動的にパーティション分割可能なサーバーでは、ハードウェア パーティション内のパーティション ユニットをいつでも動的に置き換えることができます。 これはホット置換操作と呼ばれます。 パーティション ユニットを交換すると、オペレーティング システムによってハードウェア パーティションが疑似 S4 スリープ状態になります。 ハードウェア パーティションをこの特別なスリープ状態にするため、オペレーティング システムは、システム内のすべてのデバイス ドライバーに S4 設定電源管理要求を送信します。 ただし、一般的な S4 電源状態とは異なり、オペレーティング システムはシステムの状態を休止状態ファイルに書き出しません。
デバイス ドライバーは、クエリ電源を正しく処理し、設定電源電源管理要求を設定することによって、この擬似 S4 スリープ状態をサポートする必要があります。 デバイス ドライバーは、クエリ電源要求を拒否することがあってはなりません。 デバイス ドライバーは、S4 設定電源電源管理要求を受け取ると、デバイスを D3 デバイス電源状態に移行し、すべての I/O 操作を停止する必要があります。 これには、現在進行中のダイレクト メモリ アクセス (DMA) 転送が含まれます。 ドライバーのデバイスを低電力状態にして、割り込みを無効にし、進行中のすべての I/O 操作を停止することにより、デバイス ドライバーに影響を与えずに置換操作を続行できます。
デバイス ドライバーのデバイスが D3 電源状態にある間、デバイス ドライバーは、受け取った新しい I/O 要求をキューに入れます。 デバイス ドライバーは、処理する I/O 要求に I/O タイムアウト期間を使用する必要があります。 このタイムアウト期間は、パーティション ユニットの置き換え時に、I/O 要求が停止またはキューに入れられている場合にタイムアウトしないよう十分な長さにする必要があります。 オペレーティング システムが疑似 S4 スリープ状態から再開されると、デバイス ドライバーは停止またはキューに入っている I/O 要求の処理を再開できます。
デバイス ドライバーで電源管理のサポートを実装する方法について詳しくは、「電源管理」をご覧ください。
デバイス ドライバーは、特定のプロセッサなどのシステム ハードウェアの一意に識別可能なインスタンスに自身をバインドすることはできません。 バインドすると、そのハードウェアを含むパーティション ユニットがハードウェア パーティションに置き換えられた場合にドライバーでエラーが発生する可能性があります。