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2007 Office system をカスタマイズしたリボンと共に展開する

更新日: 2008年1月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2008-11-18

この記事の内容 :

  • リボンのカスタマイズについて

  • リボンのカスタマイズの方法

  • Office オープン XML によるリボンのカスタマイズ

  • XML マークアップによるサンプル Word タブの作成

  • カスタム ソリューションの展開

2007 Microsoft Office system の新しいユーザー インターフェイスである Microsoft Office Fluent ユーザー インターフェイス (UI) は、ユーザーが Office で作業を実行するための簡単で見つけやすい方法を提供できるように設計されています。Office Fluent UI にはリボンが含まれています。リボンは、2007 Office system のアプリケーションの上部にある一連のタブ上に、論理的にコマンドをグループ化したストリップです。リボンは、以前のバージョンの Office のメニューおよびツール バーの代わりとなるものです。

XML およびプログラミング コードを使用して、組織で使用するリボンをカスタマイズできます。この記事では、リボンのカスタマイズの詳細な説明とユーザーに対してカスタマイズしたリボンの展開手順の説明が記載されているリソースへのリンクを示します。Microsoft Office Access 2007 および Microsoft Office Outlook 2007 のカスタマイズと、Microsoft Office Word 2007、Microsoft Office Excel 2007、および Microsoft Office PowerPoint 2007 のカスタマイズは多少異なることに注意してください。

リボンのカスタマイズについて

リボンのカスタマイズでは、ユーザーまたは組織の固有の必要性に応じて、XML を使用して UI を変更できます。特定の一般的なコマンドのタブを追加または非表示にしたり、カスタム タブを作成したりできます。また、リボンのコマンドを再配置して、独自の機能に適合させることもできます。

リボンのカスタマイズの方法

リボンは、以下のいずれかの方法を使用してカスタマイズできます。

  • COM アドイン   Microsoft Visual Studio で COM アドイン プロジェクトを作成する。

  • Microsoft Office アドイン   Microsoft Visual Studio Tools for Office Second Edition (VSTO 2005 SE) で Microsoft Office アドイン プロジェクトを作成する。

  • テンプレート ファイル   Office Word 2007 用の .dotx ファイルなど、2007 Office system アプリケーション ドキュメントのテンプレート ファイルを作成する。

リボンをカスタマイズする方法は、カスタマイズを行うユーザーの経験に基づいています。XML マークアップの操作は、メモ帳で簡単に行うことができ、従来のコーディングよりも大幅に簡単です。別の方法として、VSTO 2005 SE を起動し、最小限のコードで、組み込みテンプレートを使用して、いくつかの手順でリボンのカスタマイズされたプロジェクトを作成できます。VSTO 2005 SE は 2007 Office system アドインを対象としていますが、Office 2003 アドインも作成できます。

Office オープン XML によるリボンのカスタマイズ

Office オープン XML を使用してリボンをカスタマイズするには、少なくとも以下の 3 つのコンポーネントが必要です。

  • customUI、_rels、_docProps、および application フォルダ構造

  • customUI.xml ファイル

  • .rels ファイル

[!メモ] Office オープン XML 形式は, .zip ファイル名拡張子を持つ圧縮ファイルです。

customUI フォルダには、実行されるカスタマイズが記述されている customIU.xml ファイルが格納されます。_rels フォルダには、フォルダとパッケージとの間に定義されている関係を識別する .rels ファイルが格納されます。_docProps フォルダにより、ドキュメントの要素およびプロパティが指定されます。application フォルダにより、カスタマイズ対象のアプリケーションが指定されます。

XML マークアップによるサンプル Word タブの作成

XML マークアップを使用して Word タブを作成するには、次の手順を実行します。

サンプル Word タブを作成する

  1. Office Word 2007 を開き、New Tab.docx という名前で白紙の文書を保存します。

  2. New Tab.docx の名前を New Tab.docx.zip に変更します。これにより、コンポーネントの 1 つとして必要なフォルダ構造が作成されます。

  3. New Tab.docx.zip を開き、メモ帳を使用して、customUI フォルダ内の customUI.xml ファイルを変更します。以下に例を示します。

    <customUI xmlns="https://schemas.microsoft.com/office/2006/01/customui"> <ribbon>

    **  <tabs>**

    **    <tab id="customTab" label="New Tab">**

    **      <group id="customGroup" label="Test Sample">**

    **        <button idMso="PasteSpecialDialog" visible="true" size="small" label="Choose a Paste Option" />**

    **        <button idMso="FileSave" visible="true" size="small" />**

    **      </group>**

    **    </tab>**

    **  </tabs>**

    </ribbon>

    </customUI>

  4. _rels フォルダにある .rels ファイルに関係を追加します。

  5. *.zip フォルダの外に .rels ファイルをコピーして、次のように変更します。

    <Relationship Type="https://schemas.microsoft.com/office/2006/relationships/ui/extensibility" Target="/customUI/customUI.xml" Id="rId#" />

    Id には、使用されていない番号を割り当てます。

  6. ファイルを保存し、元の *.zip フォルダにコピーして、既存の .rels ファイルを上書きします。

  7. *.zip ファイルの名前を *.docx に戻して、このファイルを開き、新しい Word タブを確認します。

Office オープン XML の編集に役立つ、ダウンロードできるコントロール ID の一覧については、「2007 Office system Document: Lists of Control IDs (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=107549\&clcid=0x411) を参照してください。

Office オープン XML によるリボンのカスタマイズについての Web キャストを見るには、「Microsoft Office system Webcast: Advanced Tips and Tricks: Customizing the Ribbon Using Office Open XML (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=107551\&clcid=0x411) を参照してください。

カスタム ソリューションの展開

ユーザーに対してカスタマイズされた UI を提供するために使用する展開方法は、COM アドイン、Microsoft Office アドイン、またはテンプレート ファイルのいずれのカスタマイズ方法を選択したかによって異なります。

[!メモ] COM アドインを使用してリボンをカスタマイズした場合、または Microsoft Office アドインを作成してリボンをカスタマイズした場合は、アプリケーションをユーザーのコンピュータに配布して、新しいリボンが Office アプリケーションに表示されるようにする必要があります。新しい VSTO Clickonce インストーラでは、必要な前提条件が自動的に確認されてインストールされ、環境が設定されるため、展開が大幅に容易になっています。

COM アドインを使用して作成されたリボンを展開する方法については、「アプリケーション レベルのアドインの配置」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=107557\&clcid=0x411) を参照してください。

Microsoft Office アドインを使用して作成されたリボンを展開する方法については、「Visual Studio Tools for Office」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=107558\&clcid=0x411) を参照してください。

VSTO 2005 SE を使用してリボンを展開する方法の詳細については、「方法 : Office ソリューションを配置する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=107559\&clcid=0x411) を参照してください。

特定のドキュメント用にカスタマイズされたリボンを提供するテンプレート ファイルをユーザーに配布するには、Office カスタマイズ ツール (OCT) も使用できます。OCT を使用してファイルを配布する方法については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」の「ファイルの追加」を参照してください。