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Microsoft レポートの新機能

Microsoft Visual Studio 2010 には、レポートのデザイン、アプリケーションでのレポートの表示、アプリケーションと Microsoft SQL Server Reporting Services の統合を支援する、次の新機能が搭載されています。

  • レポート定義言語 (RDL: Report Definition Language) 2008 スキーマに対応するレポート デザイナー

  • 新しいレポート ウィザード

  • ReportViewer コントロールの機能強化

  • ASP.NET Web サーバー コントロールでの AJAX のサポート

  • ReportViewer コントロールのプログラム性の向上

レポート定義言語 (RDL: Report Definition Language) 2008 スキーマに対応するレポート デザイナー

Visual Studio 2010 のレポート デザイナーは、レポート定義言語 (RDL) 2008 スキーマに基づくレポート作成をサポートしています。レポート デザイナーでは、tablix、ゲージ、強化されたグラフ データ領域などのレポート アイテムを使用したレポートを作成できます。次の新機能があります。

  • 強化されたグラフ データ領域

  • 新しいゲージのデータ領域

  • 新しい tablix のデータ領域

  • レポート デザイナーの機能強化

  • 新しく強化されたレポート アイテムと RDL 要素

レポート デザイナーの新機能の詳細については、SQL Server オンライン ブックの「What's New in Report Authoring」を参照してください。

レポート デザイナーで既存の RDL 2005 レポートを開く際には、そのレポートを RDL 2008 スキーマにアップグレードする必要があります。Visual Studio 2010 のレポート デザイナーは、RDL 2005 スキーマをサポートしていません。それでも、Visual Studio 2010 ReportViewer コントロールでは、既存の RDL 2005 レポートを処理することができます。このコントロールは、RDL 2005 スキーマおよび RDL 2008 スキーマに基づくレポートをローカル処理モードでサポートします。

SQL Server 2008 以降のバージョンの Reporting Services レポート サーバーを使用してリモート処理モードで ReportViewer コントロールを使用すると、Business Intelligence Development Studio でレポートを作成して、カスタム レポート アイテムおよびレポート モデルなどの Reporting Services のみで使用できるレポート作成機能を利用できます。SQL Server 2008 R2 バージョンの Reporting Services レポート サーバーを使用してリモート処理モードで ReportViewer コントロールを使用すると、マップ、スパークライン、インジケーターなどの RDL 2010 スキーマで使用できる機能豊富なレポート作成機能を利用できます。

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新しいレポート ウィザード

Visual Studio 2010 には、新しいレポート ウィザードが用意されています。レポートを完成させるまでの一連の作業手順が示されるため、データ定義とレポート デザインを簡単に実行できます。レポート ウィザードを実行すると、レポートをすばやく作成できます。詳細については、「Visual Studio レポート ウィザードを使用したクライアント レポート定義の作成」を参照してください。

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ReportViewer コントロールの機能強化

Visual Studio 2010 では、豊富な機能を備え、ユーザー インターフェイスの機能が強化された、Windows フォームと ASP.NET の ReportViewer コントロールを使用できます。強化された点は次のとおりです。

  • SQL Server 2008 以降のバージョンの Reporting Services レポート サーバーのサポート
    Visual Studio 2010 コントロールを使用することで、SQL Server 2008 の処理拡張機能および表示拡張機能を使用でき、パフォーマンスを向上させることができます。処理拡張機能および表示拡張機能の詳細については、SQL Server オンライン ブックの「What's New in Report Processing and Rendering」を参照してください。

    注意

    Visual Studio 2010 の ReportViewer コントロールでは、SQL Server 2005 バージョンの Reporting Services レポート サーバーはサポートされません。

  • .NET Framework の複数のバージョンに対応
    Visual Studio 2010 コントロールを .NET Framework 3.5 SP1 および 4 と共に使用できるようになりました。

  • 外観の変更
    ツール バー、プロンプト領域、見出しマップの外観が新しくなりました。

  • Microsoft Word へのエクスポート
    ローカル処理モードでのエクスポート形式に、Microsoft Word が追加されています。

  • ReportViewer ASP.NET AJAX コントロール
    「ASP.NET Web サーバー コントロールでの AJAX のサポート」を参照してください。

  • プログラム性の向上
    「ReportViewer コントロールのプログラム性の向上」を参照してください。

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ASP.NET Web サーバー コントロールでの AJAX のサポート

Web サーバー コントロールが ASP.NET AJAX コントロールになりました。AJAX を利用することで、レポート ナビゲーションのちらつきを減らすことができ、ユーザー インターフェイスの対話機能が向上しています。Web サーバー コントロールが ASP.NET AJAX コントロールになったため、レポート領域の非同期表示に IFrame を使用することはなくなります。代わりに UpdatePanel を使用して、サーバーへの非同期ポストバックにより部分ページ表示を実行します。ASP.NET AJAX の部分ページ表示と非同期ポストバックの詳細については、「Partial-Page Rendering Overview」を参照してください。AJAX アプリケーションでは、UpdatePanel 内に ReportViewer コントロールを配置することもできます。

Web フォームへの ASP.NET Web サーバー コントロールの追加の詳細については、「チュートリアル : ローカル処理モードでの ReportViewer Web サーバー コントロールとデータベースのデータ ソースの使用法」を参照してください。

対話機能実行中の非同期ポストバック動作は、InteractivityPostBackMode プロパティによって制御されます。また、以前のバージョンで存在した IFrame 使用時の機能に関する制約がなくなります。

  • 以前のバージョンでは、AsyncRendering が true に設定されていると、SizeToReportContent プロパティが無視されました。今後は、AsyncRendering の値に関係なく常に適用されます。

  • 以前のバージョンでは、AsyncRendering が true に設定されている場合にのみ、見出しマップを表示できました。今後は、AsyncRendering の値に関係なく表示できます。

ReportViewer Web サーバー コントロールには Microsoft AJAX Library に基づくクライアント側 API も用意されているため、開発者は JavaScript を使用してクライアント側での操作をプログラムにより実行できます。詳細については、「Microsoft.Reporting.WebFormsClient.ReportViewer クラス」を参照してください。

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ReportViewer コントロールのプログラム性の向上

ReportViewer コントロールのプログラム性は、次の点で向上しています。

  • 豊富になったイベント モデル
    公開されるイベントが増えたことにより、ReportViewer コントロールの機能と表示の両方について、より細かい制御とカスタマイズを実行できます。公開されるイベントの例は次のとおりです。

  • カスタマイズ
    公開されるプロパティとメソッドが増えたことにより、ReportViewer コントロールの外観をカスタマイズできます。公開されるプロパティおよびメソッドの例は次のとおりです。

  • 詳細な状態情報
    公開されるプロパティとメソッドが増えたことにより、ReportViewer コントロールの現在の状態に関する情報をより詳細に取得できます。公開されるプロパティおよびメソッドの例は次のとおりです。

  • クライアント側 API
    「ASP.NET Web サーバー コントロールでの AJAX のサポート」を参照してください。

  • 非同期表示
    「ASP.NET Web サーバー コントロールでの AJAX のサポート」を参照してください。

  • セッション ping
    KeepSessionAlive プロパティを使用すると、ReportViewer コントロールで継続的に ping を実行してユーザー セッションを維持するか、セッションの有効期限が切れるようにするかを制御できます。

  • 対話型レポート用のデバイス情報設定
    InteractiveDeviceInfos プロパティを使用すると、レポート領域に表示するレポート用のデバイス情報設定を指定できます。

  • 印刷のカスタマイズ
    SetPageSettings などのメソッドおよび PrinterSettings などのプロパティ (Windows フォームの場合のみ) を使用すると、ページ サイズ、余白、組み込みのページ設定ダイアログおよび印刷ダイアログで使用する既定のプリンターをプログラムで設定できます。

  • ローカリゼーション
    IReportViewerMessages3 インターフェイスでカスタマイズおよびローカライズできる ReportViewer コントロールのメッセージ数が増えました。

  • アプリケーション ドメイン
    ローカル処理モードのときに、サンドボックスで保護されたアプリケーション ドメインで使用できる ReportViewer コントロールの数が増えました。.NET Framework 4 からコード アクセス セキュリティ (CAS) 機能が変更されるため、.NET Framework 4 で現在のアプリケーション ドメインを使用する場合、<NetFx40_LegacySecurityPolicy> フラグを Web.config ファイルで設定しなければサポートされません。

  • 互換性のために残されているプロパティ
    プロンプト領域および見出しマップをツール バーのボタンで制御しなくなるため、ShowPromptAreaButton プロパティおよび ShowDocumentMapButton プロパティは使用されなくなりますが、互換性のために残されています。ReportViewer コントロールでは押しボタンが使用されないため、Web サーバー コントロールの ToolBarItemPressedBorderStyleToolBarItemPressedBorderColorToolBarItemPressedBorderWidth プロパティおよび ToolBarItemPressedHoverBackColor プロパティは使用されなくなりますが、互換性のために残されています。

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関連項目

概念

Microsoft レポート