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電子ソフトウェア配布システムを使用して MED-V ワークスペースを展開する方法

適用対象: Microsoft Enterprise Desktop Virtualization 2.0

電子ソフトウェア配布システムは、低速ネットワークと高速ネットワークのどちらでも、多数の異なるコンピューターにソフトウェアを効率よく配布するように設計されています。ここでは、ソフトウェア配布システムを使用して、MED-V ワークスペースをエンタープライズ全体に展開するのに役立つ情報と操作手順を示します。

注意

どのソフトウェア配布ソリューションを使用する場合も、そのソリューションの要件をよく理解しておく必要があります。System Center Configuration Manager 2007 R2 以降を使用する場合は、Microsoft TecNet ライブラリの「Configuration Manager ドキュメント ライブラリ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=66999) を参照してください。

重要

System Center Configuration Manager 2007 SP2 を使用し、MED-V ワークスペースが NAT モードで動作するように構成されている場合は、仮想マシンがインターネット ベースのクライアントとして分類され、コンテンツをダウンロードする最も近い配布ポイントを見つけることはできません。

hotfix to improve the functionality for VMs that are managed by MED-V (MED-V で管理される VM の機能を向上する修正プログラム)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=201088) を適用すると、MED-V で管理され、NAT モードで動作するように構成されている仮想マシンに新しい機能が追加されます。この新しい機能によって、仮想マシンが最も近い配布ポイントにアクセスできるようになります。そのため、管理者はホスト コンピューターと同じようにして仮想マシンを管理できます。この修正プログラムは、まず、サイト サーバーにインストールしてから、クライアントにインストールする必要があります。

更新プログラムは、一般公開されています。しかし、マイクロソフト サービス アグリーメントに同意する必要があるというメッセージが表示されることがあります。続いて表示される Web ページのメッセージに従って、この修正プログラムを入手してください。

バッチ ファイルを使用すると、MED-V の複数のコンポーネントをまとめて展開することができますが、Windows Virtual PC のインストール後にコンピューターを再起動する必要があります。これを防ぐには、すべてのコンポーネントがインストールされた後に一度だけ再起動されるように指定します。このとき、MED-V も自動的に起動します。これは、MED-V ワークスペースのインストールによって、RUN キーにエントリが書き込まれるからです。

ソフトウェア配布システムを使用して MED-V ワークスペースを展開するには

  1. 電子ソフトウェア配布システムで、コンピューターおよびユーザーのグループを、配布先セットとして定義します。

  2. 配布する必要のある各 Microsoft インストール ファイルのパッケージを作成します。次に、パッケージの作成に必須のファイルを示します。これらのファイルは、記載している順にインストールする必要があります。

    1. Windows Virtual PC - まだインストールされていない場合 (コンピューターの再起動が必要です)。詳細については、「インストールの前提条件の構成」を参照してください。

    2. Windows Virtual PC の追加機能と更新プログラム - まだインストールされていない場合。詳細については、「インストールの前提条件の構成」を参照してください。

    3. MED-V ホスト エージェントのインストール ファイル (MED-V_HostAgent_Setup) - ホスト エージェントをインストールします。詳細については、「MED-V ホスト エージェントを手動でインストールする方法」を参照してください。

      警告

      MED-V ホスト エージェントをインストールする前に、必ず Internet Explorer を閉じる必要があります。開いたままインストールすると、後で URL をリダイレクトするときに競合が発生することがあります。配布中にコンピューターが再起動されるように指定して、Internet Explorer が閉じられるようにすることもできます。

    4. MED-V ワークスペースのインストーラー、VHD、セットアップ用実行可能ファイル - MED-V ワークスペース パッケージャーで作成したパッケージ。詳細については、「MED-V ワークスペース パッケージの作成」を参照してください。

      重要

      圧縮された仮想ハード ディスクファイル (.medv) とセットアップ用実行可能ファイル (setup.exe) は、MED-V ワークスペースのインストーラーと同じフォルダーになければなりません。setup.exe を実行して MED-V ワークスペースをインストールします。

      ヒント

      ネットワークから MED-V をインストールすると問題が発生する可能性があるので、MED-V ワークスペースのセットアップ ファイルをローカルにコピーして、setup.exe を実行することをお勧めします。

  3. パッケージがサイレント モード (ユーザーの介入なし) で実行されるように構成します。

    サイレント モードで実行すると、Internet Explorer が実行中の場合は閉じるようにというメッセージと MED-V ホスト エージェントを起動するようにというメッセージは表示されません。この両方の処理は、コンピューターが再起動されるときに行われます。

    注意

    Windows Virtual PC のインストールでは、コンピューターを再起動する必要があります。コンピューターを再起動せず、MED-V のインストールの前提条件を無視する場合は、インストール プロセスを 1 つ作成して、一度にすべてのコンポーネントをインストールしてもかまいません。これは、コマンド ライン引数を使用して行うこともできます。このような引数の例については、「バッチ ファイルを使用して MED-V のコンポーネントをインストールするには」を参照してください。MED-V は、コンピューターが再起動されたときに自動的に起動します。

  4. Windows Virtual PC をインストールする前に、MED-V とそのコンポーネントをインストールします。このトピックの後半にある、バッチ ファイルの例を参照してください。

    重要

    バッチ ファイルの例に示すように、IGNORE_PREREQUISITES オプションを選択し、VPC の必須コンポーネントの前に、MED-V のコンポーネントがインストールされるようにします。再起動が 1 回だけ行われるようにするには、MED-V のコンポーネントをこの順番でインストールする必要があります。

  5. インストールとソフトウェア配布システムの他の要件 (配布先のプラットフォームや空きディスク領域など) を確認します。

  6. 配布先のコンピューターとユーザーのセットにパッケージを割り当てます。

    コンピューターが稼働しているので、ソフトウェア配布システム クライアントが、インストール可能な新しいパッケージのあることを認識し、定義と要件に従ってパッケージのインストールを開始します。インストールがサイレント モードで順番に実行されます。これは、すべてのパッケージがインストールされるまで再起動を必要としない、単一のプロセスとして実行することをお勧めします。

  7. インストールが完了したら、更新されたコンピューターを再起動します。

    使用しているソフトウェア配布システムによって、コンピューターの再起動のスケジュールを設定できたり、エンド ユーザーが通常の作業中に手動でコンピューターを再起動できたりします。コンピューターが再起動されると、エンド ユーザーがログオンした後、MED-V が自動的に起動します。MED-V が初めて起動された場合は、初回セットアップが実行されます。

初回セットアップが開始されます。指定した仮想ハード ディスクのサイズとスタートアップ時に MED-V ワークスペース に適用されるポリシーの数によっては、セットアップ完了までに数分かかることがあります。エンド ユーザーは、通知領域にある MED-V アイコンで、セットアップの進行状況を確認することができます。初回セットアップの詳細については、「MED-V 2.0 の展開の概要」を参照してください。

バッチ ファイルを使用して MED-V ワークスペースをインストールするには

  • 管理者の資格情報でコマンド プロンプトを開き、インストールを実行します。

  • 各コンポーネントを 1 つのディレクトリに展開します。ネットワーク共有から実行すると、.medv ファイルの圧縮解除に時間がかかります。

  • ベスト プラクティスとして、MED-V ホスト エージェントと MED-V ワークスペース パッケージ ファイルの後に Windows Virtual PC と Windows Virtual PC の修正プログラムがインストールされるように指定することをお勧めします。このようにすると、Windows Update によって再起動が要求されないので、インストールが中断されることはありません。

  • バッチ ファイルの実行が完了したら、コンピューターを再起動します。

コンピューターの再起動後に、初回セットアップを実行し、MED-V の構成を完了するようにというメッセージがユーザーに表示されます。

次の例は、単一のプロセスで 64 ビットの MED-V のコンポーネントをインストールする方法を示します。使用されている引数については、下の表を参照してください。

引数 説明

/norestart

Windows Virtual PC とその更新プログラムをインストールしたときに、ホスト コンピューターが再起動されないようにします。

/quiet

MED-V のコンポーネントを、ユーザーによる介入なしのサイレント モードでインストールします。

/qn

MED-V のコンポーネントをユーザー インターフェイスなしでインストールします。

IGNORE_PREREQUISITES

Windows Virtual PC がインストール済みかどうかを確認せずに、インストールを実行します。

注意

このインストールの一部として Windows Virtual PC をインストールする場合だけ、この引数を指定してください。

OVERWRITEVHD

MED-V ワークスペースを強制的にインストールし、メッセージが何も生成されないようにします。

:: MED-V と前提条件のインストール

:: MED-V ホスト エージェントのインストール: サイレント モードでインストールし、Windows Virtual PC が完全にインストールされていないことを無視して、結果をログに記録する。start /WAIT .\MED-V_HostAgent_Setup.exe /qn IGNORE_PREREQUISITES=1 /l* %TEMP%\MEDVhost.log

:: MED-V ワークスペースのインストール: サイレント モードでインストールし、VHD が存在する場合は上書きし、結果をログに記録する。start /WAIT .\setup.exe /qn OVERWRITEVHD=1 /l* %TEMP%\MEDVworkspace.log

:: Windows Virtual PC のインストール: サイレント モードでインストールし、コンピューターを再起動しない。start /WAIT wusa.exe Windows6.1-KB958559-x64.msu /norestart /quiet

:: Windows Virtual PC の修正プログラム (ハードウェア依存の仮想化機能のないマシンのサポート用) のインストール: サイレント モードでインストールし、コンピューターを再起動しない。wusa.exe Windows6.1-KB977206-x64.msu /norestart /quiet

:: 上記のコンポーネントが正常にインストールされたら、ホスト コンピューターを再起動してインストールを完了する必要があります。

参照:

タスク

Windows 7 イメージに MED-V を展開する方法

概念

MED-V 2.0 の展開の概要

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