DirectMusic でのエフェクトの使い方
DirectX は、DMO (DirectX Media Object) によるサウンドのエフェクト処理をサポートしている。すべての DirectX アプリケーションで、一連の標準エフェクトが使える。それ以外の DMO もシステムに登録できる。
Waves リバーブ以外のすべての標準 DMO は、DirectSound がサポートしている任意のサンプル レートで、1 つまたは 2 つのチャンネルを使って、8 ビットまたは 16 ビットの PCM データを処理できる。Waves リバーブは 8 ビットのサンプルをサポートしていない。
エフェクトは、オーディオパスの DirectSound バッファにアタッチされる。実行時にアプリケーションでエフェクトを追加・削除・変更するには、バッファに対するインターフェイスを取得し、DirectSound API を使わなければならない。詳細については、「エフェクトの使い方」を参照すること。
DirectMusic Producer で作成したセグメントを、オーディオパス構成を使って演奏している場合は、構成オブジェクトからオーディオパスを作成するとエフェクトが設定される。標準オーディオパスにはエフェクトも保持される。ただし、実行時にカスタム オーディオパスでエフェクトを実装したり、標準オーディオパスにエフェクトを追加したい場合がある。たとえば、標準の WAV ファイルや MIDI ファイルにエフェクトを適用できるように、標準オーディオパスにエフェクトを追加する場合である。
オーディオパスにエフェクトを適用するには、まずパス上のバッファへの IDirectSoundBuffer8 インターフェイスを取得する。次に、IDirectSoundBuffer8::SetFX を使って、そのバッファに 1 つまたは複数のエフェクトを設定する。
バッファ インターフェイスを取得する方法については、「オーディオパスからのオブジェクトの取得」を参照すること。GetObjectInPath の呼び出しで標準オーディオパス バッファを識別する方法については、「標準オーディオパス」のオーディオパスのタイプを参照すること。
次のサンプル コードでは、標準オーディオパスを設定し、パスからバッファを取得し、バッファ上でエコー エフェクトを設定している。
HRESULT SetEchoEffect(IDirectMusicPerformance8 *pPerformance,
IDirectMusicAudioPath* p3DAudioPath,
IDirectSoundBuffer8* pDSBuffer)
{
HRESULT hr;
// ソース バッファと環境リバーブ バッファを使って標準オーディオパスを作成する。
// パスをアクティブ化してはならない。
// バッファが稼働していると、SetFX は失敗する。
if( FAILED(hr = pPerformance->CreateStandardAudioPath(
DMUS_APATH_DYNAMIC_3D, 64, FALSE, &p3DAudioPath)))
return hr;
// オーディオパスでバッファを取得する。
if( FAILED(hr = p3DAudioPath->GetObjectInPath(DMUS_PCHANNEL_ALL,
DMUS_PATH_BUFFER, 0, GUID_NULL, 0, IID_IDirectSoundBuffer8,
(LPVOID*) &pDSBuffer)))
return hr;
// エフェクトを記述する。
DSEFFECTDESC dsEffect;
dsEffect.dwSize = sizeof(DSEFFECTDESC);
dsEffect.dwFlags = 0;
dsEffect.guidDSFXClass = GUID_DSFX_STANDARD_ECHO;
dsEffect.dwReserved1 = 0;
dsEffect.dwReserved2 = 0;
DWORD dwResults;
// エフェクトを設定する。
if (FAILED(hr = pDSBuffer->SetFX(1, &dsEffect, &dwResults)))
{
p3DAudioPath->Activate(TRUE);
return hr;
}
// ここで dwResults の値をチェックし、
// エフェクトが割り当てられているかどうか、またその方法を確認できる。
// パスをアクティブ化する。
p3DAudioPath->Activate(TRUE);
return hr;
}