June 2007 DirectX SDK の新しい機能

このバージョンの DirectX SDK には、次の新しい機能、ツール、およびドキュメントが含まれています。

  • 新しい RPC 編集ウィンドウと、XACT ユーザー インターフェースのその他の改良
    XACT オーサリング ツールのランタイム パラメーター制御 (RPC) 編集ウィンドウが一新され、複数の新しい曲線タイプ、ズームおよびパン制御、ポイントの高度な編集と選択、ミラー編集などの機能が追加されたほか、すべての RPC 編集についてマルチレベルの元に戻す/やり直し操作が可能になりました。また、XACT GUI でコンテンツの相対パスと絶対パスがどちらも適切にサポートされるようになりました。この改良に伴い、今後プロジェクトは事前に作成して保存してから編集する必要があります。これには、プロジェクト パスの指定が含まれます。

  • X3DAudio におけるリスナー コーンとソース単位の半径および仰角制御
    X3DAudio に、リスナー コーンソース単位の半径/仰角制御という 2 つの機能が追加されました。リスナー コーンは、エミッターに既に組み込まれているのと同じように、リスナーの方向を指定します。また、X3DAudio で内部半径と角度も指定できるようになりました。内部半径を使用してリスナー周囲でのスムーズな空間移動を定義することにより、サウンドがリスナーを通過する、またはリスナーの上下を通り抜ける際に急激な不連続が生じるのを防止できます。内部半径角度によって指定された空間に基づいて仰角が計算され、各スピーカーのボリューム値が決定されます。

  • PIX for Windows の向上点
    このリリースの PIX for Windows には、次のいくつかの新機能が追加されています。

    • Direct3D 10 アプリケーション用にソースレベルのシェーダー デバッグが提供されるようになりました。この機能は、これまで Direct3D 9 アプリケーションのみで利用できるものでした。
    • PIX on Windows Vista を使用している開発者は、これで GPU タイミング情報と CPU タイミング情報を同時にキャプチャーできるようになりました。この情報は、アプリケーションが GPU または CPU による制約を受けているかどうかを判断するのに使用します。GPU タイミング キャプチャーは、Windows Vista でのみ使用可能です。
    • 実験のターゲット プログラムを設定するウィンドウにあるチェックボックスをオンにすることで、D3DX 分析を無効にすることができます。このオプションによって、パフォーマンスが向上し、特定の D3DX 機能を呼び出すアプリケーションに関するいくつかの問題を解決することができます。
  • GDF メーカー サポートの韓国語レーティング システムの新バージョンと日本語レーティング システムのアップデート
    GDF メーカーは、新しい韓国語レーティング システム (「ゲーム レーティング ボード」) をサポートするようになりました。このレーティング システムをサポートするオペレーティング システムは、Windows Vista SP 1 に含まれています。開発者は、新しいシステムのそれぞれのレーティングを GDF プロジェクトに追加できます。このレーティングは Windows Vista RTM では無視されますが、Windows Vista SP 1 には表示されます。新しいレーティング システムの詳細については、http://www.grb.or.kr を参照してください。

    さらに、日本語レーティング システム (CERO) のサポートも更新され、A、B、C、D および Z レーティングを扱えるようになりました。古い CERO データを使っている場合は、既存のプロジェクトが自動的に更新されます。

  • D3X9 と D3DX10 のアップデート
    D3DX9 および D3DX10 DLL (d3dx9_34.dll および d3dx10_34.dll) の新しいバージョンがあります。この一部として、FX9 が更新され、より大きいサイズのアドレスに対応した 32 ビット アプリケーションをサポートするようになりました。詳細については、「D3DFX_LARGEADDRESSAWARE」を参照してください。また、HLSL コンパイラも更新されており、多くの問題が解決され、機能が向上しています。

  • Direct3D9 および DirectDraw ヘッダーに Windows Vista Direct3D9Ex API を追加
    Direct3D9 および DirectDraw ヘッダーが更新され、Windows Vista Direct3D9Ex API が使用できるようになりました。この Windows Vista API の更新されたドキュメントは、DirectX SDK に統合されています。Direct3D9Ex のサンプルは、Microsoft Windows SDK for Windows Vista にあります。

  • 新しいサンプル
    このリリースには次の 3 つの新しいサンプルが含まれています。すべてのグラフィック サンプルが更新され、Direct3D 9 または Direct3D 10 のいずれかのレンダリングをサポートする DXUT の新しいバージョンを使用できるようになりました。Direct3D 9 でのみサポートされていた古いバージョンの DXUT は削除されました。

    • 高度なシェーダー オーサリング ワークショップ GDC 2007 は、Game Developers Conference 2007 で公開された高度なシェーダー オーサリング ワークショップから派生したガイド付きのレッスン シリーズです。このレッスンは、6 つの Visual C++ プロジェクト ファイルに分かれており、それぞれ完成間近の HLSL コードが含まれています。それぞれのプロジェクトで、受講者は対象となるグラフィック技術を実装するために必要なコードの欠けている部分を埋めていくことを求められます。このワークショップ形式では、受講者に最低限の HLSL 構文の知識しかない場合でも、強力でありながら柔軟性も備えた HLSL を使って実験することができます。
    • パフォーマンス ワークショップ GDC 2007 は、Game Developers Conference 2007 で公開されたパフォーマンス ワークショップから派生したガイド付きレッスン シリーズです。このレッスンは、3 つの Visual C++ プロジェクト ファイルに分かれています。それぞれのプロジェクトで、受講者はアプリケーションのパフォーマンス ボトルネックを発見し、コードのボトルネックを修正することを求められます。
    • ParentalControlTimeLimits サンプルには、アプリケーションが現在のユーザーに対する Windows の保護者による制限の時間制限情報を取得する方法が示されています。時間制限機能によって、保護者は子供がコンピューターを使用できる時間を管理することができます。ゲームまたはアプリケーションはこの時間制限に対応している必要があり、また時間制限下にあるアカウントを持つユーザーに適切なフィードバックを提供する必要があります。

以前のリリース

以前のリリースに追加されている機能の詳細については、「以前のリリースに追加されている機能」を参照してください。