OLE 概要 : リンクと埋め込み
コンテナー アプリケーションの [貼り付け] コマンドを実行すると、埋め込みアイテムつまり埋め込みコンポーネントが作成されます。 埋め込みアイテムの元データは、格納先の OLE ドキュメントの一部として保存されます。 これによって、ワード プロセッサの文書ファイルには、テキストだけではなく、ビットマップ、グラフ、数式などの任意のデータを含めることができます。
OLE もう 1 つの別のアプリケーションからデータを組み込む方法が用意されています。リンク コンポーネント、またはリンクされたアイテム、またはリンクを作成します。 リンク アイテムを作成する手順は、埋め込みアイテムの作成と似ていますが、[貼り付け] コマンドではなく [リンク貼り付け] コマンドを使います。 埋め込みコンポーネントと異なり、リンク コンポーネントは、元のデータへのパスを保存します。元のデータは、別のファイルに保存されていることもあります。
たとえば、ワード プロセッサで作業をしているときに、スプレッドシートのセルへのリンク アイテムを作成すると、このリンク アイテムのデータは元のスプレッドシート ドキュメントに保存されます。 ワード プロセッサ文書には、アイテムがどこにあるかを示す情報 (元のスプレッドシート ドキュメントへのリンク) だけが格納されます。 セルをダブルクリックすると、セルを作成したスプレッドシート アプリケーションが起動され、元のスプレッドシート ドキュメントが読み込まれます。
埋め込みアイテム、リンク アイテムのどちらの場合でも、それを作成したアプリケーションに応じてタイプが決まります。 たとえばペイントブラシ アイテムと Excel アイテムはそれぞれ別のタイプです。 複数のタイプのアイテムを作成できるアプリケーションもあります。 たとえば、Excel では、ワークシート アイテム、グラフ アイテム、およびマクロシート アイテムを作成できます。 システムでは、これらのアイテムをクラス ID (CLSID) を用いて一意に識別します。