概念スキーマ (CSDL)

[アーティクル]
09/17/2008

概念スキーマとは、エンティティデータモデル (EDM) 上に構築されたアプリケーションによって使用される、オブジェクトモデル用のデザインテンプレートのことです。概念スキーマで宣言された名前空間名は、生成されるオブジェクトモデルでエンティティクラスとアソシエーションクラスを修飾する名前空間名になります。

EDM アーキテクチャは、エンティティとアソシエーションの基本構造を提供します。アプリケーションデザイナは、これらの型に基づくエンティティとアソシエーションを派生させます。概念スキーマで定義された型は、ストレージモデルを表すメタデータにマップされます。

概念スキーマでは、概念スキーマ定義言語 (CSDL) と呼ばれる XML 言語が使用され、ストレージメタデータでは、ストアスキーマ定義言語 (SSDL) と呼ばれる XML 言語が使用されます。

[!メモ]

CSDL 名前空間は、XML 名前空間とは異なります。CSDL 名前空間は、エンティティの型名とアソシエーション名を完全修飾するために使用されます。たとえば、マッピングスキーマ言語 (MSL) がエンティティの型を参照する場合は、完全修飾名を指定する必要があります。さらに、クラスが生成される場合、それらのクラスは同じ名前の CLR 名前空間で作成されます。CSDL は XML 名前空間 https://schemas.microsoft.com/ado/2006/04/edm に含まれています。これら 2 種類の名前空間はそれぞれ独立した個別のものなので、混同しないようにしてください。

名前空間とマッピング

概念スキーマのルート要素は、Schema 要素です。この要素には、CSDL 名前空間を指定する Namespace 属性が含まれています。この名前空間は、CSDL の型をストレージメタデータに関連付けるために、マッピングスキーマで使用されます。

CSDL スキーマからの次の宣言には、サンプルアプリケーション AdventureWorksHRModel のエンティティとアソシエーションをストレージメタデータにマップするためにマッピングスキーマで使用される名前空間が含まれています。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<Schema Namespace="AdventureWorksHRModel"
        Alias="Self" 
        xmlns="https://schemas.microsoft.com/ado/2006/04/edm">

SSDL ファイルにも同じような行があります。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<Schema Namespace="AdventureWorksHRTarget"
        Alias="Self" 
        xmlns="https://schemas.microsoft.com/ado/2006/04/edm/ssdl">

これらの宣言で使用される名前空間の名前は、作成されるデータモデルでのそれぞれの目的を表しています。AdventureWorksHRModel は、これらの例では対象のメタデータ名前空間 AdventureWorksHRTarget にマップされる概念モデルです。

概念スキーマとストレージスキーマ内のエンティティコンテナ要素は、どちらの場合も Schema 要素の子要素ですが、Schema 要素から独立しています。

マッピングスキーマでは、EntityContainerMapping 要素によって 2 つのコンテナオブジェクトがマップされ、名前空間の名前である edm:CdmEntityContainer="HumanResources"``edm:StorageEntityContainer="HumanResources" は参照されません。スキーマの名前空間の名前によって修飾されたエンティティコンテナ名を使用すると、マッピング例外が発生します。

次のマッピングスキーマ言語 (MSL) 見出しは、ここで CdmEntityContainer と呼ばれている概念スキーマ内の HumanResources エンティティコンテナと、StorageEntityContainer と呼ばれているストレージメタデータ間のマッピングを示しています。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<Mapping edm:Space="C-S" 
        xmlns="urn:schemas-microsoft-com:windows:storage:mapping:CS">
  <EntityContainerMapping CdmEntityContainer="HumanResources"
                         StorageEntityContainer="HumanResources">

その他の CSDL スキーマ要素も同様に、マッピングスキーマ内の SSDL 仕様にマップされます。このセクションの各トピックでは、EDM 上に構築されるオブジェクトモデルの実装に使用する型および要素について説明します。