Dataverse のロジックとセキュリティ

完了

Microsoft Dataverse は単なるデータ ストアではありません。 これには、ビジネス ロジックを適用し、データへの安全なアクセスを管理するための機能が含まれます。

Dataverse のテーブルでは、サーバー側の豊富なロジックと検証機能を使用して、データの品質を確保できます。 これにより、テーブル データを作成または使用するアプリ内の冗長なコードを削減できます。

  • ビジネス ルール: データの入力に使用したアプリに関係なく、テーブル内の複数の列にわたってデータを検証し、警告またはエラー メッセージを表示します。

  • ビジネス プロセス フロー: ユーザーが一貫してデータを入力し、標準化されたプロセスに従うようガイドします。 現在、モデル駆動型アプリでのみサポートされています。

  • リアルタイム ワークフロー: ユーザーの操作を必要とせずにビジネス プロセスを自動化します。

  • コードを使用するビジネス ロジック: カスタム コードを通じてアプリケーションの動作を拡張することにより、高度な開発者シナリオをサポートします。

ビジネス ルール

次のように、テーブル行を作成または更新する際の一般的なシナリオでは、ビジネス ルールを使用します。

  • 列の値を設定する。

  • 計算を実行する。

  • 入力を検証する。

  • データ入力要件を適用する。

  • ユーザーに入力を求めるメッセージを表示する。

ビジネス ルールにより、モデル駆動型アプリ フォームでの JavaScript などのコードの必要性が軽減されます。 これらは、Dataverse における重要なローコード機能です。

ビジネス ルールは、宣言型のドラッグ アンド ドロップ インターフェイスを使用して作成されます。 デザイナーを使用すると、条件と、その条件が満たされたときにトリガーされるアクションを定義できます。

次のスクリーンショットは、ユーザーに予約日の選択を要求する Pet テーブルのビジネス ルールを示しています。

ビジネス ルールは、Power Apps Maker Portal で作成および管理します。 ルールはテーブル レベルで定義され、ルールのスコープ設定に基づいて適用されます。

  • 個々のフォーム: モデル駆動型アプリの特定のフォームにのみ適用されます。

  • すべてのフォーム: モデル駆動型アプリのすべてのフォームに適用されます。

  • エンティティ: すべてのモデル駆動型アプリのフォームとテーブルの作成/更新操作に適用されます。 これは既定のスコープです。

アクション

条件とアクションの組み合わせを使用して、次の操作を行います。

  • 列の値を設定またはクリアする。

  • 列の要件レベルを変更する。

  • 列を表示または非表示にする。

  • 列を有効化または無効化する。

  • 入力を検証し、エラー メッセージを表示する。

  • ビジネス インテリジェンスに基づいてビジネス レコメンデーションを作成する。

詳細については、テーブルのビジネス ルールの作成を参照してください。

キャンバスとモデル駆動型アプリの違い

テーブル レベルで定義されたビジネス ルールは、テーブルを使用するキャンバス アプリとモデル駆動型アプリの両方に適用されます。

モデル駆動型アプリでは、すべてのビジネス ルールのアクションがサポートされます。 以下の一部のアクションは、キャンバス アプリでは使用できません。

  • 列を表示または非表示にする。

  • 列を有効化または無効化する。

  • ビジネス レコメンデーションを作成する。

Dataverse のセキュリティ

Microsoft Dataverse には、環境、テーブル、テーブル行、データのインポート/エクスポートなどの機能へのアクセスを制御する包括的なセキュリティ モデルが用意されています。

データは安全に保存されているため、アクセスを許可された場合のみユーザーはデータを表示したり操作したりできます。 Dataverse は、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を使用してアクセスを管理します。 セキュリティ ロールは、権限とアクセス レベルのコレクションです。 個々の権限を割り当てるのではなく、ユーザーに 1 つ以上のロールを割り当てます。 この結果、アクセスの管理が簡略化されます。

Dataverse にアクセスしてアプリを実行するには、ユーザーに少なくとも 1 つのセキュリティ ロールを割り当てる必要があります。

次のような標準セキュリティ ロールを割り当てることができます。

  • システム管理者: 環境をカスタマイズおよび管理するためのフル アクセス許可。

  • 環境作成者: 環境内でアプリ、フロー、接続を作成できます。

  • Basic ユーザー: アプリを使用して、取引先企業取引先担当者などの組み込みテーブルに対して標準操作を実行できます。

ただし、必要な権限のみを付与するために、構築するアプリにカスタム ロールを作成することをお勧めします。 標準ロールはカスタマイズできません。 カスタム ロールのみ変更できます。

セキュリティ ロールは、Power Platform 管理センターで管理します。 環境を選択して、設定に移動し、ユーザーとアクセス許可を展開して、セキュリティ ロールを選択します。

カスタム ロール内で、テーブルごとに各権限のアクセス レベルを設定します。 以下のスクリーンショットでは、Pet テーブルのすべてのアクセス許可がロールに付与されており、フル アクセスが提供されます。

権限を変更するには、各アクセス許可の下のドロップダウン メニューを調整します。

詳細については、Microsoft Dataverse のセキュリティ概念を参照してください。