圧縮された USMT 移行ストアからのファイルの抽出

"PC のリフレッシュ" を伴う標準的な移行では、ファイルと設定を移行する際、圧縮された移行ストア ファイルを中間ストアに作成するのが一般的です。この移行ストアは、移行対象となるすべてのファイルとカタログ ファイルを格納する単一のイメージ ファイルです。圧縮ファイルを保護するには、各種の暗号化アルゴリズムを使って暗号化します。オペレーティング システムのインストール後、再びファイルを移行元コンピューターに戻すには、Usmtutils コマンドに /extract オプションを指定して実行し、圧縮移行ストアからファイルを回復します。Usmtutils コマンドの /extract オプションは、移行ストアからデータを回復する目的で使うこともできます。

/extract オプションと組み合わせて、次のオプションを指定することができます。

  • 移行ストアを作成する際に使われた暗号化アルゴリズム。

  • 暗号化キーまたは暗号化キーを格納したテキスト ファイル。

  • データの抽出対象に含めるパターンと対象から除外するパターン。

また、抽出するファイルを指定するときに、ファイルのパターンを /i オプションで抽出対象に含め、/e オプションで除外することもできます。/i オプションと /e オプションの両方を同じコマンドで指定した場合、対象に含めるパターンが、除外するパターンよりも優先されます。これは、ScanState ツールと LoadState ツールで使われている include 規則や exclude 規則とは異なるので注意してください。

このトピックの内容

  • USMTutils ツールを /extract オプションで実行するには

  • 圧縮移行ストアからすべてのファイルを抽出するには

  • 暗号化された圧縮移行ストアから特定の種類のファイルを抽出するには

  • 暗号化された圧縮移行ストアから特定の種類のファイルを除くすべてのファイルを抽出するには

  • 対象に含めるパターンと対象から除外するパターンを使って特定の種類のファイルを抽出するには

USMTutils ツールを /extract オプションで実行するには

圧縮移行ストアから移行先コンピューターにファイルを抽出するには、次の USMTutils 構文を使います。

Cd /d <USMT パス> usmtutils /extract <ファイル パス> <移行先パス> [/i:<対象に含めるパターン>] [/e:<対象から除外するパターン>] [/l:<ログ ファイル>] [/decrypt[:<アルゴリズム ID>] {/key:<キー文字列> | /keyfile:<ファイル名>}] [/o]

プレースホルダーに指定する値は以下のとおりです。

  • <USMT パス> は、USMT のファイルとツールを保存した場所です。

  • <ファイル パス> は、移行ストアの場所です。

  • <移行先パス> は、/extract オプションによって抽出された移行ストア内のファイルを格納する場所です。

  • <対象に含めるパターン> には、抽出対象に含めるファイルのパターンを指定します。

  • <対象から除外するパターン> には、抽出対象から除外するファイルのパターンを指定します。

  • <アルゴリズム ID> は、ScanStae コマンド ラインで移行ストアを作成する際に使われた暗号化アルゴリズムです。

  • <ログ ファイル> には、ログ ファイルの場所と名前を指定します。

  • <キー文字列> は、移行ストアを暗号化する際に使われた暗号化キーです。

  • <ファイル名> には、暗号化キーを格納したテキスト ファイルの場所と名前を指定します。

圧縮移行ストアからすべてのファイルを抽出するには

圧縮移行ストアのすべての内容を C:\ ドライブ上のファイルとして抽出するには、次のように入力します。

usmtutils /extract D:\MyMigrationStore\USMT\store.mig C:\ExtractedStore

暗号化された圧縮移行ストアから特定の種類のファイルを抽出するには

暗号化された圧縮移行ストアから特定のファイル (.txt ファイル、.pdf ファイルなど) を抽出するには、次のように入力します。

usmtutils /extract D:\MyMigrationStore\USMT\store.mig /i:"*.txt,*.pdf" C:\ExtractedStore /decrypt /keyfile:D:\encryptionKey.txt

この例では、ファイルが暗号化されており、暗号化キーが encryptionKey というテキスト ファイルに格納されています。

暗号化された圧縮移行ストアから特定の種類のファイルを除くすべてのファイルを抽出するには

暗号化された圧縮移行ストアから特定のファイル (.exe ファイルなど) を除くすべてのファイルを抽出するには、次のように入力します。

usmtutils /extract D:\MyMigrationStore\USMT\store.mig /e:*.exe C:\ExtractedStore /decrypt:AES_128 /key:password /l:C:\usmtutilslog.txt

対象に含めるパターンと対象から除外するパターンを使って特定の種類のファイルを抽出するには

圧縮移行ストアからファイルを抽出するとき、特定の種類のファイル (.exe ファイルなど) を除外すると共に、特定のファイルのみを対象に含めるには、次の例のように、対象に含めるパターンと対象から除外するパターンの両方を使います。

usmtutils /extract D:\MyMigrationStore\USMT\store.mig /i:myProject.* /e:*.exe C:\ExtractedStore /o

この例では、myProject.exe ファイルが抽出対象になります。これは、対象に含めるパターン (/i オプション) の方が、対象から除外するパターン (/e オプション) よりも優先されるためです。

関連項目

他のリソース

UsmtUtils の構文
リターン コード
圧縮移行ストアの状態を検証する