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SharePoint Server でのコンテンツ タイプとワークフローを計画する

適用対象:yes-img-13 2013yes-img-162016 yes-img-192019 yes-img-seSubscription Edition no-img-sopSharePoint in Microsoft 365

この記事では、コンテンツ タイプとワークフローについて説明し、それらの SharePoint Server ドキュメント管理ソリューションへの統合を計画する方法に関するガイダンスを提供します。 コンテンツ タイプとは、SharePoint Server リストまたはドキュメント ライブラリにおけるアイテムまたはドキュメントのカテゴリに関するメタデータ (列)、ワークフロー、動作、およびその他の設定の再利用可能なコレクションのことです。 コンテンツ タイプにより、一元化された再利用可能な方法で情報のカテゴリに関する設定を管理できます。 ワークフローは、SharePoint Server のアイテムにビジネス プロセスを付与します。

この記事に含まれる コンテンツ タイプとワークフロー計画 (https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkID=165878) ワークシートを使用してコンテンツ タイプとワークフローを計画する前に、「 SharePoint Server でユーザーを特定してドキュメントの使用状況を分析 する」を読み、その記事に関連付けられている "ドキュメントの使用状況の分析" ワークシートと "ドキュメント参加者" ワークシートを完了していることを確認してください。

コンテンツ タイプの概要

コンテンツ タイプは、リスト アイテム、ドキュメント、またはフォルダーの属性を定義します。 各コンテンツ タイプによって、以下を指定できます。

  • そのタイプのアイテムに関連付けるプロパティ。

  • そのタイプのアイテムに関連付けるメタデータ。

  • そのタイプのアイテムから開始できるワークフロー。

  • そのタイプのアイテムに関連付ける情報管理ポリシー。

  • ドキュメント テンプレート (ドキュメント コンテンツ タイプ用)。

  • カスタム機能。

コンテンツ タイプはリストまたはライブラリに関連付けることができます。 これを行うと、リストまたはライブラリにそのコンテンツ タイプのアイテムを含めることができること、およびリストまたはライブラリの [新規 ] コマンドを使用して、ユーザーがその種類の新しい項目を作成できるように指定します。

注:

プロパティ、ワークフロー、ポリシーおよびテンプレートをリストまたはライブラリに直接関連付けることもできます。 ただし、これを実行すると、これらの関連付けはそのリストまたはライブラリに限定され、ソリューション全体で再利用することはできません。 SharePoint Server 2013 では、サイト レベルのワークフローを複数のリストまたはライブラリに関連付けることができます。

ドキュメント ライブラリおよびリストには、複数のコンテンツ タイプを含めることができます。 たとえば、ライブラリにはプロジェクトに関連するドキュメントおよびグラフィックスの両方を含めることができます。 リストまたはライブラリに複数のコンテンツ タイプが存在する場合、以下が適用されます。

  • 既定では、そのリストまたはライブラリの New コマンドを使用すると、ユーザーが新しいアイテムを作成する際に、使用可能なすべてのコンテンツ タイプから選択できます。 コンテンツ タイプの所有者は、特定のコンテンツ タイプのみを表示するように New コマンドを構成することができます。

  • すべての使用可能なコンテンツ タイプに関連付けられた列が表示されます。

カスタム コンテンツ タイプは、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーで定義できます。 カスタム コンテンツ タイプは、ドキュメントやアイテムなどのコア コンテンツ タイプから直接または間接的に派生させる必要があります。 カスタム コンテンツ タイプは、1 つのサイトで定義すると、そのサイトおよびそのサイトの下に位置するすべてのサイトで使用できます。 コンテンツ タイプをサイト コレクション全体で最も幅広く使用できるようにするには、最上位のサイトのコンテンツ タイプ ギャラリーにそのコンテンツ タイプを定義します。 SharePoint Server では、Managed Metadata Service インスタンスで定義されたコンテンツ タイプ ハブの内部にカスタム コンテンツ タイプを作成することもできます。 コンテンツ タイプは、コンテンツ タイプ ハブで作成されると、その Managed Metadata Service インスタンスに関連付けられた Web アプリケーションを構成する他のサイト コレクションでも使用できるようになります。

注:

Managed Metadata Service およびコンテンツ タイプ ハブは SharePoint Foundation 2013 では使用できません。

たとえば、組織で特定の契約書テンプレート (サイト コレクションの最上位のサイトにあるコンテンツ タイプ ギャラリーに配置) が使用されている場合、契約書をレビューしたり記入したりするのに必要なその契約書のメタデータ、契約書のテンプレート、およびワークフローを定義するコンテンツ タイプを作成できます。 契約書コンテンツ タイプを関連付けるサイト コレクションにあるすべてのドキュメント ライブラリには、それらのすべての機能が組み込まれ、作成者はそのテンプレートに基づいて新しい契約書を作成できます。

SharePoint Server に基づくサイトでは、連絡先、タスク、ドキュメントなどの各既定のリスト アイテムまたはライブラリ アイテムには、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーに対応するコア コンテンツ タイプがあります。 コンテンツ タイプを計画するときは、これらのコア コンテンツ タイプ定義を開始点として使用し、必要に応じて既存のコンテンツ タイプに基づいて新しいコンテンツ タイプを作成できます。

コンテンツ タイプは、あるコンテンツ タイプが別のコンテンツ タイプの特性を継承できる階層に編成されます。 この継承により、ドキュメントのクラスは組織全体で特性を共有でき、チームは特定のサイトまたはリストに対してこれらの特性をカスタマイズできます。

たとえば、企業内のすべてのユーザー成果物のドキュメントで、アカウント番号、プロジェクト番号、プロジェクト マネージャーなどの一連のメタデータが必要であるとします。 その他すべてのカスタマー成果物のドキュメント タイプが継承する最上位の Customer Deliverable コンテンツ タイプを作成することにより、アカウント番号やプロジェクト番号などの必要な情報が、組織内のカスタマー成果物ドキュメントのすべてのバリアントに確実に関連付けられるようにすることができます。 コンテンツ タイプの所有者が必須の別の列を最上位の Customer Deliverable コンテンツ タイプに追加した場合、コンテンツ タイプの所有者は変更をそのコンテンツ タイプを継承するすべてのコンテンツ タイプに伝達できます (新しい列がすべてのカスタマー成果物のドキュメントに追加されます)。

Office でのプロパティの統合

Microsoft Office システムでは、ユーザーが SharePoint Server ドキュメント管理サーバーからドキュメントを編集すると、ドキュメントの上部にドキュメント情報パネルが表示されます。 [ドキュメント情報パネル] には、サーバーでのドキュメント プロパティの編集可能フォームが表示されます。

SharePoint Server では、コンテンツ タイプのプロパティ フォームを簡単にカスタマイズできます。 コンテンツ タイプを構成すると、InfoPath を開始できます。InfoPath は、コンテンツ タイプのプロパティに基づく既定のプロパティ フォームを生成します。 既定のフォームには、カスタム フォームが定義されていない場合に InfoPath が使用するのと同じコントロール、レイアウト、およびスキーマが含まれます。 その後、他の InfoPath フォームと同様に、フォームをカスタマイズしてデプロイできます。 たとえば、企業のロゴ、フォント、およびカラー スキーマのフォームへの追加、フォームのカスタム データ ソースへの接続、条件ロジックの追加、ロールに基づいてユーザーが使用できるフォーム機能の設計などを実行できます。

ドキュメント情報パネルでのプロパティの編集に加え、Word を使用する作成者はサーバーで定義されたプロパティを自分のドキュメントに挿入できます。 たとえば、ドキュメント プロパティにプロジェクト マネージャーの名前が含まれる場合、タイトル ページ、フッター、またはドキュメントで名前が使用される他の場所にこの名前を挿入できます。 新しいプロジェクト マネージャーがプロジェクトに割り当てられた場合、ドキュメント管理サーバーで Project Manager プロパティを更新できます。 この更新されたプロジェクト マネージャーの名前は、ドキュメントに挿入されたこのプロパティのすべてのインスタンスに反映されます。

コンテンツ タイプでのメタデータの使用

メタデータは、コンテンツを分類するために使用されるドキュメントに関する情報です。 メタデータは、列としてコンテンツ タイプに関連付けられます。 メタデータは、作成者、テーマ、対象者、言語、などと関連付けることにより、ドキュメントに関するコンテキスト情報を提供できます。 プロパティとは異なり、メタデータは列として格納されるため、インデックスを付けたり、SharePoint Search エンジンで検索したりできます。

サイト コレクションのレベルで追加されたメタデータは、コンテンツ タイプに関連付けることができます。 コンテンツ タイプにメタデータを使用することによって、それ以後のすべてのコンテンツ タイプは、サイト コレクションのレベルで一部またはすべてのメタデータを親コンテンツ タイプから継承できます。 単一ドキュメントなど、その他のメタデータは下位のレベルで追加できます。

列テンプレート

コンテンツ タイプに関連付けられたメタデータの各アイテムは列 (情報を格納するためのリストの場所) になります。 リストまたはライブラリは、情報の列としてグラフィカルに表示されます。 ただし、リストに関連付けられたビューに応じて、カレンダー表示の日付などその他のフォームでそれらの列を表示できます。 リストまたはライブラリに関連付けられたフォームでは、列はフィールドとして表示されます。

複数のコンテンツ タイプで使用するための列を定義できます。 これを実行するには、列テンプレート ギャラリーでそれらの列を作成します。 サイト コレクションの各サイトに列テンプレート ギャラリーがあります。 コンテンツ タイプと同様、サイトの列テンプレート ギャラリーで定義された列は、そのサイトおよびそのサイトの下に位置するすべてのサイトで使用できます。

フォルダー コンテンツ タイプ

フォルダー コンテンツ タイプは、リストまたはライブラリのフォルダーに関連付けられたメタデータを定義します。 フォルダー コンテンツ タイプをリストまたはライブラリに適用する場合、そのリストまたはライブラリの New コマンドには、ユーザーがそのタイプのフォルダーを作成することを可能にするフォルダー コンテンツ タイプが含まれます。

特定のコンテンツ タイプのフォルダーでしか使用できないリストまたはライブラリのビューを定義できます。 これは、フォルダーに特定の種類のドキュメントを格納したい場合、またそのフォルダーのビューでそのフォルダーに含まれるドキュメント タイプに関連する列のみを表示したい場合に役立ちます。

SharePoint Server オブジェクト モデルを使用することによって、ユーザーがフォルダー コンテンツ タイプの新しいフォルダーを作成すると、サーバーに保存されたテンプレートに基づいて複数のファイルおよびドキュメントがフォルダーに事前に格納されるように、そのフォルダー コンテンツ タイプの New コマンドをカスタマイズできます。 これは、たとえば、複数のファイルが単一の成果物ドキュメントに寄与する必要がある複合ドキュメント タイプを実装する場合に役立ちます。

ドキュメント セットは、Office を使用して複数のドキュメントにわたる成果物を管理することを可能にする SharePoint Server の機能です。 ドキュメント セットは、単一の成果物、または複数の場所に複数のドキュメントを含めることが可能な作業成果物を管理するために使用される特殊なフォルダーです。 SharePoint Server で提供される拡張可能なテンプレートを使用して、ドキュメント セットを作成します。 組織に関係した作業成果物の典型となるようにドキュメント セット テンプレートをカスタマイズすることもできます。 ドキュメント セットには、ライフ サイクルのさまざまな時点で完全なドキュメント セットの状態を取得することを可能にするバージョン管理も含まれます。 ドキュメント セットの詳細については、「SharePoint Server 2013 でドキュメント セットを計画する」を参照してください。

ドキュメント コンテンツ タイプの計画

ドキュメント コンテンツ タイプの計画の最初の段階は、 ドキュメントの使用状況の分析 (https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=165873) ワークシートに記載されている各ドキュメント の種類を確認して、既存のコンテンツ タイプがその種類のドキュメントに対して機能するかどうかを判断することです。 各ドキュメント コンテンツ タイプは、コア ドキュメント コンテンツ タイプ、またはドキュメント コンテンツ タイプから引き継がれたコンテンツ タイプからその設定を直接継承します。 これにより、[タイトル] や [作成者] などのドキュメント タイプの基本的な列が存在すること、またテンプレートをコンテンツ タイプに関連付けることができることが保証されます。 コア コンテンツ タイプ (ドキュメントなど) で十分な場合、[ドキュメント使用方法の分析] ワークシートの [コンテンツ タイプ] 列にそのコンテンツ タイプの名前を入力します。

注:

サポートされているコア コンテンツ タイプには、PDF ファイルは含まれません。

コア コンテンツ タイプの変更については、「定義済みのコンテンツ タイプとサイト列を編集するためのガイダンス」ホワイト ペーパー (https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=260922) をダウンロードしてください。

リスト コンテンツ タイプの計画

リスト コンテンツ タイプの要素には、コンテンツ タイプに関連付けられたメタデータ、およびそのコンテンツ タイプのアイテムで実行可能なワークフローの列が含まれます。 リスト コンテンツ タイプを使用して、ご使用のソリューションに固有のリスト アイテムの種類を定義します。 たとえば、サポートの専門家が顧客の技術的な問題を調査し解決するカスタマー コール センター ソリューションで、各サポート インシデントのデータを標準化するため、またワークフローを使用してインシデントを追跡するために、リスト コンテンツ タイプを使用できます。

ワークフローの計画

ワークフローは、SharePoint Server のドキュメント、Web ページ、フォーム、およびリスト アイテムにビジネス プロセスを実装します。 ワークフローは、ライブラリ、リスト、またはコンテンツ タイプに関連付けることができます。

ドキュメント管理では、それぞれの担当者がドキュメントのレビュー、発行の承認、破棄の管理などのドキュメント管理タスクを完了できるように、ワークフローを使用して担当者から担当者へのドキュメントのルート指定を行います。 また、カスタム ワークフローを使用して 1 つのサイトまたはライブラリから別のサイトまたはライブラリにドキュメントを移動します。 たとえば、ドキュメントをアーカイブするようにスケジュールするときに、ドキュメントを 1 つのサイトから別のサイトにコピーするようにワークフローを設計できます。

SharePoint Server には、3 つの状態またはフェーズを通じてアイテムの状態を追跡するビジネス プロセスを管理するために使用できる 3 状態ワークフローが含まれています。 SharePoint Server には、ドキュメント管理のニーズに対応する次のワークフローも含まれています。

  • フィードバックの収集 レビューのためにドキュメントを送信します。

  • 承認 承認のためにドキュメントを送信します (多くの場合、発行するための前提条件として)。

  • 破棄 ドキュメントの有効期限と破棄を管理します。

  • 署名の収集 署名のために文書のルートを指定します。

コンテンツ タイプが使用されるときにワークフローを使用可能にする場合、そのワークフローをコンテンツ タイプと関連付けます。 たとえば、トランザクションが完了する前に、発注書コンテンツ タイプはマネージャーによる承認を必要とする場合があります。 発注書に着手すると承認ワークフローが毎回使用可能になるようにするには、発注書コンテンツ タイプを作成し、承認ワークフローをそのコンテンツ タイプに関連付けます。 発注書コンテンツ タイプを、発注書が格納されるすべてのドキュメント ライブラリに追加します。

ドキュメント管理ソリューションのワークフローを計画するには、実装の計画を立てる各ドキュメント コンテンツ タイプを分析し、そのタイプのコンテンツで実行できるようにする必要があるビジネス プロセスを特定します。 それから、そのコンテンツを使用可能にする必要があるワークフローを特定します。

契約コンテンツ タイプのワークフローを分析するサンプルの表を次に示します。

表: 契約コンテンツ タイプのワークフロー

契約プロセス 契約ワークフロー
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マネージャーおよび法律顧問からの承認を取得します。
承認
未解決の問題を解決します。
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