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レプリケーション API について

適用対象: Outlook 2013 | Outlook 2016

レプリケーション API は、MAPI メッセージ ストア プロバイダーが、サーバーと、そのプロバイダー用に作成されたプライベート .pst ベースのローカル ストアとの間でMicrosoft Outlook 2013またはMicrosoft Outlook 2010項目を同期する機能を提供します。

注:

MAPI メッセージ ストア プロバイダーは、「レプリケーション ステート マシンについて」の手順に従ってレプリケーション API を実装する必要があります。 他のプロバイダー用に作成された個人用ストアは、それぞれのサーバーで独自のレプリケーション メカニズムを既に設定している可能性があるため、プロバイダーは、それ自体用に作成された個人用ストアでのみ API を使用し、他のプロバイダー用に作成された個人用ストアでは使用しない必要があります。 たとえば、オフライン フォルダー ファイル (.ost) は、Microsoft Exchange サーバーとの独自のレプリケーション関係を維持します。

レプリケーション API を使用するには、MAPI メッセージ ストア プロバイダーが最初に NSTServiceEntry を呼び出して .pst ベースのローカル ストアを開いてラップする必要があります。 プロバイダーは、API、 IOSTXおよび IPSTX の主要なインターフェイスを使用してレプリケーションを実行できます。 IPSTXIMsgStore : IMAPIProp でクエリを実行することで提供され、 IOSTXIPSTX::GetSyncObject によって提供されます。

IOSTX インターフェイス

IOSTX インターフェイスは、レプリケーション API で同期を実行するプライマリ インターフェイスです。 IOSTX は 、ローカル ストアを一連の状態で移動し、ローカル ストアの変更に関する各状態の情報を取得し、サーバー上の変更をローカル ストアに通知します。 レプリケーション API は、同期をサポートする多くのデータ構造も指定します。

ストア プロバイダーは、この API のクライアントとして、レプリケーション API を使用してローカル ストアをラップし、これらの状態を移動し、ローカル ストアの変更 (フォルダー階層の変更や新しい項目の追加など) をサーバーにプッシュし、サーバー上の変更に関する情報を取得し、その情報を IOSTX インターフェイスに提供します。 IOSTX インターフェイスでは、Microsoft Exchange Serverによって提供される増分変更同期 (ICS) が採用されています。 ICS の詳細については、「 ICS 評価基準」を参照してください。 IOSTX を使用して、クライアントは ICS を使用して、階層またはローカル ストア上のコンテンツに対する増分変更を監視および同期します。

IPSTX インターフェイス

IPSTX および IPSTX から継承する他の 5 つの IPSTXn インターフェイスは、IOSTX インターフェイスを介してレプリケーションを実行するときに使用できるヘルパー機能を提供します。 たとえば、 IPSTX::EmulateSpooler を使用すると、ローカル ストアで Outlook プロトコル マネージャーをエミュレートして、送信メッセージをサーバーにスプールできます。

レプリケーション中の状態遷移の詳細については、「 レプリケーションステート マシンについて」を参照してください。

レプリケーション API

レプリケーション API には、次の定義、データ型、およびインターフェイスが用意されています。 ラップされた個人用フォルダー ファイル (PST) のストア プロバイダーのサンプル実装については、「ラップ された PST ストア プロバイダーのサンプルについて」を参照してください。

定義:

関数

データ型:

インターフェイス