Microsoft 365 でのデータ破損の処理
大規模なクラウド サービスを実行する場合の困難な側面の 1 つは、大量のデータと独立したシステムを考えると、データの破損を処理する方法です。 データの破損は、次の原因で発生する可能性があります。
- アプリケーションまたはインフラストラクチャのバグ、アプリケーションの状態の一部または全部が破損している
- データが失われたり、データを読み取れなくなるハードウェアの問題
- 人間の運用エラー
- 悪意のあるハッカーと内部関係者
- データが失われる外部サービスのインシデント
データの整合性の回復性が高いほど、データ破損インシデントが少なくなるため、Microsoft は破損の発生を防ぐための Microsoft 365 保護メカニズムと、データを回復できるシステムとプロセスを組み込んでいます。 チェックとプロセスは、次のようなデータ破損に対する回復性を高めるために、エンジニアリング リリース プロセスのさまざまな段階に存在します。
- システム設計
- コードの編成と構造
- コード レビュー
- 単体テスト、統合テスト、およびシステム テスト
- トリップワイヤテスト/ゲート
Microsoft 365 運用環境では、データセンター間のピア レプリケーションにより、データのライブ コピーが常に複数存在します。 標準のイメージとスクリプトは、紛失したサーバーの復旧に使用され、レプリケートされたデータを使用して顧客データを復元します。 Exchange Online では、すべてのメールボックスが データベース可用性グループ (DAG) でホストされ、同じリージョン内の地理的に分離されたデータセンターにレプリケートされます。 各メールボックス データベースには、DAG 内のデータセンター間で 4 つのコピーが分散されています。1 つのアクティブ コピー、2 つの最新のコピー、および致命的な論理破損が発生したまれな場合に使用される 7 日間の遅延コピーです。 SharePoint と OneDrive の場合、ファイルはプライマリとセカンダリのデータセンター リージョン に同時に書き込 まれます。 複数の種類の チェックサム は、対応するファイルとは別の場所のメタデータに格納され、データ ライフサイクルのすべての段階でデータの整合性を確保するために使用されます。
データの回復性チェックとプロセスが組み込まれているため、Microsoft は、SharePoint の組み込みレプリケーションと内部コード リポジトリ ツールである Source Depot を使用して、Microsoft 365 情報システム ドキュメント (セキュリティ関連のドキュメントを含む) のみのバックアップを保持します。 システム ドキュメントは SharePoint に格納され、Source Depot にはシステム イメージとアプリケーション イメージが含まれています。 SharePoint と Source Depot の両方でバージョン管理が使用され、ほぼリアルタイムでレプリケートされます。