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BDA IP シンク フィルタ

BDA IP シンク フィルタは、Winsock に IP データを送信するカーネル モード フィルタである。このフィルタは、アナログおよびデジタル、BDA または非 BDA の TV フィルタ グラフで使える。

アナログ グラフでは、入力ピンは BDA SLIP デフレーマに接続される。デジタル グラフでは、入力ピンは BDA MPE フィルタに接続される。フィルタには出力ピンが 1 つあるが、このピンを介して IP データが送信されることはない。すべての IP データは Winsock に送られる。

このフィルタは、IBDA_IPSinkInfo インターフェイスを公開する。

BDA IP シンクは GrapEdit 内で "BDA Rendering Filters" カテゴリに表示される。これはカーネル モード フィルタであるため、アプリケーションから直接作成することはできない。代わりに、「デバイスとフィルタの列挙」で説明されているように System Device Enumerator を使うこと。フィルタをフィルタ グラフに追加するには、IFilterGraph::AddFilter メソッドを呼び出す。

このフィルタを使うと、ソース ルーティングを有効にしたシステムにセキュリティ リスクを負わせることになる。これは、悪意を持ったブロードキャスト ストリームが大量の IP データ パケットをネットワークに流す「サービス拒否 (Denial of Service) 攻撃」を起こさせる可能性が発生するためである。このため、ある時点でホスト システム上でソース ルーティングが有効になると、BDA IP シンク フィルタが自動的に無効になる。グラフ上には存在したままであり、実行状態に移行することもできるが、すべてのパケットを NDIS スタックに送信せずにドロップさせる。その後ソース ルーティングが無効になると、しばらくして NDIS へのデータ指示が再開する。フィルタは、定期的に HKLM\System\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters\IPEnableRouter レジストリ キーを調べることによって、ソース ルーティングの状態を監視する。ソース ルーティングが有効になっているときに BDA IP シンク フィルタを使う場合は、特別な作業が必要となるため、Microsoft 製品サポート サービスに問い合わせること。

参照