Application Request Routing を使用したキャッシュ階層の管理
公開日: 2009 年 3 月 18 日 (作業者: iisteam (英語))
更新日: 2009 年 9 月 23 日 (作業者: iisteam (英語))
目標
Cache Array Routing Protocol (CARP) を使用して、Application Request Routing (ARR) をエッジ キャッシュ ノードとして定義および構成すること。
ARR Version 2 では、ARR Version 1 で導入されたサーバー グループの概念を拡張して、キャッシュ ノード間の関連性を定義します。サーバー グループは、1 つ以上のメンバー サーバーで構成される論理グループです。ARR Version 1 では、サーバー ファーム内のメンバー サーバーは、ARR が受信要求を転送できるアプリケーション サーバーとして扱われます。ARR Version 2 では、同じ概念を使用し、キャッシュ失敗が発生した場合に要求がルーティングされる次の "層" のキャッシュ ノードをグループ化します。
以下の図に、サーバー グループ (ファーム) を使用して、子 (エッジ) キャッシュ ノードの視点から親キャッシュ ノードを指定する方法を示します。
キャッシュ ノードの管理は、共有構成を使用することでさらに簡略化されます。上記の図では、子 (エッジ) キャッシュ ノードは 1 つの構成を共有しますが、親キャッシュ ノードは別の構成を共有します。その結果、管理が必要な共有構成が 2 つになります。
このチュートリアルでは、キャッシュ階層管理におけるサーバー ファームの概念を説明することに重点が置かれています。CDN/ECN でのエンドツーエンドの子および親キャッシュ ノードの構成に関する詳細な情報については、このチュートリアルを参照してください。
必要条件
このチュートリアルの前提として、ARR Version 1 のコア機能およびシナリオに精通していることが必要です。
- Application Request Routing サーバー グループの定義と構成
- Application Request Routing を使用した HTTP 負荷分散
- Application Request Routing を使用した 3 層展開アーキテクチャの構成
- Application Request Routing を使用したパイロット プログラム管理
- Application Request Routing を使用した共有ホスト
また、ARR Version 2 の新機能であるディスク キャッシュ機能についてもよく知っておく必要があります。以下の記事に概要が記載されています。
Application Request Routing Version 2 RC をインストールしていない場合は、以下の場所からダウンロードできます。
- Microsoft Application Request Routing Version 2 for IIS 7.0 RC (x86) をダウンロード(英語) 。
- Microsoft Application Request Routing Version 2 for IIS 7.0 RC (x64) をダウンロード(英語)。
ARR Version 2 RC をインストールするには、このドキュメントに記載されている手順に従います。
手順 1 - ディスク キャッシュを構成する
まだ構成を済ませていない場合は、この記事に従ってディスク キャッシュを構成します。
手順 2 - キャッシュ階層を定義する
UI を使用して、サーバー ファームを作成および定義するには
IIS マネージャーを起動します。
サーバーのルートを選択して展開します。 これが、子 (エッジ) キャッシュ ノードです。
サーバー ファームを作成するには、[サーバー ファーム] を右クリックし、[サーバー ファームの作成...] をクリックします。
サーバー ファームの名前を入力します。以下の例では、myParentCacheNodes がサーバー ファームの名前です。[次へ] をクリックします。
次の手順で、親キャッシュ ノードをサーバー ファームに追加します。 ウィザードの [サーバーの追加] ページで、必要に応じた数の親キャッシュ ノードを追加します。子ノードでキャッシュ失敗が発生すると、CARP を使用して要求は親キャッシュ ノードのいずれかに転送されます。[完了] をクリックします。
ARR Version 1 の場合と同じように、ARR Version 2 でも、ルーティングの決定を行うための受信 HTTP 要求とサーバー変数の検査を URL 書き換えモジュールに依存しています。確認ダイアログ ボックスで、[はい] をクリックして、このサーバー グループの既定の URL 書き換えルールを作成します。
これで、サーバー グループのメンバーに親キャッシュ ノードが含まれたサーバー グループが正常に作成されました。
手順 3 - Cache Array Routing Protocol (CARP) を有効にする
ARR Version 2 には、CARP のサポートが含まれています。CARP は、子キャッシュ ノードでキャッシュ失敗が発生したときに、要求の転送先の親キャッシュ ノードを特定するために使用されます。
UI を使用して、CARP を有効にするには
IIS マネージャーを起動します。
上記の手順 2 で作成したサーバー ファーム myParentCacheNodes を選択します。
以下のアイコンが表示されます。
[負荷分散] をダブル クリックします。
ドロップダウン リストから [ハッシュの要求] を選択します。 ARR Version 2 では、ハッシュの要求に CARP が使用されます。
[適用] をクリックして、変更を保存します。
まとめ
これで、ARR を使用してキャッシュ階層を正常に定義することができました。その他の ARR Version 2 RC のチュートリアルについては、この記事のドキュメントを参照してください。CDN 環境では、URL 書き換え規則はこのチュートリアルで説明した内容よりもさらに複雑になります。CDN/ECN 環境での一般的な 2 層 (子および親) キャッシュ ノードで ARR を構成する方法については、このチュートリアルを参照してください。