特別なプロパティ

完了

フォームには、見過ごされることが多いプロパティと名前付き演算子が 2 つずつあります。 このセクションでは、Error プロパティ、Unsaved プロパティ、ThisItem 名前付き演算子、Parent 名前付き演算子を、どのようなときに、どのように使用するのかについて説明します。

Error プロパティ

Error プロパティには、Form コントロールによって生成されたエラー メッセージ出力があります。 プロパティの内容を表示するには、テキスト ラベル コントロールを画面に追加し、Text プロパティに式 Form1.Error を入力します。 エラーがない場合は空白になりますが、すべての必須列を入力しないでフォームを送信しようとすると、「エントリが必要か、エントリに無効な値があります。 訂正して、もう一度お試しください」のようなメッセージが表示されます。この値を式や他のコントロールで使用して、アプリのエラー処理を設計できます。

Unsaved プロパティ

Unsaved プロパティはブール値プロパティであり、フォームが編集されたのに送信されていない場合は、true になります。 このプロパティを使用して、ユーザーが変更を保存していないかどうかをチェックできます。 たとえば、フォームが保存されていないかどうかをチェックし、保存されていないデータがある場合は、移動しないように、アプリの戻るボタンを設定できます。 そうするには、ボタン コントロールの OnSelect プロパティで次の式を使用します。

If(YourFormName.Unsaved = false, Navigate(WelcomeScreen, ScreenTransition.Cover))

この関数では、YourFormName という名前の Form コントロールの Unsaved プロパティが false かどうかをチェックできます。 プロパティが false の場合、WelcomeScreen という名前の画面へユーザーを移動させます。 プロパティが true の場合は、何も起こりません。 実際のアプリでは、この概念を発展させて、警告メッセージを追加したり、移動できない理由をユーザーに伝えるポップアップ ボックス表示したりできます。

これらのプロパティのほか、フォーム コントロールには、ギャラリー コントロールと同様に、ThisItem および Parent という名前付き演算子があります。

ThisItem 名前付き演算子

フォーム コントロールまたは ギャラリー コントロール内では、ThisItem を使用して現在のレコードの値を参照できます。 これは、レコードの値を参照する式を手作業で作成する場合に便利です。 たとえば、FirstName 列と LastName 列を間にスペースを入れて、1 つの文字列に連結したラベルを追加する場合、次のような式を使用できます。

ThisItem.FirstName & " " & ThisItem.LastName

この式では、Form コントロールに表示しているレコードに FirstName および LastName という名前の列があるものと想定します。

Parent 名前付き演算子

フォーム コントロールおよび ギャラリー コントロールには、親オブジェクトの概念があります。 Form コントロール内の Input や他のコントロールでは、Parent. と、参照するプロパティの名前を使用して、データ カードからプロパティを取得できます。 たとえば、既定値などです。 データ カードでは、この値は Default プロパティに格納されています。 Input コントロールからその値を参照するには、Input コントロールの Default の値で式 Parent.Default を使用します。 ギャラリーにも同じ Parent の概念があり、ギャラリー内のコントロールから、ギャラリー コントロールのプロパティのクエリを実行できます。