仮想マシンを計画する

完了

Azure 仮想マシンを作成する前に、マシン構成の計画を立てると便利です。 マシンのサイズと場所、ストレージの使用量、関連するコストを含め、いくつかのオプションの基本設定を検討する必要があります。

仮想マシンの構成について知っておくべきこと

仮想マシンを構成するときに考慮する必要がある事項のチェックリストを見てみましょう。

  • ネットワークから始める。
  • 仮想マシンの名前を選ぶ。
  • 仮想マシンの場所を決定する。
  • 仮想マシンのサイズを決める。
  • 価格モデルを確認し、コストを見積もる。
  • 仮想マシンで使用する Azure Storage を特定する。
  • 仮想マシンのオペレーティング システムを選択する。

ネットワーク構成

仮想ネットワークは、Azure において、Azure Virtual Machines と他の Azure サービスの間をプライベート接続で結ぶために使用されます。 同じ仮想ネットワークの一部である仮想マシンとサービスの間では、相互アクセスが可能です。 既定では、仮想ネットワーク外部のサービスから、仮想ネットワーク内部のサービスへの接続はできません。 ただし、ネットワークは、オンプレミス サーバーを含む外部サービスへのアクセスを許可するように構成できます。

ネットワーク アドレスとサブネットは、構成後に簡単に変更することはできません。 企業のプライベート ネットワークを Azure サービスに接続することを計画している場合は、仮想マシンを導入する前に必ずトポロジを考慮してください。

仮想マシン名

仮想マシン名は、オペレーティング システムの一部として構成されるコンピューター名として使用されます。 Windows 仮想マシンには最大 15 文字、Linux 仮想マシンには最大 64 文字の名前を指定することができます。

また、仮想マシン名は、管理可能な Azure リソースを定義するものでもあり、後から変更するのは容易ではありません。 仮想マシンで何が行われるのかを簡単に特定できるように、わかりやすく一貫性のある名前を選ぶ必要があります。 コンピューター名に次のいくつかの要素を使用することをお勧めします。

Name 要素 説明
環境または目的 dev (開発)、prod (運用)、QA (テスト) 名前の一部で、マシンの環境または目的を特定する必要があります。
場所 uw (米国西部)、je (東日本)、ne (北ヨーロッパ) 名前の別の部分では、マシンがデプロイされるリージョンを指定する必要があります。
インスタンス 102005 名前が似ている複数のマシンについては、同じカテゴリ内のマシンを区別するために、名前にインスタンス番号を含めます。
製品またはサービス OutlookSQLAzureAD 名前の一部で、マシンによってサポートされる製品、アプリケーション、またはサービスを指定することができます。
ロール securitywebmessaging 名前の一部で、組織内でマシンによってサポートされるロールを指定できます。

米国中南部の場所でホストされている会社の最初の開発 Web サーバーに名前を付ける方法を考えてみましょう。 このシナリオでは、マシン名 devusc-webvm01 を使用できます。 dev は開発を表し、usc は場所を識別します。 web はマシンを Web サーバーとして示し、サフィックス 01 はそのマシンが構成の 1 番目であることを示します。

仮想マシンの場所

Azure には、サーバーとディスクが配置されたデータセンターが世界中にあります。 これらのデータセンターは、地理的なリージョン (米国西部、北ヨーロッパ、東南アジアなど) にグループ化されています。 データセンターによって、冗長性と可用性が提供されます。

各仮想マシンは、CPU やストレージなどのリソースを割り当てるリージョンにあります。 リージョンの場所を使用すると、ユーザーのできるだけ近くに仮想マシンを配置できます。 仮想マシンの場所により、パフォーマンスを向上させ、法令、コンプライアンス、または税金の要件を満たすことができます。

仮想マシンの場所については、他に 2 つの点を考慮する必要があります。

  • 使用できるオプションが仮想マシンの場所によって制限される場合があります。 各リージョンではさまざまなハードウェアを使用でき、構成によっては、すべてのリージョンで使用できないものもあります。

  • 場所による価格差があります。 最もコスト効率の高い選択肢を見つけるには、さまざまなリージョンで必要な構成を確認します。

仮想マシンのサイズ

Azure では、さまざまな仮想マシンのサイズごとに異なるメモリとストレージ オプションが提供されています。 適切な仮想マシン サイズを決定する最良の方法は、ご利用の仮想マシンで実行する必要があるワークロードの種類を考慮することです。 ワークロードに基づいて、利用可能な仮想マシン サイズのサブセットから選択できます。

Azure Storage

Azure ストレージ アカウントの作成と管理は、ユーザーに代わって Azure Managed Disks によってバックグラウンドで処理されます。 ディスク サイズとパフォーマンス レベル (Standard または Premium) をユーザーが指定します。 Azure によってディスクが作成および管理されます。 ディスクの追加や仮想マシンのスケールアップとスケールダウンを行うときに、使用されているストレージについて心配する必要はありません。

仮想マシンの価格オプション

サブスクリプションには、すべての仮想マシンに対して "コンピューティング" と "ストレージ" という 2 種類の別々のコストが課金されます。 これらのコストを分離することで、コストを個別にスケーリングして、必要な分だけ支払うことができます。

  • コンピューティングの費用は、時間単位で課金されますが、請求は分単位で行われます。 仮想マシンが 55 分間デプロイされていた場合は、55 分間の使用に対してのみ課金されます。 仮想マシンを停止して割り当てを解除した場合、コンピューティング容量については課金されません。 時間単位の料金は、選択した仮想マシン サイズとオペレーティング システムによって異なります。 コンピューティング コストについては、次の 2 つの支払いオプションから選ぶことができます。

    • 使用量ベース: 使用量ベースのオプションでは、コンピューティング容量に対して秒単位で支払います。 需要に応じてコンピューティング容量を増減可能で、いつでも起動または停止できます。 従量課金ベースの価格を使用するのは、アプリケーションで実行するワークロードが、短期間のもの、または予測不能で中断できないものである場合です。 たとえば、簡単なテストを行う場合や、仮想マシンでアプリを開発する場合です。

    • Reserved Virtual Machine Instances: Reserved Virtual Machine Instances (RI) オプションは、特定のリージョンで仮想マシンを 1 年間または 3 年間分予約購入するものです。 前払いでの契約により、重量課金制の料金に比べて最大 72% の割引が受けられます。 RI は柔軟性があり、簡単に交換することや、早期解約料金を支払って返却することができます。 仮想マシンを継続的に実行する必要がある場合や、予算を予測できるようにする必要があり、少なくとも 1 年間は仮想マシンを使用する契約ができる場合に、このオプションを使用します。

  • ストレージ コストは、仮想マシンで使用される Azure Storage に対して別途課金されます。 仮想マシンの状態は、発生する Azure ストレージ料金と無関係です。 常に、ディスクによって使用されている Azure ストレージについて課金されます。

オペレーティング システム

Azure には、Windows の複数のバージョンと Linux のフレーバーを含む、仮想マシンにインストールできるさまざまなオペレーティング システム イメージが用意されています。 Azure には、オペレーティング システム ライセンスのコストが価格に組み込まれています。

  • 求めているものが基本のオペレーティング システム イメージだけではない場合は、Azure Marketplace を検索できます。 オペレーティング システムだけでなく、WordPress などの一般的なソフトウェア ツールを含む、さまざまなインストール イメージがあります。 イメージ スタックは、Linux サーバー、Apache Web サーバー、MySQL データベース、PHP で構成されています。 各コンポーネントを設定して構成するのではなく、Azure Marketplace イメージをインストールして、そのスタック全体をすべて一度に取得できます。

  • 適切なオペレーティング システム イメージが見つからない場合は、独自のディスク イメージを作成できます。 ディスク イメージを Azure Storage にアップロードし、Azure 仮想マシンを作成するために使用できます。 Azure では 64 ビット オペレーティング システムのみがサポートされていることに注意してください。