SQL Server Profiler のテンプレート
適用対象: SQL Server Azure SQL Managed Instance
SQL Server Profiler を使用して、トレースに含めるイベント クラスとデータ列を定義するテンプレートを作成できます。 テンプレートを定義して保存したら、選択したイベント クラスごとにデータを記録するトレースを実行できます。 テンプレートは多くのトレースで使用できますが、テンプレート自体は実行できません。
SQL Server Profiler には、事前に定義済みのトレース テンプレートが用意されています。これにより、特定のトレースで必要になる可能性が高いイベント クラスを簡単に構成できるようになります。 たとえば、Standard テンプレートは、ログイン、ログアウト、完了したバッチ、および接続に関する情報を記録するための汎用トレースの作成に役立ちます。 このテンプレートは、変更しないでトレースの実行に使用するか、異なるイベントの構成を持つ新たなテンプレートの基礎として使用できます。
Note
SQL Server Profiler では、定義済みテンプレートからだけでなく、既定ではイベント クラスは含まれていない空のテンプレートからもトレースを作成できます。 空のトレース テンプレートは、計画したトレースがどの定義済みテンプレートの構成とも似ていないときに使用します。
SQL Server Profiler では、さまざまな種類のサーバーをトレースできます。 たとえば、Analysis Services と SQL Server をトレースできます。 ただし、含めることができるイベント クラスは、サーバーの種類によって異なります。 したがって、SQL Server Profiler には、さまざまなサーバー向けのさまざまなテンプレートが用意されており、選択したサーバーの種類に対応する特定のテンプレートを使用できます。
定義済みテンプレート
SQL Server Profiler には、Standard (既定) テンプレート以外にも、特定の種類のイベントを監視するための定義済みテンプレートがいくつか用意されています。 次の表に、定義済みテンプレート、その目的、および情報をキャプチャする対象となるイベント クラスを示します。
テンプレート名 | テンプレートの目的 | イベント クラス |
---|---|---|
SP_Counts | ストアド プロシージャの実行動作の推移をキャプチャします。 | SP:Starting |
Standard | 汎用トレースを作成する基になるテンプレート。 実行されるすべてのストアド プロシージャと Transact-SQL バッチをキャプチャします。 データベース サーバーの全般的な利用状況を監視するために使用します。 | Audit Login Audit Logout ExistingConnection RPC:Completed SQL:BatchCompleted SQL:BatchStarting |
TSQL | クライアントから SQL Server に送信されたすべての Transact-SQL ステートメントと、それらが実行された時刻をキャプチャします。 クライアント アプリケーションをデバッグするために使用します。 | Audit Login Audit Logout ExistingConnection RPC:Starting SQL:BatchStarting |
TSQL_Duration | クライアントから SQL Server に送信されたすべての Transact-SQL ステートメントとそれらの実行時間 (ミリ秒単位) をキャプチャし、期間でグループ化します。 低速のクエリを特定するために使用します。 | RPC:Completed SQL:BatchCompleted |
TSQL_Grouped | SQL Server に送信されたすべての Transact-SQL ステートメントと、それらが実行された時刻をキャプチャします。 ステートメントを送信したユーザーまたはクライアントで情報をグループ化します。 特定のクライアントまたはユーザーからのクエリを調べるために使用します。 | Audit Login Audit Logout ExistingConnection RPC:Starting SQL:BatchStarting |
TSQL_Locks | クライアントから SQL Server に送信されたすべての Transact-SQL ステートメントを例外ロック イベントと共にキャプチャします。 デッドロック、ロック タイムアウト、およびロックのエスカレーションの各イベントをトラブルシューティングするために使用します。 | Blocked Process Report SP:StmtCompleted SP:StmtStarting SQL:StmtCompleted SQL:StmtStarting Deadlock Graph Lock:Cancel Lock:Deadlock Lock:Deadlock Chain Lock:Escalation Lock:Timeout (timeout>0) |
TSQL_Replay | トレースの再生に必要な Transact-SQL ステートメントに関する詳細情報をキャプチャします。 ベンチマーク テストなどの反復チューニングを実行するために使用します。 | CursorClose CursorExecute CursorOpen CursorPrepare CursorUnprepare Audit Login Audit Logout Existing Connection RPC Output Parameter RPC:Completed RPC:Starting Exec Prepared SQL Prepare SQL SQL:BatchCompleted SQL:BatchStarting |
TSQL_SPs | 実行中のすべてのストアド プロシージャに関する詳細情報をキャプチャします。 ストアド プロシージャを構成するステップを分析するために使用します。 プロシージャが再コンパイルされる可能性がある場合は、 SP:Recompile イベントを追加します。 | Audit Login Audit Logout ExistingConnection RPC:Starting SP:Completed SP:Starting SP:StmtStarting SQL:BatchStarting |
チューニング | ストアド プロシージャと Transact-SQL バッチの実行に関する情報をキャプチャします。 データベース エンジン チューニング アドバイザーでデータベースをチューニングするためのワークロードとして使用できるトレース出力を生成するために使用します。 | RPC:Completed SP:StmtCompleted SQL:BatchCompleted |
イベント クラスの詳細については、「 SQL Server イベント クラスの参照」を参照してください。
既定のテンプレート
SQL Server Profiler では、すべての新しいトレースに適用される既定のテンプレートとして Standard テンプレートが自動的に指定されます。 ただし、他の定義済みテンプレートまたはユーザー定義テンプレートを既定のテンプレートにすることもできます。 既定のテンプレートを変更するには、 [トレース テンプレートのプロパティ] ダイアログ ボックスの [全般] タブを使用してテンプレートを作成または編集するときに、 [選択したサーバーの種類に対する既定のテンプレートとして使用する] チェック ボックスをオンにします。
[トレース テンプレートのプロパティ] ダイアログ ボックスに移動するには、SQL Server Profiler で、[ファイル] メニューの [テンプレート] を選択して、[新しいテンプレート] または [テンプレートの編集] をクリックします。
Note
既定のテンプレートは、サーバーの特定の種類固有のテンプレートです。 あるサーバーの種類の既定のテンプレートを変更しても、他のサーバーの種類の既定のテンプレートには影響しません。 特定のサーバーの既定のテンプレートを設定する方法の詳細については、「トレース定義の既定値の設定 (SQL Server Profiler)」を参照してください。
参照
トレース テンプレートの作成 (SQL Server Profiler)
トレース テンプレートの変更 (SQL Server Profiler)
トレース テンプレートのエクスポート (SQL Server Profiler)
トレース テンプレートのインポート (SQL Server Profiler)