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グローバルな情報アーキテクチャとガバナンスを設計する

この記事の内容 :

  • グローバルな人員の要件を特定する

  • 地理的に複数の場所にわたってグループ作業を計画する

  • 公開コンテンツを計画する

  • ビジネス インテリジェンス サイトおよびその他のアプリケーション サイトを計画する

  • 設計サンプル : 地理的に複数の場所にわたって知識を管理する

多くの組織では、世界各地で作業する従業員やその他の関係者をサポートするために、Microsoft Office SharePoint Server 2007 を使用します。この記事では、Office SharePoint Server 2007 によって提供されるサイトおよびサービスの種類と、グローバルな人員がこれらのサイトとサービスの展開にどのような影響を及ぼすかについて説明します。この記事は、組織に適したグローバル ソリューションを明らかにするのに役立ちます。これらのソリューションの詳細については、「Office SharePoint Server でサポートされるグローバル ソリューション」を参照してください。

この記事では、複数のサーバー ファームが展開されている環境で、情報とドキュメントを管理するための設計サンプルも示します。この設計サンプルからは、複数のファームにわたり情報が作成される環境において、組織がコンテンツを管理する方法に関するアイデアを得ることができます。「Global Knowledge Management with Microsoft Office SharePoint Server (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=110983&clcid=0x411) のポスターサイズのモデルは、設計サンプルの概要を示しています。このモデルは Microsoft Office Visio で作成されました。Visio がインストールされていない場合は、「Visio Viewer 2003」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73526&clcid=0x411) からビューアを無料でダウンロードできます。このファイルの印刷には、プロッタが最適です。

グローバルな人員の要件を特定する

Office SharePoint Server 2007 によって提供されるサイトとサービスは、大きく 3 つのカテゴリに分けられます。

  • **グループ作業サイト   **グループ作業サイトにはチーム サイトと個人用サイトがあり、従業員やチームがグループ作業およびデータの保存を行うために使用します。グループ作業としては、リストおよびライブラリの作成と管理、ドキュメントの作成と編集、サイトおよびライブラリの管理が挙げられます。さらに、個人またはチームのドキュメントを保存する場合に、ファイル共有への配置やローカル コンピュータでの保存に代わる手段として、このグループ作業サイトを利用できます。チーム サイトおよび個人用サイトを保存場所として使用することにより、別の方法で情報を一律にバックアップおよび管理できるようになります。

  • 公開コンテンツ サイト   発行された、主に読み取り専用のコンテンツ (企業ポリシーに関するコンテンツなど) をホストするために使用されます。発行されるコンテンツは、通常、少数のユーザーによって作成され、その後で多数のユーザーに対して公開されます。

  • ビジネス インテリジェンス サイトおよびその他のアプリケーション サイト   ビジネス インテリジェンス アプリケーションなどのアプリケーションをホストするために使用されます。これらのサイトは、サーバー ファームで実行されているサービスに依存します。また、多くの場合、バックエンド データ システムに格納されているコンテンツに依存します。これらの種類のサイトを組織全体で複製する作業は複雑になる場合があります。

これらのサイトとサービスのどれが組織にとって重要なのかを特定しておくと、サポートされているソリューションのどれが組織に最適なのかを特定する際に役立ちます。また、特定したサイトとサービスの種類に応じて、全体的な情報アーキテクチャや組織全体におけるコンテンツ管理の計画が変わってきます。

地理的に複数の場所にわたるグループ作業を計画する

サポートされているソリューションの中から組織に最適なソリューションを選ぶ際には、グローバルな作業者や関係者にとってグループ作業サイトがどの程度重要なのかを検討することが最も大切です。Office SharePoint Server 2007 でのグループ作業には、ワイド エリア ネットワーク (WAN) リンクの影響を受ける、次の操作が伴います。

  • ドキュメントを開く操作や、ドキュメントをアップロードおよびダウンロードする操作。

  • リスト、ライブラリ、およびサイト内のデータを参照、追加、変更する操作。

グループ作業サイトがグローバルな作業者にとって重要な場合には、これらのサイトを中央でホストできるかどうか、または追加のサーバー ファームを地域に展開する計画を立てる必要があるかどうかを判断する際に、計画に関する以下の考慮事項について検討します。

  • グローバルな作業者とセントラル サイトとの間の WAN リンクを評価します。業務時間中の使用可能な帯域幅の平均値と、WAN リンクの平均待機時間を測定します。待機時間とは、データが WAN リンクの一方の端からもう一方の端に到達するまでに要する時間のことであり、通常はミリ秒で測定されます。必要に応じて、ご利用のネットワーク プロバイダに問い合わせてください。

  • 帯域幅要件を計画する」に記載されている帯域幅のデータを使用して、グローバルな作業者が、組織で最も一般的な種類のグループ作業を完了するまでに要する時間を予測します。組織で処理されるファイル サイズの範囲について考慮してください。

  • 既にセントラル サイトを展開している場合は、既存の WAN リンクを使用して、作業者が実行する操作についてテストします。

  • 計算や実際のテスト結果に基づいて、中央のソリューションにより、グローバルな作業者によるグループ作業が十分サポートされるかどうかを判断します。以下の要素について考慮してください。

    • グローバルな作業者がグループ作業に参加する頻度。作業者がグループ作業サイトをあまり使用しない場合は、WAN のパフォーマンスが低くてもかまわないことがあります。ただし、操作が完了するまで作業者が待機しなければならない場面が頻繁に発生し、職務を迅速に果たせなくなるような場合は、WAN リンクを最適化するか、サーバー ファームをこれらの作業者に近い場所に展開することを検討してください。

    • WAN 上のグループ作業サイトのパフォーマンスと、その他の利用可能なテクノロジ オプションとの比較。グローバルな作業者向けのテクノロジが実際に活用されるようにするには、効果的なガバナンス計画が有用です。ただし、明らかにより便利な方法であるという理由で、ドキュメントの共有に電子メールが使用されたり、ドキュメントの保存先にローカル コンピュータが選択されたりする状況では、ソリューションやガバナンス計画が期待どおりに採用されない可能性があります。

    • ビジネス コストの内容。グローバルな作業者が、操作が完了するまで毎回待機しなければならないような場合、ビジネスの効率が優れているとは言えません。追加のサーバー ファームを地域に展開することを決定する前に、この効率の悪さによって生じるコストと、追加のサーバー ファームの展開に必要なコストを比較してください。考慮すべき要素として、影響を受ける作業者の数や、効率の悪さが組織にもたらすコストが挙げられます。影響を受ける作業者が少数であり、影響のある作業がビジネスに重要ではない場合、組織は WAN パフォーマンスが低くても許容できることがあります。

WAN リンクで中央のソリューションをサポートできないと判断した場合は、地域ファームの展開を決定する前に、WAN 環境の全体的なソリューションを最適化することを検討してください。詳細については、「WAN 環境用に Office SharePoint Server を最適化する」を参照してください。

追加のサーバー ファームを展開する場合は、展開する場所と、チーム サイトおよび個人用サイトの割り当て方法を調整することが重要です。まず、各サーバー ファームで個人用サイトを提供していることを確認します。個人用サイトを作成するグローバルな作業者を、その作業場所に最も近いサーバー ファームに割り当てます。これによって、作業者は最高のパフォーマンスを得ることができ、グローバルな作業者による Office SharePoint Server 2007 でのプロジェクトの作成と保存が促進されます。組織全体で複数の個人用サイト アプリケーションを管理し、作業者によって個人用サイトが適切な場所に作成されるようにする方法については、「個人用サイト アーキテクチャを設計する」の記事の「組織全体で個人用サイトを調整する」を参照してください。

グローバルな作業者の個人用サイトをホストするために、最も近くにあるサーバー ファームを特定することは簡単です。ただし、特定のプロジェクトのチーム サイトをホストする場所は、このように簡単に特定できません。グローバルな作業者は、近い場所に位置するチームと作業することも、地理的に離れたチームと作業することもあります。チームが狭い範囲内で作業している場合は、そのチームに最も近いサーバー ファームのチーム サイトを使用してください。チーム メンバが世界各地に分散している場合は、プロジェクトのグループ作業が最も頻繁に行われる場所に一番近いサーバー ファームのチーム サイトを使用してください。

ほとんどの場合、グローバルな作業者はさまざまなプロジェクトに関与し、多くの異なるチーム サイトのコンテンツを使用します。個人用サイトをグローバルな作業者に最も近いファームにホストし、各地のチーム サイトを利用できるようにすることで、グローバルな作業者は、低速なリンクの影響を始終受けずに済みます。WAN リンクへの対応が十分でないグローバル チームをサポートする場合は、Microsoft Office Groove 2007 の使用を検討してください。詳細については、「Office Outlook 2007 および Office Groove ソフトウェアを使用して Office SharePoint Server グローバル ソリューションを拡張する」を参照してください。

グループ作業サイトを含む複数のサーバー ファームを展開する場合は、情報アーキテクチャと、これらのサイトで作成されるコンテンツを適切に管理するためのナレッジ マネジメント計画を設計することが重要です。詳細については、後の「設計サンプル : 地理的に複数の場所にわたって知識を管理する」を参照してください。

公開コンテンツを計画する

発行されるコンテンツは、通常、組織内の少数のユーザーによって作成され、その後で多数のユーザーがアクセスできるように発行されます。通常、このコンテンツは読み取り専用で発行されますが、ブログや wiki を使用してコンテンツを発行した場合、ユーザーはコンテンツの追加や変更を行うことができます。

使用可能な帯域幅と WAN リンクの平均待機時間を測定し、「帯域幅要件を計画する」に記載されている帯域幅のデータを使用して、グローバルな作業者が公開コンテンツを表示するまでに要する時間を予測してください。既にセントラル サイトを展開している場合は、既存の WAN リンクを使用して、公開コンテンツの表示に要する時間を測定します。

グローバルな作業者が主にアクセスする必要があるのは公開コンテンツで、必ずしもグループ作業コンテンツにアクセスする必要がない場合は、中央のソリューションを最適化して WAN リンク全体にわたり機能させる方法がいくつかあります。これらの方法は、いくつでも自由に組み合わせることができます。一部の例を次の一覧に示します。

  • WAN 接続の一方の端または両端で WAN アクセラレータを実装する。

  • プロキシ サーバーでキャッシュを使用するか、地域サイトでファイアウォール製品を使用する。

  • サーバー ファームでバイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) キャッシュとインターネット インフォメーション サービス (IIS) 圧縮を最適化する。

  • ページの表示を高速化するために、ページを最適化する。

  • クライアント コンピュータでブラウザ キャッシュを最適化する。

詳細については、以下のリソースを参照してください。

グループ作業サイトをサポートする 1 つ以上の地域ファームを展開することをまだ決定していない場合、次の状況があてはまるときは、公開コンテンツをサポートする追加のサーバー ファームを展開することができます。

  • 職務を果たすために、グローバルな作業者が公開コンテンツに効率よくアクセスできる必要がある場合。たとえば、テクニカル サポートのエンジニアが、顧客の抱える問題のトラブルシューティングを行ったり、これを解決したりするために、公開コンテンツにすばやくアクセスできる必要がある場合などです。

  • WAN リンクのパフォーマンスが不安定で、ページ表示の要求がタイムアウトする場合。

公開コンテンツをホストする複数のサーバー ファームを展開する場合は、そのコンテンツを複製する方法がいくつかあります。詳細については、後の「同期化」を参照してください。

ビジネス インテリジェンス サイトおよびその他のアプリケーション サイトを計画する

ビジネス インテリジェンス アプリケーションでは、基幹業務データへのアクセスが重要になります。ビジネス インテリジェンス アプリケーションは、さまざまなバックエンド データ システム (人事データベース、カスタマ リレーションシップ マネジメント データベース、Siebel など) へのアクセスが集中的に行われるポイントとなる場合があります。

通常、基幹業務データは企業の中心的な場所でホストされますが、基幹業務アプリケーションは地域サイトでもホストできます。

複数のサーバー ファームが存在する環境では、ビジネス インテリジェンス アプリケーションは、データ ソースに最も近いファームでホストしてください。

設計サンプル : 地理的に複数の場所にわたって知識を管理する

グループ作業サイトを含む複数のサーバー ファームを展開する場合は、情報アーキテクチャと、これらのサイトで作成されるコンテンツを適切に管理するためのコンテンツ管理計画を設計することが重要です。次の 3 つのセクションでは、アーキテクチャとガバナンス計画について説明します。ガバナンス計画は、多くの組織がコンテンツを管理する際に行う、次の操作にかかわるものです。

  • **作成   **コンテンツは、個別のユーザーまたはチームによって、その所在地で作成されます。

  • 発行   組織全体で共有できる状態になったコンテンツは、中心的な場所に発行されます

  • **同期化   **中心的な場所にある公開コンテンツは、効率的にアクセスできるように、必要に応じて組織全体で同期化されます。

この設計サンプルは、2 つの主な特徴を備えています。

  • ファーム間でパラレル コンテンツ リポジトリが作成されます。

  • ファーム間でコンテンツを調整するためのガバナンス計画が実装されます。

ガバナンス計画では、コンテンツが共有可能な状態にあるかどうかを、ユーザーが判断する必要があります。現時点で、この設計サンプルの推奨事項は、組織全体におけるドキュメントの作成と共有に適用されます。これらの推奨事項は、その他の種類のコンテンツ (リストやサイト) の共有には適用されません。

コンテンツ アーキテクチャを設計する

コンテンツの作成を開始する前に、次の方法で環境全体の情報アーキテクチャとガバナンスを最適化してください。

  • サーバー ファームごとに、グループ作業、発行済みプロジェクト、および会社の情報用のパラレル サイトを作成します。

  • サーバー ファームの所在地ごとに、チーム サイトをホストします。

  • 適切なサービス レベル アグリーメント (SLA) を持つすべてのファームのグループ作業サイトをアクティブに管理し、その所在地でのコンテンツの作成をサポートします。たとえば、グループ作業コンテンツを、公開コンテンツよりも頻繁にバックアップするようにします。地域ファームでは、セントラル サイトから発行されたコンテンツに対しては、グループ作業コンテンツと同じレベルの管理を行う必要ありません。

次の図は、中央サーバー ファームと 2 つの地域サーバー ファームを示しています。

コンテンツ作成ソリューション

この図では、以下のようになっています。

  • サイト アーキテクチャは環境全体でミラー化されています。各サーバー ファームには、チーム サイト、発行済みプロジェクト用のサイト、会社の情報用のサイトがホストされています。

  • コンテンツは、チームの位置に最も近いサーバー ファームで作成されます。

コンテンツ アーキテクチャを設計する際に、ファーム間でのコンテンツの複製は、さまざまな方法で行えることを考慮する必要があります。オプションを最大限に活用し、複製されたコンテンツの管理を簡素化するには、次の推奨事項に従ってください。

  • コンテンツを個別のサイト コレクションに分割します。たとえば、先の図の場合は、発行済みプロジェクトを単一のサイト コレクションにホストすることをお勧めします。

  • 複製するコンテンツの単位に基づいて、コンテンツを専用のデータベースに格納します。たとえば、先の図の場合は、専用のデータベースの発行済みプロジェクト用サイト コレクションに、すべてのコンテンツを格納することをお勧めします。

作成

コンテンツの作成が始まると、チームはチーム サイト内でドキュメントを作成します。次の方法に従って、グループ作業がチームの近くで行われるようにしてください。

  • ワークグループに最も近いファームにプロジェクト サイトを作成する。

  • Office Groove 2007 を使用して、待機時間が長いために WAN リンクを使用できないチーム メンバをサポートする。

チーム サイト内の情報アーキテクチャは、組織のニーズに合わせて高度に構造化することも、緩やかに構造化することもできます。通常、チーム サイトで作成されるコンテンツのうち、組織全体で共有されるコンテンツの割合はごくわずかです。チーム サイト内の情報アーキテクチャは、組織にとって重要な種類のグループ作業を促進できる程度にオープンでなければなりませんが、コンテンツのガバナンスを維持できる程度に構造化されている必要もあります。

チーム サイト内のコンテンツは、地域ファームにおいて新しい知的財産の研究開発活動を表すものになるため、その管理は非常に重要です。したがって、チーム サイトのバックアップと復旧の計画は、最優先事項として取り組む必要があります。

発行

コンテンツが組織全体で共有できる状態になったら、コンテンツを中央ファームに発行するようにチーム メンバを促してください。このシナリオにおいて、発行の定義とは、ドキュメントをいずれかのファームのチーム サイトから、中央ファームの発行済みプロジェクト用サイト コレクションまたはその他の指定したサイト コレクションにコピーすることです。

次の図では、チーム サイトで作成されたプロジェクトは、セントラル サイトの発行済みプロジェクト用サイト コレクションまたは会社の情報用のサイト コレクションに発行されています。

コンテンツ発行ソリューション

ドキュメントはいくつかの方法で発行できます。

  • ユーザーは、ライブラリのドキュメントの横にある下矢印をクリックし、[送信] を選択して [その他の場所] をクリックすることで、送信機能を使用できます。この方法を使用する場合は、ユーザーがコンテンツの発行先の URL を把握している必要があります。

  • 発行用のアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) を使用して、地域ファームの作成サイト コレクションから、中央ファームの中心的な場所にコンテンツをコピーするワークフローを作成できます。ドキュメントのオプション メニューに、送信機能に似た、"中央ファームに発行" というコマンドや、その他の一意のコマンドを追加できます。この方法を使用する場合は、カスタム コードをサイトに追加しなければならなくなります。ただし、カスタマイズを行うと、ユーザー操作の効率と正確さを大幅に向上させることができます。たとえば、ユーザーが発行場所を選べるメニューを追加できます。また、選択した場所に同じ名前のファイルが存在する場合にユーザーに警告するオプションや、そのようなドキュメントの上書きを許可するオプションを追加することもできます。

発行済みプロジェクト用のサイト コレクションや、会社の情報用のサイト コレクションの作成に加えて、これらのサイト コレクション内にドキュメント ライブラリを作成し、より詳細なコンテンツ カテゴリを追加することもできます。

次の図にある中央ファームの発行済みプロジェクト用サイト コレクションには、各カテゴリのコンテンツ用のドキュメント ライブラリが含まれています。

グローバルな情報アーキテクチャ - サーバー ファーム

これらのドキュメント ライブラリには、対象ユーザーのアクセス許可を割り当てることができます。たとえば、Sales Tools フォルダには、販売チームのすべてのメンバの読み取り権限を設定できます。Sales Tools などの特定のフォルダに発行されたドキュメントは、そのフォルダのアクセス許可を継承します。これにより、コンテンツのカテゴリおよび対象ユーザーに基づいて、組織全体でアクセス許可を管理することができます。

最後に、発行済みプロジェクト用サイト コレクションには組織で開発される知的財産が集約されるため、適切なバックアップと復旧の手順を使用して、セントラル サイトの発行済みプロジェクト用サイト コレクションをアクティブに管理します。

同期化

理論上、中央リポジトリに発行されたコンテンツは、アクセス許可に基づいて組織全体で利用できます。ただし、WAN リンクを分析すると、中央リポジトリにある公開コンテンツへのアクセスが非効率的であることや、実用的ではないことが明らかになることがあります (前の「公開コンテンツを計画する」を参照してください)。

分析結果に基づいて、公開コンテンツのコピーを地域ファームに作成し、グローバルな作業者が公開コンテンツにアクセスしやすくすることもできます。このシナリオにおける同期化の定義とは、ドキュメントの読み取り専用バージョンを、中央リポジトリから地域ファームにコピーすることです。

次の図では、セントラル サイトに発行されたコンテンツが各地域ファームに複製されています。コンテンツへのアクセスは、複製される場所に関係なく、割り当てられているアクセス許可によって制御されます。

コンテンツ同期ソリューション

コンテンツは、いくつかの方法で地域ファームに同期化することができます。

  • データベース コピーを復元または追加する。

  • パートナー ソリューションを使用して、コンテンツを WAN 上でコピーまたは複製する。詳細については、「WAN 環境用に Office SharePoint Server を最適化する」の「データ レプリケーション、マルチマスタ同期、および構成管理」を参照してください。

注意

WAN 環境における Office SharePoint Server 2007 の発行機能のテストは、まだ製品チームによって行われていません。

同期化されたコンテンツは、セントラル サイトに格納されているコンテンツのレプリカです。このため、セントラル サイトの発行済みプロジェクトをアクティブに管理することにより、このコンテンツを各地域サイトでアクティブに管理しなくて済みます。その代わりに、地域サイトでは、グループ作業サイトをアクティブに管理することを優先してください。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

Office SharePoint Server でサポートされるグローバル ソリューション
グローバル エンタープライズ検索を計画する
帯域幅要件を計画する
WAN 環境用に Office SharePoint Server を最適化する
WAN 用にカスタム Web パーツを最適化する