_open、_wopen
ファイルを開きます。 セキュリティが強化されたバージョンを使用できるようになったため、これらの関数は推奨されていません。「_sopen_s、_wsopen_s」を参照してください。
int _open( const char *filename, int oflag [, int pmode] ); int _wopen( const wchar_t *filename, int oflag [, int pmode] );
パラメーター
filename
ファイル名。oflag
許可される操作の種類。pmode
アクセス許可モード。
戻り値
これらの各関数は、開かれたファイルのファイル記述子を返します。 戻り値 -1 はエラーを示します。その場合、errno は次の値のいずれかに設定されます。
EACCES
読み取り専用ファイルを書き込み用に開こうとしたか、指定された操作がファイルの共有モードで許可されていないか、指定されたパスがディレクトリです。EEXIST
_O_CREAT および _O_EXCL フラグが指定されましたが、filename が既に存在します。EINVAL
oflag または pmode 引数が無効です。EMFILE
ファイル記述子をこれ以上使用できません (開かれているファイルが多すぎます)。ENOENT
ファイルまたはパスが見つかりません。
リターン コードの詳細については、「errno、_doserrno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。
解説
_open 関数は、filename で指定されたファイルを開き、oflag で指定されたように読み取りまたは書き込み用にファイルを準備します。 _wopen 関数は、_open 関数のワイド文字バージョンです。_wopen 関数の引数 filename は、ワイド文字列です。 それ以外では、_wopen と _open の動作は同じです。
汎用テキスト ルーチンのマップ
Tchar.h のルーチン |
_UNICODE および _MBCS が未定義の場合 |
_MBCS が定義されている場合 |
_UNICODE が定義されている場合 |
---|---|---|---|
_topen |
_open |
_open |
_wopen |
oflag は、<fcntl.h> で定義されている次のマニフェスト定数または定数の組み合わせの 1 つ以上で構成される整数式です。
_O_APPEND
書き込み操作の前に、毎回、ファイル ポインターをファイルの末尾に移動します。_O_BINARY
ファイルをバイナリ (無変換) モードで開きます。 (バイナリ モードの詳細については、「fopen」を参照してください)。_O_CREAT
ファイルを作成し、書き込み用に開きます。 filename で指定されたファイルが存在する場合は無効です。 _O_CREAT が指定された場合は pmode 引数が必要です。_O_CREAT | _O_SHORT_LIVED
ファイルを一時ファイルとして作成し、可能な場合は、ディスクにフラッシュしません。 _O_CREAT が指定された場合は pmode 引数が必要です。_O_CREAT | _O_TEMPORARY
ファイルを一時ファイルとして作成します。最後のファイル記述子が閉じられると、ファイルは削除されます。 _O_CREAT が指定された場合は pmode 引数が必要です。_O_CREAT | _O_EXCL
filename で指定されたファイルが存在する場合、エラー値を返します。 _O_CREAT と共に使用された場合にのみ適用されます。_O_NOINHERIT
共有ファイル記述子の作成を禁止します。_O_RANDOM
キャッシュがディスクからのランダム アクセスに最適化されるように指定します。ただし、ランダム アクセスに限定されるわけではありません。_O_RDONLY
読み取り専用でファイルを開きます。 _O_RDWR または _O_WRONLY と共に指定することはできません。_O_RDWR
読み取りと書き込みの両方のモードでファイルを開きます。 _O_RDONLY または _O_WRONLY と共に指定することはできません。_O_SEQUENTIAL
キャッシュがディスクからのシーケンシャル アクセスに最適化されるように指定します。ただし、シーケンシャル アクセスに限定されるわけではありません。_O_TEXT
ファイルをテキスト (変換) モードで開きます。 (詳細については、「テキスト モードとバイナリ モードのファイル入出力」および「fopen」を参照してください)。_O_TRUNC
ファイルを開き、長さゼロに切り詰めます。ファイルに書き込みアクセス許可が必要です。 _O_RDONLY と共に指定することはできません。 _O_TRUNC を _O_CREAT と共に使用すると、既存のファイルが開かれるか、新しいファイルが作成されます。注意
_O_TRUNC フラグによって、指定したファイルの内容は破棄されます。
_O_WRONLY
書き込み専用でファイルを開きます。 _O_RDONLY または _O_RDWR と共に指定することはできません。_O_U16TEXT
Unicode UTF-16 モードでファイルを開きます。_O_U8TEXT
Unicode UTF-8 モードでファイルを開きます。_O_WTEXT
Unicode モードでファイルを開きます。
ファイル アクセス モードを指定するには、_O_RDONLY、_O_RDWR、または _O_WRONLY を指定する必要があります。 アクセス モードに既定値はありません。
ファイルを読み取り用に開くために _O_WTEXT が使用された場合、_open によってファイルの冒頭部が読み取られ、バイト オーダー マーク (BOM) がチェックされます。 BOM がある場合、ファイルは BOM に応じて UTF-8 または UTF-16LE として扱われます。 BOM がない場合、ファイルは ANSI として扱われます。 _O_WTEXT を使用してファイルが書き込み用に開かれた場合は、UTF-16 が使用されます。 以前の設定またはバイト オーダー マークに関係なく、_O_U8TEXT が使用された場合はファイルは常に UTF-8 として開かれ、_O_U16TEXT が使用された場合はファイルは常に UTF-16 として開かれます。
_O_WTEXT、_O_U8TEXT、または _O_U16TEXT を使用してファイルが Unicode モードで開かれると、Input 関数によって、ファイルから読み取られたデータは wchar_t 型として格納された UTF-16 データに変換されます。 Unicode モードで開かれたファイルに書き込む関数は、wchar_t 型として格納された UTF-16 データがバッファーに含まれていると想定します。 ファイルが UTF-8 としてエンコードされている場合、UTF-16 データは書き込まれるときに UTF-8 に変換され、ファイルの UTF-8 でエンコードされた内容は読み取られるときに UTF-16 に変換されます。 Unicode モードで奇数バイトの読み取りまたは書き込みを試みると、パラメーター検証エラーが発生します。 UTF-8 としてプログラムに格納されたデータを読み取るか書き込む場合は、Unicode モードではなくテキストまたはバイナリ ファイル モードを使用します。 必要なエンコード変換は各自が行う必要があります。
_open は、_O_WRONLY|_O_APPEND (追加モード) および _O_WTEXT、_O_U16TEXT、または _O_U8TEXT を使用して呼び出された場合、最初に読み取りと書き込み用にファイルを開き、BOM を読み取った後、書き込み専用で再度開こうとします。 読み取りおよび書き込み用にファイルを開くのに失敗した場合、書き込み専用でファイルを開き、Unicode モード設定の既定値を使用します。
oflag 引数を構成するために複数のマニフェスト定数が使用される場合、定数はビットごとの OR 演算子を使用して組み合わされます (|). バイナリ モードとテキスト モードの詳細については、「テキスト モードとバイナリ モードのファイル入出力」を参照してください。
_O_CREAT が指定された場合にのみ pmode 引数が必要です。 ファイルが既に存在する場合、pmode は無視されます。 それ以外の場合は、pmode によってファイルのアクセス許可の設定が指定されます。これは、新しいファイルが最初に閉じられたときに設定されます。 _open では、アクセス許可が設定される前に、現在のファイル アクセス許可マスクが pmode に適用されます。 (詳細については、「_umask」を参照してください)。pmode は、<sys\stat.h> で定義されている次のマニフェスト定数のいずれか、または両方が含まれた整数式です。
_S_IREAD
読み取りのみが許可されます。_S_IWRITE
書き込みが許可されます。 (実際には、読み取りと書き込みが許可されます)。_S_IREAD | _S_IWRITE
読み取りと書き込みが許可されます。
両方の定数が指定されると、これらはビットごとの OR 演算子を使用して組み合わされます (|). Windows では、すべてのファイルは読み取り可能です。書き込み専用のアクセス許可は使用できません。 したがって、_S_IWRITE モードと _S_IREAD | _S_IWRITE モードは等価です。
_S_IREAD と _S_IWRITE の組み合わせ以外の値が pmode に対して指定された場合 (別のオペレーティング システムで有効な pmode が指定されている場合でも)、または許可された oflag 値以外の値が指定された場合、この関数はアサーションをデバッグ モードで生成し、「パラメーターの検証」で説明されているように、無効なパラメーター ハンドラーを呼び出します。 実行の継続が許可された場合、この関数は -1 を返し、errno を EINVAL に設定します。
必要条件
ルーチン |
必須ヘッダー |
オプション ヘッダー |
---|---|---|
_open |
<io.h> |
<fcntl.h>、<sys\types.h>、<sys\stat.h> |
_wopen |
<io.h> または <wchar.h> |
<fcntl.h>、<sys\types.h>、<sys\stat.h> |
_open および _wopen は Microsoft 拡張機能です。 互換性の詳細については、「互換性」を参照してください。
ライブラリ
C ランタイム ライブラリのすべてのバージョン。
使用例
// crt_open.c
// compile with: /W3
/* This program uses _open to open a file
* named CRT_OPEN.C for input and a file named CRT_OPEN.OUT
* for output. The files are then closed.
*/
#include <fcntl.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/stat.h>
#include <io.h>
#include <stdio.h>
int main( void )
{
int fh1, fh2;
fh1 = _open( "CRT_OPEN.C", _O_RDONLY ); // C4996
// Note: _open is deprecated; consider using _sopen_s instead
if( fh1 == -1 )
perror( "Open failed on input file" );
else
{
printf( "Open succeeded on input file\n" );
_close( fh1 );
}
fh2 = _open( "CRT_OPEN.OUT", _O_WRONLY | _O_CREAT, _S_IREAD |
_S_IWRITE ); // C4996
if( fh2 == -1 )
perror( "Open failed on output file" );
else
{
printf( "Open succeeded on output file\n" );
_close( fh2 );
}
}
出力
Open succeeded on input file
Open succeeded on output file