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チーム プロジェクト成果物の操作、プロセス テンプレートの選択

チーム プロジェクトを作成するときは必ず、プロセス テンプレートを選択する必要があります。 プロセス テンプレートは、プロジェクトの計画と追跡に使用する一連の作業項目の種類 (WIT)、クエリ、およびレポートを定義するものです。 チームにとって必要なツールを提供し、オーバーヘッドを低減するテンプレートを選択して、チームが品質に専念できるようにしてください。

チームプロジェクトを追加するには、こちらを参照してください。

Team Foundation Server (TFS) プロセス テンプレートの最新バージョンにアクセスするには、Visual Studio Team Foundation Server 2013 (TFS) をインストールします。 次に、プロセス テンプレート マネージャーを使用してダウンロードします。

3 つの既定のプロセス テンプレートの主な違いは、作業の計画と追跡のために用意されている作業項目の種類にあります。 Visual Studio Scrum は最も軽量です。また、MSF for CMMI (Capability Maturity Model Integration) は正式なプロセスおよび変更管理を最も強力にサポートします。

Microsoft Visual Studio Scrum 2013

スプリントの計画中に、チームがプロダクト バックログ項目と共にバグを管理する場合は、Visual Studio Scrum を選択します。

スクラム テンプレートは、スクラム組織 の定義に従ってスクラム メソドロジをサポートするように設計されています。 このプロセス テンプレートは、プロダクト バックログ項目と同じレベルでバグを追跡し、作業フィールドを使用して見積りを追跡します。

タスクの [状態] が [完了] に設定されると、[残存作業] フィールドは自動的にゼロになります。

Scrum 3.0 の作業項目の種類

MSF for Agile Software Development 2013

組織がプロダクト バックログからバグを切り離してトリアージし、バグを終了する前に作業項目を解決する場合は、アジャイル を選択します。 また、チームが各スプリントでバグの時間を割り当てている場合は、アジャイルを選択します。

アジャイル テンプレートは、スクラムに制限されることを望まないチームを対象に、アジャイル開発をサポートするように設計されています。 ストーリー ポイントを使用して、ユーザー ストーリーの見積もりをサポートします。 タスクは、[最初の見積もり]、[残存]、[完了] 作業フィールドを追跡するフィールドを含みます。 バグは、いずれのバックログ ページでも追跡されません。 アジャイルの方法の詳細については、「http://www.agilealliance.org/」を参照してください。

Agile 7.0 の作業項目の種類

MSF for CMMI Process Improvement 2013

組織がプロダクト バックログからバグを切り離してトリアージし、バグを終了する前に作業項目を解決して、要件の変更を正式に追跡する場合は、CMMI を選択します。

CMMI テンプレートは、正式な変更管理プロセスをサポートするように設計されています。 このテンプレートは、[サイズ] フィールドを使用して、要件の見積もりをサポートします。 タスクは、[最初の見積もり]、[残存]、[完了] 作業フィールドを追跡するフィールドを含みます。 バグは、いずれのバックログ ページでも追跡されません。

CMMI プロセスの詳細については、こちらを参照してください。

CMMI 7.0 作業項目の種類

既定のプロセス テンプレート間の主な相違点

既定のテンプレートは、ほとんどのチームのニーズを満たすように設計されています。 いずれも、アジャイル計画ツールを使用したプロダクト バックログの作成や、タスク ボードでのスプリントの作業をサポートしています。 チームに特別なニーズある場合は、テンプレートをカスタマイズした後でチーム プロジェクトを作成するか、テンプレートからチーム プロジェクトを作成した後でプロジェクトをカスタマイズすることができます。

次の表は、3 つの既定のプロセス テンプレートで使用されている作業項目の種類と状態の主な違いをまとめたものです。

プロセス領域

Visual Studio Scrum

アジャイル

CMMI

ワークフロー状態

  • 新規

  • 承認済み

  • コミット済み

  • Done

  • 削除

  • 新規

  • アクティブ

  • 解決済み

  • 終了

  • 削除

  • 提案済み

  • アクティブ

  • 解決済み

  • 終了

製品計画 (メモ 1 を参照)

  • バグ

  • プロダクト バックログ項目

  • ユーザー ストーリー

  • 必要条件

ポートフォリオ バックログ (2)

  • 機能

  • 機能

  • 機能

タスクおよびイテレーション計画 (3)

  • タスク

  • タスク

  • タスク

バグのバックログの管理 (4)

  • バグ

  • バグ

  • トリアージ ブック

  • バグ

  • トリアージ ブック

プロジェクト管理 (4)

  • 障害

  • 懸案事項

  • 懸案事項ブック

  • 懸案事項

  • リスク

  • レビュー

  • 懸案事項ブック

メモ:

  1. これらの WIT は、プロダクト バックログを使用して定義できます。 プロダクト バックログ ページでは、作業の現在のバックログが単一のビューで表示され、並べ替えやグループ化を動的に行うことができます。 製品所有者は、すばやく作業に優先度を設定したり、依存関係と関係のアウトラインを作成したりできます。

  2. 機能を作成し、バックログ項目にリンクして、ポートフォリオ バックログを管理できます。 ポートフォリオ バックログを使用すると、複数のバックログから成る階層を定義できます。これにより、複数のチーム間にまたがる作業のスコープを理解し、その作業がどのようにより広い構想につながるかを見定めることができます。

  3. スプリント バックログとタスク ボードを使用してタスクを定義できます。 スプリント バックログ ページには、入力したデータがリアルタイムで反映されます。 データには、イテレーション パスに割り当てられた作業項目、残存作業、各自の作業キャパシティ、およびチームと個人の両方に対する作業の割り込みが含まれます。 チームは、バーンダウンのレートやキャパシティを超えている部分に関するフィードバックをすぐに得ることができます。

  4. ブックを利用できるのは、チーム プロジェクトが SharePoint プロジェクト ポータルで構成されている場合だけです。 ただし、対応するクエリを Excel で開くと、独自のブックを作成できます。

ワークフロー状態

ワークフロー状態は、新規状態から終了状態または完了状態に至る、作業の状態の追跡をサポートします。 以下の図は、3 つの既定の TFS プロセス テンプレートで作業とコード障害の追跡に使用される WIT が順方向への通常の流れをたどる様子を示しています。 また、以前の状態への回帰や、削除状態への遷移も示しています。 各イメージは、遷移に関連付けられている既定の理由のみを示しています。

スクラム

アジャイル

CMMI

機能

機能ワークフローの状態、スクラム プロセス テンプレート

機能

機能ワークフローの状態、アジャイル プロセス テンプレート

機能

機能ワークフローの状態、CMMI プロセス テンプレート

プロダクト バックログ項目

製品バックログ項目のワークフロー、スクラム プロセス

ユーザー ストーリー

ユーザー ストーリー ワークフローの状態、Agile プロセス テンプレート

必要条件

要件ワークフローの状態、CMMI プロセス テンプレート

バグ

バグ ワークフローの状態、スクラム プロセス テンプレート

バグ

バグ ワークフローの状態、Agile プロセス テンプレート

バグ

バグ ワークフローの状態、CMMI プロセス テンプレート

タスク

タスク ワークフローの状態、スクラム プロセス テンプレート

タスク

タスク ワークフローの状態、Agile プロセス テンプレート

タスク

タスク ワークフローの状態、CMMI プロセス テンプレート

アジャイル計画ツールが使用するスクラムおよびアジャイルの WIT は、any-to-any 遷移をサポートします。 かんばんボードまたはタスク ボードを使用して作業項目の状態を更新するには、対応する状態列にそれをドラッグします。

ワークフローの状態、理由、および遷移

ワークフローでは、実行するタスクの論理的な流れと、タスクを実行する担当者を定義します。 各ワークフローは、一連の状態、状態から状態へ有効な遷移、および選択された状態に作業項目が遷移する理由から構成されます。 追加の状態、遷移、および理由をサポートするためにワークフローを変更できます。

削除状態、終了状態、および完了状態

作業項目の状態を「削除」、「終了」、または「完了」に変更すると、システムは次のように応答します。

  • 終了または完了: この状態の作業項目は、ポートフォリオ バックログおよびバックログ ページに表示されません。 ただし、スプリント バックログ ページ、かんばんボード、およびタスク ボードには表示されます。 また、バックログ項目を表示するようポートフォリオ バックログ ビューを変更する場合 (たとえばプロダクト バックログ項目の機能を表示する場合)、終了状態と完了状態の項目が表示されます。

  • 削除: この状態の作業項目は、どのバックログまたはボードにも表示されません。

チーム プロジェクトがアクティブである限り、作業項目はチーム プロジェクトに保持されます。 それを終了、完了、または削除に設定した場合でも、レコードがデータ ストアに保持されます。 レコードを使用してクエリまたはレポートを作成することができます。 作業項目を完全に削除する必要がある場合、witadmin destroywi コマンド ライン ツールを使用できます。

すべてのプロセス テンプレートに追加されている作業項目の種類

次の WIT はすべてのプロセス テンプレートで共通です。

MTM、My Work、Feedback によって使用される作業項目の種類

チームは、対応するツールを使用して、次の種類を作成して操作します。

  • テスト計画、テスト スイート、テスト ケース、共有ステップ、および共有パラメーター: Microsoft Test Manger

    共有パラメーターは、内部設置型の配置を TFS 2013.2 にアップグレードしたときに利用可能になりました。

    テスト計画とテスト スイートの WIT は、内部設置型の配置を TFS 2013.3 にアップグレードすると利用可能になります。

  • フィードバック要求とフィードバック応答: フィードバックの要求

  • コード レビューの要求とコード レビューの応答: 担当作業 (チーム エクスプローラーから) とコード レビュー要求

これらの種類の定義から作成される作業項目は、手動による作成は想定されていないため、隠し型カテゴリに追加されます。 隠し型カテゴリに追加された作業項目の種類は、新しい作業項目を作成するときに使用されるメニューには表示されません。

注意

チーム プロジェクトを TFS 2012 以前のバージョンから現在のバージョンの TFS にアップグレードした場合は、前のバージョンには存在しなかった WIT の追加が必要になる可能性があります。詳細については、「アップグレードされたチーム プロジェクトの更新による新機能の利用」を参照してください。

テスト エクスペリエンスをサポートする WIT

Test Manager とチーム Web アクセスでテスト エクスペリエンスと作業をサポートする WIT は、次の図に示すリンクの種類を使用してリンクされます。

作業項目の種類 [テスト管理]

Team Web Access または Test Manager を使用して、テスト スイート用に定義されたテスト ケースと、テスト計画用に定義されたテスト スイートを表示できます。 ただし、これらのオブジェクトはリンクの種類を通して相互に接続されることはありません。

前述したように、テスト計画とテスト スイートの WIT は、アプリケーション層サーバーを TFS 2013.3 にアップグレードした後で表示されます。 他の WIT と同様に、これらの WIT もカスタマイズできます。 「チームのプロセスをサポートするための作業トラッキング オブジェクトのカスタマイズ」を参照してください。

テスト計画とテスト スイートのワークフローを変更する場合、ここでの説明に従ってプロセス構成の更新が必要になることがあります。

テストの各フィールドの定義については、「ビルドとテストの統合フィールド参照」を参照してください。

TFS 2013.3 へのアップグレードで Test Manager とチーム Web アクセスに加えられた変更の詳細については、「Opening test plan and test suite work item types」を参照してください。

チームに対する確認事項

作業を効果的に追跡するには、作業項目の種類およびツールの使用方法についてチーム メンバーが同意する必要があります。 チームに対する確認事項をいくつか次に示します。

質問

チームの選択

チームでは作業の追跡にどのような方法を使用しますか。

バックログ項目の状態を更新することで、チームが主に進行状況を追跡している場合は、かんばんボードを使用できます。 また、かんばんボードをカスタマイズして、複数のスイム レーンにわたって進行状況を追跡することもできます。

チームがバックログ項目を各スプリントのタスクに分割し、残存作業を見積もる場合は、スプリント タスク ボードを使用できます。 通常、残存作業の見積もりは時間単位で行われますが、ご自身が同意していれば、好きな単位を使用できます。 チームは、残存作業を見積もって更新することで、スプリントごとに用意されているバーンダウン チャートを使用して進行状況を追跡できます。

チームでは、キャパシティを個人別とアクティビティ別のどちらで追跡しますか。

チームがタスクに基づいて残存作業を追跡する場合、個別のチーム メンバーごとのスプリントの キャパシティを評価する か、または開発やテスト、設計などのアクティビティごとにキャパシティを評価できます。

チームでは作業のグループ化にどのような方法を使用しますか。

作業は複数の方法でグループ化できます。 バックログ ページから作成した項目は、チームの区分パスに自動的に割り当てられます。 スプリントに割り当てられた項目は、スプリントのイテレーション パスに割り当てられます。 また、作業項目にタグを割り当てて、バックログまたはクエリの結果リストをフィルター処理することもできます。

チームでベロシティと予測を使用しますか。

予測をサポートするために、チームは作業量 (スクラム)、ストーリー ポイント (アジャイル)、またはサイズ (CMMI) の各フィールドを使用して、スプリントの間に完了できる項目数を判断できます。 また、ベロシティ グラフは、スプリント中のチームの進行状況の速度を示します。

情報をどのように共有しますか。

チーム メンバーは、作業項目にファイルを添付する方法、ソース コードにファイルをチェックインする方法、またはチーム プロジェクト ポータルを使用して作業を共有する方法を利用できます。 プロジェクト ポータルが構成されている場合は、ドキュメント ライブラリ、Wiki ページ、ブログ、イベント カレンダーなど、SharePoint サイトで提供されるすべての機能にアクセスできます。

チームでは、複数のチームからの進行状況のロールアップをサポートできますか。

ポートフォリオ バックログを使用すると、即座に複数のチームによる進行中の作業のロールアップを表示できます。 チーム メンバーが複数のチームで作業を行う場合、そのメンバーは、チームごとに自身のキャパシティを割り当てることができます。

Q & A

Q: チーム プロジェクトを更新するとどうなりますか。

A: 最新バージョンの TFS をインストールするときに追加された新機能を使用する場合は、「アップグレードされたチーム プロジェクトの更新による新機能の利用」を参照してください。

既存のチーム プロジェクトをカスタマイズするには、「チームのプロセスをサポートするための作業トラッキング オブジェクトのカスタマイズ」を参照してください。

Q: かんばんボードにはどのプロセス テンプレートを使用すればよいですか。

A: かんばんボードは、どのプロセス テンプレートでも使用できます。既定のプロセス テンプレートでも、カスタマイズしたものでもかまいません。

Q: 最新のプロセス テンプレートの入手方法を教えてください。

A: 最新バージョンの既定のプロセス テンプレートは、最新バージョンの TFS をインストールまたは更新したときに自動的にアップロードされます。 ダウンロードには、チーム プロジェクト コレクションのプロセス テンプレートのアップロード、ダウンロード、および削除を使用します。

また、「Team Foundation Server 2013プロセス テンプレートのサンプル - スケールド アジャイル フレームワーク (SAFe) のサポート」をダウンロードすることもできます。 これらのテンプレートには、ホワイト ペーパー「Scaled Agile Framework: Using TFS to support epics, release trains, and multiple backlogs」に記載されているカスタマイズ内容が含まれています。

Q: ワークフローの状態ダイアグラムの視覚化をサポートしているツールはありますか。

A: できます。 Team Foundation Server パワー ツール で提供されるプロセス エディターを使用できます。

Q: プロセス テンプレートでは他に何が定義されていますか。

**A:**プロセス テンプレートは、チーム プロジェクト成果物を定義するだけでなく、作業の追跡とテスト活動のサポートで使用する多くの要素の初期構成を定義します。 以下の要素があります。

  • 区分パスとイテレーション パス

  • 作業項目クエリ

  • テスト変数、構成、解決状態、および既定のテスト設定

  • グループとメンバーの定義およびアクセス許可の割り当て

  • Microsoft Project フィールドから Team Foundation フィールドへのマッピング方法

どの要素も、プロセス テンプレートからチーム プロジェクトを作成した後で構成またはカスタマイズが可能です。

Q: プロセス テンプレートをカスタマイズすることはできますか。

A: できます。 既定のテンプレートは、ほとんどのチームのニーズを満たすように設計されています。 チームに特別なニーズある場合は、テンプレートをカスタマイズした後でチーム プロジェクトを作成するか、テンプレートからチーム プロジェクトを作成した後でプロジェクトをカスタマイズすることができます。

Q: 以前のリリースからのプロセス テンプレートの変更点を教えてください。

A:Team Foundation Server のアップグレード中にチーム プロジェクトと既定のプロセス テンプレートに加えた変更」を参照してください。

Q: 複数のポートフォリオ バックログが必要な場合はどうすればいいですか。

A: 追加のポートフォリオ バックログを定義できます。つまり、合計で 5 個のポートフォリオ バックログを使用できます。

Q: ストーリーボードに関する詳細は、どこで学習できますか。

A: PBI フォームの [ストーリーボード] タブでは、アップロードしたストーリーボードを共有ネットワーク場所にリンクできます。 チームがアクセスできる任意の URL にリンクできます。 また、PowerPoint ストーリーボーディングを使用して、作成したストーリーボードにリンクすることもできます。

Q: 他に質問がある場合は、どこに問い合わせればよいですか。

A: Team Foundation Server – Team Project and Work Item フォーラムに質問を投稿したり、答えを検索することができます。