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エッジ サブスクリプションについて

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-09-18

ここでは、エッジ サブスクリプションおよび EdgeSync 同期プロセスの詳細について説明します。エッジ サブスクリプションは、Microsoft Exchange Server 2007 のエッジ トランスポート サーバーの役割の上で動作する Active Directory アプリケーション モード (ADAM) ディレクトリ サービス インスタンスに、Active Directory ディレクトリ サービスのデータを設定するために使用します。

note注 :
Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) は、サーバーの役割を Windows Server 2008 コンピュータに展開する操作をサポートしています。エッジ トランスポート サーバーが Windows Server 2008 上にインストールされている場合、ADAM は Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) に置き換えられます。Windows Server 2008 には、拡張された機能や名前の変更された機能がいくつかあります。Windows Server 2003 と Windows Server 2008 との間における機能変更の詳細については、「用語の変更」を参照してください。

Exchange 2007 では、エッジ トランスポート サーバーの役割は組織の境界ネットワークに展開されます。エッジ トランスポート サーバーは攻撃の範囲を最小限にするよう設計されており、インターネットに直接接続されたすべてのメール フローを処理し、Exchange 組織に SMTP (簡易メール転送プロトコル) 中継およびスマート ホスト サービスを提供します。さらに、エッジ トランスポート サーバーで実行される一連のエージェントによってメッセージ保護とセキュリティの層が提供され、メッセージ トランスポート コンポーネントによりメッセージが処理されるとき、メッセージに作用します。これらのエージェントでは、ウイルスやスパムを防御し、メッセージ フローを制御するトランスポート ルールを適用する機能がサポートされています。

エッジ サブスクリプションを作成しないという選択もありえますが、エッジ トランスポート サーバーで Exchange 組織を購読すると、管理作業が簡素化され、提供されているスパム対策機能がより強化されます。スパム対策機能、受信者参照機能、またはセーフ リスト集約機能の使用を計画している場合、あるいは相互トランスポート層セキュリティ (TLS) を使用したパートナー ドメインとの SMTP 通信のセキュリティ保護を計画している場合は、エッジ サブスクリプションを作成する必要があります。

エッジ サブスクリプション プロセス

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータには、Active Directory へのアクセス権がありません。エッジ トランスポート サーバーがメッセージを処理する際に使用する、構成と受信者に関するすべての情報は ADAM に格納されます。ただし、この情報の多くは Active Directory にも格納されます。

エッジ サブスクリプションを作成することによって、Active Directory から ADAM への、セキュリティ保護された自動の情報レプリケーションが確立されます。エッジ サブスクリプション プロセスは、ハブ トランスポート サーバーと購読済みエッジ トランスポート サーバーとの間でセキュリティ保護された LDAP (ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコル) 接続を確立するために使用する資格情報を準備します。次に、ハブ トランスポート サーバー上で動作する Microsoft Exchange EdgeSync サービスが、定期的な一方向の同期を実行して、データを ADAM に転送し、そのデータを最新状態に維持します。この処理によって、ハブ トランスポート サーバーの役割で必要な構成が実行され、エッジ トランスポート サーバーにその情報が書き込まれます。これによって、境界ネットワーク内で実行する必要のある管理作業が軽減されます。

これによって、エッジ トランスポート サーバーが Active Directory サイトを購読するようになります。エッジ トランスポート サーバーが Active Directory サイトを購読すると、エッジ トランスポート サーバーは Active Directory から ADAM への更新を受信できるようになり、そのサイト内に展開されるエッジ トランスポート サーバーとハブ トランスポート サーバーの同期関係を作成します。また、エッジ サブスクリプション プロセスは、エッジ トランスポート サーバーに関する Active Directory サイトのメンバシップの関係を作成します。このサイトの関係によって、Exchange 組織内のハブ トランスポート サーバーは、明示的な送信コネクタを構成しなくても、インターネットに向けて配信するメッセージをエッジ トランスポート サーバーに中継できます。

1 つ以上のエッジ トランスポート サーバーで、1 つの Active Directory サイトを購読できます。ただし、1 つのエッジ トランスポート サーバーで複数の Active Directory サイトを購読することはできません。複数のエッジ トランスポート サーバーが展開されている場合、各サーバーが別の Active Directory サイトを購読できます。各エッジ トランスポート サーバーには個別のエッジ サブスクリプションが必要です。1 つの購読済みエッジ トランスポート サーバーでサポートできる Exchange 組織は 1 つだけです。

Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、Active Directory から ADAM に対して、次のデータをレプリケートします。

  • 送信コネクタの構成
  • 承認済みドメイン
  • リモート ドメイン
  • メッセージ分類
  • 差出人セーフ リスト
  • 受信者
  • セキュリティで保護された TLS の送信ドメインおよび受信ドメインの一覧
  • 内部 SMTP サーバーの一覧
  • 購読済み Active Directory サイト内のハブ トランスポート サーバーの一覧

ADAM にレプリケートされるデータと、そのデータの使用方法の詳細については、「EdgeSync レプリケーション データ」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーを展開し、Active Directory サイトを購読するには、次の手順を実行します。

note注 :
エッジ トランスポート サーバーを購読する前に、プロダクト キーを入力する必要があります。
  1. エッジ トランスポート サーバーの役割をインストールします。
  2. ハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーが、DNS 名前解決を使用して互いを見つけることができることを確認します。この手順の詳細については、「Exchange 2007 サーバーの DNS 設定の構成」を参照してください。
  3. エッジ トランスポート サーバーにレプリケートされるオブジェクトと設定を構成します。この手順の詳細については、「Microsoft Exchange EdgeSync サービスの実行の準備」を参照してください。
  4. エッジ トランスポート サーバー上の Exchange 管理シェルで New-EdgeSubscription コマンドレットを実行して、エッジ サブスクリプション ファイルをエクスポートします。
  5. エッジ サブスクリプション ファイルをハブ トランスポート サーバーにコピーします。
  6. Exchange 管理シェルで New-EdgeSubscription コマンドレットを実行するか、または Exchange 管理コンソールでエッジ サブスクリプションの新規作成ウィザードを使用して、エッジ サブスクリプション ファイルをインポートします。

次の図は、エッジ サブスクリプション プロセスを示しています。

エッジ サブスクリプション ファイルのインポートとエクスポートのプロセス

エッジ トランスポート サーバー上で New-EdgeSubscription コマンドレットを実行すると、次の処理が行われます。

  • ADAM アカウントが作成されます。このアカウントは、EdgeSync ブートストラップ レプリケーション アカウント (ESBRA) と呼ばれます。この資格情報は、エッジ トランスポート サーバーへの最初の EdgeSync 接続の認証で使用されます。このアカウントは、作成後 1,440 分 (24 時間) で期限切れになるように構成されます。このため、有効期限が切れる前にサブスクリプション プロセスを完了する必要があります。エッジ サブスクリプション プロセスが完了する前に ESBRA が期限切れになった場合は、エッジ トランスポート サーバー上で New-EdgeSubscription コマンドレットを再実行して、新しいエッジ サブスクリプション ファイルを作成する必要があります。
  • ESBRA 資格情報は ADAM から取得され、エッジ サブスクリプション ファイルに書き込まれます。エッジ トランスポート サーバーの自己署名証明書の公開キーも、エッジ サブスクリプション ファイルにエクスポートされます。エッジ サブスクリプション ファイルに書き込まれる資格情報は、ファイルのエクスポート元のサーバーによって異なります。
  • クラス内に既に作成されている構成オブジェクトのうち、Active Directory から ADAM にレプリケートされる予定のオブジェクトは、ADAM から削除されます。また、これらのオブジェクトを構成するために使用されていた Exchange 管理シェル タスクは無効になります。これらのオブジェクトを表示するためのタスクはその後も使用できます。New-EdgeSubscription コマンドレットを実行すると、エッジ トランスポート サーバー上で次のタスクが無効になります。
    • Set-SendConnector
    • New-SendConnector
    • Remove-SendConnector
    • New-AcceptedDomain
    • Set-AcceptedDomain
    • Remove-AcceptedDomain
    • New-MessageClassification
    • Set-MessageClassification
    • Remove-MessageClassification
    • New-RemoteDomain
    • Set-RemoteDomain
    • Remove-RemoteDomain

Exchange 管理シェルで New-EdgeSubscription コマンドレットを実行するか、または Exchange 管理コンソールでエッジ サブスクリプションの新規作成ウィザードを使用して、エッジ サブスクリプション ファイルをハブ トランスポート サーバーにインポートすると、次の処理が行われます。

  • エッジ サブスクリプションが作成されます。これにより、Exchange 組織に参加しており、Microsoft Exchange EdgeSync サービスによって構成データが伝達されるエッジ トランスポート サーバーのレコードが設定されます。この手順により、Active Directory にエッジ構成オブジェクトが作成されます。
  • Active Directory サイトの各ハブ トランスポート サーバーが、Active Directory から、新しいエッジ トランスポート サーバーが購読済みになった旨の通知を受信します。ハブ トランスポート サーバーは、エッジ サブスクリプション ファイルから ESBRA を受け取ります。次に、ハブ トランスポート サーバーは、エッジ トランスポート サーバーの自己署名証明書の公開キーを使用して、この ESBRA を暗号化します。暗号化された資格情報はエッジ構成オブジェクトに書き込まれます。
  • また、各ハブ トランスポート サーバーは、自分の公開キーを使用して ESBRA を暗号化し、この資格情報を自分の構成オブジェクトに格納します。
  • エッジ トランスポート サーバーとハブ トランスポート サーバーのペアごとに、Active Directory 内に EdgeSync レプリケーション アカウント (ESRA) が作成されます。各ハブ トランスポート サーバーでは、この ESRA 資格情報をハブ トランスポート サーバーの構成オブジェクトの属性として格納します。
  • エッジ トランスポート サーバーからインターネットへの送信メッセージ、およびエッジ トランスポート サーバーから Exchange 組織への受信メッセージを中継する送信コネクタが自動的に作成されます。Microsoft Exchange EdgeSync サービスがどのように送信コネクタを準備するかの詳細については、「EdgeSync および送信コネクタ」を参照してください。
  • ハブ トランスポート サーバー上で実行される Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、ESBRA 資格情報を使用して、ハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーとの間でセキュリティで保護された LDAP 接続を確立し、最初のデータ レプリケーションを実行します。次のデータが ADAM にレプリケートされます。
    • トポロジ データ
    • 構成データ
    • 受信者データ
    • ESRA 資格情報
  • エッジ トランスポート サーバー上で実行される Microsoft Exchange Credential Service により、ESRA 資格情報がインストールされます。これらの資格情報は、その後の同期接続を認証し、セキュリティで保護するために使用されます。
  • EdgeSync 同期スケジュールが確立されます。

エッジ トランスポート サーバーを購読する Active Directory サイト内のハブ トランスポート サーバー上で実行される Microsoft Exchange EdgeSync サービスによって、Active Directory から ADAM へのデータの一方向レプリケーションが定期的に実行されるようになります。Exchange 管理シェルで Start-EdgeSynchronization コマンドレットを使用することによって、EdgeSync 同期スケジュールを無視して、直ちに同期を開始することもできます。

ESRA アカウント、およびこのアカウントを使用して EdgeSync 同期プロセスをセキュリティで保護する方法の詳細については、「エッジ サブスクリプションの資格情報について」を参照してください。

Microsoft Exchange EdgeSync サービス

Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、ハブ トランスポート サーバー上で実行されるデータ同期サービスで、Active Directory の構成データを購読済みエッジ トランスポート サーバーに定期的にレプリケートします。

Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、Active Directory から情報を送って ADAM を更新する役割を果たします。データは、Exchange 組織内のハブ トランスポート サーバーによって、Active Directory から境界ネットワーク内のエッジ トランスポート サーバーにレプリケートされます。Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、セキュリティで保護された LDAP チャネルを使用してこのデータを転送します。ハブ トランスポート サーバーからエッジ トランスポート サーバーに対して、相互に認証、承認されるセキュリティで保護された LDAP チャネルが確立されます。

データを ADAM にレプリケートするため、ハブ トランスポート サーバーは更新済みデータを取得するグローバル カタログ サーバーをバインドします。Microsoft Exchange EdgeSync サービスは、ハブ トランスポート サーバーと購読済みエッジ トランスポート サーバーとの間で、非標準の TCP ポート 50636 を使用して、セキュリティで保護された LDAP セッションを開始します。EdgeSync 同期プロセスにより、Active Directory から ADAM へのデータの一方向レプリケーションが行われます。ADAM で変更されたデータが Active Directory に対して同期されることはありません。

次の図は、EdgeSync の同期プロセスを示しています。

EdgeSync 同期プロセス

最初のレプリケーションでは、Active Directory からのデータが ADAM に格納されます。ディレクトリ サービスのデータ量によっては時間がかかることがあります。その後の同期処理では、新規オブジェクトおよび変更されたオブジェクトが ADAM に同期され、Active Directory から削除されたオブジェクトは ADAM からも削除されます。

ある同期から次の同期の間に行われたディレクトリ サービスの変更が ADAM に対して同期されるかどうかは、ハブ トランスポート サーバーがバインドされているグローバル カタログ サーバーにレプリケートされたデータに完全に依存します。ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2007 サーバーの起動時に、Microsoft Exchange Active Directory トポロジ サービスによって検出されたグローバル カタログ サーバーにバインドされます。グローバル カタログ サーバーにバインドすることによって、フォレスト内のすべてのドメインの受信者データが確実に ADAM に伝達されます。

異なる種類のデータは、異なるスケジュールで同期されます。EdgeSync の同期スケジュールでは、EdgeSync 同期間隔の最長時間が指定されています。EdgeSync の同期は次の間隔で行われます。

  • 構成データは 1 時間おきに同期するようにスケジュールされます。
  • 受信者データは 4 時間おきに同期するようにスケジュールされます。
  • トポロジ データは 5 分ごとに再読み込みされます。

EdgeSync の同期スケジュール間隔を構成することはできません。

ハブ トランスポート サーバー上の Exchange 管理シェルで Start-EdgeSynchronization コマンドレットを使用して、エッジ サブスクリプションの同期を強制的に直ちに実行することができます。この同期処理は、EdgeSync の次回のスケジュール同期の時刻を決定するタイマより優先されます。

Microsoft Exchange EdgeSync サービスおよび EdgeSync 同期の詳細については、「EdgeSync 同期プロセスについて」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーの再購読

エッジ トランスポート サーバーで Active Directory サイトの再購読が必要になる場合があります。エッジ サブスクリプションが再作成されると、新しい資格情報が生成され、続いて完全なエッジ サブスクリプション プロセスが実行されます。このプロセスは、次のようなシナリオで使用します。

  • 新しいハブ トランスポート サーバーが購読済み Active Directory サイトに展開され、このサーバーを EdgeSync 同期に参加させる場合。このシナリオの詳細については、後の「ハブ トランスポート サーバーの追加または削除」を参照してください。
  • エッジ サブスクリプションが作成された後に、エッジ トランスポート サーバーにライセンス キーを適用した場合。エッジ トランスポート サーバーのライセンス情報は、エッジ サブスクリプションの作成時に取得され、Exchange 組織の Exchange 管理コンソールに表示されます。購読済みのエッジ トランスポート サーバーがライセンス発行済みとして表示されるには、エッジ トランスポート サーバーにライセンス キーを適用した後で Exchange 組織を購読する必要があります。エッジ サブスクリプション プロセスの実行後にエッジ トランスポート サーバーにライセンス キーを適用した場合、ライセンス情報は Exchange 組織で更新されないため、エッジ トランスポート サーバーを再購読する必要があります。
  • Exchange サーバーをより新しいビルドにアップグレードした後で、Exchange サーバーのバージョン情報が同期されていることを確認する場合。この場合、エッジ トランスポート サーバーのビルドのバージョン番号は、他のサーバーの役割にレプリケートされません。これは、EdgeSync の同期プロセスでは、Active Directory から AD ライトウェイト ディレクトリ サービスへの一方向のデータ レプリケーションが行われるためです。詳細については、「EdgeSync 同期プロセスについて」の「Microsoft Exchange EdgeSync サービス」セクションを参照してください。
  • ESRA 資格情報が侵害されている場合。
important重要 :
エッジ トランスポート サーバーを再購読するには、エッジ トランスポート サーバー上で新しいエッジ サブスクリプション ファイルをエクスポートし、ハブ トランスポート サーバー上でその XML ファイルをインポートします。エッジ トランスポート サーバーは、以前に購読していた Active Directory サイトと同じサイトを再購読する必要があります。元のエッジ サブスクリプションをあらかじめ削除する必要はありません。再購読プロセスにより、既存のエッジ サブスクリプションは上書きされます。

エッジ サブスクリプションの削除

Exchange 組織から、または Exchange 組織とエッジ トランスポート サーバーの両方からエッジ サブスクリプションを削除する必要があるシナリオがいくつかあります。エッジ トランスポート サーバーで Exchange 組織を再購読する場合は、エッジ トランスポート サーバーからエッジ サブスクリプションを削除しないでください。エッジ トランスポート サーバーからエッジ サブスクリプションを削除すると、レプリケートされたすべてのデータが ADAM から削除されます。受信者データが多い場合は、これに長い時間がかかることがあります。

以下にエッジ サブスクリプションの削除が必要になる状況の例を示します。

  • EdgeSync 同期プロセスにエッジ トランスポート サーバーを以降参加させない場合。このシナリオでは、エッジ トランスポート サーバーと Exchange 組織の両方からエッジ サブスクリプションを削除する必要があります。
  • エッジ トランスポート サーバーの使用を停止する場合。このシナリオでは、Exchange 組織のみからエッジ サブスクリプションを削除する必要があります。エッジ トランスポート サーバーの役割をコンピュータからアンインストールすると、ADAM インスタンスおよび ADAM に格納されているすべての Active Directory データも削除されます。
  • エッジ サブスクリプションに関する Active Directory サイトの関連付けを変更する場合。このシナリオでは、Exchange 組織のみからエッジ サブスクリプションを削除する必要があります。Exchange 組織からエッジ サブスクリプションを削除すると、エッジ トランスポート サーバーで別の Active Directory サイトを再購読できます。

エッジ サブスクリプションを削除するには、以下の手順を実行します。

  1. エッジ トランスポート サーバー上でメール フローを停止します。新しいメッセージが受け付けられないようにエッジ トランスポート サーバー上のすべての受信コネクタを無効にし、キューが空になるのを待ちます。
  2. Exchange 組織内のハブ トランスポート サーバーで Remove-EdgeSubscription コマンドレットを実行して、エッジ サブスクリプションを削除します。エッジ トランスポート サーバーを再購読しない場合は、ハブ トランスポート サーバーでこの手順を実行した後、エッジ トランスポート サーバーでもこのコマンドレットを実行します。

Exchange 組織からエッジ サブスクリプションを削除すると、次の影響があります。

  • Active Directory から ADAM への情報の同期が停止します。
  • ESRA アカウントが Active Directory と ADAM の両方から削除されます。
  • すべての送信コネクタの送信元サーバー一覧から、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータが削除されます。
  • 自動で構成される、エッジ トランスポート サーバーから Exchange 組織への受信用の送信コネクタが、ADAM から削除されます。

エッジ トランスポート サーバーからエッジ サブスクリプションを削除すると、次の影響があります。

  • Active Directory データを利用するエッジ トランスポート サーバーの機能は使用できなくなります。
  • レプリケートされたデータが ADAM から削除されます。
  • エッジ サブスクリプションの作成で無効になったタスクが再び有効になり、ローカルの構成ができるようになります。

エッジ サブスクリプションを削除した理由に応じて、同じエッジ トランスポート サーバーで以前購読していた Active Directory サイトを再購読したり、別の Active Directory サイトを再購読したりする必要がある場合があります。エッジ サブスクリプションが再作成されると、新しい資格情報が生成され、続いて完全なエッジ サブスクリプション プロセスが実行されます。

エッジ トランスポート サーバーをサービスから削除するには、「Exchange 2007 をサーバーから完全に削除する方法」の手順に従ってください。

エッジ トランスポート サーバーの追加

1 つ以上のエッジ トランスポート サーバーで 1 つの Active Directory サイトを購読できます。境界ネットワークに追加のエッジ トランスポート サーバーを展開し、エッジ サブスクリプションが既に存在する Active Directory サイトを購読すると、次の処理が行われます。

  • Active Directory に新しいエッジ サブスクリプション オブジェクトが作成されます。
  • Active Directory サイト内の各ハブ トランスポート サーバーで、追加の ESRA アカウントが作成されます。これらのアカウントは ADAM にレプリケートされ、新しいサーバーとの同期中に EdgeSync 同期プロセスによって使用されます。
  • 自動的に構成されるインターネットへの送信コネクタの送信元サーバー一覧に、新しいエッジ サブスクリプションが追加されます。処理のためにこのコネクタに送信されるメッセージは、購読済みのエッジ トランスポート サーバー間で負荷分散されます。
  • エッジ トランスポート サーバーから Exchange 組織への受信用の送信コネクタが自動的に作成されます。
  • エッジ トランスポート サーバーへの EdgeSync 同期が開始されます。

ハブ トランスポート サーバーの追加または削除

エッジ トランスポート サーバーが既に購読している Active Directory サイトにハブ トランスポート サーバーが追加された場合、このハブ トランスポート サーバーは EdgeSync 同期プロセスに自動的には参加しません。新しく展開されたハブ トランスポート サーバーを EdgeSync 同期プロセスに参加させるには、それぞれのエッジ トランスポート サーバーで Active Directory サイトを再購読する必要があります。

エッジ トランスポート サーバーが購読している Active Directory サイトからハブ トランスポート サーバーを削除しても、そのハブ トランスポート サーバーがサイト内の最後のハブ トランスポート サーバーでない限り、EdgeSync 同期には影響しません。エッジ トランスポート サーバーが購読している Active Directory サイトからすべてのハブ トランスポート サーバーを削除すると、購読済みのエッジ トランスポート サーバーは孤立します。

EdgeSync の結果の確認

EdgeSync 同期プロセス中に発生したすべてのエラーは、Windows イベント ビューアのアプリケーション ログに記録されます。これらのエラーは通常ハブ トランスポート サーバーに記録されます。ただし、同期が長時間行われていない場合は、購読済みエッジ トランスポート サーバーでエラーが報告されます。

Test-EdgeSynchronization は、購読済みのエッジ トランスポート サーバーの同期状態についてのレポートを提供する、診断用のコマンドレットです。このタスクを手動で実行すると、管理者に有益な情報が提供されます。このタスクは、Microsoft Operations Manager によって呼び出されることもあります。Microsoft Operations Manager によってこのタスクが呼び出されると、エッジ トランスポート サーバーが同期されていない場合に警告が生成されます。

Test-EdgeSynchronization コマンドレットは、エッジ トランスポート サーバーが同期しなくなると、予防的な警告を発します。このコマンドレットの出力によって、エッジ トランスポート サーバーに同期されていないオブジェクトを確認することができます。このタスクでは、Active Directory に格納されているデータと、ADAM に格納されているデータが比較されます。データに不整合があると、このコマンドの結果出力の中で報告されます。

Test-EdgeSynchronization コマンドレットで ExcludeRecipientTest パラメータを使用することによって、受信者データの同期の検証を除外できます。このパラメータを含めると、構成オブジェクトの同期だけが検証されます。受信者データの同期の検証は、構成データだけを検証する場合より時間がかかります。

特定の受信者に関する EdgeSync 同期の結果を検証する場合は、Ldp.exe を使用して、ADAM に格納されている受信者のプロパティを表示します。受信者は Active Directory の GUID で検索する必要があります。また、データはハッシュされて送信されるため、受信者の詳細を確認するときには、返された情報を解釈する必要があります。このツールは、受信者情報を表示する場合にのみ使用し、ADAM のデータを変更するために使用しないでください。詳細については、「受信者に関する EdgeSync の結果を確認する方法」を参照してください。

Exchange 2007 SP1 の新機能

Exchange 2007 SP1 をハブ トランスポート サーバーの役割にインストールしている場合、Test-EdgeSynchronization コマンドレットを VerifyRecipient パラメータと共に使用して、単一の受信者について EdgeSync 同期の状態を確認できます。受信者はプロキシ アドレスによって指定します。Test-EdgeSynchronization コマンドレットを実行したときに返される結果は、その受信者が同期されているかどうかを示しています。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。