Web ソリューションとプロジェクトファイル変換

[アーティクル]
10/22/2014

更新 : 2007 年 11 月

Visual Studio 2005 では Web プロジェクトモデルにさまざまな変更が加えられました。たとえば、Web アプリケーションフォルダ内のすべてのファイルは Web プロジェクトの一部と見なされるため、プロジェクトファイルは不要になりました。

新しい Web プロジェクトモデルは、ASP.NET Web フォームページ (.aspx ファイル)、ASP.NET ユーザーコントロール (.asxc ファイル)、Global.asax ファイル、および Web.config ファイルなどのファイル変換に影響を与えます。具体的な差異の内容は、変換されるプロジェクトのプログラミング言語によって異なります。

Visual Studio 2005 では、分離コードモデルが部分クラスを使用できるように変更され、これによりクラスが複数のファイルにまたがることができます。以前の分離コードモデルでは、.aspx ファイルは、対応する分離コードファイル (.aspx.vb または .aspx.cs) から作成された、コンパイルされたクラスファイルから継承します。新しい分離コードモデルでは、.aspx ファイルは、対応する .aspx.vb ファイルまたは .aspx.cs ファイルで構成されるコンパイルされたクラスから継承するだけでなく、aspx ファイルで使用されるコントロールのフィールド宣言を定義する、aspx ファイルから生成されたスタブファイルからも継承します。この変更により、自動生成されたコードを、ユーザーのコードとは区別できるようになります。ユーザーコントロール (.ascx) とユーザーコントロール用の分離コードファイルは、同様に取り扱われます。分離コードモデルの詳細については、「ASP.NET Web ページのコードモデル」を参照してください。

Visual Studio 2005 では、1 つのアセンブリしか作成できなかったコンパイルモデルが、多くのアセンブリを作成できるように変更されました。各 ASP.NET Web ページとユーザーコントロールは、それぞれのアセンブリにコンパイルできます。この変更により、必要に応じて、ソースコードをサーバーに発行し、それに Web アプリケーションの一部を動的にコンパイルするなど、配置方法がより豊富になります。

分離コードファイル

新しい ASP.NET バージョン 2.0 の分離コードモデルへの変換時に、ASP.NET Web ページとユーザーコントロールに次の変更が行われます。

@ Page ディレクティブにある CodeBehind 属性が CodeFile 属性に変更されます。
関連付けられた、同梱してコンパイルするクラスファイルを指す @ Page ディレクティブに Inherits 属性が追加されます。
すべての分離コードクラス定義が Partial キーワードを実装するよう変更されます。
ユーザーコントロールのメンバ宣言は、分離コードページから削除されます。同梱してコンパイルするモデルでは、ユーザーコントロールのインスタンスが、宣言コードから自動的に作成されます。
イベントは、宣言構文によりコントロールにバインドされます。たとえば、Button コントロールの Click イベントは、宣言コードで OnClick 属性を asp:button 要素に追加することにより、このコントロールにバインドされます。デリゲートと Visual Basic の Handles キーワードは、メソッドから削除されます。動的に作成されるコントロールのデリゲートのように、宣言コードで表されないメンバについては、デリゲートは削除されません。
クラスファイルに含まれ、ページクラスには含まれず、Friend または Internal と指定されているメンバ宣言は Public に変更されます。

デバッガのブレークポイントは変換されず、変換ファイルに含まれません。

メモ :
@ Page ディレクティブに CodeBehind 属性がない Web ページまたはユーザーコントロールは、変換されません。同様に、Src 属性を持つ Web ページまたはコントロールは影響を受けません。

スタンドアロンコードファイル

スタンドアロンコードファイルへの変更点は次のとおりです。

スタンドアロンコードファイルは App_Code ディレクトリに移動されます。
Friend または Internal としてマークされたメンバ宣言は、Public に変更されます。この変更が必要なのは、アセンブリが複数ある場合、アクセスレベルを、コンパイル済みスタンドアロンコードファイルを含むアセンブリ以外のアセンブリからメンバを参照できるように指定する必要があるためです。
Type.GetType メソッドの呼び出しは、BuildManager.GetType メソッドの呼び出しに変更されます。BuildManager.GetType メソッドは、最上位アセンブリで型を検索します。
デバッガのブレークポイントは変換されず、変換ファイルに含まれません。

デザイナの設定

ページの中の、デザイナに関連する設定は、変換中に違った方法で処理されます。

MS_POSITIONING 属性 (フローレイアウトまたはグリッドレイアウト) は、そのまま保持されます。Visual Studio は、この設定を、個々のコントロールの絶対位置属性と共に保持します。ただし、既定では、Visual Studio 内の新しいページには、フローレイアウトが適用され、MS_POSITIONING 属性は含まれません。
既定のクライアントスクリプト言語の <meta> タグは、影響を受けません。

Global.asax ファイル

Global.asax ファイルを変換すると、その分離コードファイルは App_Code ディレクトリに移動されます。変換プロセスにより、次の変更が行われます。

CodeBehind 属性と Inherits 属性が、@ Application - Global.asax ディレクティブから削除されます。
Language 属性が既に指定されていなければ、この属性が @ Page ディレクティブに追加されます。
Visual Basic では、Namespace ステートメントがクラスファイルに追加されます。名前空間は、Web プロジェクトのルート名前空間によって定義されます。

Web.config ファイル

Visual Studio 2005 では、Visual Studio .NET に比べて、Web.config ファイルが多様な要素をサポートするようになります。たとえば、引き続き Visual Studio に適用されるプロジェクト設定の多くは、Web.config ファイルに変換されます。詳細については、「Web プロジェクト設定の変換」を参照してください。