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Exchange Serverのダイヤル コード、番号プレフィックス、および番号形式

適用対象: Exchange Server 2013、Exchange Server 2016

UM が有効になっているユーザーの内部呼び出しや外部呼び出しのダイヤルのためにユニファイド メッセージング (UM) で使用されるダイヤル コードを構成できます。 組織内のユーザーのアウトダイヤルを制御できるようにするためには、多くの場合、ダイヤル コードまたはアクセス コード、国番号のプレフィックス、あるいは国内/地域内番号と国際番号の形式と共に、ダイヤル プランも構成する必要があります。 ここでは、ダイヤル コード、番号のプレフィックス、番号の形式、およびこれらを使用して組織でのアウトダイヤルを制御する方法を説明します。

概要

アウトダイヤルは、ユーザーが UM ダイヤル プランまたは UM 自動応答に電話をかけて、内部または外部の電話番号を呼び出す場合に使用するプロセスです。 ユーザーが UM ダイヤル プランまたは UM 自動応答に呼び出しを行って電話をかけるとき、ユニファイド メッセージングでは、電話をかけるためのダイヤル プラン、自動応答、および UM メールボックス ポリシーで構成された設定が使用されます。 UM は次のような状況で発信呼び出しを行います。

  • ユニファイド メッセージングが発信者の外部電話番号に電話をかける場合

  • ユニファイド メッセージングが呼び出しを自動応答に転送する場合

  • ユニファイド メッセージングが呼び出しを組織内のユーザー (UM が有効かどうかに関係なく) に転送する場合

  • UM が有効なユーザーが電話での再生機能を使用する場合

認証されたユーザーと認証されていないユーザーの 2 種類のユーザーがアウトダイヤルを使用します。 認証されていないユーザーは、UM ダイヤル プランで構成された Outlook Voice Access 番号を呼び出しますが、自分のメールボックスにはサインインしません。 認証されていないユーザーは、UM 自動応答で構成された番号も呼び出します。 認証されたユーザーは、Outlook Voice Access 番号を呼び出し、自分のメールボックスに正しくサインインします。 ユーザーが Outlook Voice Access 番号に呼び出しを行うと、内線番号と PIN がなく、メールボックスにサインインしていないため、最初は認証されていないと見なされます。 このユーザーは、自分の内線番号と PIN を提供し、自分のメールボックスへのサインインに成功した後に認証されます。

認証されていないユーザーが UM 自動応答を呼び出し、アウトダイヤルを使用して電話をかける場合には、UM ダイヤル プランと自動応答で構成されているアウトダイヤル設定が使用されます。 認証されていないユーザーがダイヤル プランで構成されている Outlook Voice Access 番号を呼び出す場合は、ダイヤル プランで構成されている設定のみが使用されます。 ユーザーが自分のメールボックスに正しくサインインした場合は、認証されているユーザーに関連付けられたダイヤル プランと UM メールボックス ポリシーの構成設定が認証されているユーザーに適用されます。

組織のアウトダイヤル ルールを制御するにはいくつかの設定を構成する必要があります。 アウトダイヤルを制御するには、ユニファイド メッセージングで、UM ダイヤル プラン、自動応答、および UM メールボックス ポリシーを構成する必要があります。 送信ダイヤルを制御するために、UM ダイヤル プラン、自動応答、および UM メールボックス ポリシーに対して次の設定を構成できます。

  • 外線、国内/地域内、および国際アクセス コード

  • 国番号のプレフィックス

  • 国内/地域内番号および国際番号の形式

  • 国内/地域内番号および国際ダイヤル情報グループ

  • 許可された国内/地域内番号および国際ダイヤル情報グループ

  • ダイヤル情報エントリ

Exchange 管理センター (EAC) の [ダイヤル コード] ページで、UM ダイヤル プランに関するアクセス コード、番号プレフィックス、番号形式を構成します。 Exchange 管理シェルで Set-UMDialPlan コマンドレットを使用して設定を構成することもできます。 すべての設定を構成する、設定を構成しない、または一部の設定のみを構成する、のいずれかを選択できます。 各設定で制御されるのはアウトダイヤル プロセスの特定の部分のみです。

UM は、アクセス コード、番号プレフィックス、および番号形式を使用して、ダイヤルする正しい番号を判断します。 これらは、UM ダイヤル プランに関連付けられた UM 自動応答にダイヤルしたユーザーまたはダイヤル プランで構成された Outlook Voice Access 番号にダイヤルしたユーザーに対する発信呼び出しを制限するように構成できます。

ユニファイド メッセージングでのアウトダイヤルの詳細については、「 ダイヤル コード、番号プレフィックス、および番号形式」を参照してください。

外線発信コード

作成するダイヤル プランごとに、トランク アクセス コードとも呼ばれる外線発信コードを構成することもできます。 トランク アクセス コードとは、外線番号にアクセスできるようにするための番号のことです。 組織内の構内交換機 (PBX) や IP PBX でこの番号を構成することもできます。 ほとんどのテレフォニー ネットワークでは、ユーザーが番号 9 をダイヤルすることで、外線にアクセスして外部の電話番号に電話をかけることができるようになります。

作成するダイヤル プランごとに、外線発信コードを構成する必要があります。 このダイヤル コードは、UM ダイヤル プランに関連付けられた UM メールボックス ポリシーに関連付けられたすべてのユーザーに適用されます。 ダイヤル プランに関連付けられた発信者が電話をかけ、ダイヤル プランによって発信呼び出しがダイヤルされた場合は、ダイヤルされた番号文字列の先頭に UM により外線発信コード (通常は 9) が付加されるため、PBX や IP PBX が正しい番号をダイヤルできます。 外線発信コードが構成されていない場合は、PBX または IP PBX が送信された番号を認識できない可能性があります。 たとえば、前述のように、多くの組織では外線にアクセスするためにユーザーがダイヤルするアクセス コードは 9 であり、PBX や IP PBX ではこの番号が構成されています。 PBX や IP PBX が外線番号を正しくダイヤルできるようにするためには、ユニファイド メッセージングが電話番号文字列の前に外線発信コード (9) を追加する必要があります。 ユニファイド メッセージングが外線発信コードを追加するようにダイヤル コードを構成しておくと、ユニファイド メッセージングは、この外線発信コードを使用して外線にアクセスしてから外部の電話番号文字列をダイヤルできるようになります。 構成したダイヤル コードは、UM ダイヤル プランに関連付けられた UM メールボックス ポリシーに関連付けられたすべてのユーザーに適用されます。

国番号のプレフィックス

国番号のプレフィックスおよび国/地域コードも、UM ダイヤル プランで構成できます。 ユニファイド メッセージングは、同じ国/地域内への発信呼び出しまたは国際通話をユーザーがダイヤルしたときに正しい国番号のプレフィックスや国/地域コードをダイヤルするために入力された番号を使用します。 たとえば、ユーザーが北米からヨーロッパへの国際通話を発信する場合、UM は、PBX または IP PBX に送信する番号文字列の前に国番号のプレフィックスを追加して発信呼び出しを行います。 北米の場合は、国番号のプレフィックスとして番号 1 が使用されます。

国/地域内アクセス コード

国/地域コードは、UM ダイヤル プランで構成できます。 国/地域のアクセス コードは、特定の国や地域に関連付けられた番号から構成されます。 ユニファイド メッセージングは、ある電話番号が同じ国または地域内から呼び出された場合に正しい電話番号をダイヤルするために国/地域のアクセス コードを使用します。 UM は、発信呼び出しを行う際に PBX や IP PBX に送信する番号文字列の前に、この番号を追加します。 たとえば、米国から米国に向けて呼び出しが行われた場合、UM は番号 1 を追加します。 英国の場合、国/地域番号は 44 になります。

国際アクセス コード

国際アクセス コードは、UM ダイヤル プランで構成できます。 国際アクセス コードは、国際電話番号にアクセスするのに使用される番号から構成されます。 ユニファイド メッセージングは、ある国/地域内から呼び出しが行われた電話番号が別の国/地域にある場合に、正しい国際アクセス コードをダイヤルするために国際アクセス コードを使用します。 UM は、発信呼び出しを行う際に PBX や IP PBX に送信する番号文字列の前に、この番号を追加します。 たとえば、UM が米国用に使用する国際アクセス コードは 011 です。 また、ヨーロッパ用の国際アクセス コードは 00 になっています。

国内/地域内番号および国際番号の形式

UM ダイヤル プランで、国/地域番号および国際番号の形式に合わせた着信呼び出しの設定を構成できます。 これらの設定を構成しておくと、ユニファイド メッセージングが同じ国/地域内からの着信呼び出しや同じ組織内の UM ダイヤル プラン間の国際的な着信呼び出しを認識できるようになります。 単一のダイヤル プラン内で発信される着信呼び出し用の番号形式を追加することもできます。 これらのオプションを構成しておくことで、組織内のユーザーによって行われるべきでない発信呼び出しを防止して費用を節約でき、電話料金に関する不正行為を防止するのに役立ちます。 UM は、ユーザーが構成した情報を使用して着信呼び出しの番号形式を調査し、番号のパターンが一致することを確認してから呼び出しを受け付けます。 たとえば、組織内に複数のダイヤル プランが存在するとします。 米国用に 1 つのダイヤル プランを用意し、英国用に別のダイヤル プランを用意しておくと、米国用ダイヤル プランに含まれるユーザーが、UM を使用して英国用ダイヤル プランに含まれるユーザーに対して電話をかけられるようにする一方で、米国のダイヤル プランに含まれるユーザーが他の国/地域や海外に直接電話をかけられないようにすることができます。