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作業項目パースペクティブを使用した作業項目とテスト ケース データの分析およびレポート

Visual Studio Team Foundation Server の SQL Server Analysis Services キューブの作業項目パースペクティブで定義されているメジャー、ディメンション、属性を使用することで、作業項目とテスト ケースの現在のデータや履歴データを分析できます。 テスト ケースは、独自のディメンション内で関連付けられ、Microsoft Test Managerをサポートするために使用される作業項目の種類です。 詳細については、「Team Web Access での手動テストの作成」を参照してください。

作業項目パースペクティブは、作業項目のプロパティまたはリンクされた作業項目として作業項目のレポートを可能にするリレーショナル テーブルに基づいています。 詳細については、「作業項目の履歴テーブル」を参照してください。

注意

[Microsoft Excel でレポートを作成] を使用すると、作業項目クエリに基づいて状態および傾向レポートを作成できます。詳細については、「Create Excel reports from a work item query」を参照してください。

"作業項目" メジャー グループ

作業項目パースペクティブを使用すると、次の事項を確認するレポートを作成できます。

  • 前回のイテレーションで発生した日単位のアクティブなバグの総数。

  • 前年の月単位のアクティブなシナリオの数。

  • 先月発生した日単位の各優先度のバグの数。

  • 先月中に完了しなかった一連の作業項目がある未解決の作業と残存作業の量。

  • 特定の開発者グループが完了した作業の量。

  • 特定の日付以降に作成された追加作業の量。

注意

Visual Studio アプリケーション ライフサイクル管理 (ALM) 用データ ウェアハウスで SQL Server Enterprise Edition を使用している場合は、キューブの一覧に Team System と一連のパースペクティブが含まれます。パースペクティブにより、対象を絞ったデータのビューが表示されるので、Team System キューブ全体ですべてのディメンションやメジャー グループをスクロールする必要はありません。

このトピックの内容

  • 例: バグの再アクティブ化レポート

  • 作業項目のメジャー

  • 日付フィルターと数値フィルター

  • フィルター処理と分類をサポートする作業項目パースペクティブのディメンションおよび属性

    • 作業項目フィールドによるフィルター処理

    • リンクされた作業項目用に定義されたリンクの種類またはフィールドによるフィルター処理

    • 変更セットによるフィルター処理

    • カテゴリによるフィルター処理

    • 階層関係によるフィルター処理

    • テスト結果によるフィルター処理

  • 作業の監視と追跡に必要なアクティビティ

例: バグの再アクティブ化レポート

Excel でピボットグラフ レポートを使用すると、次の図のデータのように、一定期間内に終了して再アクティブ化されたバグの数を表示できます。

バグの再アクティブ化 Excel レポート

Microsoft Solutions Framework (MSF) アジャイルおよび CMMI のプロセス テンプレートには、Excel 形式のバグの再アクティブ化レポートが含まれています。 詳細については、「バグの再アクティブ化 Excel レポート」を参照してください。

ピボット フィールドの選択とフィルター処理

バグの再アクティブ化レポートのピボット フィールド

次の手順を実行することにより、バグの再アクティブ化 レポートを作成できます。

  1. Excel で、Team Foundation Server の Analysis Services キューブに接続し、ピボットグラフ レポートを挿入します。

    詳細については、「Create Excel reports from a work item query」を参照してください。

  2. グラフのショートカット メニューを開き、[グラフの種類の変更] を選択して [区分] を選択し、[積み上げ面] を選択します。

  3. 各レポート フィルターについて、次の各フィールドのショートカット メニューを開き、目的の階層、週、その他の要素を指定し、[レポート フィルター] 領域にフィールドをドラッグします。

    • [チーム プロジェクト] ディメンションの [チーム プロジェクト階層]

    • [作業項目] ディメンションの [作業項目.イテレーション階層]

    • [作業項目] ディメンションの [作業項目.区分階層]

    • [作業項目] ディメンションの [作業項目.作業項目の種類]。 表示する唯一の種類として [バグ] チェック ボックスをオンにします。

    • [日付] ディメンションの [年週日]

  4. [日付] ディメンションで、[その他のフィールド] を展開し、[日][週]、または [月] フィールドを [軸フィールド (項目)] 領域にドラッグして、生成するレポートの詳細レベルを指定します。

  5. [作業項目] メジャー グループから [値] 領域に [作業項目数] をドラッグします。

  6. [作業項目] ディメンションから [列ラベル] 領域に [状態] をドラッグし、[アクティブ] チェック ボックスと [解決済み] チェック ボックスをオンにします。

  7. [作業項目] ディメンションで [その他のフィールド] を展開して [前の状態][列ラベル] 領域にドラッグし、[アクティブ] チェック ボックスと [解決済み] チェック ボックスをオンにします。

  8. ピボットテーブル レポートで、[アクティブ] 列の折りたたんで 1 列だけ表示し、セルの名前を [再アクティブ化済みで引き続きアクティブ] に変更します。

  9. ピボットテーブル レポートで、[解決済み] 列を折りたたんで 1 列だけ表示します。

  10. (省略可能) グラフに表示されている任意のフィルターを右クリックし、[グラフのすべてのフィールド ボタンを非表示にする] をフィルターをオンにします。

作業項目のメジャー

次の表は、作業の状態または進行状況のフィルター処理やレポート作成に使用できるメジャーを示しています。 [作業項目数] メジャーを使用すると、特定の時点における特定の状態の作業項目の総数に関するレポートを作成できます。 特定の日に発生したアクティビティのレポートを作成するには、[状態の変更数] メジャーまたは [リビジョン数] メジャーを使用します。 [作業項目] メジャー グループには、作業項目の種類の定義に含まれるカスタム フィールドが reportable 属性として Measure を指定する場合の追加の属性が含まれています。 省略可能な reportable 属性とその値を使用する方法の詳細については、「レポート作成をサポートするための作業項目フィールドの追加および変更」を参照してください。

注意

Microsoft Solutions Framework (MSF) v5.0 のプロセス テンプレートには、スケジューリング作業フィールドに関連付けられた計算済みメジャーが含まれています。キューブ内のメジャーがプロセス テンプレートのフィールドに基づいている場合、メジャーのラベルは生成元フィールドの参照名に基づいています。ただし、Microsoft Excel または他のレポート ツールを使用してキューブを参照すると、メジャー ラベルのローカライズされた翻訳が表示されます。

メジャー

説明

ビジネス価値

プロダクト バックログ項目の相対的なビジネス価値を把握する主観的な測定単位。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Common.BusinessValue です。

実績作業

クエリまたはレポート内の条件を満たす作業項目を完了した作業時間数。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Scheduling.CompletedWork です。

作業

クエリまたはレポートの条件を満たすプロダクト バックログ項目の作業量単位の総計。 作業量は、プロダクト バックログ項目を実装する作業量のレベルを把握する主観的な測定単位です。 値が大きいほど、作業量は多くなります。 このフィールドは、Visual Studio Scrum のプロセス テンプレートでのみ定義されています。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.SchedulingEffort です。

Original Work (元の作業)

クエリまたはレポート内の条件を満たす作業項目のベースライン計画からの作業時間数。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Scheduling.OriginalWork です。

残存作業

クエリまたはレポートの条件を満たす作業項目を完了するための残存作業の見積もりとして記録された時間数。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Scheduling.RemainingWork です。

リビジョン数

作業項目が変更された回数。 このメジャーを使用すると、作業項目セットまたは特定の作業項目の詳細な履歴を表示できます。 たとえば、このメジャーを使用して、各チーム メンバーが指定した期間内に作業項目を変更した回数を表示できます この情報を表示するには、[変更者] ディメンションによって[リビジョン数] メジャーをスライスし、日付範囲によってメジャーのフィルター処理も行うクエリ作成します。

状態の変更数

チームがフィルター処理された一連の作業項目の状態を変更した回数。 このメジャーを使用すると、指定した期間内に発生した特定の製品区分のバグのアクティブ化をカウントできます。 このメジャーは、状態遷移している作業項目の数ではなく、状態遷移イベントの数を返すことに注意してください。 たとえば、チームが同じバグを解決、再アクティブ化した後、再度解決した場合、このメジャーは解決率 2 を返します。

サイズ

要件のサイズを把握する主観的な測定単位。 このフィールドは、CMMI の MSF プロセス テンプレートでのみ定義されています。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Scheduling.Size です。

ストーリー ポイント

ユーザー ストーリーのサイズを把握する主観的な測定単位。 ユーザー ストーリーに割り当てるポイントが多いほど、実装に必要な作業量が多いということです。 このフィールドは、アジャイル ソフトウェア開発用の MSF プロセス テンプレートでのみ定義されています。 このメジャーの参照名は、Microsoft.VSTS.Scheduling.StoryPoints です。

作業項目数

指定したディメンションまたはフィルターに基づく作業項目の数。 フィルターに日付ディメンションが含まれている場合、メジャーは履歴情報を返します。 それ以外の場合、メジャーは現在の情報を返します。

隠しメジャー

特定の時点の合計を生成する計算をビルドするには、複数の隠しメジャーが使用されます。 これらのメジャーは、Microsoft Excel、レポート ビルダー、レポート デザイナーなどのクライアント ツールに表示されませんが、配置されたキューブの定義にあります。 隠しメジャーは、特定の日付時点のメジャーの合計を集計する多次元式 (MDX) LastChild 関数を使用して計算を実行します。

メジャー

説明

LastChild レコード数

[作業項目数] メジャーの計算に使用される隠しメジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_RemainingWork

[残存作業] メジャーの計算に使用される隠しメジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_CompletedWork

[実績作業] メジャーの計算に使用される隠しメジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_BaselineWork

[基準作業] メジャーの計算に使用される隠しメジャー。

日付フィルターと数値フィルター

[日付フィルター][数値フィルター] を使用すると、このセットの 1 つ以上の値に基づいてレポートをフィルター処理できます。 これらのフィルターは、[値] というラベルが付いたメジャー グループの下に表示されます。 各グループ内の選択範囲を使用して、作業項目のセットをフィルター処理できます。 ピボットテーブル レポートに直接追加することはできません。 代わりに、次の手順を実行して、ピボットテーブル レポート内の列や行をフィルター処理します。

  1. ピボットテーブル レポート内の [行ラベル] または [列ラベル] のフィルター アイコンを選択して [値フィルター] をポイントし、必要な条件を指定します (たとえば、[指定の値より大きい] など)。

  2. 最初のフィールドで、目的の日付や数値フィルター ([作成日] など) を選択します。

  3. 3 番目のフィールドに、フィルター条件を満たす値を入力し、[OK] を選択します。

    たとえば、2010 年 6 月 1 日以降に作成されたすべての作業項目を表示するには、**「6/1/2010」**と入力します。

次の表は、レポートが返す作業項目のセットの再定義に使用できる日付フィルターを示しています。 フィルターを組み合わせることもできます。

フィールド名

説明

アクティブ化された日

作業項目がアクティブ化または再アクティブ化された日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.ActivatedDate フィールドに対応します。

終了日

作業項目が終了した日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.ClosedDate フィールドに対応します。

作成日

作業項目が作成された日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.CreatedDate フィールドに対応します。

期限

タスクまたは懸案事項が完了するとチームが予測した日時。 このフィールドは、タスクおよび懸案事項の作業項目にのみ適用されます。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Scheduling.DueDate フィールドに対応します。

完了日

スケジュールに示されているタスクの完了予定日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Scheduling.FinishDate フィールドに対応します。

解決日

作業項目のバグまたは他の種類が解決された日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.ResolvedDate フィールドに対応します。

開始日

スケジュールに示されているタスクの開始予定日時。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Scheduling.StartDate フィールドに対応します。

次の表は、レポートに表示される作業項目のセットの抽出に使用できる数値フィルターを示しています。

メジャー

説明

ID

各作業項目の一意な ID。 作業項目 ID は、あるチーム プロジェクト コレクション内のすべてのチーム プロジェクトにわたって一意です。 データ ウェアハウスでは、コレクション間に重複する ID が存在することが予想されます。 このフィルターは、System.Id フィールドに対応します。

優先度

業務に関連付けた場合のバグ、懸案事項、タスク、またはテスト ケースの主観的な評価。通常の値は 1 ~ 3 です。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.Priority フィールドに対応します。

バージョン

作業項目のリビジョンに割り当てられている番号。 このフィルターは、System.Rev フィールドに対応します。

スタック順位

同じ種類の他の作業項目と比較した場合のユーザー ストーリー、タスク、懸案事項、またはバグの主観的な評価。 小さい数値が割り当てられている項目は、大きい数値を割り当てられている項目よりも前に修正する必要があります。 このフィルターは、Microsoft.VSTS.Common.StackRank フィールドに対応します。

作業項目パースペクティブのディメンション、属性、フィルター、カテゴリ

複数のディメンション間の属性を組み合わせて、レポートに表示される作業項目のセットをフィルター処理したり、作業項目のグループに関する詳細を強調表示することができます。 これらの属性は、reportable 属性が Dimension に設定されたいずれかの種類の作業項目のすべてのフィールドに対応します。 フィールド属性の作業項目、テスト ケース、リンクされた作業項目、またはリンクされたテスト ケースに基づいてフィルター処理できます。 作業項目間のリンクの種類に基づいて、作業項目のセットをフィルター処理することもできます。

Excel で [次に関連するフィールドを表示] コンボ ボックスの [作業項目] を選択すると、[テスト ケース]、[作業項目]、[作業項目カテゴリ] の各ディメンションだけでなく、[日付] および [チーム プロジェクト] の各共有ディメンションにもアクセスできます。 作業項目やテスト ケースを分析するときは [作業項目] を選択し、日付、プロジェクト コレクション、プロジェクト、または作業項目のカテゴリによってフィルター処理します。 日付ディメンションとチーム プロジェクト ディメンションの詳細については、「Analysis Services キューブでの共有ディメンション」を参照してください。

ヒント

フィルター処理は、必ずレポートを作成するチーム プロジェクトおよびプロジェクト コレクションのセットの条件を指定することで開始します。

現在の作業項目の状態に関するレポートを作成するには、コンボ ボックスの [現在の作業項目] を選択します。 ディメンションのこの組み合わせには、日付ディメンションは含まれません。 傾向レポートの作業項目の履歴データを分析するには、コンボ ボックスで [作業項目] を選択します。

作業項目ディメンションにおける作業項目フィールドでのフィルター処理

作業項目ディメンションおよびテスト ケース ディメンションには、状態、作業項目の種類、作業項目 ID などの作業項目固有のすべての属性が含まれています。 さらに、reportable 属性が "Dimension" に設定されたプロセス テンプレートの作業項目フィールドは、作業項目ディメンションの属性として反映されます。

属性は、テスト ケース ディメンションおよび作業項目ディメンションの表示フォルダーに表示されます。 ディメンション属性は、作業項目の各種類の定義で割り当てられているレポート参照名に基づいて、フォルダーに分類されます。 次の種類のマッピングが行われます。

  • "System" というプレフィックスが付いている組み込みフィールドは、テスト ケース ディメンションまたは作業項目ディメンションのすぐ下に配置されています。

  • その他のフィールドは、フィールドの参照名内のプレフィックスに対応するフォルダーの下に配置されています。 たとえば、"Microsoft.VSTS.Common" プレフィックスが付いているフィールドは、Microsoft.VSTS.Common フォルダーの下に表示されます。

次の図に示すように、作業項目フィールドは作業項目ディメンションの下に表示されます。 リンクされた作業項目ディメンションやテスト ケース ディメンションの構造は似ています。

OLAP データ キューブのフォルダー構造

各フィールドについては、「Visual Studio ALM の作業項目フィールド参照」を参照してください。 reportable=”Dimension” を持つフィールドだけが、関連付けられたディメンションの下に表示されます。 作業項目の種類の定義のカスタム フィールドで reportable 属性として Dimension が指定されている場合は、追加の属性が表示されます。 省略可能な reportable 属性とその値を使用する方法の詳細については、「レポート作成をサポートするための作業項目フィールドの追加および変更」を参照してください。

日付階層を操作する方法については、「Analysis Services キューブでの共有ディメンション」を参照してください。

次の表は、特定の作業項目フィールドに関連付けられていない属性と作業項目ディメンションが提供する階層属性を示しています。

属性

説明

領域

次の図が示すように 14 レベルの階層が含まれており、関連付けられた区分の分類に従ってキューブ内のメジャーの相関関係が表されています。 この親子階層を使用すると、区分階層内のレベルに従ってフィルターを要約したり、フィルター処理することができます。

区分階層ディメンション

詳細については、「区分およびイテレーション パスの追加および変更」を参照してください。

区分パス

すべてのチーム プロジェクトの区分パスの単純なリスト。

変更日

チームが項目を変更した日付に基づく作業項目のセットのフィルター処理に使用できる日付の単純なリスト。

月別変更日階層

チームが項目を変更した月に基づく作業項目のセットのフィルター処理とレポートをサポートする階層ツリー。 たとえば、[月別変更日階層] または [週別変更日階層] を使用すると、次の図に示すように、変更日に基づいて傾向レポートをフィルター処理したり、作成することができます。 日付階層を操作する方法の詳細については、「Analysis Services キューブでの共有ディメンション」を参照してください。

変更された日付階層

週別変更日階層

チームが項目を変更した週に基づく作業項目のセットのフィルター処理とレポートをサポートする階層ツリー。

作成日

チームが項目を作成した日付に基づく作業項目のセットのフィルター処理に使用できる日付の単純なリスト。

月別作成日階層

チームが項目を作成した月に基づく作業項目のセットのフィルター処理とレポートをサポートする階層ツリー。

週別作成日階層

チームが項目を作成した週に基づく作業項目のセットのフィルター処理とレポートをサポートする階層ツリー。

イテレーション

次の図が示すように、関連付けられたイテレーションの分類に従ってキューブ内のメジャーの相関関係を表す 14 レベルの階層が含まれています。 この親子階層を使用すると、イテレーション階層内のレベルに従ってフィルターを要約したり、フィルター処理することができます。

イテレーション階層ディメンション

詳細については、「区分およびイテレーション パスの追加および変更」を参照してください。

イテレーション パス

すべてのチーム プロジェクトに定義されたイテレーション パス セットの単純なリスト。

前の状態

[その他のフィールド] の下のフィールドだけが [前の状態] になります。作業項目が現在の状態に割り当てられる前に割り当てられた状態に基づいてレポートをフィルター処理するために使用できます。 状態は、作業項目の種類のワークフローの属性です。 詳細については、「作業項目の種類に関するワークフローの変更」を参照してください。

リンクされた作業項目用に定義されたリンクの種類またはフィールドによるフィルター処理

[次に関連するフィールドを表示] コンボ ボックスの [リンクされた現在の作業項目] エントリを選択すると、作業項目、作業項目リンクの種類、リンクされた作業項目の各ディメンションにアクセスできるようになります。 他の作業項目にリンクされた作業項目のフィールドのリンクの種類または値に基づいてレポートの作業項目をフィルター処理するには、このエントリを選択します。

リンクの種類の属性に基づくフィルター処理

次の表の 1 つ以上の属性を指定することにより、リンクの種類が指定された条件を満たすリンクの関係を少なくとも 1 つ持つ作業項目をフィルター処理できます。 詳細については、「リンクの種類要素のリファレンス」と「リンクの種類の管理 [witadmin]」を参照してください。

注意

次の表のどの属性を使用してもレポートをフィルター処理できますが、最も役に立つのは [リンク名] 属性と [参照名] 属性です。すべてのブール属性の値は True または False です。

属性

説明

削除済み

リンクの種類が削除されたかどうかを示すブール値。

削除の拒否

リンクの種類が削除可能かどうかを示すブール値。 たとえば、カスタム リンクの種類は削除できますが、組み込みリンクの種類は削除できません。

編集の拒否

リンクの種類が変更可能かどうかを示すブール値。 たとえば、カスタム リンクの種類は変更できますが、組み込みリンクの種類は変更できません。

方向付き

リンクの種類に方向が付いているかどうかを示すブール値。 方向付きのリンクは、依存関係の形成と循環関係の禁止に使用されます。

[無効化]

リンクの種類が無効になっているかどうかを示すブール値。 この属性を使用すると、リンクの種類が非アクティブ化または無効化されたリンクの関係を含む作業項目を検索またはフィルター処理できます。

非循環

リンクの種類が循環リンク関係を禁止しているかどうかを示すブール値。

単一ターゲット

リンクの種類で、この種類の各リンクに指定できるターゲットが 1 つしか許可されていないかどうかを示すブール値。 たとえば、親リンクの種類によって定義されているとおり、子作業項目には親を 1 つだけ指定できます。

ツリー

リンクの種類がツリー トポロジに基づいているかどうかを示すブール値。

リンク ID

システムが組み込みリンクの種類とカスタム リンクの種類に割り当てる整数。

リンク名

リンクの種類の表示名。 表示名は、そのリンクの種類に割り当てられた転送名と反転名に対応します。

参照名

リンクの種類に割り当てられた名前。 たとえば、System.LinkTypes.Related は関連のリンクの種類の参照名です。

規則

システムは、リンクの種類に使用される規則に値を割り当てます。 この属性は使用しないでください。

リンクされた作業項目の属性に基づくフィルター処理

リンクされた作業項目ディメンションには、テスト ケース ディメンションおよび作業項目ディメンションの属性と同じセットが含まれます。 これらの属性を使用すると、作業項目を検索したり、分析する作業項目にリンクされた作業項目の属性に基づいてメジャーをフィルター処理できます。 この種類のクエリを実行して、「優先度 1 のユーザー ストーリーにリンクされたアクティブ バグはいくつか」などの質問の回答を見つけることができます。

注意

作業項目リンクの種類ディメンションとリンクされた作業項目ディメンションを使用すると、現在の作業項目に関するレポートのみフィルター処理できます。これらのディメンションを使用して履歴データを分析することはできません。

作業項目のリンクの種類ディメンションとリンクされた作業項目ディメンションは、現在の作業項目ファクト テーブルにリンクされた多対多ディメンションです。 チーム メンバーは、どの作業項目でも他の複数の作業項目にリンクできます。

ディメンションが作業項目間のリンクの属性に対応している場合、ディメンションの名前には "リンクされた作業項目" というプレフィックスが付きます。 たとえば、"担当者" 属性は "リンクされた作業項目.担当者" 属性に対応しており、OLAP キューブの他の作業項目フィールドについても同様です。 詳細については、このトピックで前述されている「作業項目ディメンションにおける作業項目フィールドでのフィルター処理」を参照してください。

変更セットによるフィルター処理

バージョン管理変更セットディメンションと作業項目ディメンションにアクセスには、コンボ ボックスの [作業項目変更セット] エントリを選択します。 作業項目にリンクされている変更セットの情報によって作業項目をフィルター処理するには、このエントリを選択します。 Team Foundation バージョン管理を使用してコードに変更を加えてチェックインするとき、変更対象の作業項目に変更セットを関連付けることができます。 変更セットには、その変更セットにチェックインしたソース ファイルと、その変更セットにリンクしたすべての作業項目の一覧が表示されます。 詳細については、「チームのコードベースへの作業のチェックイン」を参照してください。

バージョン管理変更セットディメンションは、親子ディメンションの種類であり、中間の多対多ファクト テーブルを通じて現在の作業項目ファクト テーブルにリンクされています。 チーム メンバーは、どの作業項目でも複数の変更セットにリンクできます。 次の表は、バージョン管理変更セット ディメンションの属性を示しています。

属性

説明

変更セット ID

変更セットに割り当てられた番号。

チェックインしたユーザー

変更セットをチェックインしたチーム メンバーのユーザー名です。

説明

変更セットに関連付けられるチェックイン コメント。

ポリシー オーバーライドのコメント

ポリシーをオーバーライドするときに提供されるコメント。 ポリシーが変更セットでオーバーライドされなかった場合、このフィールドは null です。

カテゴリによるフィルター処理

コンボ ボックスの [作業項目からカテゴリへ] エントリには、作業項目ディメンションと作業項目カテゴリ ディメンションが含まれます。 関連付けられたカテゴリで作業項目のセットをフィルター処理するには、このエントリを選択します。 チーム プロジェクトに名前の異なる類似した作業項目の種類が含まれている場合は、カテゴリを使用します。 詳細については、「カテゴリを使用した作業項目の種類のグループ化」を参照してください。

次の表は、作業項目カテゴリ ディメンションの属性を示しています。

属性

説明

名前

作業項目のカテゴリに割り当てられた表示名。

参照名

作業項目のカテゴリに割り当てられた参照名。

階層関係によるフィルター処理

コンボ ボックスの [作業項目からツリーへ] エントリには、作業項目ディメンションと作業項目ツリー ディメンションが含まれます。 種類が親および子のリンクを使用するか、他のカスタム定義の種類のツリー トポロジ リンクを使用してリンクされた作業項目の階層的な入れ子によりフィルター処理する場合は、このエントリを選択します。

注意

作業項目ツリー ディメンションを使用すると、現在の作業項目に関するレポートのみフィルター処理できます。このディメンションを使用して、作業項目に関する履歴データを分析することはできません。

作業項目ツリー ディメンションは、親子ディメンションの種類であり、中間の多対多ファクト テーブルを通じて現在の作業項目ファクト テーブルにリンクされています。 どの作業項目でも複数の作業項目にリンクできるため、ツリー内の複数の場所に表示されることがあります。

次の図に示すように、作業項目ツリー階層には 8 つの階層フィルターが含まれています。 最初の階層はツリーの一番上にある作業項目のフィルター処理をサポートしており、作業項目ツリー 1 は 1 レベル下に入れ子になった作業項目のフィルター処理をサポートしています (以下同様)。

作業項目ツリー

次の表は、作業項目ツリー ディメンションの属性を示しています。 作業項目間の複数レベルの階層関係を作成するには、ツリー トポロジに基づくリンクの種類を使用します。 階層リンクの種類は、複数レベルの階層ビューをサポートするだけでなく、方向性をサポートして循環関係を制限します。 詳細については、「リンクの種類要素のリファレンス」を参照してください。

属性

説明

作業項目ツリー階層

階層リンクの種類を通じてリンクされた作業項目。

ツリーの種類名

階層リンクの種類の参照名 (System.LinkTypes.Hierarchy など)。 チーム プロジェクト コレクション内で使用されるリンクの階層の種類に基づいてレポートをフィルター処理できます。 リンクの種類の転送名または反転名に基づいてレポートをフィルター処理するには、作業項目リンクの種類ディメンションが提供する [リンク名] 属性を使用します。

テスト結果によるフィルター処理

コンボ ボックスの [結果を含む作業項目] エントリには、テスト結果、バージョン管理変更セット、作業項目、作業項目カテゴリ、作業項目ツリーの各ディメンションが含まれます。 テスト結果ディメンションの属性を使用すると、テスト ケースおよびリンクされた作業項目に関連付けられたテスト結果に基づいてレポートをフィルター処理できます。

作業項目数メジャーは、テスト結果にリンクされた作業項目の数を調べるためだけでなく、作業項目と関連付けられたテスト結果のレポートを作成するためにも使用できます。 各テスト結果の属性の詳細については、「Visual Studio ALM の Analysis Services データベースでのテスト パースペクティブを使用したテスト結果の分析およびレポート」を参照してください。

作業の監視と追跡に必要なアクティビティ

作業項目の状態、進行状況、および傾向に関して有用なデータを含んだレポートを作成するために、チーム メンバーは次のアクティビティを実行する必要があります。

  • 作業項目を作成する。 チーム メンバーは、作業項目を作成して、ユーザー ストーリーまたはバグのバックログの管理、タスクを使用した作業の追跡、テスト ケースの管理を行う必要があります。 作業項目の各種類のプロセス ガイダンスに基づいて作業項目の状態を更新します。

    詳細については、「アジャイル プロセス テンプレートの作業項目の種類とワークフロー」、「CMMI プロセス テンプレートの作業項目の種類とワークフロー」、または「スクラム プロセス テンプレートの作業項目の種類とワークフロー」を参照してください。

  • 作業項目を他の作業項目または変更セットにリンクする。 作業項目間の関係を追跡するには、チーム メンバーはユーザー ストーリーやタスクなどの間にリンクを作成する必要があります。 チーム メンバーは、ユーザー ストーリーとテスト ケースの間のリンク、バグとテスト ケースの間のリンク、変更セットとユーザー ストーリー、タスク、バグの間のリンクなど、他の役に立つリンクを作成できます。 チーム メンバーは、リンクの適切な種類を指定することで、関係性、依存関係、または階層を示すことができます。

    詳細については、「依存関係の管理、追跡可能性をサポートする作業項目のリンク」を参照してください。

  • 区分パスとイテレーション パスを指定する。 レポートをフィルター処理して製品区分の状態や傾向またはマイルストーンを監視するには、チーム メンバーが各作業項目の [区分] フィールドと [イテレーション] フィールドを設定する必要があります。

  • 作業を所有者に割り当て、作業項目の状態を更新する。 作業項目が新規状態または提案済み状態からアクティブまたは処理中、終了または完了に移動したら、作業の進行状況に応じて、チーム メンバーは割り当てられた作業項目の状態を変更する必要があります。

  • 作業量を更新する。 イテレーションまたは他の期間におけるチームの作業の完了に向けた進行状況を監視するには、チーム メンバーは割り当てられた作業項目の実績作業と残存作業の量を更新する必要があります。

参照

概念

Visual Studio の Analysis Services キューブで用意されているパースペクティブとメジャー グループ

その他の技術情報

Visual Studio ALM のリレーショナル ウェアハウス データベースのテーブル リファレンス