Windows Server 2003 でシングル コピー クラスタにアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2009-03-05
ここでは、Windows Server 2003 で実行しているシングル コピー クラスタ (SCC) 内のアクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールする方法、およびクラスタ化メールボックス サーバー (CMS) を作成する方法について説明します。Windows Server 2008 で実行しているフェールオーバー クラスタ内のアクティブ ノードの SCC 環境にメールボックス サーバーの役割をインストールする方法、および CMS を作成する方法の詳細については、「Windows Server 2008 でシングル コピー クラスタにアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法」を参照してください。
コマンド ライン バージョンのセットアップ (Setup.com) または Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) セットアップ ウィザード (Setup.exe) を使用して、メールボックス サーバーの役割をインストールし、CMS を作成することができます。このトピックでは、両方のインターフェイスについての手順を説明します。
注 : |
---|
既定のクラスタ グループで物理ディスク リソースが構成されている必要があります。また、Exchange Server 2007 のインストール前に、これらのリソースをクラスタ化メールボックス サーバーのクラスタ グループに移動してはなりません。 |
注 : |
---|
Exchange 2007 が既にインストールされている場合は、既定のクラスタ グループが存在しない可能性があります。このシナリオで Exchange 2007 の新しいインスタンスをインストールするには、ストレージ グループを一時グループに移動し、その一時グループをセットアップの実行ノードに移動します。Exchange 2007 をインストールした後、ストレージ グループをストレージ グループの新しいインスタンスに移動し、依存関係を更新します。 |
開始する前に
次の手順を実行する前に、Windows Server 2003 フェールオーバー クラスタを正しく形成および構成する必要があります。Windows Server 2003 の SCC でフェールオーバー クラスタを作成および構成する方法の詳細については、「シングル コピー クラスタの Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタを作成する方法」を参照してください。また、共有記憶域が構成されており、クラスタ内に存在する必要があります。また、既定のストレージ グループおよびデータベースを含む物理ディスク リソースは、セットアップを実行しているノードによって所有されている必要があります。
以下の手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割のメンバシップが委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
重要 : |
---|
クラスタ IP アドレスを CMS の IP アドレスとして誤って指定した場合、またはクラスタ名を CMS の名前として誤って指定した場合は、正しい IP アドレスおよび名前を使用して最初の手順の手順 1. を実行することにより、インストールを完了できます。 |
注 : |
---|
CMS の名前は 15 文字以内にする必要があります。 |
手順
Windows Server 2003 で Setup.com を使用して SCC 内のアクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールし、CMS を作成するには、次の操作を行います。
アクティブ ノードが、既定のストレージ グループおよびデータベースをホストするディスク リソースを含むディスク グループを所有していることを確認します。ディスク リソース グループの所有権を確認するには、コマンド プロンプト ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。
Cluster group
既定のストレージ グループをホストする物理ディスク リソースを含むグループが、この手順を実行しているノードによって所有されていない場合、次のコマンドを実行して、このノードを該当グループに移動する必要があります。
Cluster group "GroupName" /move:<NodeName>
アクティブ ノードが、既定のストレージ グループおよびデータベースをホストする物理ディスク リソースを所有していることを確認したら、Exchange 2007 SP1 インストール ファイルが存在するフォルダに移動し、次のコマンドを実行します。
Setup.com /m:install /roles:mailbox /newcms /cmsname:<NameofClusteredMailboxServer> /cmsipaddress:<IPAddressofClusteredMailboxServer> /cmssharedstorage /cmsdatapath:<SharedStoragePathForDatabase>
注 : セットアップの実行前に、 /cmsdatapath
に指定するパスを作成しておく必要があります。プログラム ファイルを別の場所に置く必要がある場合は、コマンドに/targetdir:
<パス> を追加して、場所を指定します。パスを指定する場合、セットアップを実行する前に、パスが共有記憶域ではなくローカル ドライブ上に作成されており、パッシブ ノードで使用するパスと一致している必要があります。注 : パッシブ クラスタ化メールボックスの役割が既にインストールされている場合は、次のコマンドを使用して、パッシブ ノードをアクティブ ノードにすることができます。 Setup.com /newcms /cmsname:<NameofClusteredMailboxServer> /cmsipaddress:<IPAddressofClusteredMailboxServer> /cmssharedstorage
正常にセットアップが完了したら、再起動を要求するメッセージが表示されます。ノードを再起動する前に、CMS を停止します。CMS を停止するには、[スタート] ボタン ([Microsoft Exchange Server 2007] プログラム グループ内の) から Exchange 管理シェルを開き、次のコマンドを実行します。
Stop-ClusteredMailboxServer <CMSName> -StopReason Setup -Confirm:$false
CMS が停止 (オフライン) したら、Exchange 管理シェルおよびコマンド プロンプト ウィンドウを閉じて、ノードを再起動します。
再起動中にクラスタ内にパッシブ ノードが存在する場合、すべてのクラスタ グループは、再起動中のノードからパッシブ ノードに移動されます。ノードの再起動後、CMS グループはアクティブ ノードに戻されますが、他のすべてのグループはパッシブ ノードに残ります。処理を進めるには、これらを手動でアクティブ ノードに戻す必要があります。新しく形成された Windows Server 2003 フェールオーバー クラスタに、少なくとも 2 つのグループが存在します。1 つは既定のクラスタ グループ、もう 1 つは、クラスタ形成中に検出された物理ディスク リソースを含む他のグループです。追加のグループは、「Group <X>」という名前になります。<X> はグループ番号です。クラスタ形成中に検出された物理ディスク リソースについて、それぞれ 1 つのグループがあります (Group 0、Group 1 など)。各グループについて、次のコマンドを実行し、物理ディスク リソースを含む各グループをパッシブ ノードからアクティブ ノードに移動します。
Cluster group "Group X" /move:<NodeName>
次に、CMS の物理ディスク リソースを既定のディスク グループから CMS グループに移動します。ディスクを追加の各グループから CMS を含むグループに移動し、各ディスク リソースおよびグループについて次のコマンドを実行して、空のグループを削除できます。
Cluster res "Disk X:" /move:CMSName Cluster group "Group X" /delete
次に、以下のコマンドを実行して、適切なディスク リソースを Microsoft Exchange データベース インスタンス リソースの依存関係項目にすることで、物理ディスク リソースの依存関係を構成します。
Cluster res "First Storage Group/Mailbox Database (CMSName)" /AddDep:"Disk X:"
ストレージ グループまたはデータベースで使用する追加のディスクごとに、このコマンドを繰り返します。
物理ディスク リソースの依存関係を適切に構成したら、CMS グループ内の各ディスク リソースについて次のコマンドを実行して、CMS が使用するディスク リソースの [グループに適用する] 設定を無効にする必要があります。
Cluster res "Disk X:" /prop RestartAction=1
ストレージ グループまたはデータベースで使用する追加のディスクごとに、このコマンドを繰り返します。
ディスク リソースの [グループに適用する] 設定を無効にしたら、アクティブ ノードの Exchange 管理シェルで次のコマンドを実行することで、Exchange 管理ツールを使用して CMS を起動します。
Start-ClusteredMailboxServer <CMSName>
Exchange 管理コンソールのクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して CMS を起動することもできます。CMS を起動する方法の詳細については、「シングル コピー クラスタでクラスタ化メールボックス サーバーを起動する方法」を参照してください。
CMS が開始し、すべてのリソースがオンラインになったら、パッシブなメールボックスの役割をフェールオーバー クラスタ内の 2 番目のノードにインストールできます (インストールされていない場合)。フェールオーバー クラスタにパッシブ メールボックスの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2003 のシングル コピー クラスタにパッシブ クラスタ化メールボックス サーバーの役割をインストールする方法」を参照してください。
Windows Server 2003 で Exchange Server 2007 SP1 セットアップ ウィザードを使用して、SCC 内のアクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールして CMS を作成するには、次の操作を行います。
アクティブ ノードが、既定のストレージ グループおよびデータベースをホストするディスク リソースを含むディスク グループを所有していることを確認します。ディスク リソース グループの所有権を確認するには、コマンド プロンプト ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。
Cluster group
既定のストレージ グループをホストする物理ディスク リソースを含むグループが、この手順を実行しているノードによって所有されていない場合、次のコマンドを実行して、このノードを該当グループに移動する必要があります。
Cluster group "GroupName" /move:<NodeName>
アクティブ ノードが、既定のストレージ グループおよびデータベースをホストする物理ディスク リソースを所有していることを確認したら、Exchange 2007 SP1 インストール ファイルが存在するフォルダに移動し、次のコマンドを実行します。
Setup.exe
注 : 必要な前提条件パッケージがインストールされている場合は、[ステップ 4: Microsoft Exchange Server 2007 SP1 のインストール] をクリックしてインストールを続行します。 [概要] ページで、情報を確認し、[次へ] をクリックします。
[使用許諾契約書] ページで、使用許諾契約書を確認します。条件に同意する場合は、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[エラー報告] ページで、情報を確認し、選択を行います。[次へ] をクリックします。
[インストールの種類] ページで、[Exchange Server のカスタム インストール] を選択します。必要に応じて、Exchange プログラム ファイルの場所を変更します。パスを指定する場合、パスが共有記憶域ではなくローカル ドライブ上に作成されており、すべてのパッシブ ノードで使用するインストール パスと一致している必要があります。[次へ] をクリックします。
[サーバーの役割の選択] ページで、[アクティブ クラスタ化メールボックスの役割] を選択します。これにより、[管理ツール] の役割が自動的に選択され、その他の役割は利用できなくなります。必要に応じて、Exchange プログラム ファイルの場所を変更します。パスを指定する場合、パスが共有記憶域ではなくローカル ドライブ上に作成されており、すべてのパッシブ ノードで使用するインストール パスと一致している必要があります。[次へ] をクリックします。
[クラスタの設定] ページで、[シングル コピー クラスタ] を選択し、"クラスタ化メールボックス サーバーの名前" フィールドに CMS 名を入力します。
[参照] をクリックして、CMS データベース ファイルの場所を共有記憶域上の場所に変更し、CMS を含むグループ内の物理ディスク リソースにより提示されているドライブ上の場所を選択します。CMS データベース ファイルのパスを共有記憶域パスに変更したら、[次へ] をクリックします。
注 : 使用する共有記憶域パスは、ボリュームのルート ディレクトリにしないでください。 [クラスタ IP アドレスの構成] ページで、静的インターネット プロトコル Version 4 (IPv4) アドレスを入力し、[次へ] をクリックします。
[インストールの前提条件の確認] ページには、確認が行われるたびに状態が表示されます。確認が正常に完了したら、[インストール] をクリックします。エラーが発生して確認に失敗した場合は、特定された問題を修正する必要があります。その後でインストールを再開できます。
[進行状況] ページに、実行される手順が表示されます。各手順の処理の進行状況が表示されます。また、それぞれの手順が完了すると、完了の状態が表示されます。すべての手順が正常に完了したら、[Exchange 管理コンソールを使用してインストールを終了する] チェック ボックスをオフにして、[完了] をクリックします。
正常にセットアップが完了したら、再起動を要求するメッセージが表示されます。[OK] をクリックします。
インストールと構成が完了すると、セットアップの最初のページが表示されます。ここで Exchange の更新プログラムをダウンロードし、セットアップを終了します。必要に応じて、[ステップ 5: Microsoft Exchange 用の重要な更新プログラムの入手] をクリックして、利用可能な更新プログラムをダウンロードします。更新プログラム、および再起動が必要な更新プログラムをインストールした場合、ノードを再起動しないでください。代わりに、この手順を続行します。
ノードを再起動する前に、CMS を停止します。CMS を停止するには、[スタート] ボタン ([Microsoft Exchange Server 2007] プログラム グループ内の) から Exchange 管理シェルを開き、次のコマンドを実行します。
Stop-ClusteredMailboxServer <CMSName> -StopReason Setup -Confirm:$false
CMS が停止 (オフライン) したら、Exchange 管理シェルおよびコマンド プロンプト ウィンドウを閉じて、ノードを再起動します。
再起動中にクラスタ内にパッシブ ノードが存在する場合、すべてのクラスタ グループは、再起動中のノードからパッシブ ノードに移動されます。ノードの再起動後、CMS グループはアクティブ ノードに戻されますが、他のすべてのグループはパッシブ ノードに残ります。処理を進めるには、これらを手動でアクティブ ノードに戻す必要があります。新しく形成された Windows Server 2003 フェールオーバー クラスタに、少なくとも 2 つのグループが存在します。1 つのグループは既定のクラスタ グループ、もう 1 つのグループは、クラスタ形成中に検出された物理ディスク リソースを含む他のグループです。追加のグループは、「Group <X>」という名前になります。<X> はグループ番号です。クラスタ形成中に検出された物理ディスク リソースについて、それぞれ 1 つのグループがあります (Group 0、Group 1 など)。各グループについて、次のコマンドを実行し、物理ディスク リソースを含む各グループをパッシブ ノードからアクティブ ノードに移動します。
Cluster group "Group X" /move:<NodeName>
次に、CMS の物理ディスク リソースを既定のディスク グループから CMS グループに移動します。ディスクを追加の各グループから CMS を含むグループに移動し、各ディスク リソースおよびグループについて次のコマンドを実行して、空のグループを削除できます。
Cluster res "Disk X:" /move:CMSName Cluster group "Group X" /delete
次に、以下のコマンドを実行して、適切なディスク リソースを Microsoft Exchange データベース インスタンス リソースの依存関係項目にすることで、物理ディスク リソースの依存関係を構成します。
Cluster res "First Storage Group/Mailbox Database (CMSName)" /AddDep:"Disk X:"
ストレージ グループまたはデータベースで使用する追加のディスクごとに、このコマンドを繰り返します。
物理ディスク リソースの依存関係を適切に構成したら、CMS グループ内の各ディスク リソースについて次のコマンドを実行して、CMS が使用するディスク リソースの [グループに適用する] 設定を無効にする必要があります。
Cluster res "Disk X:" /prop RestartAction=1
ストレージ グループまたはデータベースで使用する追加のディスクごとに、このコマンドを繰り返します。
ディスク リソースの [グループに適用する] 設定を無効にしたら、アクティブ ノードの Exchange 管理シェルで次のコマンドを実行することで、Exchange 管理ツールを使用して CMS を起動します。
Start-ClusteredMailboxServer <CMSName>
Exchange 管理コンソールのクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して CMS を起動することもできます。CMS を起動する方法の詳細については、「シングル コピー クラスタでクラスタ化メールボックス サーバーを起動する方法」を参照してください。
CMS が開始し、すべてのリソースがオンラインになったら、パッシブなメールボックスの役割をフェールオーバー クラスタ内の 2 番目のノードにインストールできます (インストールされていない場合)。フェールオーバー クラスタにパッシブ メールボックスの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2003 のシングル コピー クラスタにパッシブ クラスタ化メールボックス サーバーの役割をインストールする方法」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。