、さまざまなコンソール ウィンドウを迅速に追加、削除、および切り替えることができます。標準的なコンソールとは異なり、"一般的な" GUI アプリケーションと同じ方法で簡単にコンソール ウィンドウのサイズを調整できます。
新しいコンソールを作成するには、単純にプラス記号のアイコンをクリックするか、タブ バーを右クリックします。新しいコンソール ダイアログ ボックスが表示されるので、cmd.exe や FAR Manager など、使用するシェルを選択します。また、スタートアップ ディレクトリを追加したり、現在のユーザー、管理者、または資格情報を持っている他のユーザーとしてコンソールを実行することもできます。
さらにすばやくアクセスできるようにするために、好みのシェルでコンソールの既定の設定を構成することができます。このように構成すると、新しいコンソール タブに 1 回のクリック操作で迅速にアクセスできます。タブを使用してコンソールを切り替える以外にも、プラス記号のアイコンの左にあるボタンを使用して、新しいコンソールを作成することができます。このボタンをクリックすると、現在アクティブなすべてのコンソールが一覧表示されるため、同時に多数のコンソールを開いている場合に便利です。
ConEmu によって、アクティブなコンソールの下部に便利でカスタマイズ可能なステータス バーが表示され、現在アクティブなコンソールの詳細を確認できます。たとえば、PID、表示しているコンソールのサイズ、バッファーのサイズ、CapsLock キーの状態、NumLock キーの状態、ScrollLock キーの状態などと共にアクティブなプロセスの名前を確認できます。通知バーをカスタマイズするには、単純に通知バーを右クリックして、表示または非表示にするオプションを選択します。
ConEmu には組み込みの編集機能が用意されているため、コンソール ウィンドウでコピーと貼り付けの操作を行えます。また、テキストの検索機能も用意されており、膨大な出力バッファーでデータを検索するのに役立ちます。Settings (設定) パネルは ConEmu が本領を発揮する場所です。これを使用すると、コンソールで日常的に行うアクティビティの要件を満たすようにエクスペリエンスをカスタマイズできます。太さ、幅、間隔、アンチエイリアシングなど、フォントを変更することで、コンソールの文字を読みやすくしたり、文字セット (ANSI、OEM、Chinese Big 5 など) を変更することもできます。コンソールでは、前景テキストの色、背景テキストの色、または背景画像を設定することが可能で、ConEmu では、背景の透過もサポートしているため、好みの Aero テーマに関連付けることができます。
また、より価値があるのは、コンソールの高さと幅を設定できることでしょう。コンソールのウィンドウ サイズを動的に調整することもできます。さらに、テキストの選択、マウス ボタンの操作、およびバッファー オプションの設定も用意されています。コンソール ウィンドウは、最大化したり、全画面表示にしたりすることもできます。Setting (設定) パネルでは、タブとステータス バーの外観や機能をカスタマイズすることができます。
さらに、エクスプローラーのコンテキスト メニューに ConEmu を統合する方法をカスタマイズするオプションもあります。FAR Manager がお好きな場合は、FAR Manager 向けの多数のオプションが用意されています。個人的に好きな ConEmu の機能の 1 つは、クイック アクセス メニューにカスタマイズした一連の定義済みタスクまたはコマンドを追加できる機能です。一連の定義済みタスクまたはコマンドをクイック アクセス メニューに追加すると、1 ~ 2 回のクリック操作で必要なすべてのパラメーターとオプションを指定したカスタマイズされたアクションを提供できます。これらのタスクは Windows タスク バー (ジャンプ リスト) に追加して簡単に再利用できます。オプションを構成すれば、ConEmu で使用履歴のコマンドを保存することもできます。
標準の Windows コマンド プロンプトでコマンド ライン インターフェイスを効果的に使用するために必要なすべての機能が提供されていないと感じている場合は、オープンソースで積極的に開発が行われている無料のコンソール エミュレーターである ConEmu をお試しください。
Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。
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