フォルダー リダイレクトと移動ユーザー プロファイル用のプライマリ コンピューターを展開する

適用対象: Windows Server 2022、Windows 10、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2019、Windows Server 2016、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2

このトピックでは、プライマリ コンピューターのサポートを有効にし、ユーザーのプライマリ コンピューターを指定する方法について説明します。 これを行うと、フォルダー リダイレクトと移動ユーザー プロファイルを使用するコンピューターを制御できるようになります。

重要

移動ユーザー プロファイルに対してプライマリ コンピューターのサポートを有効にする場合は、必ずフォルダー リダイレクトでもプライマリ コンピューターのサポートを有効にしてください。 これで、ドキュメントやその他のユーザー ファイルがユーザー プロファイルから除外されます。こうすると、プロファイルが小さいままとなり、高速なサインオンが維持されます。

前提条件

ソフトウェア要件

プライマリ コンピューターのサポートには、次の要件があります。

  • Windows Server 2012 スキーマを追加できるように、Active Directory Domain Services (AD DS) スキーマを更新する必要があります (このスキーマは、Windows Server 2012 ドメイン コントローラーをインストールすると自動的に更新されます)。 AD DS スキーマの更新については、「Adprep.exe の統合」と「Adprep.exe の実行」を参照してください。
  • クライアント コンピューターでは、Windows 10、Windows 8.1、Windows 8、Windows Server 2019、Windows Server 2016、Wndows Server 2012 R2、または Windows Server 2012 を実行している必要があります。

ヒント

プライマリ コンピューターのサポートにはフォルダー リダイレクトまたは移動ユーザー プロファイル (あるいはその両方) が必要ですが、これらのテクノロジを初めて採用する場合は、フォルダー リダイレクトと移動ユーザー プロファイルを構成する GPO を有効にする前に、プライマリ コンピューターのサポートを設定するのが最良の方法です。 これにより、プライマリ コンピューターのサポートが有効にされる前に、ユーザー データがプライマリでないコンピューターにコピーされることを防ぎます。 構成情報については、フォルダー リダイレクトの展開に関する記事と「移動ユーザー プロファイルを展開する」を参照してください。

手順 1:ユーザーのプライマリ コンピューターを指定する

プライマリ コンピューターのサポートを展開する際の最初の手順は、各ユーザーのプライマリ コンピューターを指定することです。 これを行うには、Active Directory 管理センターを使用して、関連するコンピューターの識別名を取得し、msDs-PrimaryComputer 属性を設定します。

ヒント

Windows PowerShell を使用してプライマリ コンピューターを操作する場合は、ブログ投稿「Windows 8 のプライマリ コンピューターをもう少し深く掘り下げる」を参照してください。

ユーザーのプライマリ コンピューターを指定する方法を次に示します。

  1. Active Directory 管理センターがインストールされているコンピューターで、サーバー マネージャーを開きます。
  2. [ツール] メニューの [Active Directory Administration Center]\(Active Directory 管理センター\) を選択します。 Active Directory 管理センターが表示されます。
  3. 適切なドメインの [コンピューター] コンテナーに移動します。
  4. プライマリ コンピューターとして指定するコンピューターを右クリックし、 [プロパティ] を選択します。
  5. ナビゲーション ウィンドウで、 [拡張機能] を選択します。
  6. [属性エディター] タブを選択して、 [distinguishedName] までスクロールし、 [表示] を選択して、示された値を右クリックし、 [コピー] を選択して、 [OK] を選択してから、 [キャンセル] を選択します。
  7. 適切なドメインの [ユーザー] コンテナーに移動し、コンピューターに割り当てるユーザーを右クリックして [プロパティ] を選択します。
  8. ナビゲーション ウィンドウで、 [拡張機能] を選択します。
  9. [属性エディター] タブを選択して、 [msDs-PrimaryComputer] を選択し、 [編集] を選択します。 [複数値の文字列エディター] ダイアログ ボックスが表示されます。
  10. テキスト ボックスを右クリックして、 [貼り付け] を選択し、 [追加] を選択して、 [OK] を選択してから、再度 [OK] を選択します。

手順 2:必要に応じてグループ ポリシーでフォルダー リダイレクトに対してプライマリ コンピューターを有効にする

次の手順では、必要に応じてグループ ポリシーを構成して、フォルダー リダイレクトに対してプライマリ コンピューターのサポートを有効にします。 これにより、他のコンピューター上ではなく、ユーザーのプライマリ コンピューターとして指定されているコンピューター上で、ユーザーのフォルダーをリダイレクトできるようになります。 コンピューターまたはユーザーごとに、フォルダー リダイレクトのプライマリ コンピューターを制御できます。

フォルダー リダイレクトに対してプライマリ コンピューターを有効にする方法を次に示します。

  1. グループ ポリシーの管理で、フォルダー リダイレクトまたは移動ユーザー プロファイル (あるいはその両方) の初期構成を行ったときに作成した GPO (たとえば、Folder Redirection SettingsRoaming User Profiles Settings) を右クリックし、 [編集] を選択します。
  2. コンピューターベースのグループ ポリシーを使用してプライマリ コンピューターのサポートを有効にするには、 [コンピューターの構成] に移動します。 ユーザーベースのグループ ポリシーの場合は、 [ユーザーの構成] に移動します。
    • コンピューターベースのグループ ポリシーは、GPO が適用されるすべてのコンピューターにプライマリ コンピューターの処理を適用し、それらのコンピューターのすべてのユーザーに影響を与えます。
    • ユーザーベースのグループ ポリシーは、GPO が適用されるすべてのユーザー アカウントにプライマリ コンピューターの処理を適用し、それらのユーザーがサインオンするすべてのコンピューターに影響を与えます。
  3. [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] で、 [ポリシー][管理用テンプレート][システム][フォルダー リダイレクト] の順に移動します。
  4. [プライマリ コンピューターでのみフォルダーをリダイレクトする] を右クリックし、 [編集] を選択します。
  5. [有効] を選択し、 [OK] を選択します。

手順 3:必要に応じてグループ ポリシーで移動ユーザー プロファイルに対してプライマリ コンピューターを有効にする

次の手順では、必要に応じてグループ ポリシーを構成して、移動ユーザー プロファイルに対してプライマリ コンピューターのサポートを有効にします。 これにより、他のコンピューター上ではなく、ユーザーのプライマリ コンピューターとして指定されているコンピューター上で、ユーザーのプロファイルがローミングできるようになります。

移動ユーザー プロファイルに対してプライマリ コンピューターを有効にする方法を次に示します。

  1. フォルダー リダイレクトに対してプライマリ コンピューターのサポートをまだ有効にしていない場合は、有効にします。
    これで、ドキュメントやその他のユーザー ファイルがユーザー プロファイルから除外されます。こうすると、プロファイルが小さいままとなり、高速なサインオンが維持されます。
  2. グループ ポリシーの管理で、作成した GPO (たとえば、Folder Redirection and Roaming User Profiles Settings) を右クリックし、 [編集] を選択します。
  3. [コンピューターの構成][ポリシー][管理用テンプレート][システム][ユーザー プロファイル] の順に移動します。
  4. [プライマリ コンピューターにのみ移動プロファイルをダウンロードする] を右クリックし、 [編集] を選択します。
  5. [有効] を選択し、 [OK] を選択します。

手順 4:GPO を有効にする

フォルダー リダイレクトと移動ユーザー プロファイルの構成が完了したら、GPO をまだ有効にしていなければ、有効にします。 これにより、影響を受けるユーザーとコンピューターへの適用が許可されます。

フォルダー リダイレクトと移動ユーザー プロファイルの GPO を有効にする方法を次に示します。

  1. [グループ ポリシーの管理] を開きます。
  2. 作成した GPO を右クリックし、 [リンクの有効化] を選択します。 このメニュー項目の横にチェック ボックスが表示されます。

手順 5:プライマリ コンピューターの機能をテストする

プライマリ コンピューターのサポートをテストするには、プライマリ コンピューターにサインインし、そのフォルダーとプロファイルがリダイレクトされていることを確認してから、プライマリでないコンピューターにサインインして、そのフォルダーとプロファイルがリダイレクトされていないことを確認します。

プライマリ コンピューターの機能をテストする方法を次に示します。

  1. フォルダー リダイレクトまたは移動ユーザー プロファイル (あるいはその両方) を有効にしたユーザー アカウントで、指定されたプライマリ コンピューターにサインインします。

  2. ユーザー アカウントが以前にコンピューターにサインオンしている場合は、管理者として Windows PowerShell セッションまたはコマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを入力して、最新のグループ ポリシー設定がクライアント コンピューターに適用されることを確認するメッセージが表示されたら、サインオフします。

    Gpupdate /force
    
  3. エクスプローラーを開きます。

  4. リダイレクトされたフォルダー (ドキュメント ライブラリの [マイ ドキュメント] フォルダーなど) を右クリックし、 [プロパティ] を選択します。

  5. [場所] タブを選択し、パスにローカル パスではなく、自分が指定したファイル共有が表示されていることを確認します。 ユーザー プロファイルが移動であることを確認するには、 [コントロール パネル] を開き、 [システムとセキュリティ][システム][システムの詳細設定] の順に選択し、[ユーザー プロファイル] セクションの [設定] を選択して、 [種類] 列で [移動] を探します。

  6. ユーザーのプライマリ コンピューターとして指定されていないコンピューターに、同じユーザー アカウントでサインインします。

  7. 手順 2 から 5 を繰り返しますが、ローカル パスと、プロファイルの種類 [ローカル] を探します。

Note

プライマリ コンピューターのサポートを有効にする前にコンピューターでフォルダーがリダイレクトされていた場合、そのフォルダーは、各フォルダーのフォルダー リダイレクト ポリシー設定で次の設定が構成されない限り、リダイレクトされたままになります: [ポリシーが削除されたとき、フォルダーをローカルのユーザー プロファイルにリダイレクトする] 。 同様に、特定のコンピューターで以前にローミングされていたプロファイルは、 [種類] 列に [移動] と表示されます。ただし、 [状態] 列は [ローカル] と表示されます。

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