Azure App Service の更新: Linux の Free レベル、Python と Java のサポートなど
執筆者: Stefan Schackow (Principal Program Manager, App Platform, Microsoft Azure)
このポストは、2019 年 5 月 7 日に投稿された Azure App Service update: Free Linux Tier, Python and Java support, and more の翻訳です。
多くの Azure App Service ユーザーにとって、Web アプリケーションは依然としてビジネス クリティカルなアプリケーションの中核です。既存アプリケーションをクラウドへ移行する場合でも、新機能による刷新でエンド ユーザーの満足度向上を図る場合でも、主柱となる要素です。最近では、Azure App Service でホストされているアプリケーションや Web サイトが 200 万件を超え、月間アクティブ ユーザーが 55 万人に達するという 2 つの大きなマイルストーンを達成しました。お客様の成功事例として紹介しているスペインのメディア・エンターテイメント企業である LaLiga (英語) では、Azure App Service と Cognitive Services や AI を組み合わせて活用し、実に興味深いエクスペリエンスを構築しています。
そしてこのたび、Azure App Service (英語) に新機能を追加しました。今回は特に、マイクロソフト製品やオープン ソースを問わず、幅広いアプリケーションをマイクロソフトの PaaS サービスで使用できるようにすることに注力しました。
- 無期限の無料 Free レベルの App Service on Linux で、js、Python、PHP のアプリを構築、デプロイ、実行できるようになりました。
- Linux での Python (バージョン7/3.6/2.7) サポートの一般提供を開始しました。
- Windows と Linux で Java 11 をサポートしました。
- Linux ネイティブの新しいビルド システムで、js と Python のパッケージの依存関係が解決されるようになり、カスタム ビルド スクリプトを実行できるようになりました。
- 仮想ネットワークに接続されたリソースに安全にアクセスする必要がある Linux ワークロードのために、App Service on Linux でバックエンド仮想ネットワークの統合をサポートしました (プレビュー)。
- Azure Portal に新たに全画面作成エクスペリエンスを追加しました。
Free レベル
クラウド ベースの開発には、テストや調査による試行錯誤がつきものです。新たに追加された Free レベルを使用すれば、料金のことは気にせずに App Service on Linux を使ってテストができます。Web アプリケーションを新規作成するときに Free SKU を選択するだけで、簡単に使用できます。
Free レベルで利用できるコンピューティング リソースとオプションの詳細については、Azure サブスクリプションとサービスの制限に関するページをご覧ください。
Python サポートの一般提供と新しいビルド システム
数か月前に App Service on Linux の Python のサポートを拡張しましたが、このたび Python バージョン 3.7/3.6/2.7 のサポートが一般提供となりました。App Service on Linux の新しいビルド システムと組み合わせることで、Python と Node.js の開発者は、アプリを Azure にデプロイして実行する作業がさらに容易になります。新しいビルド システムでは、Node.js アプリについては yarn や npm、Python アプリについては pip によってパッケージの依存関係が自動的に解決されます。また、Python アプリの静的ファイルを自動収集したり、Node.js アプリと Python アプリの両方に対してビルド前およびビルド後にスクリプトを実行したりできるなど、カスタマイズにも対応しています。App Service on Linux では、Node.js アプリは npm start で実行し、Python アプリは gunicorn で実行します。Django や Flask などの WSGI フレームワークもサポートされています。詳細については、新しいビルド システムの構成オプションと可能なカスタマイズ (英語) をご確認ください。
Linux と Windows 双方での Java 11 サポートの一般提供
Linux と Windows のどちらの App Service でも Java 11 を使用できるようになりました。JAR ファイルを Java 11 で、WAR ファイルを Tomcat 8.5/9.0 (Java 11 を使用) で実行できます。Java 11 のサポートに伴い、App Service on Linux では最新の LTS バージョンの Java ランタイムがサポートされ、App Service on Windows では 3 種類の新しい LTS バージョンがサポートされます。サポート期間は、Java 7 が 2023 年 7 月まで、Java 8 が 2025 年 3 月まで、Java 11 が 2026 年 9 月までの予定です。この期間のうちに、Azure ユーザーは自分のペースで API 変更についての調査や新バージョンの Java の導入を進めることができます。ぜひ今すぐ App Service で Java をお試しください。詳細については Java 開発者ガイドをご覧ください。
アプリケーション作成用の新しいユーザー エクスペリエンス
開発者は、簡単な操作で App Service をセットアップしたいと考えていますが。ただし、機能が拡張し続けるままに画面が乱雑になることは望んでいません。Azure Portal の新しい App Service 全画面作成エクスペリエンスは、画面領域が広がり、既定の項目が適切に提示されると同時に、追加のカスタマイズ オプションや作成の進捗状況についてのリアルタイムのフィードバックがわかりやすく表示されます。
新しいエクスペリエンスでは、コード ベースのデプロイとコンテナー ベースのデプロイの場合に利用可能なオプションがすべて表示され、選択した発行方式や OS に応じてランタイム スタックの選択肢が動的に提示されます。
カスタマイズを設定する UX では、オプションで Application Insights をアプリケーションに追加したり、ARM タグを構成したりできます。これらの構成内容は UX 内のサマリー セクションに表示されます。
アプリケーションの作成中は、プロビジョニング処理の進捗状況がリアルタイムに表示されます。プロビジョニング完了後は、中間処理を確認したり、新しくプロビジョニングされたアプリケーションにリンクから簡単に移動したりできます。
Azure Portal にログインして、App Service でアプリの新規作成をお試しください。
App Service on Linux の仮想ネットワーク統合のプレビュー
パブリックな環境の App Service on Linux をバックエンド仮想ネットワークに統合できるようになりました (プレビュー)。この新しい仮想ネットワーク統合機能を使用すると、Standard レベルや Premium v2 レベルで実行しているアプリケーションを仮想ネットワークに接続できます。仮想ネットワークに接続すると、Linux アプリケーションと同一仮想ネットワークに接続されている他のリソースとの間で通信が可能になります。そのリソースには、Express Route やサイト間 VPN、その他のサービス エンドポイントで保護されている Azure プラットフォーム サービス (Azure Database for MySQL サーバー、Azure Database for PostgreSQL サーバーなど) が含まれます。
詳細は、新しい仮想ネットワーク統合機能のページ (英語) をご覧ください。
次のステップ
ぜひ Azure App Service (英語) をお試しください。