UE-V と同期するアプリケーションの計画
適用対象: User Experience Virtualization 1.0
Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) では、UE-V でキャプチャされ、適用される設定を定義した設定場所テンプレート (XML ファイル) を使用します。 UE-V には定義済みの設定場所テンプレートがあります。また、管理者は、社内で使用するサードパーティ アプリケーションや基幹業務アプリケーション用にカスタムの設定場所テンプレートを作成できます。
管理者は、UE-V ソリューションに含めるアプリケーションを考慮する場合、ユーザーがカスタマイズできる設定や、アプリケーションの設定を保存する方法と場所も考慮してください。 アプリケーションによっては、ユーザーがカスタマイズできる設定や、ユーザーが定期的にカスタマイズする設定がありません。 また、複数のコンピューターや環境間で、安全に移動できないアプリケーション設定もあります。 次の条件を満たす設定を同期してください。
ユーザーがアクセスできる場所に保存されている設定。 たとえば、system32 に保存されている設定や、レジストリの HKCU セクション以外の設定は同期しないでください。
特定のコンピューターに固有ではない設定。 たとえば、ネットワーク構成やハードウェア構成は除外します。
データが破損しているリスクがないコンピューター間で同期できる設定。 たとえば、データベース ファイルに保存されている設定は使用しないでください。
UE-V に含まれる設定場所テンプレート
UE-V アプリケーション設定場所テンプレート
UE-V Agent のインストール ソフトウェアによって Agent がインストールされ、共通する Microsoft アプリケーションについて、設定場所テンプレートの既定グループが登録されます。 これらの設定場所テンプレートは、次のアプリケーションの設定値をキャプチャします。
アプリケーションのカテゴリ | 説明 |
---|---|
Microsoft Office 2010 アプリケーション |
Microsoft Word 2010 Microsoft Excel 2010 Microsoft Outlook 2010 Microsoft Access 2010 Microsoft Project 2010 Microsoft PowerPoint 2010 Microsoft Publisher 2010 Microsoft Visio 2010 Microsoft SharePoint Workspace 2010 Microsoft InfoPath 2010 Microsoft Lync 2010 Microsoft OneNote 2010 |
ブラウザーのオプション (Internet Explorer 8、Internet Explorer 9、および Internet Explorer 10) |
お気に入り、ホーム ページ、タブ、およびツールバー。 |
Windows アクセサリ |
電卓、メモ帳、ワードパッド。 |
アプリケーション設定は、アプリケーションの起動時にアプリケーションに適用されます。 また、アプリケーションの終了時に保存されます。
UE-V Windows 設定場所テンプレート
User Experience Virtualization には、次のアプリケーションの設定値をキャプチャする設定場所テンプレートが含まれます。
Windows の設定 | 説明 | 適用されるタイミング | 既定の状態 |
---|---|---|---|
デスクトップの背景 |
現在アクティブなデスクトップの背景。 |
ログオン時、ロック解除時、リモート接続時。 |
有効 |
簡単操作 |
ユーザー補助設定、入力設定、拡大鏡、ナレーター、スクリーン キーボード。 |
ログオン時、ロック解除時、リモート接続時。 |
無効 |
デスクトップの設定 |
スタート メニュー設定、タスク バー設定、フォルダー オプション、既定のデスクトップ アイコン、追加の時計、地域と言語の設定。 |
ログオン時のみ。 |
無効 |
Windows デスクトップの背景設定と簡単操作設定は、ユーザーのログオン時、コンピューターのロック解除時、または別コンピューターへのリモート接続時に適用されます。 また、ユーザーのログオフ時、コンピューターのロック時、またはリモート接続の切断時に、エージェントはこれらの設定を保存します。 既定で、Windows デスクトップの背景設定は、同じオペレーティング システム バージョンのコンピューター間で移動されます。
Windows デスクトップと簡単操作設定がログオン時に適用されてから、デスクトップがユーザーに表示されます。 ログオンの操作性を最適にするために、既定では、これらの設定は移動されません。 デスクトップ設定と簡単操作設定は、グループ ポリシー、PowerShell、および WMI を使用して有効にすることができます。
UE-V は、言語が異なるオペレーティング システム間の設定の移動をサポートしていません。 たとえば、英語とドイツ語間の同期はサポートされません。 UE-V がユーザー設定を移動するすべてのコンピューターの言語は、一致する必要があります。
注意
Microsoft が提供している設定場所テンプレートを変更すると、指定されているアプリケーションや Windows 設定グループで User Experience Virtualization が正しく動作しない可能性があります。
意図しないユーザー設定構成の回避
User Experience Virtualization は新しいユーザー設定情報を確認し、その結果に従って設定の保存場所から情報をダウンロードします。 また、次の場合、ローカル コンピューターに設定が適用されます。
登録済みの UE-V テンプレートがあるアプリケーションを起動するたび。
ユーザーが自分のコンピューターにログオンするとき。
ユーザーが自分のコンピューターのロックを解除するとき。
UE-V がインストールされているリモート デスクトップ コンピューターに接続するとき。
UE-V がコンピューター A とコンピューター B にインストールされ、アプリケーションの目的の設定がコンピューター A にある場合、まず、コンピューター A でそのアプリケーションを開いて終了します。 コンピューター B で先にアプリケーションを開いて終了すると、コンピューター A のアプリケーション設定は、コンピューター B のアプリケーション設定と同じ内容に構成されます。
このシナリオは、Windows 設定にも適用されます。 コンピューター B の Windows 設定をコンピューター A の Windows 設定と同じにする必要がある場合、ユーザーはまずコンピューター A にログオンしてログオフします。
目的のユーザー設定を誤った順序で適用した場合、設定が上書きされたコンピューターで、特定のアプリケーションまたは Windows 構成の回復操作を実行して設定を復元できます。詳細については、「UE-V 1.0 と同期したアプリケーション設定と Windows 設定の復元」を参照してください。
カスタムの UE-V 設定場所テンプレート
UE-V Generator を使用して、カスタムの設定場所テンプレートを作成できます。 カスタムの設定場所テンプレートを作成し、テスト環境でテストしてから、設定場所テンプレートを社内のコンピューターに展開してください。 カスタムの設定場所テンプレートは、Enterprise Software Distribution (ESD) の方法、環境設定、UE-V 設定テンプレート カタログの構成など、既存の展開インフラストラクチャを使用して展開する必要があります。 ESD またはグループ ポリシーを使用して展開するテンプレートは、UE-V WMI または PowerShell を使用して登録する必要があります。 カスタムの設定場所テンプレートの詳細については、「カスタム テンプレートの展開の計画」を参照してください。
基幹業務アプリケーションを同期するかどうかのガイダンスについては、「基幹業務アプリケーションの UE V の評価用チェックリスト」を参照してください。
参照:
概念
その他のリソース
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MDOP の詳細については、TechNet ライブラリを参照してください。また、TechNet Wiki を検索して問題を解決したり、マイクロソフトの Facebook または Twitter をフォローしたりすることができます。
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