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レポートと ReportViewer コントロールの配置

レポートと ReportViewer コントロールは、アプリケーションの一部として自由に配布できます。配置要件は、コントロールの種類によって、また、レポートがローカル処理とリモート処理のどちらに構成されているかによって大きく異なります。同じアプリケーションに、ローカル処理されるレポートとリモート処理されるレポートを配置できます。

ReportViewer コントロールの再配布

再配布可能な ReportViewer コントロールは、.msi や他のファイルが含まれている ReportViewer.exe という名前の自己展開型ファイルです。ReportViewer.exe は、C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\ReportViewer\ReportViewer.exe にあります。

ReportViewer.exe を実行すると、次のファイルが配置先のコンピュータ上のグローバル アセンブリ キャッシュ フォルダにコピーされます。

ファイル 説明

Microsoft.ReportViewer.Common

ReportViewer の Windows フォーム コントロールと Web サーバー コントロールに共通する主要なレポート機能を提供します。

Microsoft.ReportViewer.ProcessingObjectModel

実行時にレポート定義内の式からプログラムでアクセスできるようにレポート オブジェクト モデルを公開します。

Microsoft.ReportViewer.WebForms

ASP.NET ページ用の ReportViewer コントロールを提供します。

Microsoft.ReportViewer.WinForms

Windows アプリケーション用の ReportViewer コントロールを提供します。

ReportViewer.exe の実行

使用するコントロールの種類によって、ReportViewer.exe をどこで実行するかが決まります。

  • ASP.NET アプリケーションの場合は、アプリケーションをホストする Web サーバーで ReportViewer.exe を実行します。

  • Windows フォーム アプリケーションの場合は、コントロールがアプリケーションで自動的にインストールされるように、コントロールをアプリケーションの前提条件として含めます。ブートストラップ アプリケーションを使用すると、この手順を自動化できます。

    1. プロジェクトのプロパティ ページを開きます。

    2. [発行] をクリックし、[必須コンポーネント] をクリックします。

    3. [Microsoft Visual Studio 2008 レポート ビューア] を選択し、[OK] をクリックします。

    4. アプリケーションをパブリッシュします。

アプリケーションのインストール中に、ReportViewer が既にインストールされているかどうかを確認するためのチェックがローカル コンピュータで行われます。インストールされていない場合は、セットアップ プログラムによって ReportViewer がインストールされます。

ローカライズ版の ReportViewer コントロールの配置

ReportViewer コントロールには、簡体字中国語、繁体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語 (ブラジル)、ロシア語、およびスペイン語の 10 か国語の Visual Studio 言語パッケージが用意されています。ローカライズ版のコントロールを使用するには、次の操作を行う必要があります。

  1. ReportViewer.exe を実行します。

  2. 使用する言語パッケージが格納されているフォルダに移動します。言語パッケージ フォルダは、<ドライブ>:\Program Files\Microsoft SDKs\Windows\v6.0A\BootStrapper\Packages\ReportViewer\<言語> にあります。

  3. ReportViewerLP.exe を実行します。

ReportViewer コントロールで他の言語を使用するには、Microsoft.Reporting.WebForms.IReportViewerMessages または Microsoft.Reporting.WinForms.IReportViewerMessages インターフェイスを実装して、特定の言語でツールヒントなどのユーザー インターフェイスのテキストを作成します。

ブラウザの言語およびカルチャ設定の検出

ReportViewer Web サーバー コントロールを使用してブラウザ アプリケーションでレポートをホストしている場合、ブラウザの言語およびカルチャ設定に一致するユーザー インターフェイスを提供するには、スレッドのカルチャを設定する必要があります。ASP.NET では、クライアントから提供されるヘッダー情報に基づいてスレッドのカルチャが設定されることはありません。アプリケーションとブラウザのカルチャ設定を一致させるには、アプリケーション コードで System.Threading.Thread.CurrentCulture および System.Threading.Thread.CurrentUICulture を設定します。アプリケーションでカルチャ設定を操作する方法の詳細については、「System.Globalization.CultureInfo」を参照してください。

ReportViewer Web サーバー コントロールの配置に関する注意事項

Web ファームに ASP.NET アプリケーションを配置するには、ファーム全体にわたってビュー状態を維持するために追加の構成が必要になります。Web ファーム環境に ReportViewer Web サーバー コントロールを配置する場合は、アプリケーションの Web.config ファイルで machineKey 要素を指定する必要があります。詳細については、「ReportViewer 用の Web.config 設定」を参照してください。

ReportViewer Web サーバー コントロールで処理されるレポートには、さまざまなブラウザ要件があります。ブラウザの互換性の問題が、一部のレポート機能の利用に影響する可能性があります。詳細については、「ReportViewer Web サーバー コントロールのブラウザ サポート」を参照してください。

レポートの配布

実行時にクライアント レポート定義 (.rdlc) ファイルを動的に生成する場合を除いて、ローカル処理されたレポートはファイル システムに .rdlc として保存され、そのファイルをアプリケーションに添付する必要があります。ファイルはディスク ドライブにインストールするか、またはアプリケーション実行可能ファイルにコンパイルできます。

リモート サーバーで処理されたレポートは、Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services レポート サーバーに保存されます。レポートはリモート処理され、ローカル システムに存在しないため、アプリケーションにはレポート ファイルが含まれていません。パブリッシュするレポートをレポート サーバーに配置するには、レポート サーバーへの継続したアクセスを提供し、アプリケーション ユーザーがそのサーバーでレポートを表示するために認証されるようにする必要があります。サーバー レポートを配置するには、レポート サーバーで使用される認証拡張機能と、コンテンツおよび操作へのアクセスを提供するロール ベースの承認モデルについて理解する必要があります。詳細については、「サーバー レポートの配置に関する注意事項」を参照してください。

参照

概念

ReportViewer コントロールの追加と設定
ReportViewer 用の Web.config 設定
非同期表示のための ReportViewer の構成
ReportViewer ツール バーの構成と使用