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SQL Database Managed Instance が始まります

Microsoft Japan Data Platform Tech Sales Team

佐藤秀和

Azure SQL Database Managed Instance (以降、Managed Instance) の Public Preview が始まりました。

/en-us/azure/sql-database/sql-database-managed-instance

本記事では、Managed Instance の特徴と、ご評価を開始する手順についてご紹介いたします。

 

◆ Managed Instance の特長
・フルマネージ サービス
Managed Instance は、SQL Server のリレーショナル データベース サービスが提供する、ほぼ全ての機能を提供するフルマネージサービスとなります。

Azure SQL Database と同様に、PaaSの特性(修正プログラムやバージョンの更新管理、自動バックアップ、高可用性構成)を生かしながら、SQL Serverが持つほぼ全ての機能を活用することが出来るので、オンプレミスにある既存の SQL Server をクラウドへ移行する際には最善の移行先となります。

IaaS (SQL Server) / PaaS (Managed Instance) / PaaS (SQL Database) との対比
IaaS(SQL Server) / PaaS(Managed Instance) / PaaS(SQL Database)

可用性構成については、IaaS (SQL Server) では、ユーザー様自身で構築する必要がありますが、PaaS (Managed Instance) / PaaS (SQL Database) では、可用性構成があらかじめ組み込まれた構成となっています。
OS や DB などのミドルウェアの修正プログラムの適用やバージョンアップの管理については、IaaS (SQL Server) では、ユーザー様自身で管理を行う必要がありますが、PaaS (Managed Instance) / PaaS (SQL Database) では、Azure 側で全て自動的に管理が行われます。
データベースのバックアップも同様に、PaaS (Managed Instance) / PaaS (SQL Database) では、Azure 側で自動的に管理が行われます。
PaaS (Managed Instance) と PaaS (SQL Database) の異なる点としては、 PaaS (SQL Database) では、一つ独立したデータベースをサービスとして提供するもの (Single DB の場合) ですので、データの操作や管理はデータベースレベルとなりますが、PaaS (Managed Instance)では、インスタンスレベルのサービスとなりますので、SQL Server と同様に複数のデータベースを集約して管理することが可能です。

また、SQL Server から Managed Instance への移行に際しては、SQL Server で既にお持ちのライセンスをベースに、コストメリットのある優位な条件での移行が可能となるライセンスプログラムを提供いたします。詳細については、下記サイトの内容をご確認ください。
・Azure SQL Database の価格 (Managed Instance) - 「Azure ハイブリッド特典」
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/sql-database/managed/
⇒ 現時点の価格は、プレビュー期間中の金額となります。GA後に価格改定を予定しています。

・SQL Server との高い互換性
Managed Instance は、SQL Server 2017 のリレーショナル データベース サービスが提供するほぼ100%の機能をサポートします。
SQL Database では利用できない、複数のデータベースに対するクエリやトランザクション管理や、変更データキャプチャ、SQL CLR等の機能が利用可能です。

Managed Instance は高可用構成を予め構成していますので、AlwaysOn 可用性グループやログ配布等の可用性構成をユーザー様自身で構成することは出来ません。
また、Managed Instance は、SSIS / SSAS / SSRS / ML Services 等のリレーショナル データベース 以外のサービスは現時点では提供されませんので、Azure の各サービス (Data Factory / Analysis Services / Power BI / ML 等)に移行する必要があります。

その他各機能のサポートについては、下記内容を参照ください。
SQL Server / SQL Database / Managed Instance のサポート機能
/en-us/azure/sql-database/sql-database-features

サポートする SQL Server のバージョンは SQL Server 2005 以降で、SQL Server で取得したバックアップを使って、Managed Instance に復元することが可能です。Managed Instance では、SQL Server 2008 (互換性レベル:100)以降の互換性レベルをサポートしていますので、SQL Server 2005の場合には 互換性レベル:100 に置き換えられます。

・セキュリティ
VNETのネイティブ対応:Azure 仮想マシンと同等のネイティブなVNET対応となりますので、よりセキュリティの高いネットワーク環境を構成することが可能となります。

Azure SQL Database や SQL Server が提供する各種セキュリティ、コンプライアンス対応を機能が利用出来ます。
認証と認可:SQL 認証、Azure Active Directory 認証をサポート
データの保護:ネットワーク経路の暗号化、保存されたデータを暗号化する透過的データ暗号化や常時暗号化
ユーザー権限に応じたデータ保護:動的データマスキング、行レベルセキュリティ

また、Managed Instance では SQL Database で提供されている脅威の検出機能を利用して、不審なデータベースへのアクセスや、SQL インジェクション攻撃等を検知して管理者への通知を行うことが出来るようになりますので、オンプレミス環境の SQL Server を Managed Instance に移行することで、より安全にデータベースを運用することが可能となります。

 

◆ Managed Instance の構成
2018年3月時点の Public Preview では、”General Purpose” というManaged Instance のベースとなる構成を提供しており、特徴は以下の通りです。
・Azure Services Fabric と 高速なリモートストレージ (Premium Storage) の組み合わせにより、高いパフォーマンスと可用性を実現
・仮想 CPU(vCores):8, 16, 24
・ストレージ容量:最大8TB

今後GAに向けて、より高いパフォーマンスと可用性を実現する構成を提供予定となっておりますので、ご期待頂ければと思います。

 

◆移行方法
SQL Server から Managed Instance への移行には、以下の方法で容易に移行することが出来ます。

・Azure Data Migration Services (プレビュー)
Azure Data Migration Services を使用することで、データベースの移行に関わる手順を自動化して、SQL Server から Managed Instance へのデータベースの移行の手順を自動化して実行することが可能となります。
詳細については、下記を参照ください。
Migrate SQL Server to Azure SQL Database Managed Instance
/ja-jp/azure/sql-database/sql-database-managed-instance-migrate#select-migration-method-and-migrate

・SQL Server のバックアップからの復元
Managed Instance は、SQL Server のバックアップイメージからの復元が可能となっています。
Azure上のストレージに展開された SQL Server で取得したバックアップイメージから、Managed Instance に復元することが可能です。
詳細については、DMS での移行と同様に上記サイトの情報を参照ください。

Data Migration Assistant は、現バージョン(v3.4) では、まだ Managed Instance に対応していませんが、今後リリースされるバージョンで対応予定となります。移行前の評価や移行ツールとして活用頂ければと思います。
Overview of Data Migration Assistant
/en-us/sql/dma/dma-overview
ダウンロード(Microsoft® Data Migration Assistant v3.4 )
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=53595

 

◆ Managed Instance (Public Preview) の評価
Azure Portal の「リソースの作成」からAzure SQL Managed Instance (プレビュー) を検索すると、下記画面が表示されます。
2018年3月時点の Public Preview では承認制としているため、下記画面の様に承認リクエストを上げて頂き、2週間以内に記載頂いたメールアドレス宛に承認結果をご連絡させて頂きますので、その後 Managed Instance 環境が利用可能となります。

Managed Instance リソースの作成 Managed Instance プレビュー利用申請

 

また、続報がありましたら本ブログにて情報を更新してまりますので、ご期待ください。

SQL Server 2008 / 2008 R2 は、2019年7月にサポートを終了いたします。
アップグレードの計画がまだの方は早急にご検討頂ければと思います。
また、Managed Instance がその一助となれば幸いです。