カスタムのドキュメント情報パネル

[アーティクル]
06/15/2015

Microsoft Office SharePoint Server 2007 には、Microsoft Office InfoPath 2007 を使用してカスタムのドキュメント情報パネルを作成するオプションが用意されています。これらのカスタムフォームは、Microsoft Office Professional 2007 および Microsoft Office Enterprise 2007 のユーザー用に自動生成されるフォームに代わって表示されます。

注意

カスタムのドキュメント情報パネルは、Office Professional 2007 および Office Enterprise 2007 のアプリケーションにのみ表示されます。

コンテンツタイプごとに 1 つのカスタムのドキュメントパネルを作成できます。ただし、その他の Microsoft Office InfoPath 2007 フォームと同様、そのパネルには複数のビューを含めることができます。Windows SharePoint Services 3.0 にも、自動生成されたフォームが開始点として用意されています。

コンテンツタイプはファイルの種類とは無関係にできるため、同じカスタムの情報パネルが 2007 Microsoft Office システムの各クライアントアプリケーションに表示されます。たとえば、Microsoft Office Word 文書と Microsoft Office PowerPoint プレゼンテーションに同じコンテンツタイプを割り当てる場合でも、各アプリケーションに表示されるカスタムのドキュメント情報パネルを 1 つだけ指定します。

注意

カスタムのドキュメント情報パネルにより、ユーザーはクライアントアプリケーション内からドキュメントのコンテンツタイププロパティを入力して編集できます。そのため、これらのパネルは、ユーザーが Windows SharePoint Services 3.0 ユーザーインターフェイス内からドキュメントのコンテンツタイププロパティを編集するために使用する、ユーザー設定のコンテンツタイプの [編集] フォームとは異なります。

ユーザー設定のコンテンツタイプの [編集] フォームの指定の詳細については、『Windows SharePoint Services 3.0 の全般的な参照情報』の「FormTemplates スキーマの概要」を参照してください。

サイトコンテンツタイプとリストコンテンツタイプの両方に対してカスタムのドキュメント情報パネルを作成できます。

ドキュメント情報パネルはドキュメント用なので、Document コンテンツタイプから継承するコンテンツタイプに対してのみカスタムパネルを作成できます。たとえば、リストスキーマに基づいてカスタムのドキュメント情報パネルを作成することはできません。

カスタムのドキュメント情報パネルを開発する

カスタムのドキュメント情報パネルは 2 つの方法で作成できます。

Office SharePoint Server 2007 ユーザーインターフェイスから開始すると、カスタムのドキュメント情報パネルを作成するコンテンツタイプを選択できます。Office SharePoint Server 2007 は Microsoft Office InfoPath 2007 を起動し、コンテンツタイプスキーマをプライマリデータソースとして、また、自動的に生成されたフォームを開始点として提供します。フォームが完成したら、コンテンツタイプに直接、またはその他の場所に発行することができます。

注意

フォームをコンテンツタイプに発行するには、ドキュメントライブラリに対して複数のコンテンツタイプを最初に有効にしておく必要があります。
Microsoft Office InfoPath 2007 アプリケーションから開始すると、目的のサイトまたはリストを参照し、カスタムのドキュメント情報パネルを作成するコンテンツタイプを選択できます。Microsoft Office InfoPath 2007 は、選択したコンテンツタイプをプライマリデータソースとして、また、自動的に生成されるフォームを開始点として設定します。フォームが完成したら、コンテンツタイプまたはその他の場所に発行できます。

どちらの場合も、Microsoft Office InfoPath 2007 フォームは、フォームの作成対象となったコンテンツタイプのコンテンツタイプ ID を格納します。この情報は、XSN ファイル内の /xsf:xDocumentClass/xsf:extensions/xsf2:solutionPropertiesExtension/xsf2:contentTyp の XSF エントリとして格納されます。

詳細については、「[方法] Office SharePoint Server 2007 内からカスタムのドキュメント情報パネルを作成または編集する」および「[方法] InfoPath からカスタムドキュメント情報パネルを作成する」を参照してください。

カスタムのドキュメント情報パネルを発行する

Microsoft Office InfoPath 2007 フォームの場合と同様、カスタムのドキュメント情報パネルを発行する場所、および発行の際のセキュリティレベルには、悪影響があります。フォームを発行する前に、これらについて検討してください。

発行場所

カスタムのドキュメント情報パネルを、コンテンツタイプリソースフォルダに直接、または別の場所に発行するように選択できます。方法にはそれぞれ利点があります。

コンテンツタイプリソースフォルダに直接発行すると、フォームは、コンテンツタイプおよびそのコンテンツタイプが割り当てられているドキュメントが保存されている SharePoint Server コンピュータに発行されます。フォームは、このコンテンツタイプ用のその他のリソースファイルと同じフォルダに発行されます。

別の場所に発行すると、すべてのフォームを集中して参照できる場所 (フォームライブラリなど) に格納できます。このシナリオでは、これらのフォームにアクセスして作業できるユーザーを制限できます。さらに、SharePoint サイトにアクセスできない可能性がある開発者がそのサイト用のフォームに対して作業することができます。

セキュリティに関する留意事項

カスタムのドキュメント情報パネルには、[制限あり] または [完全信頼] のセキュリティレベルおよびドメインのみを含めることができます。[完全信頼] を指定する場合は、Microsoft Office InfoPath 2007 テンプレートをデジタル署名して、コンテンツタイプリソースファイルまたはその他の共有場所に展開する必要があります。それ以外の場合は、インストールされた登録済みのテンプレートとしてテンプレートを展開する必要があります。

セキュリティに関する留意点から、カスタムフォームの XSN をフォームの使用対象であるドキュメントと同じドメインに発行することをお勧めします。そうしない場合、カスタムフォームは [制限あり] モードで開かれ、データ接続は動作しません。また、フォームをローカルに保存すると、完全信頼されていないすべてのフォームは [制限あり] モードで開かれます。

カスタムフォームを異なるドメインに保存する場合は、データ接続が正しく機能するようにするための 2 つのオプションがあります。

フォームを保存したドメインを、完全に信頼できるサイトの一覧に追加します。

警告

この操作は慎重に行ってください。ドメイン全体を信頼できるサイトリストに追加すると、コンピュータがサイト間共通のスクリプト攻撃にさらされる可能性があります。追加するドメインおよびそのドメインにアクセスできるすべてのユーザーを信頼できることを、確認してください。
フォームを Microsoft Windows Installer として展開して、完全信頼のフォームまたは完全信頼の署名付きフォームをインストールします。

Microsoft Office InfoPath 2007 フォームセキュリティモデルの詳細については、InfoPath の開発者マニュアルを参照してください。

変更をドキュメント情報パネルへプッシュダウンする

カスタムのドキュメント情報パネルの場所およびその設定は、コンテンツタイプに XML ドキュメントとして格納されます。

プッシュダウン操作のスコープは XML ドキュメントレベルに設定されます。カスタムのドキュメント情報パネルに関連する XML ドキュメントに変更を加え、これらの変更をプッシュダウンすると、すべての子コンテンツタイプで、変更した設定だけでなく XML ドキュメント全体が上書きされます。

たとえば、サイトコンテンツタイプに対してカスタムのドキュメント情報パネルを作成し、プッシュダウン操作を実行した場合、そのサイトコンテンツタイプを基にした子コンテンツタイプはすべて、そのカスタムのドキュメント情報パネルを使用するように更新されます。

このような競合を回避するために、カスタムのドキュメント情報パネルに関係する変更をプッシュダウンする前に、子コンテンツタイプに加えられている変更を認識しておくことをお勧めします。さらに、読み取り専用またはシールされたコンテンツタイプとして定義して、プッシュダウン操作が子コンテンツタイプに影響を与えるかどうかを制限できます。コンテンツタイプを読み取り専用として定義すると、ユーザーは Windows SharePoint Services ユーザーインターフェイスを使用してコンテンツタイプを編集できません。ただし、オブジェクトモデルを使用した読み取り/書き込み操作を許可するようにコンテンツタイプを設定し、その方法でコンテンツタイプを更新することはできます。同様に、シールされたコンテンツタイプを、ユーザーインターフェイスまたはオブジェクトモデルを介して変更することはできません。シールされたコンテンツタイプを変更するには、コンテンツタイプ定義自体 (コンテンツタイプを準備するために使用される XML ファイル) を変更する必要があります。シールされたコンテンツタイプは、プッシュダウン操作を通じて更新されることはありません。

詳細については、『Windows SharePoint Services 3.0 の全般的な参照情報』の「子コンテンツタイプを更新する」を参照してください。

子コンテンツタイプに既に変更を加えている場合、変更のプッシュダウンが問題となることがあります。たとえば、子コンテンツタイプの列を追加または削除した場合、カスタムのドキュメント情報パネルのスキーマは、親コンテンツタイプのスキーマには一致しますが、子コンテンツタイプのスキーマには一致しなくなります。

より適切な解決策は、Microsoft Office InfoPath でフォームを開いて [メインデータソースの変更] ウィザードを実行し、カスタムプロパティパネルを更新する方法です。データソースを親コンテンツタイプとして残すのではなく、代わりに子コンテンツタイプを指し示します。

注意

これによってビューは更新されません。新しいデータソーススキーマを反映するようにコントロールを追加または削除する必要があります。削除されたコントロールに依存しているビジネスロジックも更新する必要があります。詳細については、「[方法] コンテンツタイプの変更に応じてドキュメント情報パネルを更新する」を参照してください。

ユーザーが特定のコンテンツタイプに基づいてコンテンツタイプを作成するのを防ぐことはできません。

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