次の方法で共有


フルスクリーン レンダリング フィルタ

フルスクリーン レンダリング フィルタは、旧型のハードウェアでのフルスクリーン ビデオ レンダリング機能を提供する。新しいビデオ カードは効率的にビデオを伸縮できるため、フルスクリーン レンダラは必要ない。このため、このフィルタは今では推奨されない。

このフィルタを手動でフィルタ グラフに追加しないこと。アプリケーションが IVideoWindow::put_FullScreenMode を呼び出すと、フィルタ グラフ マネージャが自動的にフルスクリーン モードに適したビデオ レンダラを選択する。この選択は、アプリケーション側からは認識されない。新しいビデオ カードを使っている場合は、フィルタ グラフ マネージャがフルスクリーン レンダラを選択することはほとんどない。

フィルタ インターフェイス IBaseFilterIFullScreenVideoExIMediaPositionIMediaSeekingIQualityControlIQualProp
入力ピン メディア タイプ MEDIATYPE_Video、MEDIASUBTYPE_Null
入力ピン インターフェイス IMemInputPinIPinIQualityControl
出力ピン メディア タイプ 利用できない。
出力ピン インターフェイス 利用できない。
フィルタ CLSID CLSID_ModexRenderer
プロパティ ページ CLSID CLSID_ModexProperties
実行モジュール quartz.dll
メリット MERIT_UNLIKELY
フィルタ カテゴリ CLSID_LegacyAmFilterCategory

注意

フルスクリーン レンダラは、固定セットのディスプレイ モードをサポートしている。ただし、ユーザーのシステムで使われているビデオ カードがすべてをサポートしているとは限らない。カードが特定のモードをサポートしているかどうかを調べるには、IFullScreenVideoEx::IsModeAvailable メソッドを呼び出す。また、IFullScreenVideoEx::SetEnabled を呼び出して、特定のディスプレイ モードをプログラム上で無効化することもできる。以下の表に、現在フルスクリーン レンダラがサポートしているディスプレイ モードをまとめる。

モード 高さ ビット深度
0 320 200 16
1 320 200 8
2 320 240 16
3 320 240 8
4 640 400 16
5 640 400 8
6 640 480 16
7 640 480 8
8 800 600 16
9 800 600 8
10 1024 768 16
11 1024 768 8
12 1152 864 16
13 1152 864 8
14 1280 1024 16
15 1280 1024 8

(すべてのモードは RGB である。) ただし、この表は変更される可能性がある。モードに関する情報を取得するには、IFullScreenVideoEx::GetModeInfo メソッドを使う。フルスクリーン レンダラは常に、ビデオをどの程度クリップしてよいかを決定する clip factor と呼ばれるプロパティの制限内で、使用可能な中から最も低解像度のモードを選択する。詳細については、「IFullScreenVideoEx::GetClipFactor」を参照すること。

アプリケーションがフィルタ グラフを実行またはポーズすると、フルスクリーン レンダラが、選択されたディスプレイ モードに切り替える。グラフが停止されると、元のディスプレイ モードに戻す。

フルスクリーン レンダラは、フォアグラウンドのアクティブ ウィンドウでのみ機能する。ユーザーが他のアプリケーションに切り替えると、フルスクリーン レンダラはビデオ ウィンドウを最小化または非表示にして、ビデオを隠す。