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独自のイマーシブ環境を設計する

Note

これは試験段階の機能です。 試しに使って楽しんでください。ただし、思ったとおりに動作しなくても驚かないでください。 Microsoft は、この機能が使用できる状態にあるかどうか、ユーザーが興味を持っているかどうかを調べています。使用した感想 (および見つかったバグ) を開発者フォーラムにお寄せください。

Windows 10 April 2018 Update 以降、カスタム環境を ([Start ] (スタート) メニューの) [Places] (場所) ピッカーに追加して Windows Mixed Reality ホームとして使用できる、試験的な機能を提供しています。 Windows Mixed Reality には、クリフ ハウスとスカイロフトという 2 つの既定の環境があり、それぞれホームとして選択できます。 カスタム環境を作成すると、自作の環境を一覧に追加できます。 作成者と開発者の反応を調べるために、早い段階でこの機能を公開しています。 ユーザーがどのようなワールドを作り、どの作成ツールをどのように使用するかを、参考にしたいと考えています。

クリフ ハウス、スカイロフトと同様に、カスタム環境でもテレポート、アプリの操作、ホログラムの配置を行うことができます。 ファンタジックな景観の中で Web をブラウズすることや、未来的な都市にホログラムを配置することができます。可能性は無限です。

デバイス サポート

機能 HoloLens イマーシブ ヘッドセット
カスタム ホーム環境 ✔️

サンプル環境を試す

カスタム ホーム環境でいろいろな物が作れることを示すサンプル環境を用意しました。 これを試すには、これらの手順を実行します。

  1. Fantasy Island サンプル環境をダウンロードします (リンク先は自己解凍実行ファイルです)。

    Fantasy Island サンプル環境
    Fantasy Island サンプル環境

  2. ダウンロードした Fantasy_Island.exe ファイルを実行します。

    Note

    (この.exe ファイルのような) Web でダウンロードした .exe ファイルを実行しようとすると、"Windows によって PC が保護されました" というポップアップが表示される場合があります。 このポップアップから Fantasy_Island.exe を実行するには、[詳細情報] を選択し、次に [実行] を選択します。 このセキュリティ機能は信頼できないファイルのダウンロードを防止することを目的としています。そのため、ファイルの提供元を信頼できる場合に限り、このオプションを選択してください。

  3. エクスプローラーを開き、次のファイルの場所をアドレス バーに貼り付けて、環境フォルダーに移動します: %LOCALAPPDATA%\Packages\EnvironmentsApp_cw5n1h2txyewy\LocalState

  4. ダウンロードしたサンプル環境をこのフォルダーにコピーします。

  5. Mixed Reality ポータルを再起動して、[Places] (場所) ピッカーで環境の一覧を更新します。

  6. ヘッドセットを装着します。 ホームに入ったら、コントローラーの Windows ボタンを使用して [Start] (スタート) メニューを開きます。

  7. ピン留めしたアプリの一覧の上にある [Places] (場所) アイコンを選択して、ホーム環境を選びます。

  8. 場所の一覧に、ダウンロードした Fantasy Island 環境が表示されます。 [Fantasy Island] を選択して、新しいカスタム ホーム環境に入ります。

独自のカスタム環境を作成する

サンプル環境を使用するだけでなく、お気に入りの 3D 編集ソフトウェアを使用して、独自のカスタム環境をエクスポートすることもできます。

モデリングのガイドライン

環境をモデリングする場合、次の推奨事項を念頭に置いて、ユーザーが正しい向きで、妥当なサイズのワールドにスポーンされるようにしてください。

  1. ユーザーは 0,0,0 の位置にスポーンするため、原点を中心にスポーン用の場所を作成します。
  2. ワールドのスケールでアセットを作成できるようにするために、作業の単位をメートルに設定する必要があります。
  3. 上下軸は "Y" に設定する必要があります。
  4. アセットの "前方" を Z 軸の正の方向に合わせる必要があります。
  5. すべてのメッシュを結合する必要はありませんが、対象となるデバイスのリソースが制限されている場合は、そのようにすることをお勧めします。

環境をエクスポートする

Windows Mixed Reality では、環境のアセット配布フォーマットとして glTF (.glb) バイナリを使用します。 glTF は、3D アセットを配布するためのロイヤルティ フリーのオープン標準であり、Khronos グループが管理しています。 Microsoft は、互換 3D コンテンツの業界標準として glTF が進展するのに合わせて、Windows のアプリとエクスペリエンス全体でこのフォーマットのサポートを強化する予定です。

カスタム ホーム環境として使用するアセットをエクスポートする最初の手順は、glTF 2.0 モデルの生成です。 glTF の作業グループは、glTF 2.0 モデルを作成するための、サポート対象エクスポート ツールと変換ツールの一覧を管理しています。 作業を開始するには、このページにリストされているいずれかのプログラムを使用して、glFT 2.0 モデルを作成してエクスポートするか、サポートされているいずれかの変換ツールを使用して既存のモデルを変換します。

環境の制限

すべての環境は < 256 mbs である必要があります。 256 mbs より大きい環境は読み込むことができず、ユーザーの周囲に既定のスカイボックスのみ存在する空のワールドにフォールバックします。 モデルを作成するときは、このファイル サイズの上限に留意してください。 また、下で説明する WindowsMRAssetConverter を使用して環境を最適化する予定の場合、この最適化ツールでは、作成するテクスチャのファイル サイズは大きくなりますが、読み込みの速度は速くなるので覚えておいてください。

環境を最適化する

Windows Mixed Reality では、環境の読み込み時間を大幅に短縮できる、オプションの最適化方法が多数サポートされています。 多くのテクスチャを含む環境は、読み込み中にタイムアウトする場合があるため、特に注意する必要があります。 一般に、すべてのアセットに対してこの手順をお勧めしますが、テクスチャが少ない、またはテクスチャの解像度が低い小規模な環境では、この手順は通常不要です。

このプロセスを簡単にするために、Windows Mixed Reality Asset Converter (GitHub で入手可能) という最適化ツールを用意しました。 このツールは、Microsoft glTF ツールキットで使用できる一連のユーティリティを使用して、テクスチャの追加パッキング、圧縮、低解像度化を行うことにより、標準の 2.0 glTF または .gbl を最適化します。

この変換ツールは、現在、最適化の動作が正確になるように調整するためのフラグをいくつかサポートしています。 最良の結果を得るために、次のフラグを使用して実行することをお勧めします。

フラグ 推奨値 説明
-max-texture-size 1024 または 2048 テクスチャの品質を向上させるために値を調整します。既定値は 512x512 です。 値を大きくすると環境のファイル サイズが大きく変化するため、256 mb の上限に注意してください
-min-version 1803 カスタム環境は、Windows バージョン >= 1803 でのみサポートされます。 このフラグにより、これより古いバージョンでテクスチャが削除され、最終的なアセットのファイル サイズが削減されます

次に例を示します。

WindowsMRAssetConverter FileToConvert.gltf -max-texture-size 1024 -min-version 1803

環境をテストする

最終的な .glb 環境を用意できたら、ヘッドセットでそれをテストできます。 「サンプル環境を試す」セクションの内容を手順 2 から実行して、カスタム環境を Mixed Reality ホームとして使用します。

フィードバックの送信

Microsoft では、この試験的な機能の評価期間中に、ユーザーがどのようにカスタム環境を使用し、どのようなバグを見つけ、この機能についてどう思ったかを知りたいと考えています。 カスタム ホーム環境の作成と使用に関するフィードバックを、開発者フォーラムにお寄せください。

トラブルシューティングとヒント

環境の名前を変更するにはどうすればよいですか。

[Palces] (場所) ピッカーでは、環境フォルダー内でファイル名が使用されます。 環境の名前を変更するには、環境ファイルの名前を変更し、その後 Mixed Reality ポータルを再起動します。

[Places] (場所) ピッカーからカスタム環境を削除するにはどうすればよいですか。

カスタム環境を削除するには、PC で環境フォルダー (%LOCALAPPDATA%\Packages\EnvironmentsApp_cw5n1h2txyewy\LocalState) を開き、その環境を削除します。 Mixed Reality ポータルを再起動すると、この環境は [Place] (場所) ピッカーに表示されなくなります。

お気に入りのカスタム環境を既定にするにはどうすればよいですか。

現在、既定の環境は変更できません。 Mixed Reality ポータルを再起動するたびにクリフ ハウス環境に戻ります。

何もない空間にスポーンします

Windows Mixed Reality では、256 mb を超える環境はサポートされていません。 環境がこの上限を超えると、モデルが存在しない空のスカイ ボックスにスポーンします。

環境を読み込むのに時間がかかります

環境にオプションの最適化を追加すると、環境の読み込みが速くなります。 詳しくは、「環境を最適化する」を参照してください。

環境のスケールが正しくありません

Windows Mixed Reality では、環境を読み込むと、glTF の単位が 1 メートルに変換されます。 環境を読み込むと、予定外のスケールが適用される場合、エクスポート ツールを再チェックして、1 メートル スケールでモデリングしていることを確認してください。

環境内のスポーン位置が正しくありません

既定のスポーン位置は、環境内の 0,0,0 の位置です。 現在、この位置はカスタマイズできないため、スポーン地点を変更するには、目的のスポーン地点を原点に設定した上で環境をエクスポートする必要があります。

環境内で音声が正しく再生されません

カスタム環境を作成すると、作成した物理空間とは一致しない音響レンダリング シミュレーションが使用されます。 音声が誤った方向から聞こえたり、こもって聞こえたりする場合があります。

関連項目