iSCSI ターゲット サーバーの概要

適用対象: Windows Server 2022、Windows Server 2019、Windows Server 2016、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2012

このトピックでは、iSCSI ターゲット サーバーについて簡単に説明します。これは、iSCSI プロトコルを介して記憶域を使用できるようにする Windows Server の役割サービスです。 これを利用すると、ネイティブの Windows ファイル共有プロトコルである SMB を介して通信できないクライアントが、Windows サーバー上の記憶域にアクセスできるようになります。

iSCSI ターゲット サーバーは、以下の目的に最適です。

  • ネットワークおよびディスクなしのブート ブートに対応したネットワーク アダプターまたはソフトウェア ローダーを使用することで、数百台のディスクなしのサーバーを展開できます。 iSCSI ターゲット サーバーを使用すると、すばやい展開が可能です。 マイクロソフトの内部テストでは、256 台のコンピューターを 34 分で展開できました。 差分仮想ハード ディスクを使用すると、オペレーティング システム イメージ用に使用される記憶域スペースを最大 90% 節約できます。 これは、Hyper-V や高性能コンピューティング (HPC) クラスターを実行している仮想マシンのように、同じオペレーティング システム イメージを大規模に展開する場合に適しています。

  • サーバー アプリケーション記憶域 アプリケーションによっては、ブロック記憶域が必要になる場合があります。 iSCSI ターゲット サーバーは、このようなアプリケーションに継続的に使用可能なブロック記憶域を提供できます。 記憶域にはリモートでアクセスできるため、本社または支部にあるブロック記憶域を統合することもできます。

  • 異種記憶域 iSCSI ターゲット サーバーでは、Microsoft 以外の iSCSI イニシエーターがサポートされているため、ソフトウェアの混在環境にあるサーバー上の記憶域を簡単に共有することができます。

  • 開発、テスト、デモ、およびラボ環境 iSCSI ターゲット サーバーを有効にすると、Windows Server オペレーティング システムを実行しているコンピューターは、ネットワークからアクセス可能なブロック記憶装置になります。 これは、記憶域ネットワーク (SAN) に展開する前にアプリケーションをテストする場合に便利です。

ブロック記憶域の要件

iSCSI ターゲット サーバーを有効にしてブロック記憶域を提供することで、既存のイーサネット ネットワークを活用できます。 ハードウェアを追加する必要はありません。 高可用性が重要な条件である場合は、高可用性クラスターをセットアップすることを検討してください。 高可用性クラスター用の共有記憶域 (ハードウェア ファイバー チャネル記憶域または Serial Attached SCSI (SAS) 記憶域アレイ) が必要になります。

ゲスト クラスタリングを有効にする場合は、ブロック記憶域を提供する必要があります。 iSCSI ターゲット サーバーを使用して Windows Server のソフトウェアを実行しているサーバーでは、ブロック記憶域を提供できます。

参照

iSCSI ターゲット ブロック記憶域、方法Windows Server の iSCSI ターゲット サーバーの新機能