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!wmitrace.logdump

!wmitrace.logdump 拡張機能は、トレース セッションのトレース バッファーの内容を表示します。 指定したプロバイダーからのトレース メッセージのみに表示を制限できます。

!wmitrace.logdump [-t Count] [{LoggerID|LoggerName} [GUIDFile]] 

パラメーター

-tCount
直近のメッセージのみに出力を制限します。 Count は、表示するメッセージの数を指定します。

LoggerID
トレース セッションを指定します。 LoggerID は、システムがコンピューター上の各トレース セッションに割り当てる序数です。 どのパラメーターも指定しない場合は、ID が 1 のトレース セッションが使用されます。

LoggerName
トレース セッションを指定します。 LoggerName は、トレース セッションの開始時に指定されたテキスト名です。

GUIDFile
GUIDFile ファイルで指定したプロバイダーからのトレース メッセージのみを表示します。 GUIDFile は、.guid ファイルや .ctl ファイルなど、1 つ以上のトレース プロバイダーの制御 GUID を含むテキスト ファイルのパス (省略可能) とファイル名を表します。

DLL

Wmitrace.dll

この拡張機能は、Windows 2000 以降のバージョンの Windows で使用できます。 この拡張機能を Windows 2000 で使用する場合は、まず、Windows 用デバッグ ツールのインストール ディレクトリの winxp サブディレクトリから w2kfre サブディレクトリに Wmitrace.dll ファイルをコピーする必要があります。

追加情報

イベント トレースの概念的な概要については、Microsoft Windows SDK を参照してください。 Tracelog については、Windows Driver Kit (WDK) で「Tracelog」を参照してください。

解説

Windows ソフトウェア トレース プリプロセッサ (WPP) によるソフトウェア トレース中、トレース メッセージがログ ファイルにフラッシュされるか、リアルタイム表示のためにトレース コンシューマーに渡されるまで、トレース セッション バッファーはトレース メッセージの保存に使用されます。 !wmitrace.logdump 拡張機能は、物理メモリ内のバッファーの内容を表示します。 表示先は [デバッガーコマンド] ウィンドウになります。

この拡張機能は、クラッシュが発生したときに直近のトレースを回復したり、クラッシュ ダンプ ファイルに保存されたトレースを表示したりするのに特に便利です。

この拡張機能を使用する前に、 !wmitrace.searchpath または !wmitrace.tmffile を使用してトレース メッセージ フォーマット ファイルを指定します。 システムはトレース メッセージ フォーマット ファイルを使用して、バッファー内のバイナリ トレース メッセージを書式設定して、人間が読めるテキストとして表示できるようにします。

ドライバーで UMDF バージョン 1.11 以降を使用している場合は、 !wmitrace.searchpath または !wmitrace.tmffile を使用する必要はありません。

Tracelog を使用して循環バッファーリング (-buffering) でトレース セッションを開始する場合は、この拡張機能を使用してバッファーの内容を表示できます。

トレース セッションのロガー ID を見つけるには、 !wmitrace.strdump 拡張機能を使用します。 または、Tracelog コマンドの tracelog -l を使用して、トレース セッションとその基本プロパティ (ロガー ID など) を一覧表示することもできます。

この拡張機能は、WPP によるソフトウェア トレース時や、以前 (レガシ) の ETW (Event Tracing for Windows) によるイベント トレース時にのみ役立ちます。 他のマニフェスト プロバイダーによって生成されるトレース イベントは、トレース メッセージ フォーマット (TMF) ファイルを使用しないため、この拡張機能はそれらのイベントの内容を表示しません。

この拡張機能は、 !wmitrace.eventlogdump 拡張機能と似ていますが、 !wmitrace.logdump の出力が WPP スタイルで書式設定され、 !wmitrace.eventlogdump の出力がイベント ログ スタイルで書式設定される点が異なります。 表示するデータに適した書式を設定する拡張機能を選択する必要があります。

UMDF トレース ログの表示方法については、「UMDF ベースのドライバーでの WPP ソフトウェア トレースの使用」を参照してください。