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キャストと型変換 (C# プログラミング ガイド)

更新 : 2008 年 7 月

C# はコンパイル時に静的に型指定されるため、変数を宣言した後、その型が他の変数の型に変換可能である場合を除き、再び宣言したり、他の型の値の格納に使用したりすることはできません。たとえば、整数から任意の文字列に変換することはできません。したがって、次のコードに示すように、i を整数として宣言した後に、"Hello" という文字列を割り当てることはできません。

int i;
i = "Hello"; // Error: "Cannot implicitly convert type 'string' to 'int'"

ただし、値を別の型の変数やメソッド パラメータにコピーする必要がある場合があります。たとえば、パラメータが double として型指定されているメソッドに整数変数を渡す必要がある場合があります。または、インターフェイス型の変数にクラス変数を割り当てる必要がある場合もあります。この種の操作は型変換と呼ばれます。C# では、次の種類の変換を実行できます。

暗黙の型変換

組み込みの数値型では、格納する値を切り捨てたり丸めたりしなくても変数に格納できる場合、暗黙の型変換を行うことができます。たとえば、型 longlong (C# リファレンス) (8 バイト整数) の変数には、intint (C# リファレンス) (32 ビット コンピュータ上の 4 バイト) に格納できるどの値でも格納できます。次の例では、コンパイラは、右側の値を long 型に暗黙的に変換してから bigNum に代入しています。

// Implicit conversion. num long can
// hold any value an int can hold, and more!
int num = 2147483647;
long bigNum = num;

暗黙の数値変換の一覧については、「暗黙的な数値変換の一覧表 (C# リファレンス)」を参照してください。

参照型の場合、あるクラスから、その直接基本クラスまたは間接基本クラスやインターフェイスへの暗黙的な変換が常に存在します。派生クラスには基本クラスのすべてのメンバが常に含まれるため、特別な構文は不要です。

Derived d = new Derived();
Base b = d; // Always OK.

明示的な変換

ただし、変換により情報を失う可能性がある場合、コンパイラによりキャストと呼ばれる明示的な変換を実行することが要求されます。キャストは、ユーザーが変換を行うこと、およびデータ損失の可能性を認識していることをコンパイラに明示的に通知する方法です。キャストを実行するには、変換される値または変数の前のかっこ内にキャストする型を指定します。次のプログラムは、doubledouble (C# リファレンス) を intint (C# リファレンス) にキャストします。このプログラムは、キャストしないとコンパイルできません。

class Test
{
    static void Main()
    {
        double x = 1234.7;
        int a;
        // Cast double to int.
        a = (int)x;
        System.Console.WriteLine(a);
    }
}
// Output: 1234

許可される明示的な数値変換の一覧については、「明示的な数値変換の一覧表 (C# リファレンス)」を参照してください。

参照型では、基本型から派生型に変換する必要がある場合、明示的なキャストが必要です。

        // Create a new derived type.
        Giraffe g = new Giraffe();

        // Implicit conversion to base type is safe.
        Animal a = g;

        // Explicit conversion is required to cast
        // back to derived type. Note: This will compile but
        // throw an exception at run time if the right-side
        // object is not in fact a Giraffe.
        Giraffe g2 = (Giraffe) a;

参照型間のキャスト操作では、基になるオブジェクトのランタイム型は変わらず、そのオブジェクトへの参照として使用される値の型だけが変わります。詳細については、「ポリモーフィズム (C# プログラミング ガイド)」を参照してください。

実行時の型変換の例外

一部の参照型変換では、コンパイラはキャストが有効になるかどうかを判断できません。正常にコンパイルされるキャスト操作が、実行時に失敗する可能性があります。次の例に示すように、実行時に失敗する型キャストにより、InvalidCastException がスローされます。

class Animal
{
    public void Eat() { Console.WriteLine("Eating."); }
    public override string ToString()
    {
        return "I am an animal.";
    }
}
class Reptile : Animal { }
class Mammal : Animal { }

class UnSafeCast
{
    static void Main()
    {            
        Test(new Mammal());

        // Keep the console window open in debug mode.
        System.Console.WriteLine("Press any key to exit.");
        System.Console.ReadKey();
    }

    static void Test(Animal a)
    {
        // Cause InvalidCastException at run time 
        // because Mammal is not convertible to Reptile.
        Reptile r = (Reptile)a;
    }

}

C# には is 演算子と as 演算子が用意されており、実際にキャストを実行する前に互換性をテストできます。詳細については、「方法 : as 演算子と is 演算子を使用して安全にキャストする (C# プログラミング ガイド)」を参照してください。

C# 言語仕様

キャストおよび型変換の詳細については、「C# 言語仕様」の次のセクションを参照してください。

  • 7.6.6 キャスト式

  • 6.1 暗黙の変換

  • 6.2 明示的な変換

参照

処理手順

方法 : string を int に変換する (C# プログラミング ガイド)

概念

C# プログラミング ガイド

一般的な型変換

明示的な変換

エクスポート時の型の変換

参照

型 (C# プログラミング ガイド)

() 演算子 (C# リファレンス)

explicit (C# リファレンス)

implicit (C# リファレンス)

変換演算子 (C# プログラミング ガイド)

履歴の変更

日付

履歴

理由

2008 年 7 月

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