「Internet Explorer 11と最新Web技術動向のご紹介セミナー」レポート

去る2月27日、TKP品川カンファレスセンターにおいて、業務Webシステムやコーポレートサイトを運営するWebマスターといったエンタープライズのパートナー様を対象とした「Internet Explorer 11と最新Web技術動向のご紹介セミナー」を開催いたしました。

マイクロソフトのエバンジェリストからはInternet Explorer 11(以下、IE11)の概要やIE11で大きく進化したF12開発者ツールとmodern.IEを用いて検証作業を軽減するテクニック、コンサルタントからは実践的な業務アプリケーションの IE11 への対応について、さらにIE MVPの村地様から「HTML5 の今日と明日」、NTT コムウェア株式会社のSEであり、html5j エンタープライズ部 コミュニティ部長を務める川田様からは「現役 SE である html5 エンプラ部部長が提案するIE11 への移行」と題したセッションが行われました。

セッション

登壇者

HTML5 の今日と明日

W3C のロードマップでは本年 (2014) 年中に HTML5 仕様が勧告 (最終仕様) となり、次のバージョンである HTML 5.1 が勧告候補となる予定です。そして HTML 5.1 が勧告となる 2016 年には HTML 5.2 が勧告候補になります。このように HTML5 は固定した物ではなく、Web を取り巻くユーザー、開発者、コンテンツ ホルダーなどのニーズに応じて新しい機能が追加されていく、「生きている」仕様です。

こうした HTML 仕様の現状と今後の動向を、業務システムと縁の深い form などの要素や、オフライン関連の機能、モバイル対応に関する機能などを中心に概説すると共に、「生きている」= 変化する仕様をエンタープライズはどのように活用できるのかお伝えしていきます。

またこれからも新しい機能が次々と盛り込まれていく HTML 仕様がどのように決められているか、その中で日本のエンタープライズにどのような事が求められているのかについても解説したいと思います。

村地 彰 様

株式会社シーピーエス代表取締役

Microsoft IE MVP

Windows や Windows Server、Office などのマイクロソフト製品をはじめ、Web開発、ネットワーク、情報処理技術者試験などのトレーニング講師を中心として、スモールビジネスや個人事業者向けの導入サポート、連用サポートを行っている。京都市出身。名古屋大学理学部中退。

Internet Explorer 11 概要

Windows 8.1 に標準で搭載されている IE11 の新機能、HTML5 への対応、アクセシビリティ対応をご紹介すると共に、現在のマイクロソフトの Web 標準技術との向き合い方についてご説明します。

春日井 良隆

日本マイクロソフト株式会社

デベロッパー&プラットフォーム統括本部

UX エバンジェリスト

業務アプリケーションの IE11 への対応について

IE11 へのバージョンアップに伴う業務アプリケーションの移行をスムーズに進めるために、おさえておくべき互換性のポイントや移行プロジェクトの進め方について解説します。

稲葉 歩

日本マイクロソフト株式会社

エンタープライズ サービス部

コンサルティングサービス統括本部

コンサルタント

検証作業を削減する無償ツールとサービス

IE11 に搭載された F12 開発者ツールの新機能と、プラットフォームに依存せずに使用することのできる Web ページの検証サイト modern.IE について紹介します。

物江 修

日本マイクロソフト株式会社

デベロッパー&プラットフォーム統括本部

テクニカル エバンジェリスト

現役 SE である html5 エンプラ部部長が提案するIE11 への移行

最近ホットなネタとして、企業内の Windows XP 端末のアップグレードが挙げられますが、ここ十数年のシステム Web 化ブームにより、大量のレガシー IE 向け資産の移行でユーザ企業様は苦しめられているようです。クライアント OS の移行は影響範囲が非常に広く多くのリソースを奪われますが、一方では IT 予算の削減により十分なコストを割けないという悩みを抱えていることでしょう。IE は、エンタープライズ向けの製品ということもあり、こうしたニーズに対応する機能を持っています。今回、IE の既存資産を維持のための機能、気をつけるべき点について、ご紹介します。

また、Windows 7 〜 8 世代の IE のバージョンごとの設計指針について深い所で解説し、ここ 5 年の間に業務系 Web システム開発に求められる重要なポイントをお伝えいたします。

川田 寛 様

NTT コムウェア株式会社 技術 SE 部/html5j エンタープライズ部 コミュニティ部長

Web 標準技術のエバンジェリスト。オープンコミュニティとビジネスの関わりに関心を持ち、NTT コムウェア入社時はオープンソースソフトウェア推進部に配属。OSS エンジニアの育成にも関わる。現在は、社内のプロジェクトへ技術支援を行う傍ら、社外ではイベント・カンファレンスの企画、メディアへの寄稿など、様々な媒体を通じてエンタープライズ IT と Web 標準技術の関わりの「今」を発信し、業界に貢献する。

・技術評論社「Software Design 2014 年 2 月号 - 2014 年 IT 業界はどうなるのか?」執筆

・さぶみっと x Windows 8「IE11 対応 Web 制作のカンニングペーパー」寄稿

 ご参加いただいたみなさまには最後まで熱心にお聞きいただきありがとうございました。ここでアンケートにいただいたコメントをご紹介したいと思います。

  • 「検証作業を削減する~セッションは、業務に直結するものばかりで非常に有意義でした。もう少し時間をかけてもらいたいくらいです」
  • 「IE11のPreview版が配布されている時期に行っていただけると、業務の対応にいかすことができます」
  • 「F12ツールはIE9のころから使用していますが、新機能について全く知らなかったのでとてもためになりました。IE12が出た際にはすぐにこのようなセミナーに参加したいです」
  • 「自社内でIE11対応を推進する上で力強い材料が得られた。JavaScriptの性能向上やセキュリティの強化は、アピールポイントとして大きい。」
  • 「最新のブラウザを利用することで、セキュリティの脅威が大幅に低減するのであれば、お客さまが最新のブラウザに移行しやすいよう、サービスも速やかに最新のブラウザに対応するのが本来あるべき姿だと改めて認識した次第です」

Preview版が公開されている時期は我々、社員も新しいIEの情報を消化している真っ最中なので、同時期に今回のような内容をお届けするのは難しいのですが、できる限り早くこのようなセミナーをお届けしたいと思います。

ちなみにHTML5とCSS3の取り組みについては、このような回答になっています。

セッションの資料は、IE11影響調査報告書、IE11移行ガイドとともにこちらのOneDriveで公開されていますので、ご利用ください。