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グローバル エンタープライズ検索を計画する

この記事の内容 :

  • 推奨する検索アーキテクチャ

  • 集中型検索

  • コンテンツの同期化を伴う地域 SSP

  • 集中型検索 + 分散型検索

  • 分散型検索

  • フェデレーション検索

推奨する検索アーキテクチャ

Microsoft Office SharePoint Server 2007 を実行する複数のサーバー ファームを地理的に離れた場所に展開する予定の場合は、ワイド エリア ネットワーク (WAN) 環境で有用な多様な検索アーキテクチャがあります。この記事では、これらのアーキテクチャについて説明します。次のアドレスにあるポスター サイズのモデルで、サポートされているグローバル ソリューションの概要と、推奨する検索アーキテクチャを確認できます (「Deploying Microsoft Office SharePoint Server Geographically (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=110982&clcid=0x411)。このモデルは Microsoft Office Visio で作成されています。Visio がインストールされていない場合は、「Visio Viewer 2003」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73526&clcid=0x411) からビューアを無料でダウンロードできます。このファイルの印刷には、プロッタが最適です。

注意

このポスターは、フェデレーション検索アーキテクチャの情報によってまだ更新されていません。

検索アーキテクチャを計画するときは、組織の優先順位に応じて以下の要件の間でバランスを取ります。

  • コンテンツを検索するための検索クエリの使用によるユーザー エクスペリエンス。ユーザー エクスペリエンスには以下が含まれます。

    • クエリ要求の発行と検索結果の受信に関連するパフォーマンス問題。

    • 返される結果の関連性と完全性。

  • WAN を介したコンテンツのクロールに関連するパフォーマンス問題。

  • グローバル検索環境を管理するためのコスト。

WAN 環境での検索アーキテクチャのオプションについての理解を深めると、サポートされているグローバル ソリューションの中で各自の組織に最も適したソリューションはどれかを判断することが容易になります。これらのソリューションの詳細については、「Office SharePoint Server でサポートされるグローバル ソリューション」を参照してください。

この記事では、WAN を介した検索クエリの発行または WAN を介したコンテンツのクロール実行時のパフォーマンス特性については説明しません。ただし、各自の WAN 環境でこの種の操作がどの程度サポートされるかを知っておくことは、グローバル環境を計画するときに重要な意味があります。WAN を介した Office SharePoint Server 2007 の動作の詳細については、「帯域幅要件を計画する」を参照してください。

集中型検索

集中型検索アーキテクチャでは、中央ファームがすべての地域ファームのコンテンツをクロールします。地域ユーザーの検索クエリは、中央ファームに送信されます。

集中型検索アーキテクチャは、次の図のようになります。

集中型アーキテクチャ - グローバル検索展開

WAN リンクが地域サイトでのコンテンツのクロールをサポートしている場合は、このアーキテクチャをお勧めします。理由は、以下のような特性を持つユーザーに対して、統一された検索エクスペリエンスが提供されるからです。

  • ユーザーは、常に中央ファームにアクセスして検索を行う。

  • 検索結果の中で、検索の関連性が保持される。

  • ユーザーは、表示する権限があるすべてのコンテンツを組織全体から検索できる。

ただし、このアーキテクチャには、ファームの場所に基づいてコンテンツの検索スコープが作成されない限り、ローカル コンテンツに優先順位を付けたり、それらを区別したりできないという欠点があります。つまり、地域サイトのユーザーがその地域サイトに保存されているドキュメントを検索する場合、ドキュメントがどこに保存されているかを検索結果から簡単に判断する方法はありません。

WAN リンクのパフォーマンスが低い場合、このアーキテクチャにはさまざまなリスクが発生する可能性があります。コンテンツのクロールによって WAN リンクが過負荷になり、ユーザーの要求に十分対応できない可能性があります。変更される頻度が高い大量のデータがある場合、インデックス ジョブが変更に対応できないことがあります。ただし、Office SharePoint Server 2007 を最適化して、WAN を介したコンテンツのクロールを最適化できます。最適化によって、インデックス プロセスの実行時間を短縮し、使用されるネットワーク トラフィックを削減できます。詳細については、「WAN 環境用に Office SharePoint Server を最適化する」の「コンテンツのクロールの最適化」を参照してください。

さらに、WAN リンクは、コンテンツをリモートでクロールできるかどうかに影響します (つまり、最終的に集中型検索アーキテクチャの使用が可能かどうかを決定します) が、低速の WAN リンクは、地域ユーザーにとっての検索の有用性にも影響することがあります。WAN リンクの速度が遅いと、ユーザーはクエリを発行する気を失う可能性があります。パフォーマンスを低下させる可能性があるコンテンツのクロールやその他の処理をオフピーク時に実行するようにスケジューリングすることで、就業時間中の WAN のパフォーマンスを最適化できます。ただし、最適化を行う場合でも、既存の WAN リンクが地域ユーザーのニーズに十分に対応できるかどうかを判断する必要があります。

多くの場合、集中型検索アーキテクチャを使用すると、地域ユーザーにサービスを提供するように Office SharePoint Server 2007 をスケーリングできます。

次の表に、集中型検索アーキテクチャの長所と短所を示します。

長所 短所

検索の関連性が保持されます。

共有サービス プロバイダ (SSP) の管理が一元化されます。

WAN を介したコンテンツのクロールで帯域幅が使用されます。

変更の頻度が高い大量のデータがある環境では、インデックスを最新に保つ作業は複雑になります。

クエリのパフォーマンスは WAN リンクのパフォーマンスの影響を受けます。

コンテンツの同期化を伴う地域 SSP

WAN リンクが集中型検索アーキテクチャをサポートしないときに、検索をサービスとして地域サイトに提供する場合は、SSP を地域サイトごとにホストできます。

地域サイトでの SSP のホストを可能にする検索アーキテクチャは複数あります。最初のアーキテクチャは、組織全体でコンテンツを同期化する形であり、各地域サイトに、その地域サイトのユーザーが必要とするすべてのコンテンツのコピーが用意されます。組織全体でコンテンツを管理するというこのアプローチについては、「グローバルな情報アーキテクチャとガバナンスを設計する」に説明があります。コンテンツは同期化されるので、WAN を介してコンテンツをリモートでクロールする必要はありません。

次の図に、このアーキテクチャを示します。

同期された検索アーキテクチャ

図の説明

  • 組織全体で共有できるプロジェクトは、コンテンツの作成場所に関係なく、セントラル サイトに発行されます。

  • セントラル サイトにコンテンツが発行された後、プロジェクトの読み取り専用バージョンがすべてのサイトで同期化されます。

  • 各ファームでの検索サービスは、そのファーム内のコンテンツだけをクロールします。

同様に、会社情報も同じ方法で組織全体で同期化されます。これを次の図に示します。

共有サービス プロバイダのグローバル検索シナリオ

このアーキテクチャでは、WAN を介したコンテンツのクロールは必要ありませんが、環境全体でコンテンツを同期化するために WAN リンクを使用する必要があります。WAN のパフォーマンスの影響を最小限に抑えるために、この処理をオフピーク時に実行するようにスケジューリングできます。最大のメリットは、地域ユーザーがローカル検索サービスを使用してコンテンツにローカルにアクセスできることです。このアーキテクチャの場合、WAN リンクの使用時間をスケジューリングして管理することで、ユーザーが各自の仕事を進めるときに、WAN リンクのパフォーマンスが仕事に影響を与えることを防止できます。

次の表に、この検索アーキテクチャの長所と短所を示します。

長所 短所

コンテンツはローカルにクロールされます。

検索クエリのパフォーマンスは、WAN リンクのパフォーマンスの影響を受けません。

検索の関連性はファーム内で保持されます。

複数の SSP により、管理コストが増加します。

組織全体でコンテンツを同期化するため、ソリューションがより複雑になります。

集中型検索 + 分散型検索

集中型検索と分散型検索を組み合わせた検索アーキテクチャを設計できます。このアーキテクチャでは、各地域での検索サービスはその地域のすべてのコンテンツをクロールし、中央ファームは組織全体のすべてのファームでコンテンツをクロールします。

このアーキテクチャの場合、地域ユーザーは、WAN リンクを使用せずにローカル コンテンツを検索できます。地域ユーザーは、中央ファームでクエリを発行することで、グローバル組織全体を検索できます。

次の図に、集中型検索 + 分散型検索アーキテクチャを示します。

分散型検索と集中型検索用のファーム構成

図の説明

  • ファームごとに SSP をホストします。ローカル SSP によって提供される検索サービスが、各地域ファームでローカル コンテンツをクロールします。

  • SSP によって中央ファームで提供される検索サービスも、地域ファームでコンテンツをクロールします。

このアーキテクチャの最大のメリットは、ローカル コンテンツに対するクエリのパフォーマンスが最適化される一方で、オプションとしてグローバル検索が提供されることです。このアーキテクチャは、以下の状況に最適です。

  • 地域ユーザーは、主にローカル コンテンツにアクセスするために検索を行う。

  • WAN リンクは、地域サイトでのコンテンツのクロールをサポートする。

ただし、このアーキテクチャは、集中型検索アーキテクチャと同じように、コンテンツをクロールするために WAN リンクを頻繁に利用します。しかし、オプションとしてローカル検索があるので、グローバル検索は検索アーキテクチャ全体ではそれほど重要な役割を持ちません。クロール スケジュールとサービス レベル アグリーメントで、この点を考慮できます。

次の表に、この検索アーキテクチャの長所と短所を示します。

長所 短所

クエリのパフォーマンスは、ローカル コンテンツで最適化されます。

このオプションでは、集中型検索モデルに比べ、WAN を介したクエリの量が大幅に減少します。

検索の関連性は、検索スコープ (ローカルまたはグローバル) に応じて最適化されます。

複数の SSP により、管理コストが増加します。

WAN を介したコンテンツのクロールで帯域幅が使用されます。

グローバル クエリを実行する地域ユーザーの場合、クエリのパフォーマンスは WAN リンクのパフォーマンスの影響を受けます。

分散型検索

WAN リンクが、グローバル環境全体でのコンテンツの同期化または地域ファームでのコンテンツのリモート クロールを実行できない場合は、地域ファーム レベルのみの検索を提供できます。分散型検索アーキテクチャの場合、各地域ファームが専用の SSP をホストし、各地域の SSP によって提供される検索サービスでは、ローカル コンテンツのみがクロールされます。

次の図に、分散型検索アーキテクチャを示します。

分散型アーキテクチャでの SSP グローバル検索

以下の状況では、分散型検索アーキテクチャの実装を検討してください。

  • 地域サイトの WAN リンクへの接続状態が悪い。

  • 地域サイトが他の地域サイトから自立している。

  • 地域サイトがセントラル サイトとの接続に大きく依存していない (支社が自立的に運営されている会社など)。

  • 地域サイトの数が非常に多く、ビジネス モデルと WAN リンクが集中型モデルをサポートしない (WAN リンクとの接続が十分ではない支社の数が多い会社など)。

次の表に、分散型検索アーキテクチャの長所と短所を示します。

長所 短所

検索の関連性が保持されます。

コンテンツは WAN リンクを介してクロールされません。

企業全体の検索は行われません。

地域ファームのユーザーは、中央ファームのコンテンツを検索するには、そのファームに接続する必要があります。

フェデレーション検索

フェデレーション検索は、Microsoft Office Servers インフラストラクチャ更新プログラムに追加された機能です。この機能は、Microsoft Search Server 2008 にも含まれています。フェデレーション検索を行うと、エンド ユーザーは複数のソースを検索するクエリを発行し、単一の検索結果ページの別々の Web パーツ内に結果を表示できます。検索できるソースは、企業のコンテンツ リポジトリ、その他の検索エンジン、または Search Server インデックスの一部です。フェデレーションを使用すると、コンテンツのクロールとインデックス作成専用のサーバー リソースを用意しなくても、ユーザーがより広範なクエリ結果を使用できるようになります。

サーバー ファームがさまざまな地域に存在する分散環境では、別個のフェデレーション場所を表す各地域でフェデレーション検索を構成できます。各地域の検索結果は、別個のフェデレーション検索結果 Web パーツに表示されます。結果は、受け取ったらすぐに表示できます。たとえば、ローカル サーバー ファームの検索結果は、ほとんどの場合 WAN 接続経由で受け取る検索結果よりも前に返されます。

次の図に、Microsoft Office SharePoint Server が展開された各地域の地理的に分散した環境でフェデレーション検索を使用する方法を示します。

リモート ファームへのフェデレーション検索接続

図の説明

  • 地域ファーム 2 のユーザーがクエリを発行します。

  • クエリ トラフィックは、ローカル ファームの Web サーバーに送信されます。Web サーバーは、クエリをフェデレーション検索場所に転送します。

  • クエリ A とクエリ B は、フェデレーション場所です。地理的に分散したファームに送信されます。

  • クエリ C は、ローカル ファームによって実行されるローカル検索です。

  • 検索結果は、別々の Web パーツの 1 つの Web ページに表示されます。

分散環境でフェデレーション検索を構成する

フェデレーション検索を使用すると、各サーバー ファームは自身のコンテンツをクロールします。Office SharePoint Server を実行するサーバー ファームの場合、これを行うには、各地域ファームに SSP が必要です。 (ローカル サーバー ファームに) OpenSearch フェデレーション場所を作成することにより、Office SharePoint Server を実行するリモート サーバー ファームにフェデレーション接続を作成します。OpenSearch フェデレーション場所は、リモート ファーム上の検索センター内にある検索結果ページの RSS フィードをポイントしている必要があります。種類が "ローカル検索インデックス" のフェデレーション場所を作成することにより、ローカル ファームをフェデレーション検索に含めます。分散環境でフェデレーション検索を実装するには、各ファームに他のファームへのフェデレーション場所を構成します。

次の図に、リモート ファームへのフェデレーション検索接続を詳細に示します。

フェデレーション検索と地域的分散 : 地域ごとに展開

図の説明

  • 中央ファームでは、企業情報サイト コレクションに検索センターが追加されます。この検索センターでは、ユーザーがファーム全体を検索できるようにする範囲が構成されています。この検索センターには、検索結果ページが存在します。このページでは、RSS フィードが有効になっています。

  • 地域ファームでは、フェデレーション検索接続 (図中の A) が中央ファームの検索結果ページに接続するように構成されています。これにより、地域ファームのローカル ユーザーは、中央ファームのコンテンツ全体を検索できます。

複数のサーバー ファームが存在する環境の多くでは、サーバー ファームのすべてのコンテンツが、近くにある他のファームのユーザーに関連しているわけではありません。たとえば、特定の地域の企業ポリシーがその地域にのみ適用される場合があります。検索する他の地域のユーザーに関連するコンテンツのサブセットがあることがわかっている場合、コンテンツの関連するサブセットを検索範囲とする範囲をファームで作成します。リモート ファームへのフェデレーション接続を作成するときは、同じ検索結果ページの RSS フィードに接続しますが、範囲を URL パラメータとして追加します。たとえば、https://server/searchcenter/_layouts/srchrss.aspx?k={searchTerms}&s=<yourcustomscope> などです。

検索センターの実装の詳細については、次の記事を参照してください。

フェデレーション検索場所の作成と構成が終了したら、これらの各場所をフェデレーション検索結果 Web パーツに接続して、検索センターに表示された場所からユーザーが結果を参照できるようにする必要があります。ファームごとに異なるフェデレーション検索結果 Web パーツを構成します。フェデレーション検索結果 Web パーツのプロパティを構成するときは、必ず結果を非同期的に表示するオプションを選択してください (これは既定の設定です)。この設定では、結果が受け取り後すぐに表示され、結果が表示され始めるまで遅い接続を待機する必要はありません。既定では、非同期が選択されていない場合、各フェデレーション場所の結果が返されるかタイムアウトするまで、結果が表示されません。タイムアウト期間は 90 秒に設定されており、変更できません。

フェデレーション検索を使用するときの重要な考慮事項として、検索結果のセキュリティによるトリミングについて検討します。既定では、検索結果のセキュリティによるトリミングは、次の場所から返される結果に適用されます。

  • ローカル検索インデックスの場所 (ローカル ファーム)

  • 共通資格情報 (すべてのユーザーの資格情報の単一のセット) を使用する OpenSearch の場所

  • ユーザー単位 Kerberos 認証を使用する OpenSearch の場所

ただし、ユーザー資格情報は、Kerberos 以外の認証プロトコルには自動的に渡されません。このようなシナリオで、現在のユーザーの結果にセキュリティによるトリミングが適用されるようにするには、フェデレーション検索結果 Web パーツを拡張してユーザー資格情報を収集します。詳細については、「Creating a Custom Federated Search Web Part with a Credentials UI [Search Server 2008] (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=121779&clcid=0x411) を参照してください。

さらに、複数のフェデレーション場所の上位結果が表示される上位フェデレーション検索結果 Web パーツの使用も検討します。ただし、この Web パーツは、結果が同期的に表示されるように構成されており、この設定は変更できません。したがって、ページ読み込み時間の長さは、上位フェデレーション検索結果 Web パーツで構成された最も遅い場所に合わせた長さになります。Kerberos 認証を使用しない場合に、各ユーザーの OpenSearch の場所 (ローカル ファーム以外のすべての場所) の検索結果にセキュリティによるトリミングが適用されるようにするには、この Web パーツを拡張してユーザー資格情報が収集されるようにする必要もあります。

最後の点として、フェデレーション検索により複数の検索ソースが表示されますが、ユーザーが使用できるのは標準検索オプションだけです。フェデレーション検索では、高度な検索オプションを使用できません。

Windows SharePoint Services を実行するファームでフェデレーション検索を使用する

Windows SharePoint Services を実行するファームでフェデレーション検索を使用するには、Windows SharePoint Services を実行するファームから、Search Server 2008 Express または Search Server 2008 を実行するファームにアップグレードします。アップグレードすると、各コンテンツ データベースのみを範囲とする検索ではなく、Windows SharePoint Services を実行するファームのファーム全体検索を実行できるようになります。加えて、結果で RSS フィードを使用するには、検索サーバーが必要です。RSS は、リモート ファームへの OpenSearch フェデレーション場所を作成して、集約されたページに結果が表示されるようにするために必要です。

次の図に、Search Server 2008 にアップグレードされた Windows SharePoint Services を実行するファームが地域に存在する地理的に分散した環境を示します。

地理的に分散された環境 : ファームは地域においてアップグレード

フェデレーション検索の概要

地理的な展開でフェデレーション検索を使用することには、多くの長所があります。フェデレーション検索により、WAN 接続経由でコンテンツをクロールしたり、WAN 接続経由で接続を同期する必要がなくなります。結果を別個の Web パーツに表示すると、ユーザーがコンテンツの場所を見分けやすくなり、ローカル コンテンツを識別しやすくなります。コンテンツの場所がわかると、ユーザーは関連している可能性が高い結果を調べやすくなります。

しかし、このアーキテクチャにはいくつかの欠点があります。まず、検索結果で企業全体の関連性を実現することができません。代わりに、関連性の範囲は各フェデレーション場所に限定されます。次に、リモートの場所に対するクエリのパフォーマンスが WAN リンクの影響を受けます。ただし、通常、ユーザーはローカル ファームの結果をかなり早く受け取ります。

次の表に、フェデレーション検索アーキテクチャの長所と短所を示します。

長所 短所

企業全体の検索を行うことができます。

検索可能なドキュメントまたはアイテムの数に制限がありません。

コンテンツが WAN リンクを介してクロールまたは同期されません。

ローカル コンテンツに対するクエリのパフォーマンスが最適化されると同時に、リモート コンテンツの結果を得ることができます。

ユーザーは、場所ごとに別個に接続しなくてもさまざまな場所を検索できます。

各コンテンツ ストアを個別に管理できます。

地域ファームで、Office SharePoint Server の代わりに Windows SharePoint Services を Search Server 2008 と共に使用できます。

Kerberos 認証を使用する場合、ローカル ファームとリモート ファームに対してセキュリティによるトリミングが保持されます。

検索の関連性が企業全体で実現されません。関連性の範囲は各コンテンツ ソースに限定されます。

複数の SSP を管理したり、Search Server 2008 を展開すると、管理コストが増加します。

リモートの場所に対するクエリのパフォーマンスが WAN リンクの影響を受けます。

コンテンツが環境全体で同期されないため、ユーザーは帯域幅の利用がピークのときに WAN リンク経由でドキュメントをダウンロードすることになります。

ユーザーは高度な検索オプションを使用できません。

Kerberos を使用しない場合、検索結果のセキュリティによるトリミングを保持するには、フェデレーション検索結果 Web パーツを拡張する必要があります。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

Office SharePoint Server でサポートされるグローバル ソリューション
グローバルな情報アーキテクチャとガバナンスを設計する
帯域幅要件を計画する