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Team System における Analysis Services キューブで用意されているメジャー グループおよび測度

Visual Studio アプリケーション ライフサイクル管理 (ALM) 用の SQL Server Analysis Services キューブを使用することにより、チーム プロジェクト コレクションに格納されているデータに関する集計情報のレポートを作成できます。 このデータを使用して、Office Excel で簡単にピボットテーブル レポートおよびピボットグラフ レポートを作成できます。 キューブ要素をピボットテーブル レポートまたはピボットグラフ レポートにドラッグすることで、質問の作成と回答の取得を迅速に行うことができます。 キューブは、"プロジェクトの各日でいくつのバグがアクティブだったか、解決されたか、および終了したか" などの質問に回答するために最適化されています。

注意

Visual Studio ALM 用データ ウェアハウスで SQL Server Enterprise Edition を使用している場合は、キューブの一覧に Team System と一連のパースペクティブが含まれます。 パースペクティブにより、対象を絞ったデータのビューが表示されるので、Team System キューブ全体に対して定義されているすべてのディメンションやメジャー グループをスクロールする必要はありません。

このトピックの内容

  • パースペクティブとメジャー グループ

  • キューブに関する用語とその定義

パースペクティブとメジャー グループ

以下の表に、キューブ パースペクティブに従ってグループ化されるメジャー グループを示します。 Team System キューブには、Team System パースペクティブにのみ属すると示されているメジャー グループだけでなくすべてのメジャー グループが含まれます。 ほとんどのメジャー グループには、1 つ以上の累積数が含まれます。 累積数を使用して、傾向レポートを生成できます。 累積数の名前に "傾向" という文字列が含まれることがあります (例: "ビルド結果数の傾向"、"ポイント数の傾向")。

注意

すべてのメジャー グループに、テスト結果の開始日、終了日、作成日、および完了日に基づく累積数が含まれます。

パースペクティブ

メジャー グループ

説明

ビルド

"ビルド" メジャー グループ

ビルド時間やビルド間隔など、ビルドについて説明するメトリックを提供します。また、ビルドの実行者、ビルドの種類、ビルドのフレーバー、ビルドの結果など、各種ディメンションで分析できます。

ビルド変更セット

ビルドおよびバージョン コントロールの変更セットに重点を置くレポートをサポートします。 ビルド内のバージョン コントロールの変更セットの累積数が含まれます。

ビルド カバレッジ

ビルドに対して実行されたテストにおいて対象となっていたコードの範囲に重点を置くレポートをサポートします。 次の累積データが含まれます。

  • カバー済みブロック: 選択されたビルド内で対象となるブロックの数。 1 つのビルドに対して複数のテストが実行された場合は、複数のテスト実行のコード カバレッジを加算した数値が表示されます。 ただし、ブロックが重複して実行されることを考慮する必要があります。

  • 未カバー ブロック: 選択されたビルド内で対象とならないブロックの数。 1 つのビルドに対して複数のテストが実行された場合は、複数のテスト実行のコード カバレッジを加算した数値が表示されます。 ただし、ブロックが重複して実行されることを考慮する必要があります。

  • ビルド カバレッジ: コード カバレッジの統計情報の対象となるビルドの数。

  • カバーされた行数: 選択されたビルド内で対象となる行の数。 1 つのビルドに対して複数のテストが実行された場合は、複数のテスト実行のコード カバレッジを加算した数値が表示されます。 ただし、行が重複して実行されることを考慮する必要があります。

  • 未カバーの行数: 選択されたビルド内で対象とならない行の数。 1 つのビルドに対して複数のテストが実行された場合は、複数のテスト実行のコード カバレッジを加算した数値が表示されます。 ただし、行が重複して実行されることを考慮する必要があります。

  • 部分的にカバーされた行数: 選択されたビルド内で一部だけ対象となる行の数。 1 つのビルドに対して複数のテストが実行された場合は、複数のテスト実行のコード カバレッジを加算した数値が表示されます。 ただし、行が重複して実行されることを考慮する必要があります。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「コード カバレッジ Excel レポート」を参照してください。

ビルドの詳細

ビルドの状態、品質、および継続時間に重点を置くレポートをサポートします。 次の累積データが含まれます。

  • ビルドの詳細数: 特定のビルドが実行された回数。

  • ビルド継続時間: ビルド終了までの所要時間 (分)。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「ビルドの品質評価 Excel レポート」を参照してください。

ビルド プロジェクト

ビルドおよびビルド ソース プロジェクト ファイルに重点を置くレポートをサポートします。 次の累積データが含まれます。

  • ビルド プロジェクト数: チーム プロジェクトがビルドされた回数。

  • コンパイル エラー: 選択したビルドのコンパイル エラーの数。

  • コンパイルの警告: 選択したビルドのコンパイルの警告の数。

  • スタティック分析エラー: 選択したビルドのスタティック分析エラーの数。

  • スタティック分析の警告: 選択したビルドのスタティック分析の警告の数。

コード チャーン

"コード チャーン" メジャー グループ

Team Foundation バージョン管理に格納されるファイル バージョンの数およびコードが変更される範囲に重点を置くレポートをサポートします。 メトリックスは、ファイル ディレクトリ、ビルド、またはコードをチェックインするチーム メンバーごとに分析できます。 すべての合計は時系列で分析できるため、次のような質問の回答を得ることができます。

  • 2 つのビルドの間で .cs ファイル内のコード行がいくつ変更されたか。

  • 特定のビルドにおいて指定のファイル名拡張子を持つファイルがいくつ変更されたか。

  • 特定のビルドのソース ベースに何行のコードがあるか。

  • どの変更セットが発行されたか、および各変更の詳細はどうか (だれが変更したか、どのファイルが変更されたか、変更が行われた日付など)。

次の累積データが含まれます。

  • コード チャーン数: バージョン コントロール システムでファイルに変更が行われた回数。

  • 追加された行数: 選択したディメンションに対して追加された行の数。

  • 削除された行数: 削除された行の数。

  • 変更された行数: 選択した期間に変更された行の数。

  • コード チャーンの合計: 追加、変更、または削除された行の合計数。

  • 合計行数: 1 つまたは複数のビルドのファイル パス階層構造における選択範囲内の行の合計数。 この計算ではビルドに関する情報のみが返されるので、特定のビルドを選択しないまま使用すると NULL が返されます。 この行数は、ビルドの種類とオペレーティング システムの特定の組み合わせに関係する行のうち、追加された行および削除された行を集計して計算されます。

コード カバレッジ

"コード カバレッジ" メジャー グループ

さまざまなビルドおよび実行の構成でテストされたコードの行数およびブロック数に関するメトリックを提供します。

ビルド カバレッジ

このグループは、"ビルド" パースペクティブの "ビルド カバレッジ" メジャー グループと同じです。

実行カバレッジ

テストの実行において対象となっていたコードの範囲に重点を置くレポートをサポートします。 次の累積データが含まれます。

  • 実行範囲のカバーされたブロック: 1 回のテスト実行におけるすべてのテストで対象となったブロックの数。 ただし、重複してテストされることを考慮する必要があります。

  • 実行範囲のカバーされないブロック: 1 回のテスト実行におけるすべてのテストで対象とならなかったブロックの数。 ただし、重複してテストされることを考慮する必要があります。

  • 実行範囲: コード カバレッジの統計情報の対象となるテスト実行の数。

  • 実行範囲のカバーされた行: 1 回のテスト実行におけるすべてのテストで対象となる行の数。 ただし、重複してテストされることを考慮する必要があります。

  • 実行範囲のカバーされない行: 1 回のテスト実行におけるすべてのテストで対象とならない行の数。 ただし、重複してテストされることを考慮する必要があります。

  • 実行範囲の部分的にカバーされた行: 1 回のテスト実行におけるすべてのテストで部分的に対象となる行の数。 ただし、重複してテストされることを考慮する必要があります。

テスト

"テスト" メジャー グループ

テストの実行およびテストの結果に関するメトリックを提供します。 テストの結果は時系列でトラックされ、その出力、テストしたビルド、テストの種類、および他のディメンションに基づいて分析できます。

次の累積データが含まれます。

  • ビルド結果数の傾向: 特定のビルドにおける各テスト結果の最新バージョンの数。

  • ポイント数の傾向: 特定のビルドにおける各テスト結果の最新バージョンの数。 1 つのビルドに対してテストを複数回実行した場合、このビルドを使用するテストの最新の結果が [ポイント数の傾向] フィールドによってカウントされます。

  • 結果数: 個別のテスト結果の総数。

  • 結果数の傾向: 各テスト結果の最新バージョンの数。

  • 結果移行数: 特定のビルドについて、結果の成果が変更されているテスト結果の総数。

  • テスト ケース数: テスト ケースの数。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「テスト ギャップ Excel レポート (アジャイル)」を参照してください。

作業項目

"作業項目" メジャー グループ

作業項目に関するメトリックおよび詳細情報を提供します。これには、作業項目の総数を時間の経過または現在の時点で分析できる履歴情報も含まれます。 このメジャー グループを使用すると、次のような質問の回答を得ることができます。

  • 前回のイテレーションで発生した日単位のアクティブなバグの総数。

  • 前年の月単位のアクティブなシナリオの数。

  • 先月発生した日単位の各優先度のバグの数。

次の累積データが含まれます。

  • リビジョン数: 発生した作業項目のリビジョンの数。 これは、作業項目の詳細な履歴を表示するときに役立ちます。 たとえば、"リビジョン数" を返し、"変更者" ディメンションでデータをグループ化し、日付範囲でフィルター処理するクエリは、各ユーザーが作業項目を変更した回数を表示します。

    このメジャーは、特定の作業項目の詳細な履歴を表示する場合も役立ちます。

  • 状態の変更数: 作業項目の状態が変化した回数。 これを使用すると、特定の期間の特定の製品区分内のバグ再アクティブ化の結果を表示できます。 例については、「バグの再アクティブ化 Excel レポート」を参照してください。

  • 作業項目数: 個々の作業項目の数。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「バグの再アクティブ化 Excel レポート」を参照してください。

Team System

"Analysis Services データ キューブ" メジャー グループ

この表で上に挙げたすべてのメジャー グループに対して定義されているすべてのメトリックを提供します。作業項目に重点を置く次のメジャー グループが含まれます。

現在の作業項目

作業項目の現在の状態に関するメトリックを提供します。 テスト ケース、変更セット、作業項目、およびリンクされた作業項目に重点を置くレポートをサポートします。

このメジャー グループを使用すると、次のような質問の回答を得ることができます。

  • 各ユーザーに対してアクティブなタスクがいくつ割り当てられているか。

  • プロジェクトの各区分でいくつのバグがアクティブになっているか。

  • いくつのアクティブなユーザー ストーリーまたは要件が、リンクされたバグを持つか。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「バグ (割り当て順) Excel レポート」を参照してください。

リンクされた現在の作業項目

リンクされた作業項目に関連する詳細に重点を置くレポートをサポートします。

リンクされた現在の作業項目テスト ケース

リンクされた作業項目およびそのテスト ケースに関連する詳細に重点を置くレポートをサポートします。

このメジャー グループを使用するレポートの例については、「テスト ギャップ Excel レポート (アジャイル)」を参照してください。

作業項目変更セット

作業項目および変更セットに関連する詳細に重点を置くレポートをサポートします。

作業項目からカテゴリへ

関連付けられたカテゴリで見つかった作業項目を示すレポートをサポートします。 カテゴリを使用して、異なるラベルが付けられている類似した種類の作業項目を関連付けます。

カテゴリの詳細については、「カテゴリへの作業項目の種類のグループ化」を参照してください。

作業項目からツリーへ

ツリー ノードの下の作業項目の数、および作業項目とツリーの種類に関するレポートをサポートするフィールドを示します。

ツリー リンクの種類の詳細については、「リンクの種類の操作」を参照してください。

結果を含む作業項目

作業項目およびテスト結果を示すレポートをサポートします。 テスト結果にリンクされた作業項目の数、および作業項目とそれに関連付けられたテスト結果に関するレポートをサポートするフィールドを示します。

キューブに関する用語とその定義

キューブとは、メジャー グループにグループ化され、ディメンションによって階層的に編成される、メジャーのセットを表します。 キューブは、リレーショナル データベースから取得されたデータで構成されます。 次の図に、キューブのさまざまな面の関係を示します。

キューブのリレーションシップ

次の表に、キューブのさまざまな面に言及する際に使用される用語とその定義を示します。

語句

説明

属性

各属性は、データ ウェアハウス内にある対応するディメンション テーブル内の列に関連付けられています。 各ディメンションには属性のセット (場合によっては階層のセット) が関連付けられています。 区分パスおよびイテレーション パスは、階層の例です。

一部の作業項目ディメンション属性は、数値フィルター値および日付フィルター値としても保存されます。 行または列セクションでこれらのディメンション属性のいずれかを使用する場合、これらの値を使用してレポートをフィルター処理できます。 たとえば、"System_CreatedDate is greater than Oct 1, 2009" という値フィルターを使用してレポートをフィルター処理すると、2009 年 10 月 1 日より後に作成された作業項目を表示できます。メジャー値を使用してレポートをフィルター処理することもできます。 たとえば、"Remaining Work is greater than 2" という値フィルターを使用してレポートをフィルター処理すると、2 時間を超える作業が残されている作業項目だけを表示できます。値フィルターの詳細については、Microsoft の Web サイトの「ピボットテーブル レポートまたはピボットグラフ レポートのデータを抽出する」を参照してください。

ディメンション

ディメンションを使用することにより、データのさまざまなビューを抽出できます。 データ値はディメンションのセットに関連付けられているので、特定のディメンション値のセットを使用してフィルター処理された集計結果を表示できます。

ディメンションを使用することで、データの分解およびデータの詳細を表示できます。 たとえば、ピボットテーブル レポートまたはピボットグラフ レポートの行または列セクションで "日付" ディメンションを使用して、一定期間内の傾向を示すことができます。 ディメンションを使用して、レポートをフィルター処理することもできます。 フィルター領域にディメンションまたはディメンション属性を配置して、レポートに含める値を指定します。

一部のディメンションは、複数のメジャー グループで使用されます。 たとえば、"日付"、"チーム プロジェクト"、"人"、"区分"、"イテレーション" の各ディメンションは、すべてのメジャー グループで共有されます。 次の図に、キューブ内のディメンションを示します。

Team System のディメンション

ディメンションは属性の集まりであり、データ ソース ビュー内のテーブル列またはビュー列に基づいています。 ディメンションの特徴としては、キューブの外部に存在している、複数のキューブ内で使用できる、1 つのキューブ内で何回も使用できる、Analysis Services インスタンスとリンクできる、などがあります。 キューブの外部に存在するディメンションをデータベース ディメンションと呼びます。また、あるキューブ内にあるデータベース ディメンションのインスタンスをキューブ ディメンションと呼びます。

ファクトおよびファクト テーブル

ファクトとは、複数のディメンションに関連付けられるデータのことです。 このデータは集計することもできます。 ファクト テーブルには、これらの値が保持されます。

各データ ウェアハウスには、1 つ以上のファクト テーブルがあります。 "スター" スキーマや "スノーフレーク" スキーマの柱であるファクト テーブルには、チームの活動に関する測定データが取り込まれます。 通常、ファクト テーブルには (大規模なチーム プロジェクトで 1 年から数年の履歴がある場合は特に) 大量の行が含まれます。

ファクト テーブルの重要な特徴の 1 つは、組織運営の履歴に関する情報を提供するために要約できる数値データ (ファクト) が含まれることです。 各ファクト テーブルには、関連するディメンション テーブルの主キーを外部キーとして持つ、マルチパート インデックスも備わっています。 関連ディメンションには、ファクト レコードの属性が含まれています。 ファクト テーブルには記述情報を格納しないでください。また、数値測定フィールドとインデックス フィールド以外のデータも格納しないでください。インデックス フィールドとは、ファクトをディメンション テーブル内の対応するエントリに関連付けるものです。

データ ウェアハウスに対して定義されているファクト テーブルの一覧については、「Visual Studio ALM 用のリレーショナル ウェアハウス データベースを使用したレポートの生成」を参照してください。

KPI

ビジネス用語としての主要業績評価指標 (KPI) は、ビジネスの成功度を判断するための測定値のことです。

一方、Analysis Services での KPI は、キューブ内のメジャー グループに関連付けられた計算の集まりであり、ビジネスの成功度を評価するために使用されます。 これらの計算は通常、多次元式 (MDX) または計算されるメンバーの組み合わせです。 KPI には、KPI の計算結果をクライアント アプリケーションでどのように表示するかについての情報を提供する追加のメタデータもあります。

メジャー

メジャーとは、対応するファクト テーブル内の列に対応する値のことです。 また、reportable 属性が Measure に設定されているフィールドは、キューブ内でメジャーとして表示されます。 次の図に、キューブ内のメジャーを示します。

Team System のメジャー

メジャー グループ

各メジャー グループには、"作業項目数" などのメジャー、"日付"、"チーム プロジェクト" などのディメンションが含まれます。 メジャーとは、さまざまなレベルの集計で概要情報を示す数値です。 メジャーは、ピボットテーブル レポートまたはピボットグラフ レポートの値セクションで使用できます。 次の図に、Team Foundation におけるメジャー グループを示します。

"Team System" メジャー グループ

パースペクティブ

パースペクティブを使用すると、キューブの一部を表示できるので、レポート作成に必要な情報にのみ焦点を合わせることが簡単にできます。

メモメモ
パースペクティブを使用できるのは、Visual Studio ALM 用のデータ ウェアハウスで SQL Server Enterprise Edition を使用している場合のみです。そうでない場合は、Team System キューブというパースペクティブのみが表示されます。

パースペクティブを使用すると、対象を絞ったデータのビューを表示できるので、キューブ全体に対して定義されているすべてのディメンションとメジャー グループをスクロールする必要はありません。 パースペクティブは、キューブの機能およびオブジェクトのサブセットです。

参照

概念

作業項目クエリを使用した Microsoft Excel でのレポートの作成

Visual Studio ALM のレポートの作成、カスタマイズ、および管理

その他の技術情報

データ ウェアハウスで発生しているスキーマ競合の解消

Analysis Services キューブにおけるスキーマに対する修正および追加

Team Foundation Server 2010 にアップグレードした後のレポートの場所の確認

Visual Studio ALM 用 Excel レポートの作成と管理