テスト コンピューターへのドライバーの展開
Visual Studio 開発環境の利点を利用して、WDK は、テスト コンピューター上でドライバーのビルド、展開、デバッグができるようにするテスト機能を提供します。WDK を使ってテスト システムにドライバーを適切に展開するには、まず、テスト コンピューターをセットアップし、構成する必要があります。ドライバーをさまざまなテスト シナリオでテストする場合は、複数のコンピューターをセットアップして構成できます。
- テスト コンピューターのセットアップ
- ドライバー ソリューションの展開プロパティの設定
- ドライバーのビルドと、テスト コンピューターへのドライバーの展開
- ドライバー展開のトラブルシューティング
- 関連トピック
テスト コンピューターのセットアップ
- 「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 8.1)」の手順に従ってください。
注 テスト コンピューターの設定に関して問題が発生した場合は、「ドライバーの展開、テスト、およびデバッグに関する構成のトラブルシューティング」をご覧ください。
ドライバー ソリューションの展開プロパティの設定
ドライバー パッケージのプロパティ ページで、ドライバーのテスト用の展開方法を細かく制御できます。各構成でドライバー ソリューションをビルドするたびに、自動的にドライバーが展開されるようにすることができます。
ドライバー パッケージのプロパティ ページを開きます。ソリューション エクスプローラーでドライバー パッケージ プロジェクトを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
ドライバー パッケージのプロパティ ページで、[構成プロパティ]、[Driver Install] (ドライバーのインストール)、[Deployment] (配置) の順にクリックします。
[配置を有効にする] をオンにします。このオプションを選択する際は、構成済みのテスト コンピューターを選択するか、テスト用に構成するコンピューターの名前を選択する必要があります。 「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 8.1)」をご覧ください。
ドライバー パッケージ プロジェクトの展開を有効にすると、ソリューションのビルド時に選ばれたテスト コンピューターにドライバーが自動的に展開されます。ドライバーのインストールと展開に必要なオプションは、[展開] プロパティ ページを使って構成できます。「ドライバー パッケージ プロジェクトの展開プロパティ」をご覧ください。
テスト コンピューターへの展開を有効にする際は、テストの効果を高めるために、テスト コンピューター上でドライバーの検証ツール、KMDF 検証ツール、UMDF 検証ツールを自動的に有効化し、構成することもできます。 ドライバー パッケージ プロジェクトに対してこれらのオプションを設定するには、[構成プロパティ]、[ドライバーのインストール] の順にクリックし、次のプロパティ ページをクリックします。
ドライバーのビルドと、テスト コンピューターへのドライバーの展開
- ドライバーを展開する前に、ドライバー ソリューションをビルドできることを確認します。ドライバー ソリューションには、ドライバーをテスト コンピューターにインストールできるようにするために、ドライバーとドライバー パッケージが含まれている必要があります。詳しくは、「ドライバー パッケージの作成」と「ドライバーのビルド」をご覧ください。
- また、テスト コンピューターにドライバーを展開する際は、あらかじめドライバー パッケージに署名しておく必要があります。「開発中とテスト中のドライバーへの署名」をご覧ください。
- 構成したテスト コンピューターを選びます。
- ドライバーを展開するには、[ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] または [ソリューションの配置] をクリックします。ビルドと展開を行って、デバッグを開始するには、F5 キーを押します。
ドライバーを展開すると、テスト コンピューターの %Systemdrive%\drivertest\drivers フォルダーにドライバー ファイルがコピーされます。展開中に何か異変に気付いた場合は、テスト コンピューターにファイルがコピーされているかどうかを確認してください。.inf、.cat、test cert、sys など、必要なファイルがすべて %systemdrive%\drivertest\drivers フォルダーに存在することを確認します。
ドライバー展開のトラブルシューティング
ここでは、Visual Studio と WDK を使っている場合に、テスト コンピューターへのドライバー展開をトラブルシューティングする際のヒントをいくつか示します。
ドライバー プロジェクトの展開プロパティが見つからない
展開プロパティは、ドライバー パッケージがある場合のみ使うことができます。ドライバー ソリューションにドライバー パッケージ プロジェクトがない場合は、追加する必要があります。 ドライバー パッケージには、インストールに必要な INF ファイルなどのコンポーネントが含まれています。詳しくは、「ドライバー パッケージ」と「ドライバー パッケージの作成」をご覧ください。ドライバー パッケージを追加したら、ソリューション エクスプローラーでドライバー パッケージ プロジェクトを右クリックして [プロパティ] をクリックします。ドライバー パッケージのプロパティ ページで、[構成プロパティ]、[ドライバーのインストール]、[展開] の順にクリックします。
ターゲット コンピューターを選択、構成、または特定する際の問題
Windows Driver Kit (WDK) 8.1 と Windows Driver Kit (WDK) 8 を使ってターゲット コンピューターをセットアップする手順については、「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 8.1)」をご覧ください。 ターゲット コンピューターのプロビジョニングで問題が発生した場合は、「ドライバーの展開、テスト、およびデバッグに関する構成のトラブルシューティング」をご覧ください。ターゲット コンピューターで N バージョンまたは KN バージョンの Windows を実行している場合は、N バージョンと KN バージョンの Windows 用の Media Feature Pack をインストールする必要があります。詳しくは、「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 8.1)」をご覧ください。
64 ビット バージョンの Windows にドライバーをインストールする際の問題
Windows Vista 以降、すべての 64 ビット バージョンの Windows では、読み込むドライバーのデジタル署名がドライバー コードに必要です。「ドライバーへの署名」と「開発中とテスト中のドライバーへの署名」をご覧ください。ドライバーをインストールする際の問題 (一般)
WDK では、ドライバー パッケージをテスト コンピューターに展開およびインストールできますが、インストールに必要なすべてのコンポーネント (INF ファイルなど) がドライバーにある場合だけです。詳しくは、「ドライバー パッケージ」をご覧ください。 Visual Studio と WDK の外部にドライバーをインストールできることを確認してください。たとえば、デバイス コンソール ユーティリティの Devcon を使って、ドライバーをインストールできるかどうかをテストします。デバイス (存在する場合) がターゲット コンピューターに接続されていることを確認します。詳しくは、「デバイスとドライバーのインストール」と「ドライバー パッケージの作成」をご覧ください。
関連トピック
ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 8.1)
ドライバーの展開、テスト、およびデバッグに関する構成のトラブルシューティング
ドライバー プロジェクトのドライバーの検証ツール プロパティ
ドライバー パッケージ プロジェクトの KMDF 検証ツール プロパティ
ドライバー パッケージ プロジェクトの UMDF 検証ツール プロパティ