Movie モデルとテーブルに新しいフィールドを追加する (VB)
作成者: Rick Anderson
このチュートリアルでは、Microsoft Visual Web Developer 2010 Express Service Pack 1 (Microsoft Visual Studio の無料バージョン) を使用した ASP.NET MVC Web アプリケーション構築の基本事項を説明します。 開始する前に、以下に示す前提条件がインストールされていることを確認してください。 次のリンクをクリックすると、これらをすべてインストールできます: Web Platform Installer。 また、次のリンクを使用して前提条件となるソフトウェアを個別にインストールすることもできます。
- Visual Studio Web Developer Express SP1 の前提条件
- ASP.NET MVC 3 Tools Update
- SQL Server Compact 4.0 (ランタイム + ツールのサポート)
Visual Web Developer 2010 ではなく Visual Studio 2010 を使用する場合は、Visual Studio 2010 の前提条件のリンクをクリックして、前提条件をインストールします。
このトピックを学習する際に、VB.NET ソース コードを含む Visual Web Developer プロジェクトを使用できます。 VB.NET バージョンをダウンロードします。 C# を使用する場合は、このチュートリアルの C# バージョンに切り替えてください。
このセクションでは、モデル クラスをいくらか変更し、モデルの変更に合わせてデータベース スキーマを更新する方法について学びます。
ムービー モデルへの評価プロパティの追加
まず、新しい Rating
プロパティを既存の Movie
クラスに追加します。 Movie.cs ファイルを開き、次のように Rating
プロパティを追加します。
Public Property Rating() As String
完成した Movie
クラスは次のコードのようになります。
Public Class Movie
Public Property ID() As Integer
Public Property Title() As String
Public Property ReleaseDate() As Date
Public Property Genre() As String
Public Property Price() As Decimal
Public Property Rating() As String
End Class
[デバッグ]>[Build Movie] メニュー コマンドを使用してアプリケーションを再コンパイルします。
Model
クラスを更新したので、\Views\Movies\Index.vbhtml と \Views\Movies\Create.vbhtml ビュー テンプレートを更新して、新しい Rating
プロパティをサポートする必要があります。
\Views\Movies\Index.vbhtml ファイルを開き、<th>Rating</th>
列見出しを Price 列の直後に追加します。 次に、@item.Rating
値をレンダリングするために、テンプレートの末尾付近に <td>
列を追加します。 更新した Index.vbhtml ビューは次のようになります。
<table>
<tr>
<th> Title </th>
<th> ReleaseDate </th>
<th> Genre </th>
<th> Price </th>
<th>Rating</th>
<th></th>
</tr>
@For Each item In Model
Dim currentItem = item
@<tr>
<td>
@Html.DisplayFor(Function(modelItem) currentItem.Title)
</td>
<td>
@Html.DisplayFor(Function(modelItem) currentItem.ReleaseDate)
</td>
<td>
@Html.DisplayFor(Function(modelItem) currentItem.Genre)
</td>
<td>
@Html.DisplayFor(Function(modelItem) currentItem.Price)
</td>
<td>
@Html.DisplayFor(Function(modelItem) currentItem.Rating)
</td>
<td>
@Html.ActionLink("Edit", "Edit", New With {.id = currentItem.ID}) |
@Html.ActionLink("Details", "Details", New With {.id = currentItem.ID}) |
@Html.ActionLink("Delete", "Delete", New With {.id = currentItem.ID})
</td>
</tr>
Next
</table>
次に、\Views\Movies\Create.vbhtml ファイルを開き、フォームの末尾付近に次のマークアップを追加します。 これによってテキスト ボックスがレンダリングされ、新しいムービーが作成されたときに評価を指定できるようになります。
<div class="editor-label">
@Html.LabelFor(Function(model) model.Rating)
</div>
<div class="editor-field">
@Html.EditorFor(Function(model) model.Rating)
@Html.ValidationMessageFor(Function(model) model.Rating)
</div>
モデルとデータベース スキーマの差異の管理
アプリケーション コードを、新しい Rating
プロパティをサポートするように更新しました。
ここで、アプリケーションを実行し、/Movies URL にアクセスします。 ただし、アクセスすると次のエラーが表示されます。
このエラーが表示されるのは、更新された Movie
モデル クラスが既存のデータベースの Movie
テーブルのスキーマと異なるためです。 (データベース テーブルに Rating
列はありません)。
このチュートリアルの前の方でしたように、Entity Framework の Code First を使用してデータベースを自動作成すると、既定で Code First がテーブルをデータベースに追加して、データベースのスキーマがその生成元であるモデル クラスと同期されているかを追跡するようになります。 もし同期されていない場合、Entity Framework はエラーをスローします。 これにより、実行時にあいまいなエラーが表示されて初めて気づくような問題を、開発段階で容易に追跡できるようになります。 先ほど表示されたエラー メッセージは、この同期チェック機能によるものです。
このエラーは 2 つの方法で解決できます。
- Entity Framework に、新しいモデル クラス スキーマに基づいてデータベースを自動的にドロップさせ、再作成させます。 この方法では、モデルとデータベース スキーマの両方を迅速に改善できるため、テスト用データベースでアクティブに開発を行っている場合に非常に便利です。 ただし欠点もあり、データベースの既存データが失われます。実稼働データベースではこの手法は推奨されません。
- モデル クラスに一致するように、既存のデータベースのスキーマを明示的に変更します。 この手法の長所は、データが維持されることです。 この変更は手動で行うことも、データベース変更スクリプトを作成して行うこともできます。
このチュートリアルでは最初の方法を使用して、モデルが変更されるたびに Entity Framework の Code First が自動でデータベースを再作成するようにします。
モデルの変更時にデータベースを自動的に再作成する
アプリケーションのモデルを変更するたびに Code First がデータベースを削除して再作成するようにアプリケーションを更新しましょう。
Note
警告 データベースを自動的に削除して再作成するこの方法は、開発またはテスト用データベースを使用している場合にだけ採用し、実際のデータを含む実稼働データベースでは絶対に採用しないでください。 運用サーバーで使用すると、データが失われる恐れがあります。
ソリューション エクスプローラーで Models フォルダーを右クリックし、[追加]、[クラス] の順に選択します。
「MovieInitializer」という名前を付けます。 MovieInitializer
クラスを更新して、次のコードを含めます。
using System;
Imports System
Imports System.Collections.Generic
Imports System.Data.Entity
Namespace MvcMovie.Models
Public Class MovieInitializer
Inherits DropCreateDatabaseIfModelChanges(Of MovieDBContext)
Protected Overrides Sub Seed(ByVal context As MovieDBContext)
Dim movies = New List(Of Movie) From {
New Movie With {.Title = "When Harry Met Sally", .ReleaseDate = Date.Parse("1989-1-11"), .Genre = "Romantic Comedy", .Rating = "R", .Price = 7.99D},
New Movie With {.Title = "Ghostbusters ", .ReleaseDate = Date.Parse("1984-3-13"), .Genre = "Comedy", .Rating = "R", .Price = 8.99D},
New Movie With {.Title = "Ghostbusters 2", .ReleaseDate = Date.Parse("1986-2-23"), .Genre = "Comedy", .Rating = "R", .Price = 9.99D},
New Movie With {.Title = "Rio Bravo", .ReleaseDate = Date.Parse("1959-4-15"), .Genre = "Western", .Rating = "R", .Price = 3.99D}}
movies.ForEach(Function(d) context.Movies.Add(d))
End Sub
End Class
End Namespace
MovieInitializer
クラスは、モデル クラスが変更された場合に、モデルが使用するデータベースを削除して自動で再作成することを定義します。 コードには、データベースが作成 (または再作成) されるたびに自動的に追加される、いくつかの既定のデータを指定する Seed
メソッドが含まれています。 これは、データベースにいくらかのサンプル データを入力するための便利な方法です。モデルを変更するたびに手動でそれらを入力する必要はありません。
MovieInitializer
クラスの定義が完了したので、アプリケーションを実行するたびにモデル クラスがデータベースのスキーマと異なっているかを確認するために、このクラスを関連付けましょう。 異なっている場合は、初期化子を実行してデータベースを作成してモデルを一致させ、データベースにサンプル データを入力します。
MvcMovies
プロジェクトのルートにある Global.asax ファイルを開きます。
Global.asax ファイルには、プロジェクトのアプリケーション全体を定義するクラスと、アプリケーションが最初に起動されたときに実行される Application_Start
イベント ハンドラーが含まれています。
Application_Start
メソッドを見つけて、次のようにメソッドの先頭に Database.SetInitializer
の呼び出しを追加します。
Sub Application_Start()
System.Data.Entity.Database.SetInitializer(Of MovieDBContext)(New MvcMovie.Models.MovieInitializer())
AreaRegistration.RegisterAllAreas()
RegisterGlobalFilters(GlobalFilters.Filters)
RegisterRoutes(RouteTable.Routes)
End Sub
今追加した Database.SetInitializer
ステートメントは、スキーマとデータベースが一致しない場合、MovieDBContext
インスタンスが使用するデータベースを自動的に削除して再作成する必要があることを示しています。 また既に説明したように、MovieInitializer
クラスで指定されているサンプル データをデータベースに入力します。
Global.asax ファイルを閉じます。
アプリケーションを再実行し、/Movies URL にアクセスします。 アプリケーションが起動すると、モデル構造がデータベース スキーマと一致しないことが検出されます。 新しいモデル構造に一致するようにデータベースが自動的に再作成され、データベースにサンプル ムービーが入力されます。
[Create New] リンクをクリックして、新しい映画を追加します。 評価も追加できます。
Create をクリックしてください。 評価を含む新しいムービーが、ムービー一覧に表示されます。
このセクションでは、モデル オブジェクトを変更し、データベースをその変更に合わせて同期させる方法を学びました。 また、新しく作成されたデータベースにサンプル データを入力してシナリオを試してみる方法についても学習しました。 次に、モデル クラスに高度な検証ロジックを追加して、ビジネス ルールを適用できるようにする方法を学びましょう。