SAP HANA の Azure NetApp Files アプリケーション ボリューム グループについて

この記事では、SAP HANA の Azure NetApp Files アプリケーション ボリューム グループのユース ケースと主な機能について説明します。

SAP HANA のアプリケーション ボリューム グループを使用すると、ベスト プラクティスに従って、SAP HANA データベースのインストールおよび操作に必要なすべてのボリュームをデプロイできます。 SAP HANA のアプリケーション ボリューム グループは、必要な SAP HANA ボリューム (データ、ログ、共有、ログバックアップ、データバックアップなどのボリューム) を個別に作成するのではなく、1 つの "アトミック" 呼び出しでこれらのボリュームを作成します。 アトミック呼び出しでは、確実にすべてのボリュームが作成されるか、またはボリュームがまったく作成されません。

SAP HANA のアプリケーション ボリューム グループにより、SAP HANA のボリューム デプロイの効率化に役立つようにプロセスを簡素化および標準化するための技術的向上が提供されます。 その結果、ユーザーは、個々の QoS やボリュームのサイズなどの技術的な設定の管理ではなく、アプリケーションの需要に専念できます。

主な機能

SAP HANA のアプリケーション ボリューム グループは、すべてのリージョンでサポートされています。 次の主要な利点を提供します。

  • 次のような、単一および複数のホスト設定の SAP HANA 構成のサポート:

    • 単一またはプライマリ SAP HANA データベースのボリューム
    • SAP HANA システム レプリケーション (HSR) セカンダリ システムのボリューム
    • リージョン間レプリケーションを使用したディザスター リカバリー (DR) シナリオ用のボリューム
  • 次のボリュームの作成:

    • SAP HANA データ ボリューム (データベース ホストごとに 1 つ)
    • SAP HANA ログ ボリューム (データベース ホストごとに 1 つ)
    • SAP HANA 共有ボリューム (最初の SAP HANA ホストのみ)
    • ログバックアップ ボリューム (オプション)
    • ファイルベースのデータ バックアップ ボリューム (オプション)
  • 手動 QoS 容量プール内でのボリュームの作成。 ボリューム サイズと必要なパフォーマンス (MiB/s) は、データベースのメモリ サイズに対するユーザーによる入力に基づいて提案されます。

  • アプリケーション ボリューム グループ GUI および Azure Resource Manager (ARM) テンプレートにより、サイズ管理とボリュームの作成を簡略化するためのベスト プラクティスが提供されます。 次に例を示します。

    • SAP システム ID (SID) とボリュームの種類に基づいてボリュームの名前付け規則を提案する
    • メモリ サイズに基づいてサイズとパフォーマンスを計算する

SAP HANA のアプリケーション ボリューム グループを使用すると、デプロイ プロセスを簡略化し、SAP HANA ワークロードのストレージ パフォーマンスを向上させることができます。 新機能の一部を次に示します。

  • 手動でピン留めする代わりに、近接配置グループ (PPG) を使用します。

    • PPG を使用して SAP HANA VM を固定して、最小限の待機時間を保証します。 この PPG を使用して、データ、ログ、共有の各ボリュームが強制的に SAP HANA VM の近くに作成されるようにします。 詳細は、「近接配置グループに関するベスト プラクティス」をご覧ください。
  • データ ボリュームとログ ボリューム用に個別のストレージ エンドポイントを (異なる IP アドレスで) 作成。

    • このデプロイ方法により、SAP HANA データベースのパフォーマンスとスループットが向上します。

次のステップ