PowerShell を使用して Azure Application Gateway (クラシック) のカスタムプローブを作成する

[アーティクル]
04/09/2023

この記事では、PowerShell を使用して既存の Application Gateway にカスタムプローブを追加します。カスタムプローブは、特定の正常性チェックページがあるアプリケーションや、既定の Web アプリケーションに対して正常な応答を返さないアプリケーションに役立ちます。

重要

Azure には、リソースの作成と操作に関して、2 種類のデプロイモデルがあります。Resource Manager とクラシックです。この記事では、クラシックデプロイモデルの使用方法について説明します。最新のデプロイメントでは、リソースマネージャーモデルを使用することをお勧めします。 Resource Manager モデルを使用してこれらの手順を実行する方法について説明します。

前提条件: Azure PowerShell モジュールのインストール

この記事の手順を実行するには、Azure PowerShell モジュールをインストールして構成する必要があります。必ず、すべての手順を完了してください。インストールが完了したら、Azure にサインインし、サブスクリプションを選択します。

Note

これらの手順を完了するには Azure アカウントが必要です。 Azure アカウントを持っていない場合、無料試用版でサインアップできます。

アプリケーションゲートウェイの作成

Application Gateway を作成するには:

Application Gateway のリソースを作成します。
構成 XML ファイルまたは構成オブジェクトを作成します。
新しく作成した Application Gateway のリソースに構成をコミットします。

カスタムプローブを設定した Application Gateway リソースの作成

ゲートウェイを作成するには、New-AzureApplicationGateway コマンドレットを使用して、値を独自の値に置き換えて使用します。この時点ではゲートウェイの課金は開始されません。課金は後の手順でゲートウェイが正しく起動されたときに開始します。

次の例では、"testvnet1" という仮想ネットワークと "subnet-1" というサブネットを使用してアプリケーションゲートウェイを作成します。

New-AzureApplicationGateway -Name AppGwTest -VnetName testvnet1 -Subnets @("Subnet-1")

ゲートウェイが作成されたことを確認するには、Get-AzureApplicationGateway コマンドレットを使用します。

Get-AzureApplicationGateway AppGwTest

Note

InstanceCount の既定値は 2、最大値は 10 です。 GatewaySize の既定値は Medium です。 Small、Medium、Large から選択します。

ゲートウェイがまだ起動していないため、VirtualIPs と DnsName は空白のまま表示されます。これらの値は、ゲートウェイが実行中の状態になったときに作成されます。

XML を使用してアプリケーションゲートウェイを構成する

次の例では、XML ファイルを使用して、アプリケーションゲートウェイの設定すべてを構成し、アプリケーションゲートウェイのリソースにコミットします。

次のテキストをメモ帳にコピーします。

<ApplicationGatewayConfiguration xmlns:i="https://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xmlns="http://schemas.microsoft.com/windowsazure">
<FrontendIPConfigurations>
    <FrontendIPConfiguration>
        <Name>fip1</Name>
        <Type>Private</Type>
    </FrontendIPConfiguration>
</FrontendIPConfigurations>
<FrontendPorts>
    <FrontendPort>
        <Name>port1</Name>
        <Port>80</Port>
    </FrontendPort>
</FrontendPorts>
<Probes>
    <Probe>
        <Name>Probe01</Name>
        <Protocol>Http</Protocol>
        <Host>contoso.com</Host>
        <Path>/path/custompath.htm</Path>
        <Interval>15</Interval>
        <Timeout>15</Timeout>
        <UnhealthyThreshold>5</UnhealthyThreshold>
    </Probe>
    </Probes>
    <BackendAddressPools>
    <BackendAddressPool>
        <Name>pool1</Name>
        <IPAddresses>
            <IPAddress>1.1.1.1</IPAddress>
            <IPAddress>2.2.2.2</IPAddress>
        </IPAddresses>
    </BackendAddressPool>
</BackendAddressPools>
<BackendHttpSettingsList>
    <BackendHttpSettings>
        <Name>setting1</Name>
        <Port>80</Port>
        <Protocol>Http</Protocol>
        <CookieBasedAffinity>Enabled</CookieBasedAffinity>
        <RequestTimeout>120</RequestTimeout>
        <Probe>Probe01</Probe>
    </BackendHttpSettings>
</BackendHttpSettingsList>
<HttpListeners>
    <HttpListener>
        <Name>listener1</Name>
        <FrontendIP>fip1</FrontendIP>
    <FrontendPort>port1</FrontendPort>
        <Protocol>Http</Protocol>
    </HttpListener>
</HttpListeners>
<HttpLoadBalancingRules>
    <HttpLoadBalancingRule>
        <Name>lbrule1</Name>
        <Type>basic</Type>
        <BackendHttpSettings>setting1</BackendHttpSettings>
        <Listener>listener1</Listener>
        <BackendAddressPool>pool1</BackendAddressPool>
    </HttpLoadBalancingRule>
</HttpLoadBalancingRules>
</ApplicationGatewayConfiguration>

構成項目のかっこに囲まれた値を編集します。拡張子 .xml のファイルに保存します。

次の例では、パブリックポート 80 で HTTP トラフィックを負荷分散するアプリケーションゲートウェイを設定し、カスタムプローブを使用して 2 つの IP アドレスのバックエンドポート 80 にネットワークトラフィックを送信する構成ファイルを使用する方法を示します。

重要

プロトコル項目 HTTP または HTTPS は、大文字小文字を区別します。

カスタムプローブを構成するために、新しい構成項目の <Probe> が追加されています。

構成パラメーターは次のとおりです。

パラメーター	内容
名前	カスタムプローブの参照名。
プロトコル	使用されるプロトコル (有効な値は HTTP または HTTPS です)。
Host と Path	インスタンスの状態を判断するためにアプリケーションゲートウェイによって呼び出される完全な URL パス。たとえば、http://contoso.com/ という Web サイトがある場合、HTTP 応答が正常かどうかをプローブでチェックするために、"http://contoso.com/path/custompath.htm" に対してカスタムプローブを構成します。
間隔	プローブのチェック間隔を秒単位で指定します。
タイムアウト	プローブの HTTP 応答チェックのタイムアウト期間を定義します。
UnhealthyThreshold	バックエンドインスタンスに "異常" というフラグを設定するために必要な HTTP 応答の失敗数。

プローブの名前は、どのバックエンドプールがカスタムプローブ設定を使用するかを割り当てる <BackendHttpSettings> 構成で参照されます。

既存の Application Gateway へのカスタムプローブの追加

アプリケーションゲートウェイの現在の構成を変更するには、現在の XML 構成ファイルの取得、カスタムプローブを追加するための変更、新しい XML 設定を使用したアプリケーションゲートウェイの構成という 3 つの手順を行う必要があります。

Get-AzureApplicationGatewayConfig を使用して XML ファイルを取得します。このコマンドレットにより、プローブ設定を追加するために変更される XML 構成ファイルがエクスポートされます。
```
Get-AzureApplicationGatewayConfig -Name "<application gateway name>" -Exporttofile "<path to file>"
```

テキストエディターで XML ファイルを開きます。 <frontendport> の後に <probe> セクションを追加します。

<Probes>
 <Probe>
     <Name>Probe01</Name>
     <Protocol>Http</Protocol>
     <Host>contoso.com</Host>
     <Path>/path/custompath.htm</Path>
     <Interval>15</Interval>
     <Timeout>15</Timeout>
     <UnhealthyThreshold>5</UnhealthyThreshold>
 </Probe>
</Probes>

XML の backendHttpSettings セクションで、次の例に示すようにプローブ名を追加します。

 <BackendHttpSettings>
     <Name>setting1</Name>
     <Port>80</Port>
     <Protocol>Http</Protocol>
     <CookieBasedAffinity>Enabled</CookieBasedAffinity>
     <RequestTimeout>120</RequestTimeout>
     <Probe>Probe01</Probe>
 </BackendHttpSettings>

XML ファイルを保存します。

Set-AzureApplicationGatewayConfig を使用して、新しい XML ファイルでアプリケーションゲートウェイの構成を更新します。このコマンドレットにより、新しい構成でアプリケーションゲートウェイが更新されます。

Set-AzureApplicationGatewayConfig -Name "<application gateway name>" -Configfile "<path to file>"

次のステップ

トランスポート層セキュリティ (TLS) (旧称 Secure Sockets Layer (SSL)) オフロードを構成する場合は、TLS オフロードのためのアプリケーションゲートウェイの構成に関するページを参照してください。

内部ロードバランサーと共に使用するようにアプリケーションゲートウェイを構成する場合は、「内部ロードバランサー (ILB) を使用したアプリケーションゲートウェイの作成」を参照してください。

PowerShell を使用して Azure Application Gateway (クラシック) のカスタム プローブを作成する

前提条件: Azure PowerShell モジュールのインストール

アプリケーション ゲートウェイの作成

カスタム プローブを設定した Application Gateway リソースの作成

XML を使用してアプリケーション ゲートウェイを構成する

既存の Application Gateway へのカスタム プローブの追加